
平成8年9月18日
超高速インタフェースを提供する
ファイバチャネルの共同開発について
─米ANCOR社と、業界標準化を目指して─
NTTは、このたび米国Ancor Communications社(以下
Ancor社,CEO:Stephen C. O’Hara,本社所在地:米国ミネ
ソタ州)および同社の日本総代理店株式会社ヒューコム(代表取締役社長:佐藤英明、
本社所在地:東京都杉並区)とファイバチャネルの実装仕様の共同開発を行うことで合
意しました。
ファイバチャネルとは、高速コンピュータ間やコンピュータと記憶装置間の接続等に
使用される高速(133M〜4Gbit/s)かつ長距離伝送(最大10km)が可能
な伝送媒体およびネットワークの規格です。
今回合意した共同開発では、このファイバチャネルで構築されたユーザネットワーク
を、通信事業者が提供するATM*1網などの広域ネットワークを介して接続するため
のインタフェース仕様について、今年度末までに作成します。その後、ファイバチャネ
ルの業界団体である米国FCA*2および日本ファイバチャネル協議会(FCA−
Japan)に提案し、広く普及を図ることで、システム製品のマルチベンダ化の推進
にも貢献していく予定です。
<共同開発の背景>
ファイバチャネルは、ANSI*3(アメリカ規格協会)で標準化されている高速の
データ通信技術であり、スーパーコンピュータや高速サーバ、大容量記憶装置との間の
高速データ転送や、映像を含むマルチメディア情報の転送に、経済的でリアルタイムな
ネットワーク環境、伝送手段を提供するものとして注目されています。
しかし、これまでは広域ネットワークとの接続インタフェースの仕様が定まっていな
かったため、ファイバチャネルはそのような環境を必要とする施設、例えば大学や病院
の中の閉じたネットワークとして使用されるにとどまっていました。
今回の共同開発は、広域ネットワークとのインタフェース仕様を決定し、高速のマル
チメディア通信技術として高いポテンシャルを有するファイバチャネルを広域ネットワ
ークに接続し、広い領域にわたって利用可能にしようというものです。
<共同開発の意義>
ファイバチャネルを基にしたユーザネットワークと通信事業者の広域ネットワークと
のインタフェースは、現在ANSIで標準化が検討されているテーマです。広域ネット
ワークを提供するNTTと、ファイバチャネル製品のトップシェアベンダである米AN
COR社との協力は、その標準化活動を推進すると同時に、ファイバチャネルの適用範
囲を拡張することにより、超高速通信環境の整備を促進します。
<共同開発の内容>
ANCOR社と次の仕様の共同開発を行います。
(1)ユーザネットワーク内のファイバチャネルと広域ネットワークの通信方法の違い
に対して変換を行い、相互の通信を可能とするためのインターフェース変換の仕
様作成。
*インタフェース変換はネットワーク間接続装置(IWU:Inter
Working Unit)で実行されます
(2)ファイバチャネルスイッチとIWUとのインタフェース仕様作成。
<今後の予定>
今回の共同開発により平成9年3月までには上記仕様を作成する予定です。その後、
ファイバチャネルの業界団体である米国FCAおよび日本ファイバチャネル協議会
(FCA−Japan)を通じて、他の企業、団体にも広く公開し、関連製品へのサポ
ートを促していく予定です。これにより、ファイバチャネルを使用したマルチベンダの
ネットワーク間の相互接続、広域にわたるファイバチャネル通信サービスの展開を図っ
ていきます。
<用語解説>
*1)ATM(Asynchronous Trasfer Mode:非同期転送モード)
パケット交換と回線交換のメリットを融合して、リアルタイム転送を要求す
る音声、画像情報を含むマルチメディア情報を高速で運ぶ能力を備えた転送モ
ードです。情報をセルと呼ばれる短いブロック(53オクテットの短いパケット
)に分割し、宛先等を示すヘッダを付けて転送します。ネットワーク内でのプロ
トコルを簡略化することにより、高速転送を実現しています。
*2)FCA(Fiber Channel Association:ファイバチャネル協議会)
ファイバチャネル製品ベンダーから構成される業界団体で、ファイバチャネル
の実装規約を規定する協議会です。
*3)ANSI(American National Standards Institute:アメリカ規格協会)
アメリカのコンピュータ関連機器メーカーで構成されるCBEMAコンピュー
タ事務機工業会)内に設置した公認標準委員会です。
<参考>
ANCOR社の概要
1)正式社名 Ancor Communications, Inc.
2)設立年度 1986年
3)所在地 6130 Blue Circle Drive Minne−
tonka, Minnesota 55343 U.S.A.
4)CEO Stephen C. O’Hara社長
5)事業内容 ファイバチャネルスイッチ、ホストインターフェースカード、ルー
タ、ファイバチャネル制御用ASICの開発、製造、販売