1.経営成績
(1)経営成績に関する分析
連結業績の概要
連結業績の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、国際金融市場の混乱が世界的な経済危機をもたらし、輸出や生産が大幅に減少し企業収益や雇用情勢も厳しさを増すなど、景気は急速に悪化しました。
 情報通信分野は、ブロードバンド化・ユビキタス化の急速な進展に伴い、固定通信市場では、光サービスの拡大と、それに伴う既存固定電話から光IP電話への移行が進んでおり、移動通信市場では、サービスや端末が多様化・高度化するとともに、料金競争、MVNOの新規参入など、競争がますます激化しています。また、IP化に伴う固定と移動、通信と放送等サービスの融合・連携の進展、あるいはネットワークを利活用した様々な新事業の創出など、大きな変化が続いています。

 NTTグループにおいても、ソリューションサービスの受注状況や「フレッツ光」・携帯端末の販売状況などにおいて、競争の激化や景気悪化の影響が顕在化しています。このような厳しい事業環境のなか、平成20年5月に策定した新たな中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」に基づき、ブロードバンド・ユビキタスサービスの拡大に取り組みました。
 固定通信市場では、平成20年3月に「フレッツ 光ネクスト」などの商用サービスを開始した次世代ネットワーク(NGN)について、提供エリアを拡大するとともに、「ひかりTV」などのNGNの特長を活かしたサービスの拡充に努めました。また、お客様サービスの一層の向上に向け、「フレッツ光」のお申し込みから開通までの期間の短縮やサポートサービスの充実などに取り組みました。これらの結果、「フレッツ光」の契約数は1,113万契約となりました。
 移動通信市場では、お客様の価値観やライフスタイルに合った携帯電話をお選びいただける新たな端末シリーズの展開や、お客様の趣味嗜好などに合わせた情報を適切なタイミング・方法でお届けする「iコンシェル」などお客様の生活を支援する新サービスの提供などに取り組みました。また、前連結会計年度より導入した新たな割引サービスや新販売モデルなど市場環境の変化に対応したビジネスモデルの定着に引き続き取り組むとともに、お客様応対から端末やネットワーク構築に至る全ての取り組みを抜本的に見直すなど、お客様満足度向上に努めました。これらの結果、携帯電話契約数は5,460万契約となり、そのうち「FOMA」サービスの契約数は約9割を占める4,904万契約となりました。
 法人のお客様向けのサービスでは、お客様の業種・業態にあわせた付加価値の高いソリューションの提供に努めるとともに、お客様のグローバルな事業活動に対応するサポート力の強化を図りました。システムの導入・運用におけるお客様の負担を軽減するSaaSについて、パートナーとの協業を推進するとともに、安心・安全なSaaS基盤の開発や各種サービスの提供に取り組みました。
 グローバル事業の展開では、NTTグループの総合力を活かしたICTソリューションの提供に努めました。海外拠点の拡大、M&Aにより子会社化した欧米のSI事業者などを通じたソリューションサービスの提供、データセンタの充実などに取り組みました。また、携帯電話の国際ローミングサービスについて、対応端末のラインアップを充実するとともに、海外の通信事業者との連携強化などによりご利用いただける国・地域を拡大し利便性の向上を図りました。
 さらに、社会の持続的発展への貢献を目指し、グループ一体となってCSR(企業の社会的責任)に取り組みました。特に、地球温暖化防止を環境活動における最重要テーマとして捉え、「グループ各社の事業活動に伴うCO2排出量削減」と「製品・サービスの提供を通じた社会全体のCO2排出量削減」という2つの観点から、様々な活動を展開しました。平成20年5月、太陽光発電などの自然エネルギー発電・利用を促進する施策「グリーンNTT」を開始し、平成20年8月にはグループ各社共同出資により太陽光発電の推進主体として、有限責任事業組合「NTT−グリーンLLP」を設立しました。
 以上の結果、当連結会計年度のNTTグループの連結営業収益は、10兆4,163億円(前期比2.5%減)、連結営業費用は9兆3,066億円(前期比0.7%減)となりました。また、連結営業利益は1兆1,098億円(前期比14.9%減)、連結税引前当期純利益は1兆1,052億円(前期比16.4%減)、連結当期純利益は5,387億円(前期比15.2%減)となりました。

