(お知らせ)
2009年7月22日
日本電信電話株式会社


7.22皆既日食のライブ中継伝送に成功


日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三浦惺)は、超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(以下:URCF)と協力して、奄美大島で観測された皆既日食の模様を、HD映像と世界初の試みとして4K(※1 )超高精細(以下、4K)全天映像でライブ配信する実証実験に成功したことをお知らせいたします。


【伝送実験内容】

1. 実験日時(ライブ中継)
2009年7月22日(水)10時40分〜11時10分

2. 実験の内容
 奄美大島で観測された皆既日食のHD映像と4K全天映像を、4箇所の上映会場(ABCホール(大阪市)、大阪市立科学館(大阪市)、けいはんなプラザ(京都府)、つくばエキスポセンター(つくば市))へライブ中継し、各会場で奄美の皆既日食の瞬間を高い臨場感で体感して頂きました。上映会場では、受信した映像を録画し繰り返し上映することで、多くの来場者に皆既日食映像をご覧いただいています。また、大阪に「映像素材交換拠点」を構築し、奄美以外の複数の地点で実施された日食撮影プロジェクトの映像を集約、各上映拠点に配信することで、奄美だけではなく他の地点の皆既日食映像もご覧いただいています。

(1) 4K全天映像の多地点配信
 奄美大島において、魚眼レンズをつけた4Kカメラで撮影した全天映像を、「4K映像IPストリーミングシステム」(※2 )で圧縮して、ABCホール、けいはんなプラザ、つくばエキスポセンターの3地点に同時配信し、ドームシアターで上映いたしました。また、映像素材交換拠点から大阪市立科学館までは、4K全天映像を「4K非圧縮映像伝送装置i-Visto Gateway XG-1」(※3 )と「120 GHz帯ミリ波伝送システム」(※4 )を用いて非圧縮で無線伝送し、大阪市立科学館のプラネタリウムで上映しました。(【写真:4Kドームシアターでの上映中の写真】参照)

(2) フルHD皆既日食映像の多地点配信
 奄美大島で撮影した、フルHD解像度の皆既日食映像を、「スケーラブル映像圧縮リアルタイム処理ソフトウェア(SVC)」(※5 )を用いて、ABCホール、けいはんなプラザ、つくばエキスポセンターの3地点に同時配信し、HDディスプレイでの上映とワンセグ配信を行いました。また、映像素材交換拠点から大阪市立科学館までは、「HD非圧縮映像伝送装置i-Visto Gateway XG-2」※3 )と「120 GHz帯ミリ波伝送システム」(※4 )を用いて非圧縮で無線伝送し、HDディスプレイで上映しました。


【今後の予定】
 今後は、商用ネットワーク上での実用性の検証を行い、ネットワーク環境や映像再生環境に適した、多様な映像配信が可能な次世代映像コンテンツ流通技術の確立を目指していきます。


【参考】
 本実験の詳細につきましては、2009年7月16日に「7.22皆既日食のライブ中継伝送にNTTの伝送技術を集結」として、発表いたしました。
http://www.ntt.co.jp/news/news09/0907/090716a.html


<用語解説>
※1 4K
 4Kとは、横方向に約4000画素、縦方向に約2000画素で1画面あたり約800万画素からなる映像のことで、1920x1080の画素数で規格化されているHD映像に対して、その四倍角に当たる3840x2160画素の映像と、デジタルシネマ規格での4096x2160画素の映像の二種類がある。本実験は前者を用いている。またデジタルシネマ規格の2Kは画素数を2048x1080と定めている。

※2 4K映像IPストリーミングシステム
 4K映像信号をリアルタイムに符号化・復号しIP伝送するシステム。映像符号化方式にはJPEG 2000を用い、遅延の少ない映像伝送が可能。JPEG 2000方式によるスケーラブル伝送機能があり、圧縮された4K映像ストリーミングからHD解像度の映像を復号する。また、内蔵ストレージを利用して録画ができ、録画した映像の再生や配信機能も有する。また、パケットロスに対応するために超高速エラー訂正技術を搭載。

※3 4K非圧縮映像伝送装置i-Visto Gateway XG-1、HD非圧縮映像伝送装置 XG-2
 IPネットワーク技術を用いて4KやHDの映像を非圧縮のままリアルタイム伝送可能な装置。映像素材を非圧縮のまま扱えるため、映像符号化による品質劣化や処理遅延がないのが特徴。

※4

120GHz帯ミリ波無線伝送
 商用で未利用な120GHz帯を用いた最大10Gbit/sのデータ伝送が可能な無線伝送技術であり、非圧縮4K映像信号(6Gbit/s)と、非圧縮HD映像信号2ch分(1.5Gbit/s×2)を多重して伝送することが可能。川、道路越えといった光ファイバの敷設が困難な場合でも、本無線を利用することにより短時間でポイント-ポイント間の大容量伝送回線の構築が可能。
(120 GHz帯ミリ波伝送システム研究の一部は総務省からの受託研究【電波資源拡大のための研究開発】として実施しています。)

※5 スケーラブル映像圧縮リアルタイム処理ソフトウェア(SVC: Scalable Video Coding)
 スケーラブル映像圧縮とは1つの圧縮データから異なる複数の解像度やビットレートの圧縮データを取り出すことができる技術。NTTが開発した「スケーラブル映像圧縮リアルタイム処理ソフトウェア」(2009年2月報道発表)は、フルHDからモバイルまでの様々な解像度映像をリアルタイムで1つの圧縮データにすることが可能。



【写真:4Kドームシアターでの上映中の写真】



< 本件に関する 問い合わせ先 >
日本電信電話株式会社
広報室
Tel:03-5205-5550
< 技術に関する問い合わせ先 >
実験の内容(1)について
NTT先端技術総合研究所企画部広報担当
Tel:046-240-5157
http://www.ntt.co.jp/sclab/contact.html

実験の内容(2)について
NTTサイバーコミュニケーション総合研究所
企画部広報担当
Tel:046-859-2032
E-mail:randd@lab.ntt.co.jp


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