平成10年9月16日
日本電信電話株式会社
NTTの今後の国際事業への取り組みについて
NTTは、再編成以降の本格的な国際事業展開に向け、諸準備を行いつつ事業を推進してまいりました。特に、国際通信事業につきましては、国内外に設立した子会社が連携して、昨年の法改正後の9月より、「アークスター」ブランドのもとグローバルサービスの提供を開始し、1年が経過しました。NTTは、世界の情報通信市場においては挑戦者の立場であります。今後の事業展開は、より一層、マーケット・顧客のニーズに対応したサービスを提供するため、成長分野へリソースを集中するとともに、信頼できるパートナーとの提携・協力関係を構築し、アジア太平洋地域を中心としたサービス能力の拡充を図る考えです。
NTTは、この度、この1年間の実績や国内外の経営環境の変化等を踏まえて、再編成後の本格展開にむけて、以下の方針で国際事業を展開し、グローバル情報流通企業を目指すこととしました。
1.経営環境の変化とNTTの新たな対応
(1)グローバル・サービスの新展開
(a)地球規模の規制緩和の進展WTOの基本電気通信サービス自由化に関する合意が今年2月に発効し、世界的な規制緩和がいっそう進展しています。各国政府は、市場の成熟度に応じて、競争導入、既存キャリアの民営化等のあらたなフレームワークを作り、併せて、外資規制の撤廃・緩和を推進しています。
(b)テレコムマーケットの構造変化テレコムマーケットでは、電話等の既存サービスの低価格化ニーズが強まるとともに、インターネットの爆発的拡大に見られるように、IP系を中心とするコンピュータ間通信が急激に増加しています。更に、情報通信を活かした経営革新がグローバル企業等の生き残りの鍵となりつつある中で、このIP系通信は、企業・行政機関等の経営革新のツールとして新たな情報流通プラットフォームへと成長しつつあります。
一方、通信事業者の側では、IP系サービスを中心に新たな起業が続いていますが、各国の主要キャリアはM&A等により統合化の動きを強めています。
(c)NTTのグローバルサービス拡大方針このような環境変化の中、NTTは、今後も「アークスター」ブランドによるグローバルサービスのエリア拡大、高品質のIPサービスを含むメニュー拡充を推進してまいります。自前による事業展開に加え、内外の事業者との提携等を積極的に行い、コネクティビティー、カバレッジの一層の拡大を図っていきます。
また、多国籍企業を中心としたユーザー層へのサービス提供に加え、国際電話事業、複数企業・行政機関等のためのプラットフォームの構築・提供等を新たな事業分野として目指していきます。
(2)アジア地域を重視した事業展開の強化
(a)アジア経済危機アジア地域は昨年来の経済危機に見舞われており、現時点の事業環境としては極めて厳しいものがあります。しかしながら、アジア各国ともに、この危機を克服するための重要な産業構造改革策の一つとして、電気通信産業を位置づけており、各種振興策や規制緩和を推進しております。
(b)NTTのアジア重視戦略NTTは、現在実施中のプロジェクトの財務管理・リスク管理を強化するとともに、引き続きアジアを重点地域とした国際事業展開を行っていきます。
その中でも、「アークスター」ブランドのもとでNTTが提供しているグローバルサービスを拡充していくため、アジア各国の国際キャリアへの出資・経営参画に積極的に取り組むと同時に、各国の規制状況によっては、相手国キャリアとの相互接続協定などによるコネクティビティーの拡大も行っていきます。さらに、現在、日本と香港、タイ、インドネシア、マレーシア間で行っているAMF(アジア・マルチメディア・フォーラム)を通じたATM国際接続トライアル等による結果を活かして、マルチメディア分野のビジネス展開も行ってまいります。
アメリカ・ヨーロッパ地域については、まずNTT自前のサービス提供能力を強化するとともに、業務提携・資本提携によりビジネス・プレゼンスの確保を図り、その先では、より広範なサービス能力強化等を検討していきます。
2.本格的国際事業展開に向けた体制整備
再編成後の具体的な国際事業推進体制は、現在検討中ですが、概ね以下の方針で検討を進めていきます。
(1)持株会社によるグループ全体の国際事業戦略の策定持株会社がNTTグループ全体の国際事業戦略立案を行い、また、大規模な提携、M&A出資の決定、資金調達等も、持株会社がその機能の一つとして行っていきます。
(2)長距離国際会社を中核とする国際事業運営体制再編成後は長距離国際会社が中核となって、国内・国際シームレスな事業運営を行っていきますが、グローバル・サービス体制実現のため、国際事業を営む国内外のNTT子会社の再編成*も、順次行っていきます。
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国内外のNTT子会社の再編成海外の各国別のNTT現地法人を、順次、米州、欧州、アジア等の地域統括体制に再編成し、各エリアでダイナミックな事業展開を目指します。
昨年日本において設立した国際通信子会社2社については、NTT国際通信(国際特別第二種)は、多国籍企業ユーザーに対するトータルなグローバルサービスの営業活動を行うことを中心とする会社と位置づけ、継続して活動してまいりますが、NTT国際ネットワーク(国際第一種)は、長距離国際会社への合併を予定しています。
(3)東西地域会社による一部の国際事業の分担東西地域会社もその経営資源を活かして、海外のドメスティックなプロジェクトの推進主体として、また技術協力など、現在NTTが行っている国際事業の一部を、持株会社による調整のもとで担っていきます。
(4)マネジメント改革グローバル競争に打ち勝つ経営体質を目指し、国際事業分野においては、再編成に先立ち、カルチャー、ビヘイビアーの変革を実施してまいります。
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NTT国際事業の目標、価値観を共有し、グローバルマーケットでの適切な倫理行動の指針とするため、「エシカル・スタンダード」を作成し、海外現地法人、国際通信子会社、長距離国際会社等で、順次実施に移す予定です。
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透明、公平、フレキシブルな人事制度を目指して、実績主義評価、外国人採用、人事・評価等の判断基準・プロセスの明確化等を柱とする「グローバル人事制度」も、海外現地法人、国際通信子会社を手はじめに、順次実施していく予定です。
別紙
・最近約1年間の国際事業実績
(1)多国籍企業を中心とするユーザー向けグローバルサービスの提供
(2)アジア太平洋地域を中心とする海外プロジェクトの推進
・Arcstarグローバルサービス提供拠点
・NTTの主な海外プロジェクト
NTT NEWS RELEASE