 また、次期の業績については、連結営業収益は10兆3,000億円(当期比1.1%減)、連結営業利益は1兆1,100億円(当期比0.0%増)、連結税引前当期純利益は1兆800億円(当期比2.3%減)、連結当期純利益は4,600億円(当期比14.6%減)(注)を予想しております。
(注) 平成22年3月期より財務会計基準書第160号「連結財務諸表における非支配持分−会計調査公報(Accounting Research Bulletin)第51号の改訂」が適用されることに伴い、「当期純利益」は、非支配持分も含めた額を計上することになりますが、平成22年3月期の業績予想における「当期純利益」は、非支配持分を除いた当社株主に帰属する「当期純利益」を記載しております。詳しくは、3ページ「財務会計基準書第160号「連結財務諸表における非支配持分−会計調査公報第51号の改訂」の適用について」をご参照ください。

 当連結会計年度における日本電信電話株式会社(持株会社)及び各事業の種類別セグメントの経営成績等は次のとおりです。

【日本電信電話株式会社(持株会社)】
業績の概要
業績の概要

 当社は、持株会社として、グループ戦略立案や事業環境の変化に即した経営資源の再配分などに引き続き努めました。各グループ会社が自主・自律的に取り組みを展開することを基本としつつ、グループとしての方向性に沿った事業活動が行われるように適宜適切に各種の助言、あっせんなどを行いました。基盤的研究開発を推進し、その成果の普及を図るため、各グループ会社に対し開発成果を提供するとともに、基盤技術の事業化の企画、推進を図りました。また、各グループ会社の株主総会における議決権行使など株主としての権利を行使しました。
 なお、平成20年5月13日開催の当社取締役会での決議に基づく自己株式取得については、株式数40,517,500株(注)、総額1,999億9,990万円の取得を実施しました。
(注) 自己株式取得により取得した株式数(40,517,500株)は、平成21年1月4日の株式分割前に取得した株式数(341,307株)に100を乗じた株式数(34,130,700株)に当該株式分割後に取得した株式数(6,386,800株)を加えた株式数を記載しています。

<1>グループ会社に対する助言、あっせんなどの状況
 当社は、グループとしての方向性に沿った事業活動が行われるように適宜適切に、各グループ会社に対する助言、あっせんなどを行いました。
 具体的には、ブロードバンド・ユビキタスサービスの本格展開に向けて、新たな中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」を策定し、サービスの展開、国際事業の推進に向けた助言、あっせんなどを行いました。また、平成20年3月に立ち上げた「次世代サービス共創フォーラム」を通じて、NGNを活用したサービスの普及拡大に向けた支援などを行いました。これらの対価として、グループ経営運営収入186億円(前期比2.5%減)を得ました。

<2>基盤的研究開発の状況
 当社は、新たな中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」の実現を促進するため、ブロードバンド・ユビキタス社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術の研究開発を推進しました。研究開発成果の事業化にあたっては、重点化分野のマーケティング・企画などを実施する総合プロデュース制により効果的に活動しました。また、将来を見据えた基礎技術についての研究開発にも積極的に取り組むとともに、技術のグローバルな普及活動も推進しました。

○NGNおよび光アクセスの研究開発
 NGNについては、商用化後の本格的なエリア展開に向けた機能拡充と運用性の向上などの研究開発や、事業会社への技術的なサポートなどを実施しました。光アクセスについては、光ファイバの配線が困難であった既存マンションへの配線を容易にすることで、工事コスト低減につながる細径低摩擦インドア光ファイバケーブルなどの研究開発を推進しました。また、商用サービスの実績とノウハウをもとに、NGNおよび光アクセス関連技術の海外への普及活動を実施するとともに、先進技術の国際標準化活動にも積極的に取り組みました。

○NGNを活用したサービスの研究開発
 NGNを活用した新サービスの事業化に向けて、多くの研究開発に積極的に取り組みました。具体的には、光ファイバを通じた新しい映像配信サービスであるIPTVの基盤技術の研究開発に取り組み、その成果は株式会社NTTぷららより提供している商用サービスに活用されています。また、SaaSの事業化に向けた取り組みとしては、信頼性やセキュリティというNGNの特長を活かしたSaaSを実現する基盤技術の研究開発を推進するとともに、国内外の事業者との提携も進めました。その他にも、場所や時間帯などに応じた広告配信を実現するデジタルサイネージ(電子看板)の研究開発などにも取り組みました。

