平成9年6月20日                                 日本電信電話株式会社                       株式会社エヌ・ティ・ティファシリティーズ   − 環境保全に配慮した、省エネルギー、高効率な高信頼性空調システムを開発 −  日本電信電話株式会社(以下、NTT)と株式会社エヌ・ティ・ティファシリティーズ(以 下NTTファシリティーズ)は、通信機室や電算機室の空調システムとして、年間冷房型パ ッケージ空調機および空調監視制御装置を開発しました。
 NTTでは、マルチメディア情報通信サービスの展開に伴う電力消費量の増大に対応する ため、低消費電力化の取り組みを進めています。高機能化した通信装置には、適切な動作環 境を維持する空調技術が欠かせないものとなっており、年間連続で運用される通信用空調シ ステムに対して、より一層の省エネルギー性と高い信頼性が要求されています。また、地球 環境保護の観点からも、地球温暖化対策、オゾン層保護対策を推進する新たな空調技術の導 入が必要とされています。  これらの課題に応えるため、NTTとNTTファシリティーズは、これまで蓄積したノウ ハウを生かした次世代型の空調システムを開発しました。 ■本空調システムの特徴 (1)環境にやさしい新冷媒を採用  パッケージ型空調機では、冷媒の圧縮、凝縮、膨張、蒸発という冷凍サイクルが組まれて おり、このサイクルを効率良く実現する冷媒*1が必要となります。従来用いられていた地球 を取り巻くオゾン層を破壊する性質を持つHCFC*2冷媒に代わり、オゾン層を破壊しない HFC*3冷媒(R407C)をパッケージ型空調機用冷媒として国内で初めて採用しました。  また、空調機の修理時や撤去時の冷媒の回収管理を徹底し、空調機で使用する冷媒が環境 に与える負荷を最低限に抑えるよう配慮しています。  この冷媒管理までを含めた総合的な環境評価(地球温暖化に与える影響)を行い、最適な システムを構築しています。 (2)年間連続運転の効率向上  年間を通して冷房を行う必要のある通信機室、電算機室での運用を前提にした機器設計を 行い、また最適な冷凍サイクル制御を確立したことで、飛躍的な運転効率の向上を図り、 年間平均総合運転効率*4(COP)で4.0以上を達成しています。  NTTでは、従来より、通信機室の空調を対象とした専用の設計を用いた空調システムを 導入することで、省エネルギー化を図ってきましたが、本開発システムの導入により、さら に年間20%の空調用電力消費量の削減を実現できる見込みです。これは、汎用の電算機室 用空調機と比較すると40%以上の省電力化を達成していることになります。このことは、 電力の発電に必要とされる一次エネルギーの消費量削減に貢献し、その結果として環境負荷 低減にも役立っています。 (3)自己診断機能搭載による機器信頼性の向上  通信機室における空調システムの信頼性は、24時間途絶えることのない通信サービスの 信頼性確保の必須条件となっています。そこで、本システムにおける空調機では、主要構成 品である圧縮機の長寿命化(40000時間)や制御基板の信頼性検討による長寿命化(10年) を図るとともに、一部の機能に異常が生じても可能な限り空調機の運転を継続する自己診断 機能を搭載することで、高い運転信頼性を確保しています。 (4)空調監視制御装置による空調機グループ監視/制御機能  本空調監視制御装置は、複数の空調機の運転状態を一括して監視する機能に加え、空調機 の運転時間や異常時の故障診断等の保全情報データを収集管理することが可能です。また、 管理データはもとより、各空調機の運転条件の設定や運転/停止等の制御は全て遠隔より行 うことが可能です。これにより、空調機の効率的なグループ運転制御とともに的確な診断情 報を基にした保全支援を可能とし、高品質な空調システムを実現しています。 (5)コスト低減  システムの設計段階より構成部品のスリム化を徹底して図ることにより、通信装置の発熱 量を100Kwと想定すると、従来のシステムと比較して約30%の建設費を削減することが可 能です。 ■今後の予定  NTTの通信設備用建物においてフィールドテストを実施し、機能確認を行った後、全国 のNTTの通信設備用建物における空調システムとして平成10年から順次導入してゆく予 定です。 *1 冷媒    冷凍システム中を作動媒体として循環させ、液体から気体に、あるいは気体から液体  に相変化することによって、その容積に応じた大きな潜熱を蒸発器で吸収し、凝縮器で放  出することで、蒸発器で熱を奪い、凝縮器で放出するための物質。 *2 HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)    成層圏において紫外線を浴びて塩素を放出しオゾン層を破壊するCFC(クロオ  フルオロカーボン)に比べ、オゾン層破壊係数が小さい。 *3 HFC(ハイドロフルオロカーボン)    塩素を含まないため、オゾン層を破壊しない。 *4 年間平均総合運転効率    従来の通信機室を対象としたNTT専用設計(NTT通信機室を冷却するのに適した  構成、制御を盛り込んだ空調機)では年間平均総合運転効率は3.7であった。一般の  汎用パッケージ空調機では3.0程度である。今回開発した空調機では年間平均総合運  転効率で4.0以上を達成している。   (年間平均総合運転効率)=(年間の冷却能力積算値)÷(年間消費電力積算値)

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