平成9年11月10日 日本電信電話株式会社 光コネクタ5種類が世界標準に ─標準化によって世界の光ネットワーク構築を加速─ NTTが開発した光コネクタが、国際電気標準化会議IEC*から国際標準に制定さ れました。 国際標準に制定された光コネクタは全部で8種類ですが、その内の5種類(SC形、 DS形、MU形、MT形、MPO形)はNTTが開発し、この一年で国際標準となった ものです。 今回国際標準に制定されたことは、各種の光装置を接続する際のインタフェースとな る光コネクタの寸法・構造が、世界的に統一されたことを意味します。 これはコネクタ自体、そして接続装置のいっそうの低コスト化を実現するものであり 、FTTHに至る光ネットワークの普及を加速する原動力といえます。 <標準化の背景> 光コネクタとは、光ファイバ同士を簡易に接続するためのプラグで、光ネットワーク 構築には欠かせない部品です。このコネクタには、径の細い光ファイバを正確に接続す るための高い精度と、光ネットワーク各部分で大量に使用できる低コスト性が要求され ます。 また、その適用範囲も光LANや高速コンピュータでのインタコネクションなどの分 野に広がりつつあり、光コネクタに対するニーズもさらに高まってきています。 NTTでは、このような要求を満たす光コネクタの研究開発を進めてきており、標準 化以前でも世界市場において高い評価を得ていました。 <技術のポイント> 国際標準に制定された光コネクタ群は、光ファイバのコア(光の通り道である、直径 0.009mmの芯の部分)同士を正確に接続する必要があります。そのため、光ファ イバを支持するフェルールに0.0001mmという高い精度を実現しています。また 、フェルールとそれに支持された光ファイバ端面同士は0.00005mmで面合せさ れていなくてはなりませんが、端面研磨技術、評価技術、組み立て技術を開発し、これ を可能としています。 また、高信頼性に向けた接続理論の確立や、フェルールの材料・形状の最適化によっ て、温度変化・応力といった使用環境によっても性能劣化が生じないための設計を行っ ています。 <標準化された光コネクタ> 1.SCタイプ 直径2.5μのフェルール(光ファイバを支持する部品)によって光ファイバの単心 ごとの接続を行うコネクタです。操作の簡単なプッシュプル操作で接続が可能な汎用的 光コネクタで、世界市場の60%を占めています。 2.DSタイプ SCタイプのフェルールを流用し、装置間接続を行うために開発されたコネクタです。 3.MUタイプ 1.25μとSCタイプに比べて細径のフェルールによって光ファイバを接続するコ ネクタです。装置内部などで高密度に光信号を接続する際に用いられます。 4.MTタイプ 矩形のプラスチックのフェルールによって、12心までのリボン状ファイバを一括接 続するコネクタです。主にとう道内での多心ファイバの接続に用いられる部品です。 5.MPOタイプ MTタイプのフェルールを応用して、プッシュプル動作でリボン状多心ファイバを簡 単に接続するためのコネクタです。主にビル内での多心ファイバの接続に用いられます。 <今後の展開> 光コネクタの技術トレンドは高密度化(小型化)と低コスト化(部品点数の削減)に あります。NTTでは、すでにSCタイプ光コネクタの部品数を大幅に低減した簡易光 レセプタクルやMTタイプの応用で16〜80心一括接続形の超高密度光コネクタの開 発を進めていますが、今後もより使いやすい光コネクタの開発と国際標準化を通じ、F TTHに向かう光ネットワーク構築の合理化に貢献していく予定です。 <用語解説> *)IEC(InternationalElectrotechnical Commission) 世界の約50か国の代表が集まって電気・電子の技術分野における標準化を進めてい る国際機関です。その中にあって、光コネクタでは検討されている23種類のうち、1 7種類がNTTの提案によるものであり、光デバイスの受動部品では検討中20項目中 の1/3が日本の担当とされるなど、日本による技術的貢献が大きく評価されています。
