平成11年2月23日

日本電信電話株式会社
株式会社神戸製鋼所



新しいデジタルコンテンツ流通方式の開発について
−コンテンツの不正利用防止と安全なネットワーク配信を実現−


 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮津 純一郎)と株式会社 神戸製鋼所(以下 神戸製鋼、本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:熊本 昌弘)は、この度、不正な書き換えができない固有のIDを持つメディアを用い、コンテンツの不正利用防止と安全なネットワーク配信を実現する新しいデジタルコンテンツ流通方式「InfoBind[インフォバインド](仮称)」を共同で開発しました。

 この「InfoBind」を、NTTと神戸製鋼の共同開発によるネットワークオーディオ機器「SolidAudio[ソリッド・オーディオ](仮称)」(*1)とNTTの情報流通プラットフォーム「Infoket[インフォケット]」(*2)に組み込み、固有のIDを持つ「スマートメディア」(*3)を用いることで、ネットワークからユーザ機器、メディアまでを含めたコンテンツの著作権保護を可能としました。今後、両社は国際的な標準化の動きにも配慮し、デジタルコンテンツの健全な流通に貢献していきます。

1.開発の経緯
 インターネットが広範に普及する中、デジタルコンテンツの不正コピーを防止する仕組みが重要な課題となっています。特に、MP3(MPEG-1/Audio Layer3(*4))等の音楽圧縮技術の出現により、誰もがネットワークを通じて音楽コンテンツを配信することが可能になっており、コンテンツ保護の仕組みが強く求められています。従来から、ユーザのIDやユーザ機器のIDを用いて、コンテンツの利用を特定のユーザや機器に限定する方式がありましたが、コンテンツを利用する場合に、ユーザIDの入力を求められたり、他の端末で利用できなかったりと、ユーザの利便性を損なうものでした。NTTと神戸製鋼では、メディア固有のIDを用いることにより、ネットワークからユーザ機器、メディアまでを含め、トータルにコンテンツの著作権を保護し、しかも、メディアを自由に持ち運び、どの機器でも再生できるという、ユーザの利便性も両立させる仕組みを開発しました。
2.本方式の特徴
 今回開発した「InfoBind」は、1.メディア固有のID等をもとにして、コンテンツを暗号化、2.暗号化されたコンテンツをネットワークで配送、3.「SolidAudio」がメディアのID等によりコンテンツを照合、暗号を解読しながら再生する、というもので、以下の特徴を持っています。

(1) 正規に入手したコンテンツのみ利用可能で、不正な書き換えやメディアの不正な複製を防止します。
(2) ネットワークを介した不正なコンテンツ配信・拡散を防止します。

上記特徴を実現する技術のポイントは以下の通りです。

(A) 不正な書き換えができないメディア固有のID等をもとに、コンテンツを暗号化することから、他のメディアへコピーしたとしても、利用が不可能となります。
(B) 暗号化されたコンテンツは、ネットワーク配送時に電子署名が施され、コンテンツの改ざん検出が可能になります。

 これにより、コンテンツの著作権保護を実現するとともに、CDなど従来のメディアと同様に、「SolidAudio」並びに本方式に準拠する機器であれば、コンテンツの暗号化を気にせず、どの機器でも自由に再生できるという、ユーザの利便性をも両立させています。また、デジタル放送や、DVDなどの物理媒体で、多数のユーザに暗号化されたコンテンツを事前に配信・配布しておき、別途、ネットワークを介して各ユーザ毎に鍵を提供することも可能です。鍵配送サーバは、NTTが開発した情報流通プラットフォーム「Infoket」を適用することで、クレジット決済、デジタルコンテンツの販売に適した小額決済、コンテンツ販売管理を実現しています。

3.今後の予定
 著作権保護を巡る国際的な標準化の動きにも配慮し、健全なデジタルコンテンツの流通を推進すると共に、コンテンツ配信ビジネスを検討されている企業等を支援していく予定です。

 なお、本件に関する情報については、以下のホームページ上で提供してまいります。

○「SolidAudio」ホームページ URL=http://www.solidaudio.jpn.net/

(*1)SolidAudio:
NTTと神戸製鋼が共同開発した、全てが半導体(IC)で構成された、カードサイズのネットワークオーディオ機器。NTTの高品質音楽圧縮技術「TwinVQ」の採用により、高音質での音声・音楽再生を可能とし、さらに、神戸製鋼の設計技術により、厚さ8mm強、重さ45gという世界最小サイズを実現している。
(*2)Infoket(Information Market):
NTTが開発した、デジタルコンテンツを安全、かつ確実に販売するためのEC(エレクトロニックコマース)用プラットフォーム。クレジット決済や小額課金などのクリアリングハウスとしての機能を併せ持つシステムであり、電子出版モール,ソフトウェア販売モール等で利用されている。
(*3)スマートメディア:
株式会社東芝が開発し、規格を提唱するNAND型小型フラッシュメモリカード。電子スチルカメラや携帯用情報機器のリムーバブル記憶媒体として利用されている。
(*4)MP3(MPEG-1/Audio Layer3):
ISO(国際標準化機構)のワーキンググループであるMPEGが制定した、音声情報圧縮の国際規格。一般的に“MP3”と呼ばれており、1/10から1/12の圧縮率を得ることができる。
参考

固有ID付きメディアを用いたコンテンツ保護流通方式





[本件に関するお問い合わせ先]
NTT東日本会社移行本部マルチメディア推進部(事業化について)有田、渡辺
TEL:03-3277-8842

NTT情報流通プラットフォーム研究所(技術、方式について)曽根岡、三宅(延)
TEL:0422-59-3361

神戸製鋼電子情報研究所 西元、森田
TEL:078-992-5653



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