2009年10月28日
東京都市大学
日本電信電話株式会社


低遅延の双方向高臨場感コミュニケーション環境を世界で初めて構築
〜 4K映像を毎秒60フレームで伝送、
手話講演模様をなめらかな映像で生中継 〜


 東京都市大学環境情報学部(旧:武蔵工業大学 横浜市都筑区 学部長:増井 忠幸、2009年4月校名変更)と日本電信電話株式会社(以下:NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三浦惺)は、映像伝送の遅延を100ミリ秒以下に抑えた、4K/60P(3840x2160画素、毎秒60フレーム)の大容量映像の双方向伝送を実現しました。本技術を用いて、10月31日に、日本手話学会(会長:澁谷 智子)と超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(以下:URCF、会長:原島 博)と共同で、東京大学駒場キャンパスと東京都市大学横浜キャンパス間に高臨場感コミュニケーション環境を構築し、日本手話表現の第一人者である米内山明宏氏による手話の遠隔講演を4K/60P映像で生中継いたします。


【背景】
 東京都市大学環境情報学部とNTTの未来ねっと研究所(NTTの研究所)は、HDTVの4倍の空間解像度(3840x2160画素)を有し、同じくHDTVの2倍の時間解像度となる毎秒60フレームの映像である4K/60P超高精細映像※1の高品質配信技術とその利用方法について研究開発を進めています。今回、世界初の4K/60P映像の双方向伝送の実現により、手話の素早い動きや指先の細かな動きまでリアルタイムに遠隔地に伝えることができる高臨場感コミュニケーション環境を構築いたしました。


【講演中継の概要】
 10月31日に開催される日本手話学会第35回大会の基調講演において、講演会場である東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区)と東京都市大学横浜キャンパス(横浜市)間を4K/60P映像の双方向伝送で接続し、手話による遠隔講演を高臨場感コミュニケーション技術でリアルに生中継します。駒場キャンパスと横浜キャンパスそれぞれに、4K/60P仕様のカメラ(以下、4K/60Pカメラ)と映像表示装置をNTTの研究所が開発した4K映像IPストリーミングシステム※2につなぎ込みます。それぞれのキャンパスに設置された4K映像IPストリーミングシステムを独立行政法人情報通信研究機構(以下:NICT)が運用するJGN2 Plus※3で接続し、IPネットワークを用いて双方向伝送を行います()。4K/60Pカメラで撮影された映像は、4K映像IPストリーミングシステムにより、符号化方式JPEG 2000※4で圧縮し各会場に配信します。受信会場では、4K映像IPストリーミングシステムにより受信した圧縮映像を伸張し、4K/60P用表示装置により超高精細映像を映し出すことで、手話による遠隔講演の様子が高品質で低遅延の臨場感あふれる映像をご覧いただくことができます。
 また、今回の中継では、東京大学の4K/60Pカメラから取り出したHD映像(1920x1080画素、毎秒30フレーム)を、筑波技術大学(つくば市)へ配信いたします。
 なお、本実証実験は、以下の研究の一環として実施します。
・NICT委託研究「新世代ネットワークの構築に関する設計・評価手法の研究開発」
  ・(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業さきがけ「研究領域:情報環境と人、 課題名:インタラクション理解に基づく調和的情報保障環境の構築」
 また、本実証実験システムには、総務省委託研究「次世代映像コンテンツ制作・流通支援技術の研究開発」の成果が活用されています。


【今後の予定】
 東京都市大学とNTTは、高品質映像を用いた高臨場感コミュニケーション環境利用技術の確立を目指していきます。


<用語解説>

※1 4K/60P超高精細映像
 4K映像とは、横方向に約4000画素、縦方向に約2000画素で1画面あたり約800万画素からなる映像のことで、1920x1080の画素数で規格化されているHD映像に対して、その四倍角に当たる3840x2160画素の映像と、デジタルシネマ規格での4096x2160画素の映像の二種類があり、本実験は前者を用いています。4K/60P映像とは、毎秒60フレームのプログレッシブな4K映像を示します。

※2 4K映像IPストリーミングシステム
 4K映像信号をリアルタイムに符号化・復号しIP伝送するシステムです。映像符号化方式にはJPEG 2000※4を用い、遅延の少ない映像伝送が可能。JPEG 2000方式によるスケーラブル伝送機能があり、圧縮された4K映像ストリーミングからHD解像度の映像を復号します。
 また、内蔵ストレージを利用して録画ができ、録画した映像の再生や配信機能を有しており、パケットロスに対応するために超高速エラー訂正技術を搭載しています。

※3 JGN2plus
 NICTが運用する超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。JGN(Japan Gigabit Network)からJGN2へと発展し、平成20年4月よりJGN2plusとして運営されています。

※4 JPEG 2000
 ISOとITUの共同組織であるJoint Photographic Experts Groupで規格化された映像圧縮方式の一つで、時間方向の圧縮を行わず、フレーム毎に圧縮を行っています。



図 実験システム構成



<本件に関する問い合わせ先>

東京都市大学
環境情報学部
広報担当
Tel:045-910-0104

日本電信電話株式会社
先端技術総合研究所
企画部 広報担当
Tel:046-240-5157
http://www.ntt.co.jp/sclab/contact.html


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