○ICT共通基盤・新たな事業を拓く技術の研究開発
 サービス展開を支えるICT基盤については、グリーンデータセンタの実現に向け、通信設備やデータセンタなどのCO2排出量削減につながる高電圧直流給電や固定酸化物燃料電池といった環境技術に関する研究開発などを推進しました。また、新たな事業を拓く技術については、人体の表面電界を利用した新たな通信技術や、インターネット上の音楽や映像の一部・断片からコンテンツを特定する技術などの研究開発に取り組み、商用化を支えました。

○先端的な基礎技術
 NTTグループの持続的な発展を支えるための基礎技術についても、引き続き多くの取り組みを実施しました。具体的には、将来の光ネットワークの超大容量化に向けた世界最大容量・長距離伝送の実現や、超省電力コンピュータ実現に向けた微細な振動で演算を行う半導体素子、低消費エネルギーで超小型の光ビットメモリの研究開発などに取り組みました。

 これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当期における研究開発活動に要した費用の総額は1,321億円(前期比2.0%減)となり、これらの研究開発活動の対価として、基盤的研究開発収入1,269億円(前期比0.1%増)を得ました。

<3>株式保有および議決権行使などの状況
 当社は、各グループ会社が自主・自律的な事業展開を行うことを基本としつつ、グループとしての方向性に沿った事業活動を適切に遂行していることを判断基準として株主権を行使しており、平成21年3月期に開催された各グループ会社の株主総会における議決権行使に際しても、前期(平成20年3月期)の事業活動、財務状況、内部留保の状況などが適切であると判断したことから、各グループ会社から提案のあった剰余金処分の件、役員選任の件などにつき、賛成の議決権を行使しました。その結果、受取配当金として1,990億円(前期比6.6%減)を得ました。

 以上の結果、当期における当社の営業収益は3,637億円(前期比3.2%減)、経常利益は1,964億円(前期比9.8%減)、当期純利益は1,959億円(前期比0.1%増)となりました。

【地域通信事業セグメント】
業績の概要
業績の概要

契約数
契約数
(注) 1. 「フレッツ光」は、NTT東日本のBフレッツ及びフレッツ 光ネクスト、NTT西日本のBフレッツ、フレッツ・光プレミアム、フレッツ・光マイタウン及びフレッツ 光ネクストを含めて記載しております。
2. ひかり電話は、チャネル数(単位:千)を記載しております。

 地域通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTT東日本およびNTT西日本は、「フレッツ光」を中心としたブロードバンドサービスの充実による収益基盤の確保を図るとともに、事業の効率化に努めました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。

<1>光・IP系サービスの推進
《NGNのエリア拡大》
 「フレッツ 光ネクスト」のサービス提供エリアを拡大しました。
NTT東日本:東京23区全域をはじめとする首都圏主要都市、県庁所在地級都市などへ拡大しました。
NTT西日本:大阪06エリア、政令指定都市、県庁所在地級都市の一部へ拡大しました。

《当連結会計年度中に開始した主なサービスなど》
《当連結会計年度中に開始した主なサービスなど》

《当事業年度に合意した他事業者との主な協業》
《当事業年度に合意した他事業者との主な協業》

<2>お客様サービスの向上
 お客様に安心してブロードバンドサービスをご利用いただくため、様々なサポートサービスの開発・提供に取り組みました。

《当連結会計年度中に開始した主なサポートサービス》
《当連結会計年度中に開始した主なサポートサービス》

<3>事業運営体制の見直し
116センタなどについて、地方圏を中心とした拠点の集約およびグループ会社へのアウトソーシングにより効率化を推進しました。(NTT東日本)
116センタに音声自動応答装置を導入し、お客様からの各種お申込み・お問合せを、音声ガイダンスにより目的に応じた専門窓口へご案内するなど、受付業務の効率化を推進しました。(NTT西日本)
NTT東日本が保有する土地の利活用の推進に向けて、NTT東日本グループ向けオフィスを中心としたビル賃貸などを行う株式会社NTT東日本プロパティーズを、株式会社NTTファシリティーズと共同で設立し、事業を開始しました。(NTT東日本)
ご家庭内のIT環境の充実にワンストップでお応えする体制構築に向けて、株式会社NTT西日本−ホームテクノ関西をはじめとする6社を設立し、営業を開始しました。(NTT西日本)

