日本電気株式会社(以下NEC、東京都港区、代表取締役執行役員社長:矢野 薫)と日本電信電話株式会社(以下NTT、東京都千代田区、代表取締役社長:和田 紀夫)は、このたび、NECが開発した「パーソナルロボットPaPeRo」とNTTサイバーソリューション研究所(以下NTT研究所)が開発した携帯電話を用いてロボットとやりとりができる「ActionSwitchプラットフォーム」を連携させた新たな保護者参加型子ども見守りシステム「メルロボ連絡帳」(別紙1)を開発しました。
本システムでは、保護者が携帯電話の電子メールを作成・送信することにより、「PaPeRo」が電子メールの内容に応じた見守り動作を行うこと、および、ロボットと子どもとのコミュニケーション状況を遠隔地から確認することを可能にしています。
両社はこのたび、幼児才能開花教育「まいとプロジェクト」と社会福祉法人「マコト愛児園」の協力を得て、2006年末まで共同実験を行います。 |
1.背景と目的 |
 | 近年、子どもの保育現場では、より高い「安全」「安心」が求められており、子どもを保護者が遠隔地から見守るサービスや、子どもと保護者とのコミュニケーションを活性化するサービスへの期待が高まっています。
ロボットによるチャイルドケアの実験は、従来から行われており、ロボットの存在が子どもたちに及ぼす効果が研究されてきました。今回の実験では、ロボットと保護者の持つ携帯電話との間をプラットフォームで結ぶことによって、保育現場への遠隔からの参加や、保育士との情報共有を可能とします。定点監視カメラによる片方向の見守りとは異なり、保護者と子どもとの双方向のコミュニケーションが可能な新たなサービスの実現を目指します。 |
2.「メルロボ連絡帳」共同実験の概要 |
 | (1)実験目的 |
|  | ロボットと電子メールを用いた本システムのサービスメニュー毎の必要性・使いやすさと、ロボットの存在がコミュニケーション相手に与える安心度や満足度の検証、および、実験環境でのプラットフォーム技術の検証を目的としています。 |
 | (2)実験場所 |
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まいとプロジェクト(住所:東京都世田谷区奥沢6−22−12 KMビル2F)
代表取締役:宮本 幹夫 氏 |
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マコト愛児園(住所:山梨県南アルプス市下今井841)
園長:庭山 義勝 氏 |
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(3)実験期間 |
|  | 2006年内を期間として、1〜2日/月、2〜3回/日、1回あたり2時間程度の予定 |
 | (4)実験内容 |
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メルロボ(別紙2) |
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保護者が携帯電話の電子メールを使って遠隔でロボット操作を行い、幼児施設にいる子どもの状況を確認したり、子どもへのメッセージを「PaPeRo」に発話させて伝えます。子どもの様子は「PaPeRo」の目のカメラで撮影した動画を保護者の携帯電話へ動画メールとして送信することによって確認できます。 |
| <2> |
ロボ連絡帳(別紙3) |
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保育士は、子どもの様子を蓄積された画像やテキストなどを用いてブログ化し保護者に伝えることができたり、保護者がブログに記入したメッセージを保育に役立てたりできるため、ノートを用いた連絡よりもきめの細かい情報伝達や共有を行うことができます。 |
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3.技術のポイント |
 | 本システムにおける主な技術は、以下のとおりです。
(1)キーワード抽出コマンド変換技術 |
|  | NTTが開発した、保護者から送られたメール文から動作対象ロボットや動作内容などの必要なキーワードを抽出し、動作に必要なコマンドに変換する技術です。これにより、保護者は、通常どおりに電子メールを作成・送信するだけで簡単にロボットの操作ができます。 |
 | (2)ユーザ管理技術 |
|  | NTTが開発した、保護者のメールアドレス、対応する子どものID、ロボットのIDをサーバ上で一元管理する技術です。メールアドレス認証を行うことにより、不正アクセスを排除します。また、ロボットはメールアドレスなどの個人情報を保有せず、子どものID等を管理するだけで保護者へのメール送信が可能になります。
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 | (3)サーバと連携したロボットサービス技術 |
|  | NECが開発した、動作中のロボットがサーバから情報・指示を受信して、子どもへの発話や動作などに反映させていく技術です。これにより、子どもの好みをよく知る保護者が遠隔地から情報・指示を送ってロボットを動作させることができます。外部サーバからの情報によるロボット動作を可能とすることで、動作のバリエーションが広がり、より親しみのわくロボットサービスが実現可能になります。 |
4.今後の展開 |
 | 両社は、共同実験で収集したデータの定量的な評価を行うことで人とロボットが共存するための技術課題を抽出するとともに、ロボットとプラットフォームの組み合わせによる新しいコミュニケーションを発展させていきます。これにより、子どもの見守りだけでなく、これからの少子高齢化社会での独居高齢者などの質の高い見守りや認知症予防など、より安心・安全なライフサポートサービスの可能性が生まれると考え、実用化を目指した研究開発を推進していきます。 |