日本電信電話株式会社(以下NTT、東京都千代田区、代表取締役社長:三浦 惺)は、広域にわたり遍在する"モノ"の情報を経済的にネットワークに収容するユビキタスセンサーネットワーク環境を実現することにより、安心・安全とエコをサポートする通信インフラの実証実験(平成20年3月17日に総務省の「ユビキタス特区」事業*1に指定)を、東京都内6区において平成21年3月31日から平成23年3月31日(予定)まで実施いたします。
NTTの未来ねっと研究所(以下、NTTの研究所)では、本実証実験を通して、新たに開発した広域ユビキタスネットワーク*2の有効性を協力企業と共に確認し、ユビキタスネット社会のICTサービスを支える通信インフラの実現を目指します。 |
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<実験の目的>
現在の情報通信は人と人との通信を前提としたサービスが主流です。これに対して、“モノ”の情報(実世界情報)を経済的に収集・配信するユビキタスセンサーネットワーク環境の実現が望まれており、安心・安全でエコなユビキタスネット社会の実現に向け、物流・マーケティング、防災・災害対策、防犯・セキュリティ、環境保全など、より広い領域への適用が見込まれています。一般に“モノ”は広域かつ大量に存在しており、広域のサービスエリアの確保および低廉な設備コストでのネットワーク構築が必要となります。
NTTの研究所では、このような“モノ”の通信に適した新たな通信インフラとして、広域ユビキタスネットワークの検討をしてきました。これまでに、無線基地局の送受信性能の向上、無線端末の漏洩電力の低減、大量の無線端末を収容するアクセス制御など、本ネットワークを実現する技術の開発を進め、その有効性の確認をしてきました。今回、総務省の「ユビキタス特区」事業において、ユビキタスネット社会の安心・安全とエコに寄与する様々なアプリケーションを本ネットワーク上で検証することといたしました。 |
<実験概要>
広域ユビキタスネットワークは、モノに取り付ける情報量は少ないが省電力に優れた無線端末(電池寿命5年以上)と半径3.5〜5km程度のエリアをカバーし、多数の無線端末を収容可能な基地局および無線端末の認証、移動管理、経路設定などを行う網装置から構成されています(図1)。 |
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| (1) |
実施期間:平成21年3月31日〜平成23年3月31日(予定) |
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実施場所: |
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基地局設置場所:墨田区京島、葛飾区金町、江戸川区中央 |
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ユーザ端末設置場所:東京都台東区、江東区、江戸川区、墨田区、荒川区、葛飾区の上記基地局エリア内 |
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実施内容 |
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実証実験では280MHz帯を用いて、ガス検針、移動体管理などのアプリケーションに対して広域ユビキタスネットワークが有効に機能することを検証します(図2)。
基地局エリア内に点在する各アプリケーション用端末は広域ユビキタスネットワークの無線端末を介して上記3ヵ所に設置された基地局と無線接続し、さらに基地局を収容する網装置(NTT武蔵野研究開発センタ内に設置)を介して各アプリケーション用サーバと接続する実験環境(図3)を構築しました。
本実験では、ユビキタスセンサーネットワーク環境の具現化を目的として、まず、以下の3つのサービスアプリケーションについて検証します。 |
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| (a) |
移動体(自転車)管理サービス |
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ガス検針サービス |
| (c) |
遠隔監視制御サービス(ガス集中監視、ホームセキュリティなどに向けた通信サービス) |
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NTTの役割 |
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広域ユビキタスネットワークの設備構築および技術検証や運用性の評価を行い、協力企業と共に、実世界情報を経済的に収容可能なユビキタスセンサーネットワーク環境としての適用性を検証します。 |
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協力企業 |
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エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(移動体管理サービスにかかる実証) |
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エヌ・ティ・ティ テレコン株式会社(遠隔監視制御サービスにかかる機器および技術の提供) |
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東京ガス株式会社(ガス検針サービスにかかる機器および技術の提供) |
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大阪ガス株式会社(ガス検針サービスにかかる機器および技術の提供) |
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東邦ガス株式会社(ガス検針サービスにかかる機器および技術の提供) |
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<今後の展開>
本実証実験を通じて、広域ユビキタスネットワークの有効性を検証するとともに、今後期待されるサービスアプリケーションへの適用を探るため、随時新たな協力企業と連携して平成22年度末まで継続的に実験を実施し、ユビキタスネット社会の安心・安全とエコに向けて期待されるICTサービスを支える通信インフラの実現を目指します。また、国際展開を視野に入れた活動も推進します。 |
<用語解説>
| *1 |
「ユビキタス特区」事業:
(http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070618_5.html) |
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国際的に優位にあるユビキタスネットワーク技術などを活用し、世界最先端のサービスの開発、実証実験などを促進し、日本のイニシアティブによる国際展開可能な「新たなモデル」を確立するとともに、豊かな国民生活の実現に寄与することを目的とする、平成20年度から3ヵ年の総務省プロジェクト。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社と日本電信電話株式会社が共同で提案した「次世代無線ネットワークの実証」は、対象プロジェクトとして総務省より決定を受けた。 |
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| *2 |
広域ユビキタスネットワーク: |
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ユビキタスネット社会における安心・安全とエコを実現することを目的とした、広域にわたり遍在する移動性のある小型でメンテナンスフリー(電池寿命5年以上)の無線端末を経済的に収容できる通信インフラのこと。 |
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