(報道発表資料)
2005年9月13日
日本電信電話株式会社
NTTエレクトロニクス株式会社


0.165ccの超小型指紋認証モジュール「μFP」を製品化
〜指紋の読取から認証まで全て実行、携帯機器から家電製品まで用途広範〜


  日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)、NTTエレクトロニクス株式会社(以下NEL、本社:東京都渋谷区道玄坂、代表取締役社長:戸島知之)の2社は、安全性の高い小型指紋認証(注1)装置の開発を進めてきましたが、このたび、実装体積0.165ccの超小型指紋認証モジュール「μFPとして製品化を完了し、10月1日からNELよりサンプル出荷を開始します。

 μFPは、指紋の読取から認証までの全ての処理を、僅か11mm×15mm×1mmのパッケージ内で実行するため、指紋データの外部への漏洩を懸念することなく、セキュリティの向上を実現できます。
 この結果、指紋認証をノート型PC、PDA、携帯電話等はもとより、プロセッサを持たない様々な機器への適用も可能とし、高セキュリティ化を安価にしかも容易に実現できます。

 μFPは、NTTマイクロシステムインテグレーション研究所が培ってきた1チップ指紋認証LSI構成技術をベースにし、NTTの「総合プロデュース機能」(注2)に基づき、NELと事業化を進めてきたものです。

 尚、μFPに関する情報は、第7回自動認識総合展(9月14日〜16日に東京ビッグサイトで開催)において紹介します。

μFP(Micro Fingerprint sensor, memory and identification Processor module)は、NELの登録商標で「マイクロ・エフ・ピー」と読みます。


1.開発の背景

 度重なる情報漏洩事件、2005年4月からの個人情報保護法の全面施行に伴い、これまで以上に情報管理の重要性は高まるばかりです。このため、携帯性に優れた本人認証の手段に対する関心や具体的な要求も高まっています。
 本人認証の手段としては、パスワード認証が幅広く用いられてきました。しかし、パスワードは忘却を防ぐために、誕生日や電話番号等の個人属性を含めたキーワードで編集する場合が多く、他人による推測も容易となる問題がありました。
 このため、忘れる心配も無く、他人が本人になりすますことが困難な生体情報(指紋、虹彩、声紋、網膜、静脈(指、手の平、手の甲)、掌形、顔等)を使ったバイオメトリクス認証(注3)の研究が進められていますが、認証精度とコストのバランスに優れ、かつセンサのサイズが小さいという点で、さまざまな用途への展開が期待されているのが指紋認証です。現在、入退室管理システム、PC周辺機器、ノートPC、携帯電話等に普及しつつあります。今後更に、モバイル環境での利用や、家庭生活の中にまで指紋認証の適用領域を拡大するためには、認証精度の向上と合わせて、装置の更なる小型・軽量・低コスト化、センサと認証機能の一体化、低消費電力化、指紋データの安全な管理、などの要求に答える必要があります。
 これらの課題を解決するために、NTT研究所とNELは、指紋センサと認証処理回路を1チップに混載する指紋認証LSIのアーキテクチャを考案し、指紋の読取から認証までの全ての機能を実現可能な1チップ指紋認証LSIを世界に先駆け開発しました。
 この1チップ指紋認証LSIは、指紋センサと認証回路を混載したピクセルをアレイ状に並べた認証アレイと、このアレイを制御するコントローラから構成されます。認証アレイは、コントローラの制御により、指紋の読取、読取った指紋データの画像処理および登録指紋データとの照合を各ピクセル毎に並列に行います。このため、指紋の読取から認証までの処理を高速かつ低消費電力で実行できます。この1チップ指紋認証LSIとメモリを1パッケージに実装して、超小型指紋認証モジュール「μFP」を実現しました。

2.μFPの特長
 主な諸元(表1)、写真、外形(図1)、内部構成と適用例(図2)を別紙に示します。

(1) 世界に先駆け、指紋の読取から認証まで全ての機能を1パッケージ化
  静電容量式指紋センサ、指紋認証処理回路、登録指紋メモリ等、全ての認証機能をパッケージサイズ11mm×15mm×1mmに実現しました。
(2) 認証用のプロセッサや認証処理ソフトの開発・検証が不要なため、組込みが簡単で、安価にセキュリティ製品化を実現
  例えば、適用の機器からは、「認証せよ」とコマンドを発信し、超小型指紋認証モジュールμFPからの認証結果(「本人です」)を受信するだけです。
(3) モバイル機器への搭載を想定し、入出力電圧は1.7V〜3.6Vに対応
(4) 高速・高精度認証を実現
  認証速度は1秒以内で、本人拒否率1%以下、他人受入率0.01%以下を実現しています。

3.主な用途
 μFPの用途として以下を想定しています(図2)。

(1)ノート型PC
(2)PDA
(3)携帯電話
(4)PC関連周辺機器
(5)情報家電
(6)指紋認証付き保管庫
(7)車のエントリーキー
(8)ICカード

4.販売価格等

(1)サンプル価格:3,000円程度(購入数量により変動します)
(2)出荷開始時期:平成17年10月1日
(3)販売形式 :NELによる直販



■ 用語解説
(注1) 指紋認証 
指紋を使って本人確認を行う認証の仕組みです。予め登録した指紋データと照合する事によって本人を確認します。セキュリティ面での信頼性・利便性が高く、今後ますます注目されるバイオメトリクス(注3)技術の一つです。
(注2) 総合プロデュ−ス機能 
総合プロデュース機能とは、事業化の責任者として指名されたプロデューサがNTTグループ内外の企業と協力しながら、NTT研究所の優れた研究成果の事業化を直接推進していく取り組みであり、2003年7月から開始しました。NTTは今後も総合プロデュース機能により、さまざまな研究開発成果を幅広く事業化推進していく予定です。
(注3) バイオメトリクス認証 
人間の一人一人の身体的特徴を使って本人確認を行う認証の仕組みです。暗証番号やパスワードに比べて忘れる心配がなく、また、なりすましの可能性も低いので、近年益々注目されています。使用される身体的特徴は、指紋、虹彩、声紋、網膜、静脈(指、手の平、手の甲)、掌形、顔、署名による入力パターン認識と様々なものが利用可能です。



(別紙)




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