 以上の取り組みの結果、地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、「フレッツ光」契約数の拡大によりIP系収入が増加したものの、固定電話や専用線から安価なIP系サービスへの移行による減収などにより、4兆648億円(前期比3.4%減)となりました。また、当連結会計年度の営業費用は、経費および減価償却費が減少した一方で、前連結会計年度に計上した厚生年金基金代行返上益がなくなったこと等により3兆9,943億円(前期比1.8%増)となり、営業利益は705億円(前期比75.3%減)となりました。

公正取引委員会からの排除命令について
 NTT東日本およびNTT西日本は、「ひかり電話」の広告として、NTT東日本が平成19年3月から同年11月にかけて実施した一部のチラシ、新聞広告、リーフレット、ダイレクトメールについて、また、NTT西日本が平成19年2月から同年8月にかけて実施した一部の新聞折込チラシ、ダイレクトメールについて、平成20年7月15日、公正取引委員会より、不当景品類及び不当表示防止法第6条第1項の規定に基づく排除命令を受けました。お客様や関係各位にご心配、ご迷惑をおかけしましたことについて、深くお詫び申し上げます。NTT東日本およびNTT西日本は、これまでに公正取引委員会により指摘された点に対する改善を含め、広告表示の適正化に向けた対策を既に実施してきておりますが、引き続き、お客様の立場にたった、わかりやすい広告表示を行ってまいります。

【長距離・国際通信事業セグメント】
業績の概要
業績の概要

 長距離・国際通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTコミュニケーションズは、法人のお客様には、お客様の経営課題を解決する「ICTソリューションパートナー」として、コンサルティング営業の推進、お客様のご要望に合った付加価値の高いソリューションの提供に努めました。また、個人のお客様には、「"CreativE-Life" for Everyone」のブランドのもと、多様化するライフスタイルやお客様のご要望に対応した魅力あるサービスの提供に努めました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。

<1>法人のお客様向けサービスの展開
 企業の事業環境が激変し競争力強化に向けたコア業務への集中や、事業環境の変化への柔軟な対応が一層進む中で、アウトソーシング、情報セキュリティなどのお客様のご要望の高い分野に対し、グローバルで競争力のあるオペレーションの確立や、お客様の業種・業態に合った付加価値の高いソリューションを一元的に提供し、お客様の経営課題の解決に貢献しました。

《当連結会計年度中に開始した主なサービス》
《当連結会計年度中に開始した主なサービス》

<2>グローバル事業の展開
 国内外シームレスかつ高品質なサービス提供という日系企業や多国籍企業のお客様のご要望に応え、ネットワークインテグレーションにデータセンタ、セキュリティ、サーバ・マネジメントなどを組み合わせた付加価値の高いトータルなICTソリューションの提供に努めました。

《当連結会計年度の主な取り組み》
○データセンタ事業の拡充
香港において、既にデータセンタサービスを提供していた「Tai Poデータセンタ」のスペースを拡張しました。
と上海に開設する新たなデータセンタ「上海・園区データセンタ」に関する協業について合意しサービスの提供を開始しました。
○ネットワークの拡充
ロシアの大手通信事業者TransTeleCom Company CJSCと共同で、日本〜ロシア間光海底ケーブル(「北海道-サハリン・ケーブル・システム:Hokkaido-Sakhalin Cable System」以下「HSCS」)を利用した、日本〜欧州間を結ぶ新しいルート(HSCSルート)の運用を開始しました。
○事業拠点の展開
お客様の事業展開をサポートするため、インドにおいて現地法人NTT Communications India Private Limitedのチェンナイ支店を新たに開設し、また、ロシアにおいて現地法人NTT Communications Russia LLCを設立し、ICTソリューション提供の一層の充実に努めました。

<3>個人のお客様向けサービスの展開
 電話サービスについては、引き続き「プラチナ・ライン」「世界割」などにより、お客様の多様なご要望に対応するとともに、OCNを中心とした上位レイヤビジネスについては、様々なライフスタイルに合わせた新たなサービスを提供しました。

