平成9年10月13日
報道発表資料
日本電信電話株式会社
最適エネルギー研究会
「最適エネルギーシミュレーション・ソフト」と
「電力使用量モニタリングサービス」の開発について
〜「最適エネルギー研究会設立シンポジウム」で公開〜
NTTでは、マルチメディア時代の進展に伴いパソコン等のマルチメディア機器類が
消費する電力需要の増加に対応するため、電力消費者自身が発電の際に発生するCO2
の削減等など環境等に配意して、商用電力、コージェネレーションシステム(*1)(
以下、CGS)、太陽光発電、風力発電などを効率よく組み合わせて使用するための「
最適エネルギーシミュレーション・ソフト」を開発しました。
また、電気料金を削減するための第一段階として、株式会社NTTファシリティ−ズ
(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中順三)と共同でオフィス等が使用している
電力量をフロアや場所毎にリアルタイムでモニタリングし、インターネットを使ってW
WWのWeb上でわかり易くグラフ表示したり、他のビルとの電力使用量の比較等が行え
る「電力使用量モニタリングサービス」を開発しました。
なお、これらのソフトとサービスは、最適エネルギー研究会(座長:柏木孝夫[東京農
工大学教授]、事務局:NTTマルチメディアビジネス開発部内)(*2)が10月2
2日(水)に開催する「最適エネルギー研究会設立シンポジウム」で公開します。
*1:コージェネレーションシステム
電力を得るために動かしたエンジンやガスタービン等から発生する排熱を冷暖房
、給湯などの熱源として利用するシステム。
*2:最適エネルギー研究会
電力消費者の立場から、環境面、コスト面から効率的な電力使用を検討する研究
会で、既に40社を超える企業等(参考参照)が登録しています。具体的な活動
としては、季節による気温や日照時間の変化などに伴なう冷暖房や照明等に消費
される電力の発電や送電、蓄電方法を検討し、さらにそれらを最適に組み合わせ
る「最適エネルギー」について研究を行います。さらに、それらの成果をインタ
ーネット等のマルチメディアを利用して、広く世の中に公表していきます。
1.「最適エネルギーシミュレーション・ソフト」
(1)概要
本ソフトは、ソフト上で街区やビル等の対象エリアに、通常の商用電力に加えて、C
GSや太陽光、風力発電などのクリーンエネルギーおよび電力貯蔵装置(*3)を仮想
配置し、住宅、オフィス、工場などの冷暖房にかかる負荷変動が季節や気候によってど
のくらい変動するか、また、冷暖房等に必要とする電力に対してどのくらいのクリーン
エネルギーが導入できるのかを定量的に把握・計算し「最適エネルギー」をシミュレー
ションするもので、最適エネルギー導入前との電気料金やCO2排出量の比較ができま
す。
*3:電力貯蔵装置
需要の少ない夜間の商用電力を蓄え、昼間のピーク電力需要時に放電するシステ
ムで、これにより、商用電力の平準化が図れ、エネルギーの有効利用ができます
。
<シミュレーション例>
人口50万人、12万世帯(一戸建住宅60%、集合住宅40%)、オフィスワーカ
ー53万人、都市全体の30%(740MW)の電力を必要とする工場を含む都市(新
潟市程度の規模)を仮定し、エネルギー設備は、太陽光、風力、CGS、ナトリウム硫
黄電池による新型蓄電池、氷畜熱(*4)を導入、電気器具や建築方法は、省エネ電灯
、断熱建築を採用した設定を行い「最適エネルギー」をシミュレーションした結果、ク
リーンエネルギー等の導入前と比較し、電気料金が1/5、CO2排出量が1/3に削
減されることがわかります。
*4:氷畜熱
割安な夜間電力を利用して、夏は氷、冬は温水を蓄え、昼間の冷暖房に活用する
空調システムで、ランニングコストの削減、冷暖房設備の縮小、電気料金の低減を実現
します。
(2)今後の取り組み
現在の最適エネルギーシミュレーション・ソフトはあくまでも概念的なものであるこ
とから、実際の都市に適応できるようにシミュレーションの精度をより高めるため、今
後、具体的に実際の都市でのデータ収集を行っていきます。
その一環として、今年度は、風力と太陽光による日本最大規模(300kw)のハイブ
リッド発電システムの設置が予定されている沖縄県久米島を対象に、沖縄電力株式会社
や久米島の具志川村と仲里村から協力をいただき、同島の季節・気候毎の発電量の推移
や、住宅、ホテル、病院などの特殊施設の電力使用状況などのデータをアンケートによ
り把握し、柏木孝夫氏(東京農工大教授)および秋澤淳氏(東京農工大助教授)からご
指導をいただき、三機工業株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:大島剛)と共
同で、環境面・コスト面から久米島に最適なエネルギーシミュレーションを今年度末ま
でに実施する予定です。
2.「電力使用量モニタリングサービス」
(1)概要
