平成9年5月30日 国内最大級のイントラネットの構築について 〜WWW等のインターネット技術を業務処理系システムへ応用した社員サービスを開始〜 NTTは、 グループ企業を含めた情報システムの高度化による情報共有・活用の推進と業 務の効率化を進めているところですが、今回その一環として、WWW等のインターネット技 術を業務処理系システム(*)の入力方式として社内で初めて応用した社員向けサービスを6 月1日(日)から開始します。 *業務処理専用の社内情報システムの総称 1. システムの概要 このシステムは、支社・支店毎に構築を進めているLANと、業務処理系システムの中 で給与支給などを行うためのシステムである「新給与計算システム」が接続されている業 務処理系LANをWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)サーバを介して接続することにより構築した もので、6月現在で約2万台、最終的に10万台以上のLAN端末の接続を予定している 国内最大級のイントラネットです。また、現状では多くのイントラネットがWWWサーバ 上のデータベースの参照のみに止まっているのに対し、「新給与計算システム」のような 全国の事業所をカバーするデータベースをWWWサーバを介しリアルタイムに更新・参照 するこの方式は日本初のものです。 2. サービスの内容 今回開始するサービスは、このシステムを構築した「新給与計算システム」が提供する もので、社員の自席の端末から入力された家族の扶養状況などが、上司等のチェック・承 認を経て自動的に給与に反映されるため、社員からの手書き申請書類を事務担当者が入力 する作業が不要となるばかりでなく、情報の入力から給与の振込までの一連の処理が途中 でデータを再入力することなしにシステム上で完結することができるものです。 また、このサービスにより入力された社員の情報は、「新給与計算システム」の中の勤 務管理業務や通勤費業務など他の業務にも反映されるため、一回の入力を行うだけで、そ の入力内容に応じた多様な処理が自動的に行われます。 なお、今回のサービス開始時には、全社員の家族扶養状況の確認と住宅購入関連の申請 の2種類の業務に先行して適用することとしており、本年10月には、年次有給休暇など 服務関係申請の全ての業務と各種手当・通勤費など給与関係申請の全ての業務に適用範囲 を広げていきます。 3. システム導入の目的と効果 このシステムは、支社・支店におけるLANの構築の進展に伴い、業務処理系システム の情報をLAN端末から参照・更新したいというニーズに応えるとともに、業務処理専用 端末の増加を抑制することにより、設備投資の削減を図るものです。 今回このシステムを適用してサービスを行う効果としては、年間約7億円の労務費及び 約20万枚のペーパー削減効果を見込んでいます。 4. システムの技術内容 システムの構築にあたっては、以下のようにJAVAスクリプトの使用によりサーバの負 担軽減を図るとともに、最新のインターフェースであるNSAPIを使用したリアルタイ ム処理技術を独自に開発しました。さらに、ブラウザから業務処理系LANへの接続を可 能にするプロトコル変換技術をも独自に開発することにより、開発効率・レスポンス・操 作性・セキュリティを高度な次元で確保し、低価格によるサービス提供を実現しています。 なお、ソフトウェア開発にあたっては、他のシステムでも使用可能な汎用モジュールと 新給与計算システムに特化したモジュールを分離していることなどにより、他システムや 他社の情報システムへの適用も容易な構造を採用しています。 (1) WWW技術 <1> JAVAスクリプト JAVAスクリプトを使用してデータチェックプログラムを開発したことにより、 入力されたデータをブラウザ上でチェックすることを可能とし、WWWサーバ及び 業務サーバの負担を軽減しました。 (注) JAVAスクリプト 端末機種を特定せずに動作可能なプログラム言語。簡易にプログラムを作成できるため、 開発効率に優れており、世界中で普及している。 <2> NSAPI(Netscape Application Interface) WWWサーバ上での処理を高速に行うインターフェース技術であるNSAPIを 使用したミドルソフトの独自開発により、WWWサーバと業務サーバとのリアルタ イム通信を可能としました。 (2) プロトコル変換技術 LAN端末のブラウザから送信されるHTTPプロトコル電文を業務処理系LAN の業務サーバのプロトコルに変換して通信を確立し、処理結果をブラウザに返却する 技術の独自開発により、 LAN端末と業務サーバのリアルタイム通信を可能としまし た。 (3) セキュリティ対策 LAN間接続点にファィアーウォール装置を設置し、通信プロトコルと接続ノード 及び通信方向を規制しました。対社外用ファィアーウォール装置との二重設置により 高セキュリティを確保しています。 5. ソフト等の調達概要 ソフトウェアは当社のソフトウェア本部が製造し、投資額は、今回分と10月実施分を 合わせ約2億円、ハードウェア(WWWサーバ21台、ファイアーウォール装置10台) については国際調達により調達し、投資額約2億円です。 なお、支社・支店のLAN設備は、本システムに関わりなく、個別に調達されています。 6. 今後の予定 当社では、「新給与計算システム」が今回構築したこの方式を社内の標準方式として順 次適用拡大することにより業務の一層の効率化を推進していくこととしており、今後、人 事関連情報を処理する業務処理系システム「新人事情報システム」や「電子決裁」などの 各種情報システムへの適用を予定しています。
