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(2)会社の対処すべき課題
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わが国経済は、世界的な景気後退が続くなかで急速な悪化が続いています。在庫調整の進展による生産の下げ止まりの兆しや、各国政府の経済対策効果への期待などがある一方で、雇用情勢の悪化に伴う個人消費の減少、世界経済の停滞の長期化など景気を下押しするリスクも存在しており、当面、景気は悪化が続くものとみられます。
情報通信分野においても、個人消費の減少や企業の設備投資の抑制などの影響が想定されます。一方、ネットワークのIP化、ブロードバンド化・ユビキタス化が引き続き進展し、固定と移動、通信と放送等サービスの融合が進展し、これに伴うお客様要望の多様化に対応するため、競争は激しさを増すものと想定されます。
このような厳しい事業環境のなか、NTTグループは、2008年5月に策定した新たな中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」に基づき、お客様志向で、フルIPネットワークの基盤を活用したブロードバンド・ユビキタスサービスを創造、展開してまいります。具体的には、成長戦略として示した以下の4つの分野での事業領域の拡大を進め、IP系やソリューションを軸とする事業構造への転換を推進し、当連結会計年度において連結売上高の約6割弱を占めているIP系・ソリューションなどの割合を、さらに引き上げることを目指してまいります。 |
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<1>NGN・3Gなどのサービスの拡充
NGNや3Gなどのネットワークサービスの拡充を進めるとともに、上位レイヤビジネスの拡大に取り組んでまいります。
固定通信市場では、NGNの更なるエリア拡大を進めるとともに、映像配信・ISP・ポータルなどにおいて光やNGNの特長を活かした様々なサービスを開発、提供してまいります。また、検索、配信、料金回収代行などのサービス提供基盤ビジネスや、SaaSをはじめとしたアプリケーションサービスなど、新しいIP系上位レイヤビジネスを拡大してまいります。NGNを活用したサービスの開発・事業化にあたっては、「次世代サービス共創フォーラム」などを活用し、教育分野などを中心に様々なパートナーの皆様との共創に取り組んでまいります。
移動通信市場では、お客様のライフスタイルやご要望にあわせてサービスや機能の"パーソナル化"を進めるとともに、LTEによるモバイルブロードバンドを推進してまいります。また、市場が成熟期を迎えるなか、既存のお客様との関係を深めるとともに、新たな市場の開拓や、より便利で魅力的なサービスの提供に取り組んでまいります。
<2>ソリューションビジネスの拡大
営業力および開発力の強化に引き続き努め、法人のお客様の業種・業態にあわせ、更なる生産性の向上につながる付加価値の高いソリューションの提供を進めてまいります。グループ連携により、お客様のパートナーとしてSaaSをはじめとした各種ソリューションの提供や、外部リソース、技術・ノウハウなどの獲得を目的とした取り組みについても、引き続き積極的に進めてまいります。
<3>新分野ビジネスの推進
環境・エネルギーや不動産に加え、研究開発成果の活用による新たなビジネスの拡大を図ってまいります。環境・エネルギー関連事業では、高信頼・省エネルギーデータセンタの構築・運用や、環境負荷低減に着目したグリーンビルディングの構築などを進めてまいります。
<4>グローバルビジネスの展開
グループの総合力を活かし引き続き事業の拡大を図ってまいります。グループトータルでのICTサービスラインアップおよびサービス提供エリアの拡充やデータセンタの充実を進めるとともに、移動通信においては、国際ローミングサービスの拡大や、これまでに資本提携した新興国などの通信事業者との連携により成長市場での事業展開を進めてまいります。これらを通じて海外における顧客基盤やサービス提供力をさらに強化してまいります。 |
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以上の4つの分野での事業領域の拡大を進める一方で、グループ全体で業務プロセスの見直しを進め、拠点の集約や業務のアウトソーシングなどによる経営の更なる効率化についても、引き続き取り組んでまいります。
また、世界的な課題となっている地球環境問題についてもグループ一体となって取り組み、自然エネルギー発電・利用を促進する施策「グリーンNTT」を展開するとともに、エネルギー効率の高い設備の導入検討など地球温暖化対策の取り組みを強化してまいります。
これらの取り組みを推進するため、当社は、経営資源の機動的かつ弾力的な配分や一元的な基盤的研究開発など、持株会社方式の利点を活用したグループ経営を推進するとともに、各グループ会社に対する必要な助言、あっせんなどの実施、効率的な資金調達などに取り組んでまいります。
研究開発では、安心・安全で便利なブロードバンド・ユビキタス社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術の創出に向けて取り組んでまいります。また、成果を着実に事業に反映させるため、グループ会社との緊密な連携のもと、実用化に向けた開発を一層推進してまいります。さらに、基盤的研究開発の成果の普及に努めるとともに、NGN技術の海外への普及活動、国際標準化活動、他の研究機関と連携した研究開発活動などについても積極的に進めてまいります。
NTTグループは、ブロードバンド・ユビキタスサービスの提供を通じた豊かなコミュニケーション環境の創造、企業活動の効率化、新たなビジネス機会の創出に取り組み、さらには少子高齢化や環境問題などの様々な社会的課題の解決に貢献し、グループの企業価値の増大に努めてまいる所存です。 |
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