電気料金を削減するため、オフィス等でどのくらい電力を使用しているか、また、そ
れが、どこで、どんな機器がどのくらい電力を消費しているかをリアルタイムでモニタ
リングし表示するサービスです。
具体的には、ビル等のフロア毎に、照明・コンセント用電力量や空調用冷水使用量、
空調用電力量、外気温度等のデータを一時間毎に収集し、WWWのWebでグラフ等を使
ってわかり易く表示します。これにより、ユーザ自身が自ら使用している電気量、料金
の把握や、他のビルと床面積あたりの電力使用量の比較ができるなどから、ユーザはパ
ソコンのモニター表示を見るだけで、自己選択により機器の使用を控えたりすることが
できます。
(2)モニタリングの試行実施
NTTファシリティーズと共同で、アーバンネット大手町ビル(東京都千代田区)内
でNTTが使用しているフロアを例に、10月19日(日)から約1年間、試行的にモ
ニタリングを行い、見やすいWeb画面の表示方法を検討します。
また、年度内を目途に、オフィス等であらかじめ設定した電気容量に対して使用電力
が超えた場合、インターネットで自動的にオフィスの電力管理者にその情報を知らせる
ようにします。
(3)今後の取り組み
将来は、PCやFAX、自動販売機などオフィスの機器別の電力使用量をインターネット
を使って配信したり、通信により各種機器のON・OFFが個別にできるようにします
。さらに、モニタリングの試行で得た機器別、フロア別、日々・時間帯別などの電力消
費データをもとに、他のビルとの比較・分析を行い、電力コストを削減するための効果
的な方法をオフィスから個人住宅まで幅広く指導するビジネスについても検討していき
ます。
3.最適エネルギー研究会設立シンポジウム
研究会設立の背景についての基調講演をはじめ、最近のエネルギー・地球環境問題の
情勢、動向などについてのパネルディスカッションを行うなど、「最適エネルギー」に
ついて参加者と一緒に考えます。あわせて、「最適エネルギーシミュレーション」と「
電力使用量モニタリングサービス」についても公開します。
(参考)
「最適エネルギー研究会」登録企業(1997.10.8現在)
1.愛知電機株式会社 27.日本工営株式会社
2.株式会社荏原製作所 28.株式会社日本興業銀行
3.エム・ビー・ケー・エンタープライズ株式会社 29.日本電池株式会社
4.大阪ガス株式会社 30.社団法人日本ガス協会
5.株式会社大林組 31.日本石油株式会社
6.オムロン株式会社 32.日本石油ガス株式会社
7.鹿島建設株式会社 33.日本電気株式会社
8.株式会社熊谷組 34.日本電設工業株式会社
9.三機工業株式会社 35.ニューエネルギー事業協同組合
10.三洋電機株式会社 36.ハウステンボス・技術センター株式会社
11.清水建設株式会社 37.東日本旅客鉄道株式会社
12.昭和シェル石油株式会社 38.株式会社日立製作所
13.新エネルギー・産業技術総合開発機構 39.富士電機株式会社
14.大成建設株式会社 40.松下精工株式会社
15.太平洋製糖株式会社 41.ミサワホーム株式会社
16.株式会社竹中工務店 42.株式会社三菱総合研究所
17.地域振興整備公団 43.三菱マテリアル株式会社
18.株式会社TDK 44.明治機械株式会社
19.東京ガス株式会社 45.株式会社横河ブリッジ
20.東京急行電鉄株式会社
21.株式会社東芝
22.株式会社都市計画設計研究所
23.豊田通商株式会社
24.西松建設株式会社
25.日工フォーラム社
26.株式会社日鉄エレックス
「最適エネルギーシンポジウム」
1.日時平成9年10月22日(水)午後1時30分〜5時00分
2.場所 アーバンネット大手町ビル・プレゼンテーションルーム(18F)
東京都千代田区大手町2−2−2(TEL03-5200-6888)
3.内容
(1)講演「最適エネルギーシステム」と持続可能な社会
講師:柏木孝夫氏
(2)パネルディスカッション
・最近のエネルギー・地球環境問題の情勢、動向
・消費者、企業レベルでの取り組み事例
・最適エネルギーに向けて
*コーディネータ末次克彦氏:アジア太平洋エネルギーフォーラム代表幹事
*パネリスト・内田茂男氏:日本経済新聞社論説委員
・大宅映子氏:ジャーナリスト
・柏木孝夫氏:東京農工大学教授
・谷口富裕氏:通商産業省資源エネルギー庁長官官房審議官
・舟橋功一氏:川越市市長
・池田茂:NTT常務取締役マルチメディア推進本部長
(3)意見交換会(シンポジウム終了後、5時00分から行います)
4.主催
最適エネルギー研究会
(事務局:NTTマルチメディアビジネス開発部内)
5.その他
当日は、研究会以外の方でも、見学ができますので、お気軽に事務局まで電話でお申
し込み下さい。
[申し込み先]最適エネルギー研究会事務局、担当:小濱TEL03-5200-6888



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