国立大学法人東北大学(宮城県仙台市 総長 井上 明久、以下「東北大学」)と日本電信電話株式会社(東京都千代田区 代表取締役社長 三浦 惺、以下「NTT」)は、東北大学の総合大学としての強みと、NTTの情報通信分野における高度技術開発力との連携により、我が国の学術研究および産業技術力の飛躍的な進歩と人類社会の持続的発展に貢献するため、本日、研究開発や教育・人材育成等の幅広い分野での連携協力協定を締結いたしました。 |
【連携の背景】 |
 | 東北大学は、現在の工学研究科電気・情報系の母体となる電気工学科を1919年にいち早く設立し、「八木・宇田アンテナ」で知られる八木教授(当時)、宇田講師(当時)の研究成果や西澤総長(当時)の光ファイバーに関する研究成果など、電気通信研究所、工学研究科電気・情報系、情報科学研究科を中心に情報通信分野における数多くの先端的研究と人材の輩出や国内外の民間企業や研究所、国、地方自治体、他大学などとの研究交流を行ってきました。
一方、NTTは、NTTグループにおける横断的な基盤的研究開発を一元的に行っており、情報通信分野において世界で屈指の総合的な研究開発拠点として、確固たる地位を築いています。従来の電話網がもつ信頼性・安定性を確保しながら、IPネットワークの利便性・経済性を備えた「次世代ネットワーク(NGN)」の研究開発を推進し、2008年3月より、サービスの提供を開始しており、研究開発成果を活かした情報通信インフラの整備とサービス提供を進めています。
両者は従来から、「超高速無線伝送の研究」や「聴覚及び音声理解能力の測定方法に関する研究」など、毎年複数の共同研究を実施しており、前者においては、限られた周波数資源で超高速無線伝送を実現する新しい波形等化技術の動作を解明、後者においても、補聴器の最適調整に用いる単語表を一般公開する段階までの成果を挙げ、成功裏に終了しております。本協定締結に基づき、これまで行ってきた情報通信分野における連携協力を更に拡大していくとともに、東北大学における教育・研究活動の拡充、活性化、NTTにおける研究開発活動の高度化、効率化、さらには、部局間を横断する異分野融合型の研究開発の推進を図る目的で、連携協力協定締結の運びとなりました。 |
【本連携の特徴】 |
 | (1)連携協力協定の目標 |
|  | 情報通信分野において多様化する社会ニーズに対応するべく、創出される連携成果の事業化も視野に入れ、互いのニーズおよびリソースのマッチングを行なうことにより、これまでにない新たな組合せ、先導的で多様かつ創造的な連携を企画・推進し、国内はもとより世界に向け、分野融合による独創的技術の情報発信にも取り組んでいきます。
また、従来の短期インターンシップに加え、長期インターンシップ制度の導入や、組織間の人的交流、技術交流等により、世界をリードする若手研究者・技術者の育成を目指します。 |
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(2)「連携協議会」を核とした連携の推進 |
|  | 両者の連携責任者、研究代表者、産学連携担当者等からなる「連携協議会」が運営を担当します。「連携協議会」での議論を通して、取り組む研究・開発・人材育成等に対する共通の認識を醸成し、広範な領域に渡って多様かつ創造的な連携関係を構築します。
研究の連携に関しては、新規テーマの検討段階から連携して研究等のプロジェクトを立ち上げます。両者の研究担当者は共同で各研究プロジェクトの目標とする成果やスケジュール等を策定し、定期的に開催される連携協議会において進捗状況と計画の承認を行い、大きな成果に結びつくよう組織的に取り組んでいきます。
また、従来から繋がりがあった研究連携を一層強化・緊密化するとともに、「連携協議会」の活動を通じて、互いのニーズおよびリソースのマッチング・融合を図り、従来連携がなかった部局間の新たな連携や複数部局に跨る分野融合的な連携の創出、活性化についても取り組んでいきます。 |
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(3)研究活動の強化 |
|  | 情報通信分野、特に物性・材料系技術、通信と異分野の融合の分野を中心に、共同研究等を推進します。これらの分野は、政府が掲げるIT新改革戦略※1の根幹を成す技術分野であり、急速な技術の発展、社会ニーズの多様化が考えられ、さまざまな視点に立った研究開発、事業化が求められています。これら社会的要求に対応するべく、同分野で両者がこれまでに培ってきた高度な研究・開発力を結集するとともに、技術的観点のみならず、社会的観点(医療や生命科学など)にも立った異分野融合的研究プロジェクトの企画・推進にも取り組むことで、IT新改革戦略の具現化に寄与する技術の発信を図ります。 |
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(4)教育活動の強化 |
|  | 研究交流会やインターンシップ等による人的交流、各種技術系教育セミナーの開催など、それぞれの強みを活かす相互補完的な教育・人材育成活動にも積極的に取り組んでいきます。
なお、連携協力に関する具体的な事業内容については、今後、協定締結に伴い設置する両者の連携事務局が協議し進めていくこととなりますが、当面は主に以下の項目について実施いたします。 |
【主な実施事項】 |
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| 1) |
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共同研究の推進
既に実績のある情報通信分野や、今後推進していくアプリケーション関連研究テーマをはじめとする幅広い分野において共同研究を促進する。 |
| 2) |
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研究者の研究交流を含む相互交流
研究交流会等を通して様々な意見交換を行い、研究開発テーマの発掘を図る。 |
| 3) |
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研究施設、研究設備の相互利用
両機関の施設・設備の有効活用により、研究開発の促進を図る。 |
| 4) |
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教育・人材育成の推進及び相互支援
大学院連携講座の設置や学生の長期インターンシップの導入・リカレント教育※2等による教育・人材育成の充実を図る。 |
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以上 |
【用語解説】 |
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| ※1 |
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IT新改革戦略: 2006年1月に、政府IT戦略本部において策定された2006年以降のIT国家戦略。「世界最先端のIT国家」を目指して取り組んできたe-JAPAN戦略の5年間の成果と課題を受けて策定されたもので、「構造改革による飛躍」、「利用者・生活者重視」、「国際貢献・国際競争力強化」の三つを基本理念とし、世界に先駆けて2010年度にはITによる改革を完成し、我が国の持続的発展が可能な、自立的で誰もが主体的に社会の活動に参画できる協働型のIT社会に変貌することを宣言しています。 |
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| ※2 |
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リカレント教育: 社会人に対して、学校教育の終了後、先端分野の知識獲得、知識の体系化を目的として実施される教育のこと。 |
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