平成9年6月30日 ICCオープニング・シリーズ InterCommunication Channel on InterCommunication Center 衛星テレビ・ワークショップ 1. 開催主旨 NTTインターコミュニケーション・センター (ICC) では衛星テレビ・インターネット・ ISDN・電話など、さまざまなメディアをリアルタイムに活用した、ライブ・パフォー マンスを実施します。期間中ICCより3回、計6セッション、各アーティストのプロデュー スによる観客参加型のライブ中継を行い、その前後の期間は、準備・リハーサルを含め たオープン・スタジオとして開放します。また、関連イベントとして、映像と音楽をリ アルタイムにシンクロさせた、実験的パフォーマンスも開催いたします。 主催:NTTインターコミュニケーション・センター(ICC) 共催:株式会社ジャパンイメージコミュニケーションズ 協力:P3 art and environment 2. 会場 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティ タワー 4階 NTTインターコミュニケーション・センター Gallery D 3. ライブ中継プログラム(別紙参照) ・PerfecTV! ch278「地球の声」にてライブ中継されます。 1997年7月6日(日) 午後4時〜6時 セッション1 アーティスト・STELARC(ステラーク) セッション2 アーティスト・Sensorband & Granular Synthesis (センサーバンド&グラニュラーシンセシス) 1997年7月13日(日) 午後8時〜10時 セッション3 アーティスト・津田佳紀(つだよしのり) セッション4 アーティスト・Mark Pauline(マーク・ポーリン) 1997年7月20日(日) 午後4時〜6時 セッション5 アーティスト・David Blair(デヴィッド・ブレア) セッション6 アーティスト・Ingo Gunther(インゴ・ギュンター) ※リハーサル模様については6月28日(土)よりご覧いただけるようになっております。 4. 入場料 各開催日とも2,000円(当日券のみ)、定員制150名 (ICCメンバーの方は電話予約を承ります)。 ※ライブ中継日以外の会期中の入場料は企画展、常設展の料金に含まれます。 5. 関連パフォーマンス(中継はありません) Sensorband & Granular Synthesis 「Live Environment for Extended Thrill」 会期:1997年7月20日(日) 午後8時〜 7月21日(月) 午後4時〜 会場:Gallery A 入場料:各回とも2,000円(当日券のみ)定員制500名(ICCメンバーの方は電話予約 を承ります) 6. お問い合わせ NTTインターコミュニケーション・センター フリーダイヤル:0120-144199 e-mail: query@ntticc.or.jp http://www.ntticc.or.jp
7月6日(日) ■■セッション1■■ 午後4時〜5時 アーティスト:ステラーク プログラム:PARASITE ステラークは、活動の当初よりインタラクティブアートの実験を繰り返してきたベテ ランパフォーマーである。医学的ロボットやバーチャルリアリティシステムを使って、 特に、身体とテクノロジーとの直接的な関係性をテーマとしたパフォーマンスを数多く 発表してきている。 代表作、「第三の手」(Virtual Arm, Virtual Body, Stomach Sculpture)を経て、現在 は、複数の筋肉刺激に対するタッチスクリーン・インターフェイスを開発し、インター ネット上でも作品を展開している。 ポンピドゥーセンター、ヘルシンキとアムステルダムで開催された1995年11月の” Telepolis”は、彼の開発した筋肉シミュレーションシステムにより、聴衆が離れたとこ ろからインターネット経由でアクセスし、彼のボディを動かせるパフォーマンスを行っ ている。 「PARASITE」は、このシステムをさらに発展させたもので、インターネットのいわ ゆるウェッブ的な通信網を、人間の身体の神経網にたとえたものである。 複数のインターネットを経由したサーチエンジンの自動的なフィードバックが、ネット ワーク=神経の情報となって、彼の筋肉をコントロールし、パフォーマンスを行う。 本プログラムでは、過去の彼のパフォーマンスのヴィデオ+彼自身によるレクチャーを 併設する。 ■■セッション2■■ 午後5時〜6時 アーティスト:センサーバンド&グラニュラーシンセシス プログラム:「Live Environment for Extended Thrill」デモンストレーション *関連イベントとして「Live Environment for Extended Thrill」は、7月20日(日) 午後8時〜・7月21日(月) 午後4時〜の2回公演されます。 センサーバンドは、身体によるコントロール性を重視したオリジナル・センサーを用 いるサウンド・パフォーマンス・グループ。エドウィン・ファン・デル・ハイデ、アタゥ・ タナカ、ズビグニュー・カルコフスキーの三人によって1994年に結成され、ヨーロッ パを中心に国際的に活動している。 その作品は、音像定位を自由にコントロールすることによって、独自の音響空間を現 出させるものである。3人のプレイヤーの微妙な、あるいはダイナミックな“身振り” によって、サウンドはインタラクティブに変化するが、その関連性は必ずしも明確なも のではなく、観客はプレイヤーの身振りとサウンドの変化のさまざまな意味でのズレを 体験することとなる。 同時にインターネット経由で遠隔パフォーマンスも数多く行っており、近年は 「Sound Net」と呼ばれる巨大なワイヤー・ネットをステージとするパフォーマンスを行 っている。 