News Release

2005年11月8日


光アクセス大量開通を簡易に短時間で実現する
FTTH対応先行光配線キットを開発
〜松下電工との共同開発で住宅内光配線工事の「スキルレス化」と「工事時間短縮」を実現〜


  日本電信電話株式会社(以下、NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役:和田紀夫)は、2010年FTTH(※1)3,000万加入に向けた取り組みの一環として、FTTH大量開通時代に備えるために、住宅内光配線工事の「スキルレス化」と「工事時間短縮」を実現するFTTH対応先行光配線キットを開発しました。
 先行光配線とは、お客様(または委託を受けた工事業者)がNTTの開通工事前に先行して住宅内の光配線工事を行うことを意味します。本キットは住宅内光配線に必要な物品一式で構成され、特殊な光配線技能(スキル)や高価な専用工具がなくても工事可能であるため、従来NTTが実施してきた住宅内光配線工事を誰でも簡単に行うことができます。
 本キットは、光配線用の配管が整備されている新築住宅を主な対象として、NTTと松下電工株式会社(以下、松下電工、本社:大阪府門真市、代表取締役:畑中浩一)が共同で開発を進め、NTTの開発成果である光カールコード(※2)配管配線技術および光コネクタ、配管通線用引込み牽引端などの周辺物品と、松下電工が開発を担当した物品である光アウトレットおよびユーザ設置光キャビネットで構成されています(図1)。
 近い将来の商品化を考慮し、室内外の美観や安全性・取扱性にも配慮して共同開発した本キットは、配管設備を有する既築住宅へも適用可能であり、光配線工事のスキルレス化によるFTTH開通までの時間短縮に加え、FTTHサービスの潜在的および既存の利用者(ハウスメーカ、電気工事/通建会社、一般のお客様など)に住宅内光配線工事メニューの選択肢を提示できる点でも、大きな意義を持つ開発成果であるといえます。

<開発の背景>
 NTTは現在、2010年FTTH3,000万加入を目指し、Bフレッツに代表される光サービスの普及拡大を精力的に推し進めていますが、今後、想定されるFTTH大量開通時代に備えるためには、住宅内光配線工事の作業効率を向上させて、短期間に大量に開通することが必要になります。
 ところが、従来の住宅内光配線工事は、どの通信事業者の場合でも、光配線に習熟した作業者が特殊な光配線技能や高価な専門工具を用いて行う必要があり、しかも配管内に光ファイバを通す通線に際しては、最低でも2人(「送り手」と「受け手」)の作業員が必要でした。
 そこでNTTでは、住宅内光配線における2大課題ともいうべきスキルレス化と工事時間短縮の実現に向けて取り組みを開始し、先にスキルレス化の第1弾として、室内配線においてお客様自身でも手軽に扱える光ファイバとして、曲げや折り返しに強くて配線の自由度が高く、コネクタで接続も容易な曲げフリー光ファイバコードを開発しました。曲げフリー光ファイバコードは、室内に設置した光アウトレットからONU(※3)までの光配線に使用するものです(図1)。
 これに対し、FTTH対応先行光配線キットは、特殊な光配線技能や高価な専門工具を不要にするためにNTTと松下電工がそれぞれ開発した新しい技術や物品をキット化し、屋外のユーザ設置光キャビネットから宅内の光アウトレットまでの先行光配線において、スキルレス化と工事時間短縮という2大課題を解決するものです。

<本キットの特長>
 FTTH対応先行光配線キットの最大の特長は、両端に光コネクタの付いた伸縮性の高い光カールコードを用いることで、現場での光コネクタ取付け作業が不要となるだけでなく、従来の光配線時に必ず発生していた光ファイバの余長処理作業も光カールコードの伸縮によって不要となっている点です。
 この特長は、主に以下のようなNTTの開発成果によって実現されています(図1)。

(1)光カールコード配管配線技術
光カールコードの伸縮性を活かした光配線のスキルレス化と工事時間短縮の実現。
6曲がり配管における光カールコード配線でも牽引張力は1kgf(9.8N)以下で通線が可能。
長さが異なる配管でも同じ仕様の光カールコードが使用可能。

(2)光カールコード戻り防止部材
光カールコードが収縮して配管の中に吸い込まれないようにするための配線物品。
SC、MUコネクタの形状に依存せず、配管の出口で光カールコードの引戻りを防止。

(3)短ブーツ光コネクタ
従来のブーツ(30mm)を約1/4に短尺化(7mm)した光コネクタ。
短ブーツ光コネクタを用いることで光アウトレットなどの光配線物品の小型化を実現。

(4)引込み用牽引端
光コネクタを挿入するだけで牽引可能なアダプタ型の引込み用牽引端。
牽引端のヘッドに回転部を設けることで、牽引時の光カールコードのねじれを防止。

 FTTH対応先行光配線キットの他の構成品として、埋込型宅内光アウトレット、ユーザ設置光キャビネット、配管(市販品)の開発を松下電工が担当しました。

<今後の展開>
 NTTは今後も、FTTH対応先行光配線キットの来年度の商用化を目指した取組みとして、住宅内光インフラ構築のためのスキルレスな光配線物品のメニュー化に向けた研究開発をより一層推進します。通信インフラの光化を先導する通信業界のリーディングカンパニーとして、お申込みから開通に至るまで、便利で快適なFTTHサービスの提供によるお客様満足度の向上にも努めていきます。


<用語解説>
※1 FTTH(Fiber To The Home)
 電話局を結ぶ基幹網だけでなく、ネットワークの末端部分にあたる家庭(Home)までをすべて光ファイバ回線に切り替えて、ブロードバンドの光サービスや次世代ネットワークサービスを提供するという構想。

※2 光カールコード
 曲げに強い光ファイバコード(素線はホーリーファイバ)をカール状にして伸縮性を持たせた光ファイバコード。カール径16mmφ、カール長1mの光コードを用いれば最大約20mの配管配線でも1kgf(9.8N)以下と、小さな牽引張力で通線可能。

※3 ONU (Optical Network Unit)
 光回線終端装置。光回線網において、パソコンやIP電話などの端末機器をネットワークに接続するための装置。



図1 配管配線用『FTTH対応先行光配線キット』




【本件に関するお問い合わせ】
NTT情報流通基盤総合研究所
企画部 広報担当 遅塚(ちづか)、佐野、井田
TEL:0422-59-3663
E-mail:koho@mail.rdc.ntt.co.jp


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