News Release


平成11年10月18日

日本電信電話株式会社



3次元CGアニメーション作成を総合的に支援する
「映像ワールドプロセッサ」を開発
〜CG作成作業の大幅な効率アップを実現〜


 NTTは、リアルなCGアニメーションを容易に作成できる画期的なCG制作環境のプロトタイプ「映像ワールドプロセッサ(*1)」を開発しました。

 これは、NTTが独自に研究を進めている「ビデオ映像から3次元景観を自動作成する技術」「静止画像をアニメーション化する技術」「人物CGの歩行動作を自動生成する技術」という3つの最先端デジタル映像技術を統合して実現したものです。これにより、例えば、ビデオ撮影した街の風景に、揺れる木立を配し、その中を3次元キャラクターが自由に歩き回るといったCGアニメーションを従来手法の30分の1程度の作業時間で作成することが可能です。

 今後、NTTではこのプロトタイプ技術のさらなる改良に取り組み、プロフェッショナルから家庭用までCGアニメーション作成作業を幅広く支援する技術・ツールの実用化を目指します。


<開発の背景>

  CGアニメーションの利用領域は、映画やテレビをはじめ、コンピュータゲーム、ホームページコンテンツ、各種シミュレーション映像など多彩な分野に及んでおり、今後、ますます需要の拡大が予想されます。しかし、その制作には高度な専門技術や経験が要求されるため、誰もが簡単に使えるCG制作ツールの実現が待ち望まれていました。

 こうしたニーズに応えるために、NTTでは以前よりCGアニメーション作成を極力自動化し、作業の簡便化や効率アップを実現する新技術の開発に取り組んでいました。


<技術のポイント>

 「映像ワールドプロセッサ」は以下の3種類の技術で構成されており、CGアニメーションの制作作業全般を総合的に支援します。(図1


1)

CG景観自動作成技術(Vmodeler)

 ビデオカメラで撮影した映像を自動的に3次元のCG画像に変換する技術です。

 NTTでは独自の「生成誤差最小化法」を開発することにより、高度な質感、高精度な形状のCG画像の作成を実現しました。この方法は、一旦3次元化した画像をベースに撮影時と同じカメラ位置と向きでCGを作成し、この画像を元画像と比較することによって誤差の最小化を図る手法で、最適な3次元画像を効率的に作成することができます。

 また、手ブレのあるビデオ画像でも自動的に補正する機能を備えており、家庭用ハンディビデオカメラで手持ち撮影した映像を利用することができます。


2)


静止画のアニメーション化技術(Dynamic Texture)

 2次元で描かれた樹木などが、風により揺れる動きを自動的に生成する技術です。(図2

 よりリアルな動きを実現するために、まず2次元で描かれた物体の動きを骨格構造としてスケルトン指定します。次に、風力や風向等といった風の統計データを基に風の運動を生成します。

 さらに、樹木等を近似的に表現した物体モデルの動きを物理法則に基づいて高度な動力学計算により導き出します。こうして生成した風の運動と物体モデルの動きに、最新のモーフィング(*2)技術を組み合わせることによって、2次元の原画から生成したとは思えないほどのリアルなCGアニメーションを可能にしました。これにより、アニメーターによる手書きなどの手法では莫大な労力が必要とされていたシーン、たとえば背景の林がいっせいに風に揺れるといった映像を簡単に作成することができます。


3)


人物CGの歩行アニメーション自動生成技術(WorldWideWalk *4)

 3次元のCG景観の中に歩行軌跡を指定するだけで人物CGの歩行アニメーションを生成できる技術で、階段や坂道にも自動的に対応できるという特長を備えています。(図3

 この技術では、どんな地形変化がある場所にも適用できる汎用性と、CGを自動的に運動させることによる作業時間の削減を実現するために、骨格モデルの主要な関節角度について運動方程式を立てています。また、この運動方程式に加えるパラメータの1つとして、床からの反力を近似した関数を用いています。これにより、自然な重心移動を表現することが可能となり、高速かつ安定した生成を可能としました。そのため、手作業やモーションキャプチャ(*3)を利用する手法に比べ、制作時間・コストともに大幅に削減することができます。



<用語解説>

*1 映像ワールドプロセッサ
 3次元の映像世界をインテリジェントに認識・解析し、自在に編集と加工を加えてCG映像を創り出すNTTのCGコンテンツ制作環境です。あたかもワープロを使うような感覚で、高度な機能を手軽に扱えるCG制作環境&ツールの開発を目指しています。

*2
 

モーフィング
 ある画像を別の画像へと継ぎ目なく変化させる画像処理技術のことです。

*3
 

モーションキャプチャ
 実際に動作する人物を特殊な装置で撮影してデータを取り込みCG動画を作成する技術。大がかりで高価なシステムが必要になります。

*4
 

WorldWideWalkはNTTの登録商標です。



別紙
図1: 映像ワールドプロセッサの機能概要
図2: Dynamic Texture(静止画のアニメーション化技術)
図3: WorldWideWalk TMによる歩行アニメーション作成




<本件に関する問い合わせ先>

NTTサイバーコミュニケーション総合研究所 情報戦略担当 川嶋・坂本
TEL:0468-59-2032 e-mail:ckoho@tamail.rdc.ntt.co.jp



News Release Mark
NTT NEWS RELEASE