News Release

2004年11月29日


迷惑メール対策を実現する
「privango(プリバンゴ)メールシステム」を開発

〜利用条件が設定できるメールアドレスサービスの公開実験を開始〜


 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)は、利用者が自由に利用条件を設定できる条件付ID技術「privango(プリバンゴ)」(※1)、ならびに本技術の適用により迷惑メール(※2)対策などを実現できる「privangoメールシステム」を開発しました。これに伴い、本システムによるメールアドレスサービスの有効性を検証評価するため、公開実験を、11月29日からインターネット上の実験サイトhttp://www.privango.jp/で開始します。
 「privango」は、NTT研究所が開発した先進的なID技術で、メールアドレスを始めとする様々なプライバシー情報を暗号技術によって守ることを可能とします。本システムでは、「privango」をメールアドレスに適用することで、利用者が現在使用しているメールアドレスを基に、利用条件が設定された条件付メールアドレスの提供を可能とします。このシステムでは、用途ごとに、有効期限やメールの相手などを限定する任意の利用条件を、利用者自らが手軽に設定できます。
 これにより利用者は、設定した利用条件が暗号化された条件付メールアドレス(図1)でメールサービスを利用でき、条件に合致しないメールはメールサーバによって自動的にブロックされるため、万が一、条件付メールアドレスが漏えいしても、詐欺や執拗な勧誘などの迷惑メールを予防することが可能になります。
 また、本システムは通常の迷惑メール対策技術と異なり、暗号技術を利用していることで、利用条件などのメールアドレスごとの情報をサーバで保持する必要がなくなっているため、利用者の希望に応じて利用条件の異なるメールアドレスを手軽にいくつでも提供でき、低コストできめ細かいメールアドレスサービスの提供が可能になります。


<開発の背景>
 現在、電子メールはパソコンや携帯電話などのインターネットを介して様々な場面で使われるようになり、使い方に関するニーズがより高度になっています。メールをやり取りする範囲も、家族、知人、同僚などだけでなく、Webサイトなどを介して不特定の人々へと広がっています。
 しかし、このようにメールの利用機会が増えている一方で、メールアドレスなどの個人情報が漏えいし、架空請求などに不正使用される事件が発生しており、迷惑メールの不安がクローズアップされています。いったん迷惑メールが届くようになってしまうと、そのアドレスへの迷惑メールを根絶することは極めて困難になります。
 迷惑メールの防止策としては、現在、フリーメールなど相手や目的に応じた複数のメールアドレスの使い分けがありますが、アドレスの数を増やすたびに会員登録操作が必要となり、その管理にも手間がかかるため、利用者自らが手軽に活用できる自衛策とは言い難いのが実情でした。
 この様な状況からNTTでは、世界に先行して脈々と培ってきた暗号技術ならびにセキュリティ技術に基づき、有効期限やメールの相手などを誰でも手軽に設定でき、なおかつ高いセキュリティ効果が望める条件付ID技術「privango」を開発し、それとともに、本技術をメールアドレスに適用した「privangoメールシステム」を開発しました。


<公開実験の概要>
 privangoメールシステムによるメールサービスを広くインターネットユーザの皆様にお使いいただき、サービスの有効性を検証評価するために「privangoメールサービスの公開実験」を実施します。
実験期間 : 2004年11月29日から2005年3月10日
参加申し込みURL (実験サイト) : http://www.privango.jp/
 
NTTレゾナント(株)が運営するWebメールサービス「gooメール」(http://mail.goo.ne.jp/)からも実験サイトにリンクしています。


<利用イメージ>
 privangoメールシステムでは、初めての相手の場合でも安心してメールアドレスを伝えることができます。ここでは具体的な利用イメージとして、Webサイトへのメールアドレス登録を挙げます(図2)。
懸賞応募やメールマガジンなど様々な便利なWebサイトがありますが、これらのWebサイトを利用する際にはメールアドレスの登録が必要です。
そこでまず、希望する利用条件(有効期限、通信相手、など)を設定した条件付メールアドレスを、privangoメールシステムから取得します(発行サーバから振り出される)。
条件付メールアドレスをWebサイトに登録します。
これにより、万が一、Webサイトからの何らかの不正によってメールアドレスが漏えいしても、一定の期間が経過すれば、そのアドレス宛のメールはすべてメールサーバでブロックされて転送されないので、迷惑メールなどの心配がなくなります。


<技術のポイント>
(1)様々な利用条件が設定可能
 メールアドレスに設定が可能な利用条件には、以下があります。
利用可能な期限日(例えば、2004年11月30日まで利用可能)
相手のメールアドレス(例えば、abcdefg@ntt.co.jpの相手のみ利用可能)
相手のメールアドレスのドメイン(例えば、ntt.co.jpのドメインのみ利用可能)
件名(subject欄)の特定のキーワード(例えば、件名欄に“NTT”が存在する場合のみ利用可能)

(2)暗号技術を用いた条件付メールアドレスによりアドレス管理コストを低減
暗号技術で利用条件をメールアドレスに埋め込むことにより、ニックネーム部+利用条件部で構成される形式(例:yamada.ua4vwpfbtfzz2as@privango.jp) のアドレスが生成されます(図1)。
利用条件が暗号化されているため、第3者による条件の解読や変更は不可能であり、不正利用を防止できます。
privangoメールシステムのメールサーバでは、復号により転送先メールアドレスやその利用条件などの情報を得られるため、データベースとして保持する装置を必要としません。これらにより、安全なメールアドレスを低コストで数に制限なく発行できます。


<今後の予定>
 NTTでは今回の公開実験の結果を踏まえ、「総合プロデュース機能(※3)」を活用しprivangoメールシステムの商用化を進めていくと共に、メールシステム以外の多様な用途への適用を視野に入れ、誰もが安心して快適に利用できる新しいインターネットスタイルを提案できるよう、今後も継続して研究開発を推進していきます。


<用語解説>
※1 privango
 プライバシー(privacy)やプライベート(private)の「priv」と、暗号(ango)の「ango」を組み合わせたNTTの造語。商標登録済。

※2 迷惑メール
 利用者の同意なしにパソコンや携帯電話などに勝手に送られてくるメール。日本だけでなく、海外でも同じような問題が発生しており、悪質な不正請求のメールなどが社会問題化している。

※3 総合プロデュース機能
 総合プロデュース機能とは、事業化の責任者として指名されたプロデューサがNTTグループ内外の企業と協力しながら、NTT研究所の優れた研究成果の事業化を直接推進していく取り組みであり、2003年7月から開始いたしました。NTTは今後も総合プロデュース機能により、さまざまな研究開発成果を幅広く事業化推進していく予定です。



図1 条件付メールアドレスの例
図2 懸賞応募での利用シーン例




【本件に関するお問い合わせ】
NTT情報流通基盤総合研究所
企画部 広報担当 遅塚(ちづか)、佐野、井田
TEL:0422-59-3663
E-mail:koho@mail.rdc.ntt.co.jp


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