《当連結会計年度の主な取り組み》
○OCNの会員拡大
「OCN光withフレッツ」など、光サービスを中心とした販売活動の推進に加え、高速モバイル接続サービスの開始など、お客様のご要望に対応した多様なサービス提供を行った結果、OCNの会員数が平成20年6月に700万契約を突破しました。また、従来の紙による請求書にかえてインターネットでの料金案内を標準とし、地球環境保護にも配慮した取り組みを開始しました。
○050IP電話の特性を活かした新たなビジネス展開
プライベートを守る着信・転送サービス「050あんしんナンバー」において、OCN会員以外のお客様にもご利用いただけるよう提供条件を拡大したほか、050番号を企業の受付番号としてご利用いただける「050ビジネスダイヤル」の提供を開始し、050IP電話の新たな付加価値の提供に努めました。
○「ひかりTV」のサービスメニュー強化
株式会社NTTぷららの「ひかりTV」において、NGNに対応した地上デジタル放送IP再送信やNHKオンデマンドサービス、ハイビジョン作品の拡充など多様なサービス展開により、「ひかりTV」の会員数が本年3月に50万契約を突破しました。
○携帯電話とパソコンの新たな連携サービスの開発
NTTレゾナントにおいて、NTTドコモと連携し、携帯電話・パソコンそれぞれの特長を活かしたシームレスなサービスの開発、iMenu(R)サイトにおける検索機能の高度化などグループ一体となった取り組みを開始しました。

 以上の取り組みの結果、長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、OCNやVPN関連サービスなどのIP系収入、法人のお客様向けのソリューション収入が増加したものの、従来型の固定音声関連収入の減少などにより、1兆3,155億円(前期比0.6%減)となりました。また、当連結会計年度の営業費用は、固定音声関連収入の減少に伴い通信設備使用料が減少した一方で、前連結会計年度に計上した厚生年金基金代行返上益がなくなったこと等により1兆2,186億円(前期比0.1%増)となり、営業利益は969億円(前期比8.5%減)となりました。

【移動通信事業セグメント】
業績の概要
業績の概要

契約数
契約数
(注) 1. 携帯電話サービス契約数及び「FOMA」サービス契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて記載しております。
2. 平成20年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、携帯電話サービス契約数及び「FOMA」サービス契約数には、その場合の当該「FOMA」契約を含んでおります。
3. 「iモード」サービス契約数は、「FOMA」サービス分、「mova」サービス分の合計を記載しております。

 移動通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTドコモは、料金サービスの充実、新たな端末シリーズの展開、新サービスの導入、ネットワーク品質の向上などについて、お客様視点での見直しを実施し、一層の競争力強化に努めました。加えて、市場環境の変化に対応するため前連結会計年度に導入した新たな割引サービスや新販売モデルなど、新たなビジネスモデルの定着に引き続き取り組みました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。

<1>料金サービスの充実と新販売モデルの定着
「FOMA」サービスならではの豊富なコンテンツ・アプリケーションを、お客様により快適かつ安心してご利用いただけるように、新たなパケット定額サービス「パケ・ホーダイ ダブル」の提供を開始しました。
お客様のご要望に合わせて、2つのコースのいずれかを選択いただける新販売モデルのうち「バリューコース」による販売数が9割以上を占めました。
「バリューコース」:従来に比べて携帯電話機購入代金の負担が増すものの、月々の基本使用料が低廉な新料金プラン「バリュープラン」が適用され、携帯電話機購入代金の分割払いも可能なコース。
「ベーシックコース」:従来の料金プランが適用され、2年間同一の携帯電話機を継続利用していただくことを条件に、携帯電話機購入代金が割り引かれるコース。

<2>新たな端末シリーズの展開
お客様の価値観やライフスタイルに合った携帯電話機をお選びいただくために、平成20年11月、4つの端末シリーズに刷新しました。
<2>新たな端末シリーズの展開

<3>国際サービスの展開
《国際ローミングサービスの充実》
国際ローミング対応端末のラインアップの充実を進めました。これにより、お客様ご自身の携帯電話機で国際ローミングサービスをご利用されるお客様が、当連結会計年度の国際ローミング利用者数の9割を超えました。
韓国で国際ローミングサービスをご利用いただく際に、音声通話などが最大60%割安な料金で利用可能となる新たなサービス「海外プラスナンバー」の提供を開始しました。
ハワイにおいて米国のAT&T Inc.と3Gネットワークの共同構築を行いました。また、グアムにおいてNTTドコモの子会社のDOCOMO PACIFIC, INC.が3Gサービスの提供を開始しました。
当連結会計年度末現在、国際ローミングサービスをご利用いただける国・地域の数は次のとおりとなりました。
音声・ショートメッセージサービス 182
パケット通信サービス 138
テレビ電話 49

