平成16年10月26日
(報道発表資料)
日本電信電話株式会社
NTTレゾナント株式会社


第3世代検索サービス創出をめざし
「ナビゲーション・プロジェクト」始動
―「gooラボ」から新技術続々発信―


 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)と、ポータルサイト「goo」を提供するNTTレゾナント株式会社(以下NTTレゾナント、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗克行)は、ビジネスや娯楽など生活のさまざまな場面で必要となる情報に、適切に出会えることを実現する第3世代検索サービスの実現を目指し、共同実験プロジェクト「ナビゲーション・プロジェクト」を立ち上げ、これまでNTTの研究成果を実フィールドで評価する場として運営してきた「gooラボ」」(http://labs.goo.ne.jp/)上にてさまざまな公開共同実験を行います。

 本プロジェクトは、日々増え続けているインターネット上の情報を有効に活用するための新しいナビゲーション技術を広くお客様に直接体験していただき、お客様の生の声を研究開発にフィードバックすることで、技術・サービス双方の早期充実を図ることを目的とします。その活動の第一弾として、この度NTTサイバーソリューション研究所(以下SL研)が開発した技術をもとに以下の4つの実験を開始致します。

■検索支援実験「トピック・マスター(TopicMaster)」
■ブログ検索実験「ブログスコープ」
■パーソナライズ実験「パーソナルサマリ」
■最新話題提示実験「ホットウィンドウ+(HotWindow+)」


1. 「ナビゲーション・プロジェクト」始動の背景
 ブロードバンドの普及に伴い、日常活動のさまざまな場面でインターネットを利用する機会が増えておりますが、その中でも特に中心的な役割を果たす検索サービスの領域が急激に広がろうとしております。これまで検索サービスは、インターネットの普及段階と呼応して、主要情報を案内する第1世代のディレクトリー型、情報の大量化に伴いキーワードによる直接検索を可能とする第2世代の検索エンジン型と進化してまいりました。そしてこれからのインターネット利用の多様化、広範化時代には、第3世代として、利用者が必要な情報に様々なスタイルで出会うことを支援するナビゲーション型検索サービスの時代に入ると考えています。
 SL研では、必要なときに必要な情報に必要な形で出会えるための技術として、(1)探すこと、(2)気付くこと、(3)自分流にすること、を軸とする「サイバー・ナビゲーション技術」の研究開発を進めておりますが、実際のサービス化に結びつけるためには、より多くの方に使っていただき、新技術の受容性とサービス性の検証を進めることが重要と考えております。
 また、NTTグループを代表するポータルサイト「goo」(http://www.goo.ne.jp/)を提供するNTTレゾナントでは、日常生活のあらゆる行動の起点となりつつあるポータルサービスの利便性向上が今後ますます重要になるとの認識から、お客様と市場の要望にマッチしたタイムリーなサービス提供を目指しております。そのためには、サービス開発の初期段階からユーザのご意見を伺うことが重要であると考え、公開実験の場である「gooラボ」を通じて、多くのお客様に新しい技術を体験していただき、生の声に基づく新たなサービスの可能性を探ってきました。
 このような背景から、今回両社は、第3世代検索サービス実現に向けた取り組みを強化するため、「ナビゲーション・プロジェクト」を立ち上げ、これまでNTTの研究成果を実フィールドで評価する場として運営してきた「gooラボ」を活用し、新たに第3世代検索という共通の目標を掲げ、従来個別に行ってきた実験*1も加えて「gooラボ」上で公開共同実験をより積極に展開し、新たなサービスの開発に取り組むものです。(別紙1


2.実験の概要
 本プロジェクト始動にあたり、まず以下の4つの公開実験を開始いたします。
 (1) ニュース記事分類・検索実験「トピック・マスター(TopicMaster)」(別紙2
ニュース記事に対するキーワード検索結果の中から共通する主要なトピックを発見し、このトピックを元に、検索結果を更に分類提示します。検索結果の全体像を把握しやすくなるとともに、トピックを手がかりにスピーディーに目的の情報が探せます。
[実験期間] 2004年10月26日〜2005年1月末
 (2) ブログ検索高度化実験「ブログスコープ」(別紙3
ブログサイトが提供している新着情報の全文検索や、類似したブログ記事の検索、特に話題になっている記事の検索を効率よく行うことができます。
[実験期間] 2004年10月26日〜2005年1月末
 (3) ウェブページパーソナライズ高度化実験「パーソナルサマリ」(別紙4
個人の好みに合わせ、情報を自由にクリッピングできます。ウォッチしておきたいブログサイト等を指定し、ドラッグ&ドロップで大変簡単に自分好みのレイアウトに組み合わせ表示させることができます。
[実験期間] 2004年10月26日〜2005年3月末
 (4) 最新話題提示実験「ホットウィンドウ+(HotWindow+)」(別紙5
ニュースサイトやブログサイト等に掲載されている最新の話題をキーワードとして抽出し、グラフィカルに提示します。世の中で話題になっている最新の情報を、利用シーンに合わせた3種類のインタフェースを介して気付かせてくれます。
[実験期間] 2004年10月26日〜2005年2月末


