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                              平成10年3月12日



   音声符号化国際標準 ITU-T G.729の特許コンソーシアム設立について



 日本電信電話株式会社は、フランステレコム、シェルブルーク大学(カナダ ケベック
州)とともにこのたび音声符号化復号化の国際標準であるITU-T *1G.729と*2G.729 
Annex Aについてそれぞれが保有する特許権と必要なソフトウエアの著作権を一括してラ
イセンスするコンソーシアムを設立し、*3SIPRO LAB TELECOM社(カナダ モントリオ
ール)を単一のライセンス窓口とすることに合意しました。

1. 背景
 ITU-T G.729国際標準とは、音声を効率的に低遅延で符号化し伝送・蓄積することを
可能にする国際標準であり、インターネット電話、テレビ会議システム、携帯電話や他の
無線分野、ATM、DSVDなど音声品質、処理遅延、伝送帯域幅が重要である幅広い分野で
革新的な製品への使用が見込まれています。
 しかし、本国際標準にはいくつかの特許の保有者が存在し、 G.729を用いた機器やソフ
トウエア提供者はこれらの特許保有者と個別に交渉する必要があるため国際標準の普及に
大きな負担となり、国際標準であるからといって容易に採用できにくい事態になっていま
した。

2. 目的
 今回のコンソーシアムの設立は、2社と1大学が保有する特許権等が一括してライセン
スされることが可能となるため、特許ライセンスの「ワンストップショッピング」実現に
向けての重要な一歩と言え、G.729を用いた製品、LSI、ソフトウエアの開発普及に拍車
がかかると期待されます。

3. コンソーシアムでのNTTの位置付け
 NTTは、他の2機関とともにITU-T  G.729国際標準の中心的な共同提案者であり、ま
た、当該国際標準に準拠した製品を製造するために必須の特許(音声の分析方法、パラメ
ータ表現方法、量子化方法にかかる基本特許)等を保有する権利者として、G.729につい
て単一のライセンス会社を窓口として指名し、非差別的で妥当な条件での一括したライセ
ンスが可能なコンソーシアム設立に中心的な役割を果たしました。
 このことは、わが社の研究開発の成果の普及による通信市場の活性化、さらに電気通信
全体の進歩に対する大きな貢献といえます。

4. 今後の取り組み
 本コンソーシアムはオープンなコンソーシアムであり、G.729を実施するのに必須な特
許を保有する他の権利者の参加を呼びかけています。
 今後、より多くの特許保有者が当コンソーシアムに参加し、G.729の普及が更に推進さ
れるよう取り組んでいくつもりです。さらに、G.729の他のAnnexについても当コンソー
シアムから「ワンストップショッピング」によりライセンスが可能になるよう協議を推進
する予定です。

<参考>

*1 G.729
 1995年に国連機関の一つであるITU-Tの国際標準として採択されたCS-ACELPとも
呼ばれる8 kbps音声符号化技術です。従来の32 kbpsの伝送帯域を必要としたADPCM方
式(G.726)と同様に一般電話網レベルの音声品質を実現できます。音声情報を伝送するの
にわずか8 kbpsの情報量のみしか必要としません、その上、処理のためのフレームは10
ミリ秒であるため、音声伝送の遅延が短くて済みます。電話や携帯電話分野での既存の音
声符号化方式よりもはるかに効率的です。

*2 G.729 Annex A
 インターネット電話、音声電子メール、ファックスモデムを用いた音声伝送などの目的
でG.729を元に開発されたITU-T国際標準です。
 特に、符号化復号化処理の簡略化を図りG.729と同じ短フレーム(10ミリ秒)を実現
との特徴を持ちながら、既存のG.729を用いた装置やソフトウエアとの間で相互に直接接
続して通話が可能です(インタオペラティビリティがあります)。
 この相互に直接接続が可能ということは、G.729とG.729 Annex Aを用いた装置間での
通信では途中で別の音声符号化方式で変換する必要がないため、音声品質の劣化を防ぐこ
とができる点で重要な特徴です。今後、多くのマルチメディア関連製品がG.729/G.729 
Annex Aとインタオペラティビリティ(相互接続性)を持つものと予想されます。

*3 SIPRO LAB TELECOM社
 シェルブルーク大学の音声圧縮技術の研究成果や特許を企業にライセンスするために
1993年にモントリオールに設立された技術移転会社であり、ACELP (Algebraic Code
 Exited Liner Prediction)に関した分野での技術移転活動で有名です。連絡先は電話1
(514)737-5874、FAX1(514)737-2327、電子メール
 sales@sipro.com、ホームページはhttp://www.sipro.com/です。ライセンス料の詳
細に関する問い合わせ、コンソーシアムからのライセンスの契約申込、コンソーシアムへ
の参加申込は、SIPRO LAB TELECOM社へお願いいたします。






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