平成10年10月13日

郵政省通信総合研究所
日本電信電話株式会社



日本標準時を用いたインターネット時刻サービスに向けた共同研究開始


 郵政省通信総合研究所(以下、CRL、東京都小金井市、所長古濱洋治)と日本電信電話株式会社(以下、NTT、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮津純一郎)は、CRLが通報する日本標準時の利用方式および利用サービスを開発することを目的に、ISDN回線を使って日本標準時を正確に伝送しインターネット上に提供する共同研究を本日より開始します。

 「日本標準時を用いたインターネット時刻サービス」では、CRLの通報する「日本標準時」とNTTソフトウェア研究所が開発した「ISDN回線を用いた広域時刻伝送技術*1」を組み合わせることにより、高精度で安定したインターネット時刻配送網の構築に取り組みます。

 技術評価のため実験網を構築し、一般のユーザに公開する予定です。インターネットユーザは、公開サーバからネットワークタイムプロトコル*2(以下、NTP)により正確な時刻を取得することができます。



<共同研究の背景>

 近年、インターネット上の電子商取引やインターネットの品質測定のために正確な時刻に対する需要が高まっています。例えば、電子商取引では正確な決済時刻を必要とし、品質測定では異なる2地点間で正確に一致した時計が必要となります。従来から、インターネット上では、NTPを使って時刻を取得することができるパブリックNTPサーバが多数あります。しかし、インターネットの帯域が混雑しているときには時刻が不正確になる欠点がありました。

 例えば、インターネット上でNTPを用いて時刻伝送する場合は、サーバとクライアント間の時刻確度(誤差)は、LAN内では500μs(μは10−6)程度、WAN経由では20ms程度であり、かつネットワークの混雑によりさらに精度が低下することもあります。高精度時刻を取得するためには、米国で運用しているGPSをはじめとする電波時計に頼らざるを得ず、電波状態の悪い自走時も含めて高精度の時計を維持するためには、高価な装置を設置する必要がありました。



<共同研究の概要>

1.共同研究期間

平成10年10月13日から平成11年8月末まで


2.共同研究内容

(1)基準時刻伝送に関する研究

 CRLとインターネットマルチフィード株式会社(以下、IMF)にそれぞれISDN時刻伝送装置のサーバとクライアントを設置し、クライアントに日本標準時を伝送します。さらに、クライアントをNTPサーバとして運用し、その精度、安定性などを評価します。IMFはコンテンツプロバイダとインターネットサービスプロバイダ(ISP)のどちらからもネットワーク上で近くにあるという特徴をもっています。このため、ユーザに他ISP混雑の影響を受けることなく正確な時刻を安定して供給できると期待できます。


(2)電話回線を用いた公衆時刻提供サービスに関する研究

 上記のISDN時刻伝送装置のプロトコルを、ユーザの要求をもとに拡充・標準化し、従来CRLのサービスとしているテレホンJJY*3と同様にISDNユーザが日本標準時へ容易にアクセスできるようにします。この方式を用いるとユーザのLAN内にNTPサーバを設置でき、更に高精度な時刻供給が可能になります。

 インターネット時刻配送実験網の詳細は次のURLに掲載します。

     http://www.nttsl.mfeed.ne.jp/ntp/




<用語解説>

*1)ISDN回線を用いた広域時刻伝送技術

サーバ/クライアント間の時刻同期を行う際に、ISDN回線交換でサーバとクライアントを接続します。ハードウェアを用いた同期誤差検出により、サーバとクライアント間の時刻誤差を300μs程度に押さえることができます。また、周波数の基準をISDN回線から取得するため、回線交換切断後も自走誤差が年差30μsという高い精度が得られます。


*2)


ネットワークタイムプロトコル(NTP)

インターネットに関する標準化機関であるIETFで標準化されたプロトコルの一つで、ネットワーク上に設置された時刻ソースあるいはNTPサーバとクライアントの間で時刻合わせを行います。


*3)


テレホンJJY

CRLが平成7年8月1日より行っている時刻供給サービスです。電話回線を利用して時刻情報を電子的に高精度で供給することができます。1〜10ms程度の精度で標準時刻情報を得ることができます。



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