3.実験内容
 (1) ニュース記事分類・検索実験「トピック・マスター(TopicMaster)」について
 新たに開発したニュース記事分類・検索技術は、以下の3つの要素技術により構成され、大量のニュース記事の検索結果から、利用者が欲しい情報を簡単に取得することを可能としました。従来のランキング手法による検索結果分類方式を用いた場合に比べて、絞り込み検索を行った場合の適合率(検索条件に適合していると思われる確率)を約2倍に向上させることが可能です。
 本実験では、ニュース記事の検索結果を分類する「分類ラベル」*2群の提示方式の評価と、検索結果分類による検索結果の概観性向上実現について検証を行います。
<1> 【固有表現抽出技術*3による高精度ラベル抽出】
新たに開発した、文書情報から人物名や組織名、場所などの固有表現を精度良く自動抽出する技術を用いることで、ニュース記事のトピックを把握するのに有用な情報を「分類ラベル」に用いた検索結果の分類・提示が可能となりました。
<2> 【重要「分類ラベル」選択技術】
検索結果に含まれる固有表現を「検索結果中での重要性」「検索条件との関連性」の2つの基準でスコア付けする新しいランキング手法を開発しました。この手法を用いることで、検索結果の主要なトピックとなる固有表現を的確に選択し、検索結果の絞り込みに有効な「分類ラベル」として提示することが可能となりました。
<3> 【カテゴリ別提示技術】
今回開発した、「分類ラベル」を固有表現の種別毎にカテゴリ分けし、絞り込み効果の高い「分類ラベル」群から構成されるカテゴリを上位に優先的に提示する方式により、検索結果の概観性向上と絞り込み適合率向上を実現しています。

 (2) ブログ検索高度化実験「ブログスコープ」について
 これまでのブログ検索サービスでは、各ブログからRSS*4として提供されている概要文を対象とした検索にとどまっていましたが、本実験では、ブログ記事の全文検索を可能とし、さらに、ブログ記事を通して個人の関心事を知るのに有用な類似ブログ検索を可能とした本格的なブログ検索サービス技術の検証を行います。
<1> 【基本ブログ検索】
RSSの情報(概要情報)に加えて、収集したブログ記事本文を検索対象とすることで、より的確な検索を実現しています。
<2> 【類似ブログ検索】
実施中の「ニュース記事表示高度化実験」で用いている「高効率類似文書検索エンジン」をブログ検索に適用しています。
<3> 【話題リンク表示】
収集したブログ記事本文に含まれるリンクをURL別に集計することで実現しています。

 (3) ウェブページパーソナライズ高度化実験「パーソナルサマリ」について
 「パーソナルサマリ」は、自分好みのコンテンツを自由に配置して閲覧したいというコンテンツ閲覧に対するカスタマイズ要望に応えるため、ブラウザ上で簡単にコンテンツ配置のカスタマイズを可能にする技術(ブラウザインタフェースパーソナライズ技術)をRSSに適用して実現したRSSリーダです。
 gooが提供する各種検索フォーム、RSSコンテンツ、および一般のニュースサイトやブログサイト等から配信されるRSSコンテンツを、ドラッグ&ドロップでページ上に自由にレイアウトし、各個人の嗜好に合ったウェブコンテンツへのアクセスを可能とします。専用ソフトのインストールが不要で、一般のブラウザで利用できます。
 本実験では、提供されているRSS情報などのコンテンツを自由にレイアウトするインタフェース技術とシステム耐性能力、システム受容性の検証を行います。