《他社との資本提携》
バングラデシュにおける携帯電話サービスの事業展開を推進し、成長機会の獲得を目指すため、バングラデシュのTM International(Bangladesh) Limitedに出資しました。
インド移動通信市場での事業領域拡大と収益増大を目的とし、インドのタタ・グループの持株会社であるTata Sons Limitedおよび同社の傘下にあるインドの通信事業者であるTata Teleservices Limited(以下「TTSL社」)との間で資本提携について合意し、TTSL社およびTTSL社の関連会社のTata Teleservices(Maharashtra) Limitedに出資しました。

<4>サービスおよびアフターサービスの充実
《当連結会計年度中に開始した主なサービス》
《当連結会計年度中に開始した主なサービス》
(注) 「BlackBerry」は、Research In Motion Limitedの登録商標です。

《当連結会計年度中に開始した主なアフターサービス》
エリア改善のご要望に迅速な対応を行うため、ご希望のお客様には、NTTドコモからの連絡後、原則48時間以内に訪問し、エリア品質調査を開始しました。
NTTドコモグループの携帯電話などのご契約者に提供している会員サービス「ドコモプレミアクラブ」について、ステージ決定の条件に継続利用期間を追加するとともに、「ドコモポイント」の最高獲得率を引き上げるなど、長期にご利用いただいているお客様へのサービスの充実を図りました。
不慮の水濡れで、電源が入らなくなってしまった携帯電話機から取り出すことができた電話帳などのデータをCD−Rにコピーしてご返却する「水濡れケータイデータ復旧サービス」の提供を開始しました。

<5>クレジットビジネスの普及促進
クレジットサービス「DCMX」の普及促進
「ドコモポイント」がお得に貯まる特約店の拡大、インターネットサイト「DCMXドコモポイントモール」の開設などにより、利用促進を図りました。
「ドコモポイント」を「DCMX(iD)」や「DCMX mini」を利用したショッピング代金の一部としてご利用いただける「DCMX(iD)クーポン」を開始し、サービスの向上に努めました。
クレジットブランド「iD」の普及促進
お客様の日常生活に深く関わる店舗に、重点的に読み取り機の設置を進めました。
グアムおよび中国の店舗にも読み取り機を設置し、日本の非接触IC電子マネーとして初めて海外利用に対応し、利用促進を図りました。

 以上の取り組みの結果、移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、新たな割引サービスの拡大などによる移動音声関連収入の減少により、4兆4,480億円(前期比5.6%減)となりました。また、当連結会計年度の営業費用は、端末販売台数の減少に伴う収益連動経費の減少などにより3兆6,226億円(前期比7.5%減)となり、営業利益は8,254億円(前期比3.6%増)となりました。

【データ通信事業セグメント】
業績の概要
業績の概要

 データ通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTデータは、「お客様満足度No.1の追求」の実現に向けて、「営業の変革」、「開発プロセスの変革」など中期経営の主な施策に取り組みました。また、新規システムの受注・サービス開始に向けた積極的な営業活動および効率的なシステム開発を推進するとともに、提供中のシステムについては、引き続き安定したサービス提供に努めました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。

<1>経営施策の取り組み状況
《営業の変革》
ソフトウェア・サービスの営業活動を一元的に掌握するSR(Solution Representative)を任命し、商品営業改革を推進しました。
お客様満足度調査の結果および改善アクションの成果を分析し、お客様満足度向上の模範となる取り組み事例を社内で共有し、知見・ノウハウの水平展開を図りました。

《開発プロセスの変革》
NTTデータを含むSI事業者6社により、お客様の情報システム基盤の実現要求を、お客様視点で「見える化」する検討会を発足し、従来、目に見えず、わかりにくかった非機能要求の項目を洗い出し、体系的に整理した「システム基盤の要求項目一覧」を公開しました。
システムの画面プロトタイプを簡単に作成するAxure Software Solutions, Inc.のツール「Axure RP」を導入し、システムの使いやすさを含めたお客様の要求を的確に抽出する手法を開発しました。

