平成10年7月23日 |
日本電信電話株式会社 株式会社神戸製鋼所 |
ネットワークオーディオ機器「SolidAudio(仮称)」 の開発と「SolidAudio Project」の発足について |
日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮津純一郎)と株式会社神戸製鋼所(以下神戸製鋼、本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:熊本 昌弘)は、この度、全てが半導体(IC)で構成された、カードサイズのネットワークオーディオ機器「SolidAudio[ソリッド・オーディオ](仮称)」を、共同で開発しました。
「SolidAudio」では、NTTの高品質音楽圧縮技術「TwinVQ(*1)」の採用により、CD並みの高音質での音声・音楽再生を可能とし、さらに、神戸製鋼の設計技術により、厚さ8mm強、重さ45gという世界最小サイズを実現しています。また、コンテンツの違法コピー防止のため、コンテンツをネットワークから直接「SolidAudio」に転送することにより、「SolidAudio」以外の機器にはコンテンツを残さない等のセキュリティ技術を採用し、安全・確実なコンテンツ配信サービスの提供を可能とします。
NTTと神戸製鋼は、平成11年度以内に「SolidAudio」の事業化を目指す「SolidAudio Project」を、平成10年7月24日(金)より発足し、関連機器の製造、販売、サービス開発、コンテンツ配信等の事業開発に関して、広くパートナーを募ることとします。 |
1.開発の経緯 |
| インターネットに代表されるマルチメディア・ネットワークの普及により、自宅やオフィスにいながらにして、世界中のサウンドに接することが可能となりました。しかし、そのサウンドを気軽に持ち歩くためのネットワークに対応したオーディオ機器は、これまで、ほとんど存在しませんでした。
こうした背景のもと、NTTと神戸製鋼は、平成9年12月から、高品質のサウンドをいつでもどこでも聞くことの出来るカードサイズのオーディオ機器の共同開発に取り組み、平成10年7月、「SolidAudio」の開発に成功しました。 |
2.「SolidAudio」について |
| 「SolidAudio」は、全てが半導体(IC)で構成されたオーディオ機器であり、ネットワークを通じて正規に入手した音を一時的に蓄積して、気軽に持ち歩くことができます。また、一切の回転部分・可動部分を持たないため、音飛びしないという特徴を持っています。
音声、音楽の圧縮技術には、NTT ヒューマンインタフェース研究所が開発した、高品質音楽圧縮技術「TwinVQ」を採用することにより、MPEG-1/Audio Layer3(*2)等、他の圧縮技術を凌ぐ高い圧縮率と、CDクオリティの音質を実現しています。また、神戸製鋼電子情報研究所では、「TwinVQ」をDSP(Digital Signal Processor)(*3)に実装し、超薄型ポリマー二次電池(*4)の採用や最新の回路設計技術を駆使することにより、カードサイズ(厚さ8mm強)、重さ45g(バッテリーを含む)という世界最小サイズを実現しました。
また、コンテンツ提供者や権利者にとって安全・確実なコンテンツ配信サービスの提供を可能とするために、コピーガード、電子透かし(*5)などのセキュリティ技術を採用し、新たなサウンド流通チャネルを創造します。 |
○「SolidAudio」(試作品)主要諸元 |
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・最大外寸(約) | :W85.4xH54xD8.4mm |
| ・質量(約) | :45g(バッテリー含む) |
| ・駆動時間(約) | :3時間 |
| ・メモリー | :16MB (CDクオリティで約25分、FMラジオクオリティで約50分蓄積可能)〜 |
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○主なサービス利用例 |
| 語学教材、ニュース、音楽情報(プロモーション)等、「音」を利用したコンテンツを一般、あるいは、会員等の限定メンバーに対し提供できます。なお、コンテンツの入手についてはセキュリティ技術を活用したダウンロード専用の機器あるいは店舗等に設置されるキオスク型の情報端末等を利用します。 |
| <具体例> |
| ・英会話などヒアリング教材の提供。 ・最新ニュース、サウンドマガジンの提供。 サービス利用例1 (サウンドニュース、サウンドマガジン、語学教材の提供) ・プロモーションとしての音楽ヒットチャート情報提供。 ・著名人のインタビューや講演。 ・練習用カラオケの提供。 サービス利用例2 (カラオケボックスでのコンテンツ提供) |
3.「SolidAudio Project」について |
| NTT、神戸製鋼の2社で、平成10年7月24日(金)から「SolidAudio Project」を発足し、関連機器の製造、販売、サービス開発、コンテンツ制作、コンテンツ配信等の事業開発に関して広くパートナーを募り、「SolidAudio」の事業化にあたっての市場性、違法コピー防止と操作性、課金・決裁方式など、コンテンツ配信に必要な事業性、技術の検証・評価を行ないます。 |
○各社の役割 |
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・NTT | 高品質音楽圧縮技術「TwinVQ」の応用開発。 セキュリティ、課金・決済機能の提供、検証。 「SolidAudio」利用によるサービス開発。 |
| ・神戸製鋼 | TwinVQチップの仕様設計、開発。 オーディオ機器の開発・試作、仕様検証。 「SolidAudio」利用によるサービス開発。 |
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4.今後の予定 |
| 「SolidAudio Project」では、今年度内を目途に、「SolidAudio」並びにそれを利用したサービスの事業性を見極め、平成11年度上半期に、事業化へ移行する予定です。
平成13年時で、OEMを含めた普及台数を100万台、関連サービス事業を含めた売上げ300億円を見込んでいます。また、事業化にあたっては、国内のみならず、海外市場での展開を視野に入れて取り組んでまいります。
なお、今後、「SolidAudio」並びに「SolidAudio Project」に関する情報については、以下のホームページ上で提供してまいります。 |
| ○「SolidAudio」ホームページ URL=http://www.solidaudio.jpn.net/ |
■「SolidAudio[ソリッド・オーディオ](仮称)」 |
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■参考 |
| ・サービスの提供イメージ |
*1:TwinVQ |
| NTTヒューマンインタフェース研究所が開発した、高品質音楽圧縮技術。 CD並みの高音質を維持しながら、1/18程度に圧縮でき、伝送誤りに強いという特徴を持っています。また、圧縮アルゴリズム自体に電子透かし技術が組み込まれる予定です。国際標準(MPEG−4/Audio)に採用されることが決まっています。 |
*2:MPEG-1/Audio Layer3 |
| ISO(国際標準化機構)のワーキンググループであるMPEGが制定した、音声情報圧縮の国際規格。一般的に"MP3"と呼ばれており、1/10から1/12の圧縮率を得ることができます。 |
*3:DSP(Digital Signal Processor) |
| デジタル信号処理を高速に行なうことのできる集積回路。携帯電話、HDD等、幅広い分野で使われています。なお、「SolidAudio」ではテキサス・インスツルメンツ社製の16ビット固定小数点DSPを使用し、動作電圧3.3Vで、TwinVQデコード時の消費電力が100mW以下と低消費電力を実現しています。 |
*4:超薄型ポリマー二次電池 |
| 株式会社ユアサコーポレーションが開発したカードサイズのリチウムイオン式ポリマー二次電池。厚さ1.35mmのカードサイズで、容積5cc、重さ8g、電圧3.6V、容量175mAh。高分子固体電解質を使用し、安全性にも優れています。 |
*5:電子透かし |
| デジタルコンテンツ(音声、映像などの)一部に情報を組み込む技術。不正利用をトレース可能とすることで違法コピーを抑止することができます。 |
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