 (4) 最新話題提示実験「ホットウィンドウ+(HotWindow+)」について
 「ホットウィンドウ+(HotWindow+)」は、ニュースやブログを数十個のジャンルに分け、それぞれのジャンルにおいて最新で、かつ、ホットな話題語を抽出し提示します。利用者は、自分の興味あるジャンルを選ぶことで、関心のあるジャンルの話題をタイムリーに取得できます。また、盛り上がりの大きなジャンルの話題を自動的に提示することにより、普段は関心を寄せていないジャンルからの話題に気付くことが可能となります。
 本実験では、話題語として選んだ語の妥当性と、話題語を提示したことによるコンテンツ閲覧への誘導効果について評価・検証します。
<1> 【最新話題語抽出技術】
ネットワーク上のニュース記事やブログ記事を数十個のジャンルに自動分類*5し、分類された各記事の新鮮度と、類似した記事の数とから話題性の高い記事を抽出します。さらに、他のジャンルで抽出された記事と比較することで特徴的な話題語を選定します。本技術により、多くの最新記事で扱われている話題で、かつ、そのジャンルに特徴的となる話題語の抽出を実現しています。
<2> 【ジャンル話題語統合技術】
個人の関心が盛り込まれるブログと、主に時事情報を扱うニュースとでは、その発信量も扱う話題も異なります。これらを、ジャンルの盛上り度に注目することで統一的に扱い、ジャンルごとの話題語の統合を実現しています。
<3> 【気付き支援インタフェース技術】
ユーザの利用シーンに応じた3種類のインタフェースによって、話題へのタイムリーな気付きを支援します。また、話題語の抽出元となった記事や関連語を提示することにより、気付きによって発生した興味のシームレスな情報取得へ導きます。


4.今後の予定
 今後は、本実験で得られたデータを基に、サービス性評価と受容性の検証を行いながら、次々と新しいサービス技術の実験を行う予定です。
 NTTは、実験の技術的な評価とフィードバックを行うことで、サイバー・ナビゲーション技術の研究開発促進を目指します。また、NTTレゾナントでは、「gooラボ」において学術機関等との共同実験展開を図るなど、オープンなスタンスでの取り組みも行っていくことで、最も快適なナビゲーションサービスの実現を目指します。


【用語説明】
*1 従来から公開実験を行ってきた項目は下記に示すとおりです。
(1) ニュース記事表示高度化実験
個人の興味にマッチしたニュースをピックアップする機能と、閲覧中のニュースに関連する記事を表示する機能を提供中。
(2) 日本自然文検索実験
日本語で質問文を入力すると回答を探し出してくれる検索方式を提供中。
(3) 3Dウェッブ検索実験
検索結果のウェブページを3次元空間内で多数同時に総覧できます。3Dウェブ検索の他、10/1に提供開始した「goo自動車&バイク」とも連携を強化した3D中古車検索なども公開しています。
*2 分類ラベル
検索結果を分類した個々のクラスの内容を示す情報のことです。検索結果の主要なトピックから構成されます。
*3 固有表現抽出技術には、NTTコミュニケーション科学基礎研究所で開発された技術を利用しています。
*4 RSS=RDF Site Summary
WWW(World Wide Web)で用いられる技術の標準化を行なう国際機関"W3C(World Wide Web Consortium)"が、2000年12月に1.0が定められたXML(eXtensible Markup Language)規格のひとつ。当該ウェブページに記述された文章の見出しやハイパーリンク、要約などを記述しておき、当該ページの紹介を行なうための規定。RSSを収集・管理することで、ページ全体を検索しなくても特定の志向にあったページのリンク集を作ることができる。
*5 Webページから得られる文書の自動分類には、NTTコミュニケーション科学基礎研究所で開発されたPMM(Parametric Mixture Models)を利用しています。



別紙1 gooラボトップイメージ図
別紙2 ニュース記事分類・検索実験(TopicMaster)
別紙3 ブログ検索高度化実験(ブログスコープ)
別紙4 ウェブページパーソナライズ高度化実験(パーソナルサマリ)
別紙5 最新話題提示実験(HotWindow+)




本件に関する問合せ先

NTTサイバーコミュニケーション総合研究所
企画部広報担当 定方・山下
Tel:046-859-2032
E-mail:ckoho@lab.ntt.co.jp

NTTレゾナント ポータル事業本部
Tel:03-5224-5500
E-mail:pr@nttr.co.jp


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