日本電信電話株式会社(以下:NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三浦 惺)は、ルータやネットワーク機器および観測ツールなどから収集・蓄積したネットワーク情報を自由に抽出・統合することでIPネットワーク内の混雑状況など振る舞いを分析し直感的かつ迅速に把握する情報統合型ネットワーク解析システムIM-VISを開発しました。(図1)
本システムにより、大量の情報の収集が必要であったインターネット上の障害の発生箇所の把握など 広域ネットワークの分析が容易になるため,インターネットサービスプロバイダ※1(以下:ISP)などが実施するIPネットワークの運用にかかる管理作業などの大幅な効率化が期待できます。
NTTは国立情報学研究所(以下:NII)と共同で、本システムをNIIが運用する学術情報ネットワーク(SINET)の挙動の解析や運用管理に用いることで、効率的な広域ネットワークの運用管理の手法を確立することを目的し適用実験を2010年2月から開始する予定です。 |
|
|
【開発の背景】
現在ネットワーク管理業務では、専門のネットワーク管理者が常にネットワークを観測し、観測された状態に応じ適切な制御を行うことでネットワークの運用管理をしています。大規模ネットワークを管理するISPなどでは、ルータなどのネットワーク機器のログやネットワーク観測ツールのような「生の」情報からネットワーク状態を把握するには大量の情報の収集・解析が必要であり、ネットワーク運用の大きな負担となっています。 |
【システムの内容】
IM-VISは、ISP間で交換されるBGP※2経路情報を解析して得られるISP間の接続を表すグラフの表示(以下:AS※3トポロジ)を基本としてネットワークの混雑状況などの振る舞いを分析します。(図2)
ASトポロジはネットワークの構造を視覚的に表現できるためネットワーク構造の把握に役立つほか、経路情報以外のネットワーク情報の解析結果をASトポロジ上に反映させることで、ネットワーク管理者はインターネット上の障害の発生箇所、影響の地理的・時間的な変動の様子を直感的に把握することができます。このように、IPネットワーク上のさまざまな状態情報をASトポロジ上で統合表示するネットワーク解析システムは世界初のシステムです。(図3) |
【今後の展開】
システムの実用化に向け、NIIのSINETとNTTの実験ネットワークの複数地点にIM-VISを設置し、運用管理者などからの意見や知見を元に改良を継続的に行い、ネットワーク障害の自動検出および診断、ネットワーク機器の自動制御なども可能になるシステムに発展させていく予定です。 |
<用語解説>
| ※1 |
 |
インターネットサービスプロバイダ(ISP)
固定電話回線や、携帯電話回線などを通じて、顧客である企業や家庭のコンピュータをインターネットに接続する企業等。
|
| ※2 |
|
BGP(Border Gateway Protocol)
ISPや大学などのネットワーク間で経路情報をやりとりするためのプロトコル。
|
| ※3 |
|
AS(Autonomous System)
ISPなど統一された管理ポリシーを持つ組織が保有・運用する自律したネットワーク。
ASを相互に接続した形態がインターネットともいえる。 |
|