News Release

(報道発表資料)
2005年11月8日


「曲げ」「折り」「結び」が自在にでき接続も簡単な光ファイバコードを
世界に先駆けて商用化

〜専門家でなくても誰でもD.I.Y.感覚で光ファイバの配線が可能な時代に〜


 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)は、さきにNTTが世界に先駆けて実用化への道を開いた新構造光ファイバ「ホーリーファイバ(http://www.ntt.co.jp/news/news03/0312/031217.html)」(※1)を用い、従来の光ファイバでは不可能とされていた配線上の自由度を持つ画期的な光ファイバコードをNTTとそのグループ会社等が総力をあげて開発し、年内を目処に商用化の予定です。
 従来の光ファイバは、強く曲げたり折り返したりすると、ファイバ内の光信号が外に漏れて通信が途切れてしまいますが、今回開発した光ファイバコードは、直角曲げや結んだ状態だけでなく、折り返しても通信が可能で、これまでの光ファイバコードと比較して格段に取り扱いやすさが向上しているため、家庭内に光コンセント(※2)さえあれば、市販の延長用の電気コードや電話コードを配線するように、特別の専門知識がなくても誰でも簡単にD.I.Y.感覚で屋内の光ファイバ配線工事ができるようになります(図1)。
 NTTでは現在、「2010年には、3,000万のお客様に光アクセスと次世代ネットワークサービスを提供する」との経営目標を掲げ、グループを挙げて光サービスの拡大普及に向けたネットワークの光化を推進しています。本品は、これまで課題とされてきた光ファイバ配線工事の作業効率の向上を実現し、今後の光回線の大量開通を支援する画期的な光ファイバコードです。


<開発の背景>
 光サービスの急速な普及で、一般の家庭内に光ファイバが配線されているのが当たり前の時代になりつつあります。そうした中、これまでの光ファイバは、折り曲げるなど、過度に曲げを加えると通信ができなくなるため注意が必要であったり、接続作業には特殊工具が必要であり、その取り扱いには専門的な知識が求められてきました。特に屋内配線は、お客様のライフスタイルに合わせて端末の移設ができるように光ファイバの余長をあらかじめ確保しますが、大きく束ねられた余長部は、お客様にとって邪魔になるばかりか美観を損ねるのが実情でした。
 今後さらに光ファイバ回線を短期間で大量に開通し、お客様に十分に満足して頂けるように配線するには、専門的な知識がなくても、メタルケーブル並みに扱え、簡単且つ美しく光ファイバを配線できる方法が望まれてきました。


<本品の特徴>
 本品は曲げに強い「ホーリーファイバ」とそれを保護するコード被覆部および新開発のコネクタからなっています。それぞれ以下のような特徴有しており、従来の光ファイバには見られない優れた光学特性ならびに機械的特性を実現しています。

(1)空孔アシスト型ホーリーファイバの採用

 本品のホーリーファイバは、宅内光配線に要求される光学的特性及び機械的特性を考慮し、「コア部」に高屈折率ガラス、その外周に空孔付きガラスを有する、空孔アシスト型ファイバを使用しています(図2)。空気の屈折率は、石英ガラスに比べ十分小さく、漏れそうになった光を逃がさない反射材の働きをすることから、光を閉じ込める効果が高まります。光を閉じ込めるこの効果により、どのような「曲げ」「折り」「結び」でも光を通すことができています。

(2)優れた柔軟性と側圧特性を有する光コード部

 光コードの外径は4mmφに設定し、曲げたり、踏みつけても中の光ファイバへの負担を軽減する構造となっています。また、取り扱い性が悪くならないように、しなやかに曲がる柔軟な材料を採用しました。これにより、光コード部は端末周りの配線を容易に行えるように、しなやかに曲がる柔軟性と、誤って椅子のキャスター等で踏みつけても、中の光ファイバに影響がない側圧特性を有しています。また、光ファイバの余長部分を結んだり束ねたりしても、コードに癖がつきにくい点も大きな特徴です。

(3)防塵機能と簡易清掃機能を有するコネクタ部

 コネクタ部は標準のSCコネクタ(※3)との互換性があり、一般の専門的な知識のない方が抜き差ししても埃がコネクタ端面に付着しづらい防塵機能を有しています。それに加えて、かりに光コードの端面に埃が付着した場合でも簡単に除去できる簡易清掃機能も備えています。


<主な仕様>
光コード部
・空孔アシスト型光ファイバ 単心コード
・コード外径 φ4.0mm
・コード長 1.5m、3m、5m
コネクタ部
・標準SC形光コネクタと互換性あり
・コネクタ端面の簡易清掃及び防塵機能


<今後の展開>
 本品は、専門的な知識がなくても簡単かつ安心してご利用いただけるように、NTT研究所の先進の研究開発成果がふんだんに盛り込まれた世界でも前例のない画期的な光ファイバコードであり、年内を目処に商用化の予定です。また、光コンセントと光終端装置(ONU)の間をつなぐ以外にも、お客様宅内の部屋間の配線、マンション・オフィスといったビル構内での配線など、幅広い適用に向けてさらなる技術検討を継続的に行っていきます。


<用語解説>
※1 ホーリーファイバ(Holey fiber)
 空孔構造を有する光ファイバの総称。代表例に空孔アシスト型(高屈折率コア、数個の空孔)、フォトニック結晶型(石英ガラスコア、数十個の空孔)、フォトニックバンドキャップ型(中空コア、数十個の空孔)などがある。

※2 光コンセント
 電話のモジュラージャックに相当する。光のコネクタインタフェースを有し、スイッチボックスにはめこむ「埋め込みタイプ」と壁面に設置する「露出タイプ」がある。

※3 SCコネクタ
 NTT研究所の基礎研究段階からの光部品開発によって生み出された光コネクタ。加入者系の光アクセスシステムの開発と共に経済化光コネクタとして誕生し、事実上世界標準の光コネクタとなっている。



図1   D.I.Y.が可能な光コード(「NTTグループ中期経営戦略」2004月11月10日リリース写真)
図2   ホーリーファイバの断面図



【本件に関するお問い合わせ】
NTT情報流通基盤総合研究所
企画部 広報担当 遅塚(ちづか)、佐野、井田
TEL:0422-59-3663
E-mail:koho@mail.rdc.ntt.co.jp


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