平成9年3月6日 PHS/GSM共用端末開発について 〜GSM導入国におけるPHS展開を促進〜 NTTでは、PHSとGSMの両システムに対して1台で発着信可能な共用端末のプ ロトタイプを開発しました。この共用端末は、PHSとGSMの両システムの優れたと ころを組み合わせたものですが、この度NTTでは、この端末が両システムに対して充 分良好な品質で利用できることを確認しました。(注) 現在NTTでは、海外諸国のさまざまな環境下において、PHSを展開しようと考え ていますが、今後この端末を活用し、GSM導入国におけるPHS展開の促進に役立て ていきたいと考えています。 注: 法制上国内ではGSM電波を発信することができないため、GSMネットワーク としての使用環境を忠実に模したシステムシミュレータを並行開発し、端末の接続 品質や通話品質に関して適正な評価を実施し、良質であることを確認しました。 《開発の背景》 NTTでは現在、PHSの海外展開を進めているところですが、海外での導入にあた っては、各々の市場に適合させた導入方法が重要です。例えば、都市部の周波数不足へ の対応、地下街においても通話可能にすること、通話料の低廉化が望まれている等の事 情から、現用のGSMに加えて、PHSによる補完を必要とする国や地域が現れること も考えられます。このような国やエリアにおいては、両システムを1台で利用できる端 末を用いたサービスに対するニーズが発生することが予想されます。 ◆PHSの特徴 PHSは日本国内において500万以上の加入者を有する実績のあるシステムで、伝 送容量が大きく、通話品質やデータ伝送に優れ、通話料も安い等の特徴があります。 PHSの端末は、一回の充電で長時間使用可能であり、屋外のみならず家庭・オフィス での利用も可能です。 ◆GSM(Global System for Mobile communi− cation)の特徴 GSMは、欧州全域で国境に関係なく自動車電話を使用できるようにするために開発 されたものです。1つの基地局がカバーする通話エリアが広く、自動車などでの高速移 動中にも通話できることが特徴で、現在では欧州・アジア諸国を中心として100か国 以上に採用され事実上の世界標準となりつつあります。 《技術のポイント》 1.エージェント機能による最適システムへの自動接続 PHS、GSM両環境で使用できる端末を開発するにあたり、NTTではエージ ェント技術の無線通信への適用を課題として設定しました。エージェントとは“代 理人”の意味で、ユーザの意志を使用者自身に代わって通信装置やネットワークが 実現してくれるという概念です。今回開発した共用端末では、安価な通話料という PHSのメリットを最大限に発揮させるため、PHS自営(コードレスホンの子機 として)、PHS公衆、そしてGSMへの切り替えを行う制御ソフトを利用し、周 囲の電波状況を調べて、十分な品質を維持できるシステムの中でもっとも低料金の システムへの接続を自動的に行うことが可能です。 2.GSM端末とほぼ同じ容積・重量の端末を実現 開発した共用端末は、容積290cc、重量280gであり、広く使われている GSM端末の容積・重量と同程度です。 《今後の予定》 海外における各種セミナーや展示会等々で、当端末の紹介・展示およびシミュレー タを利用したデモンストレーションを行い、が様々な環境下で適用できることを示し 、PHSの海外展開を促進していきます。
