2.組織により異なる管理ソフトウェアの連係【図4】 |
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このような、異なるドメインに属するネットワークの帯域や計算資源の予約には、それぞれの組織で用いられている管理ソフトウェアを連係動作させる必要があります。今回の実験では、ネットワーク資源マネージャについては、国内ではKDDI研とNTTがそれぞれ開発したGNS-WSIに準拠した2つのネットワーク資源マネージャを、米国側ではEnlightened Computingプロジェクトが独自に開発した1つのネットワーク資源マネージャを用いており、日本側のアプリケーションのための米国側ネットワークの帯域の予約については、Enlightened Computingプロジェクトが開発したネットワーク資源マネージャおよび中間ソフトウェアが、GNS-WSIを介した資源予約を受け付けることにより連係動作を実現しています。これは、G-lambdaプロジェクトで規定しようとしているGNS-WSIインタフェースが、複数のネットワークや計算資源の提供者、および複数のユーザからなる環境でも正しく動作することを示した点で大きな意義があります。
また、計算資源マネージャについても、国内では産総研が開発したものを、米国ではEnlightened Computingプロジェクトが開発したものを用いており、提供するインタフェースが異なるため、インタフェースを変換する中間ソフトウェアを日米それぞれで開発し、連係動作を実現しました。 |
3.アプリケーションの要求による予約と実行 |
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利用者が要求する資源の予約とアプリケーションの実行は以下のように進められます。 日本側では、アプリケーションが必要とする計算機、ネットワークの帯域などの資源をGUIにより指定し、この要求を元に、統合予約管理を行うグリッド資源スケジューラが資源を予約します。グリッド資源スケジューラは利用者からの要求を受け取ると、各拠点の計算資源マネージャに計算資源の状況を問い合わせると共に、GNS-WSIを介して日米3つのネットワーク資源マネージャに帯域の利用可能状況を問い合わせながら要求を満たす資源を見つけ、予約します。予約した時刻になると、ネットワークの帯域が自動的に確保され、各クラスタ計算機上の計算資源マネージャが計算処理の実行を開始します。
一方、米国側では、Enlightened Computing側のアプリケーションの要求により、Enlightened Computing独自の統合予約管理ソフトウェアが各拠点の計算資源マネージャおよび3つのネットワーク資源マネージャと連係して、必要な計算機とネットワークの帯域の予約を行います。米国側から日本側のネットワーク、および計算資源を予約する際には、日本側の中間ソフトウェアがインタフェースの変換を行います。予約時刻になると、日本側のアプリケーションと同様に計算資源マネージャが計算処理の実行を開始します。
このように、本実証実験で用いた方式では、日米それぞれ独立にアプリケーションから予約を確保することができます。即ち、複数のアプリケーションと、複数の管理ソフトウェアが同時に連係し、それぞれの処理を行うことが出来るため、拡張性が高く、より大規模かつ多くのドメインからなるネットワークや計算機の資源予約が可能です。 |
■ 今後の予定 ■ |
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本成果は、9月11日と12日に秋葉原コンベンションセンターで開催される国際会議「第6回Annual Global LambdaGrid Workshop」においてEnlightened Computingプロジェクトと共に発表し、これに合わせて11日から13日までデモンストレーションを行っています。また、産総研、NICT、KDDI研、 NTTは、今後もネットワーク資源マネージャが提供するインタフェースGNS-WSIの詳細仕様の策定を進め、オープンでかつ国際的な標準技術として確立されることを目指します。
なお、本実証実験における産総研の研究開発の一部は、産総研とNTTが共同で推進している文部科学省科学技術振興調整費「グリッド技術による光パス網提供方式の開発」により行っています。 |