グラニュラーシンセシスは、ウィーンを拠点とする映像/サウンド・インスタレーショ ングループで、クルト・ヘンチュレーガー、ウルフ・ランゲインリッヒによって1991 年に結成された。 ARS ELECTORONICA、ISEA、DEAF、ARTECなど、国際展に出品を重ね、 ARTEC'95公募 展部門ではグランプリを受賞している。ダイナミックな映像と音声をトリッキーにシン クロさせたこの時の作品は、その暴力的な印象で注目を集めた。 「Live Environment for Extended Thrill」は、この二つのグループのコラボレーション であり、ICCに一カ月レジデンスして制作され、7月20、21日の両日、ギャラリーAで 発表される。センサーバンドは、新しく開発する身体センサーによるサウンドをステー ジ上で演奏し、グラニュラーシンセシスは、そのサウンドとリアルタイムにシンクロし た映像をプレイする。グループとしての公演は、日本で始めてであり、インターネット 上でも中継される。7月6日は過去の作品の紹介とデモを行う。 7月13日(日) ■■セッション3■■ 午後8時〜9時 アーティスト:津田佳紀 プログラム:「すべてのことが価値をもつかもしれないがゆえに すべてのことは価値 をもっている」 津田佳紀はテクノロジーを用いて、その社会的ルールや意味をシミュレーションし異 化する作品を発表している。そのシステムは鑑賞者の参加を促すインタラクティブなも のである。 岡崎乾二郎とのユニットBulbous Plantsでの活動も行っている。ホームページの中の 画像やテキスト等はブラウジングされると同時にCacheの中に一時的に保管される。そ うしたデータはgiffやjpegやhtmlといった形でCacheの中に無意識的に堆積していく。そ れらを遡ってみることによって、ある種のネット版精神分析を行うパフォーマンス。 パフォーマンスはインターネットフリークを<患者>に見立て、<精神分析医>が< 患者>がハードディスク内に残したCacheの中の断片化したデータをブラウザーの中に ドラッグ・アンド・ドロップしながら<患者>がブラウジングした足どりを遡ろうとす る。 ネットサーフィンをしている時間を夢をみている時間と規定し、一種の夢判断を行う。 そこには実在しないホームページや、ブラウザーが登場し、種々の画像やテキスト等を 再現する。また可能であれば、実際のホームページ上にもそれらを掲載し視聴者がアク セスすることもできるようにする。 ■■セッション4■■ 午後9時〜10時 アーティスト:マーク・ポーリン プログラム:Increasing the latent period in a system of remote destructibility SRLは、1978年にマーク・ポーリンを中心に結成されたアメリカのパフォーマンス・ グループである。その後、アメリカ、ヨーロッパなどで数々の大規模なパフォーマンス を行い注目を集めてきた。 ジャンクのさまざまな機械から、まったく別の機械=ロボットを作り出し、それをお互 いに戦わせる彼らのパフォーマンスは、いわば近代戦争のシミュレーションであり、ま た、結果として近代テクノロジーがもつ本質的な暴力性を明らかにする試みでもある。 一見今となってはノスタルジックにみえるそのパフォーマンスは、電子テクノロジー によって限りなく希薄化していく、テクノロジーや人間の身体の物質的な側面を常に露 呈させるもので、現在でもそのインパクトを失っていない。 今回はディレクター、マーク・ポーリンによるSRLのプロモーションおよびSRLの本 拠地サンフランシスコとICCをISDNで結び、インターネット経由でのサンフランシスコ のロボットの遠隔操作+画像、音声伝送による観客参加型のデモンストレーションを行 う。 7月20日(日) ■■セッション5■■ 午後4時〜5時 アーティスト:ディヴィット・ブレア プログラム:Presentation of“The Telepathic Motion Picture of THE LOST TRIBES” and 30 seconds alternative version of THE LOST TRIBES デイヴィッド・ブレアは1980年よりビデオ・アート作品の制作を開始し、91年に監 督、出演、CG、編集を一人で手掛けた「WAX蜜蜂テレビの発見」で注目を集める。 その作品は膨大な量の記録映像やCGによるメタフィクションである。当時そのプレ ゼンテーション方法、編集方法などにより話題を集めた。今回のプレゼンテーションは 現在、氏が制作中の電子長編映画「テレパシー映画 失われた部族」に纏わるレクチャー をビデオやCGやVRML等を交えて行う。 この作品「失われた部族」は、そのプロトタイプであるインターネット・ヴァージョ ンがIC95 on the webネットワークの中のミュージアムで発表されており、テレパシーに よって共有される「記憶劇場」という構想のもと制作が進行している。 また、今回その作品のための素材を使って30秒のショート・ビデオを制作し番組中で 突発的に数回オンエアーする。 ■■セッション6■■ 午後5時〜6時 アーティスト:インゴ・ギュンター プログラム: Refugee Republic インゴ・ギュンターは、メディアを利用するアーティストというより、メディアやテ クノロジー自身を検証するタイプのアーティストである。 過去、ランドサットの映像を利用した作品や社会構造モデルを顕在化する作品を多く発 表し、近年はインターネット上に、仮想の「難民共和国」を構築し、超領土的な国家形 成のプロセスを探る実験的作品を続けている。 今回は、インターネット上の難民共和国と、衛星テレビ上の番組をクロスさせ、彼の 「難民共和国」のコンセプトを披瀝する。
