平成10年2月5日 日本電信電話株式会社 世界最高品質のインターネット音楽映像配信システムを開発 ─独自開発の映像符号化方式と、ステレオ化により─ NTTでは、新しい映像符号化方式として“Netviker (Network Video Kernel Compression Technology)”を開発し 、音楽情報符号化方式“TwinVQ*1”のステレオ版と合わせて、インターネット 上でのリアルタイム音楽・映像配信システム“AudioLink*2”に搭載した “AudioLink−Pro”を開発しました。 今回の“AudioLink−Pro”は、新開発の“Netviker”により他 の映像符号化方式を上回る品質を実現し、さらに音楽のステレオ化を実現することにり 、同種のシステムの中でも世界最高品質の楽音・映像をもつものとなっています。 今後NTTでは、本システムの普及を進めると同時にテキストデータや静止画データ にも対応できるマルチメディア情報配信システムの実現に向けて研究開発を進めていく 予定です。 < 開発の背景> インターネット上のサーバから音楽データをダウンロードして鑑賞するシステムの多 くは、ファイル全体をいったんダウンロードした後に再生を開始するため、待ち時間が 長いという問題がありました。これを解消するため、ダウンロードを行いながら音楽や スピーチの再生を行うシステムが開発されていますが、音質の点で歪みが大きいなどの 問題があるとともに、音楽だけでなく映像も同時に鑑賞したいという新たな要望も出て きていました。 そのためにNTTが開発したのが“AudioLink”です。これは音楽情報符号 化方式に高音質な“TwinVQ”をモノラルで使用したもので、音楽と同時にビデオ 再生も可能であり、その音質の高さからインターネット上のさまざまなイベント等で使 用されてきました。 < 技術のポイント> “AudioLink−Pro”の高品質映像を実現しているのが、今回開発した“ Netviker”です。これは、従来の符号化方式と同じようにフレーム間差分を伝 送することに加え、実写映像で頻繁に行われるズーム(被写体を拡大=ズームイン/縮 小=ズームアウト)、パン(カメラを一方向に振る動き)といったカメラ操作によって 生じる画面全体の動きを少量のデータで表現することで、従来の“AudioLink ”で採用されていた映像符号化方式“H.261”と同じ品質の映像を半分の情報量で 伝送することを達成しました。企業内のイントラネットで使用するとVHS並の品質で 送ることができます。 また、音楽情報符号化方式の“TwinVQ”は、音楽データの圧縮用にNTTの研 究所で開発した符号化方式で、特に人間の感覚が鋭くなる周波数帯域の情報量を充実さ せる技術を採用しており、高い品質と圧縮比を実現しています。今回これをステレオ使 用することで、“AudioLink−Pro”は高い音楽情報の表現力を実現しまし た。 映像と音楽の関係では、ネットワークが混雑している時には映像送信のフレーム数を 減らすことによって音楽データ送信を継続させるとともに、音楽と映像を同期させるた めの新たな手法を実装しました。 < 今後の展開> NTTでは、”AudioLink−Pro”の映像・音楽品質を確認していただき 、広くその普及を図るため、ホームページを開設いたします.このページでは、映像・ 音楽の試聴および受信のためのクライアントソフトのダウンロードが行なえます。 「URL://http://www.audiolink.or.jp/」 また、映像・音楽の配信を行う共同実験パートナーを広く募集します。 「メールアドレス:al-trial@audiolink.or.jp/」 <用語解説> *1)TwinVQ(Transform−domain Weighted Interleave Vector Quantization : ツイン・ブイ・キュー) 個々の音声データを直接符号化するのでなく、複数のデータをまとめてパターン化し 、あらかじめ用意した標準パターンと比較して最も類似した標準パターンを選び、その 番号を圧縮符号として伝送することで原音の1/12以下に情報量を圧縮する手法です 。ISDN回線でCD並み、アナログ回線でFM放送並みの音質で通信できます。 *2)AudioLink(オーディオリンク) サーバに蓄積された音楽・映像データをインターネットやイントラネット経由でクラ イアントが受信しながらリアルタイムに再生するシステムです。音楽だけのシステムで 出発し、当初からその高い音質には定評がありましたが、音楽に加えて高品質の映像も 伝送できるようになり、その魅力は一層高まっています。