《グループ経営の効率的な推進》
公共分野のシステム開発を主に実施している開発系子会社4社を統合し、株式会社NTTデータ・アイとし、開発リソースとノウハウの統合・集約による開発基盤の強化を図りました。
NTTデータグループ全体の管理業務の効率化を目的に、「グループ・シェアード・サービスセンタ(G-SSC)」をエヌ・ティ・ティ・データ・マネジメント・サービス株式会社内に「シェアードサービス事業本部」として設置しました。
収益性向上に向け、連結子会社の株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・ジー・シーの解散を実施するなど、事業の撤退や高収益ビジネスへの人的・物的リソースのシフトなどを進めました。

《成長エンジン》
ヘルスケア事業領域において、医療機関・薬局などが既存のインターネット環境を利用して、審査支払機関へのレセプトオンライン請求を可能とする「レセプトオンライン接続サービス」を開始しました。
組み込みソフト事業領域において、パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社から同社の子会社であるパナソニックMSE株式会社の経営権を譲り受け、株式会社NTTデータMSEとして新たに発足しました。

《人材育成》
「プロフェッショナルCDP」(注)の認定運用の拡大・定着を進めました。認定運用については、高い専門性を活かして企画・推進できるプロフェッショナル人材などとして、プロジェクトマネージャ、技術スペシャリスト、営業人材の認定を進めました。
(注) プロフェッショナルCDP:求める人材像を定義するとともに、そのレベルを段階的に定め、知識・経験・技量に基づいて社員一人ひとりの専門性とレベルを認定する認定制度。社員が自らのレベルを客観的に認識し、キャリアパスを意識した仕事や研修を通じて経験を積み成長していく、会社の成長と社員の成長とを連動させていく仕組み。

<2>事業活動の取り組み状況
《公共分野》
輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社における「次期通関情報処理システム(次期NACCS)・貿易管理サブシステムの構築、機器賃貸借・機器保守および運用技術支援業務」を受注しました。
国税庁における「平成20年度国税電子申告・納税システムに係る追加機器等の借入」を受注し稼動開始しました。

《金融分野》
「NTTデータ標準バンキングシステム(BeSTA)」の拡大に向け、金融機関向けの共同利用型システム「地銀共同センター」の利用促進を図り、株式会社福井銀行へのサービスを開始するなどの取り組みの結果、「BeSTA」の採用を決定している金融機関は、地方銀行22行、労働金庫13金庫となりました。
資金証券ソリューション分野におけるサービスビジネスの主要プレイヤーである株式会社エックスネットと資本業務提携契約を締結し、同社を連結子会社としました。

《法人分野》
株式会社三井住友フィナンシャルグループ、株式会社日本総合研究所および株式会社日本総研ソリューションズとの間で、NTTデータと株式会社日本総研ソリューションズによるITサービス事業での広範な業務提携およびこれを前提とした資本提携を行うことについて合意し、株式会社日本総研ソリューションズを連結子会社とし、株式会社JSOLとして新たに発足しました。
企業の販売促進活動をサポートするSaaS型ソリューション「SmarP(エスマープ)」の提供を開始いたしました。

《グローバル事業の展開》
欧州でのビジネス拡大に向けて、現地のSI事業者との資本提携などを行いました。
ドイツのBMWグループから、ITコンサルティング会社Cirquent GmbHの経営権を譲り受け、ドイツの子会社itelligence AGとの連携を進め、お客様へのより広範なサービスの提供を進めました。

 以上の取り組みの結果、データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、連結子会社の拡大などによる増収により、1兆1,272億円(前期比6.4%増)となりました。また、当連結会計年度の営業費用は、収益連動経費の増加などにより1兆405億円(前期比4.0%増)となり、営業利益は868億円(前期比47.5%増)となりました。

【その他の事業セグメント】
業績の概要
業績の概要
 その他の事業セグメントにおいては、不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業などの事業を推進した一方で、金融事業における貸倒費用の拡大や不動産事業での分譲事業の不振等により、当連結会計年度の営業収益は1兆1,652億円(前期比1.7%減)、営業費用は1兆1,500億円(前期比4.0%増)となりました。その結果、営業利益は152億円(前期比80.8%減)となりました。


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