News Release


平成11年11月30日

日本電信電話株式会社


単心系光コネクタの導入展開ビジョンを決定
−SC形光コネクタからMU形光コネクタに移行−


 NTTでは、ネットワークをより経済的かつ柔軟に構成することを目指して、光コネクタの経済化技術の開発を進めてきましたが、この成果を盛り込んで、新たにNTTグループの基盤物品への単心系光コネクタの導入展開ビジョンを決定しました。今後このビジョンに従い、事業会社各社において光コネクタの導入が行われます。

 このビジョンは、SC(Single Coupling)形、DS(Fiber optic connector for Digital System)形等、これまで目的別に複数種にわたって開発されてきた単心系光コネクタのラインアップを小形・高密度・高性能で低コストなMU(Miniature Unit coupling)形光コネクタに統一していくというものです。

 この実現に向けて、
 ・ 各種通信システムへMU形光コネクタを積極的に採用
 ・ 光コネクタ仕様のオープン化と互換性認証体制の確立
 ・ 新開発の低コストMU形光コネクタ技術の普及促進
 などの取り組みを実施します。


【背景と経緯】

 Fiber To The Home(FTTH)、DWDM(高密度波長分割多重方式の略。波長の違う複数の光信号を同時に用いて光ファイバーを多重利用する方式)、IPオーバフォトニックネットワークなど、ネットワークの高度化に伴い光ファイバ通信市場が急速に拡大する中、光コネクタ需要が増大しています。光ファイバを接続するプラグである光コネクタは、光通信ネットワークの信頼性、柔軟性を確保するための重要なインタフェース部品であると同時に、ネットワークで大量に使用されるためにコストの低減が極めて重要な部品です。NTTでは、単心系光コネクタとしてコード接続に用いるSC形光コネクタ、装置間の接続に用いるDS形プラグイン光コネクタ、および小形で高密度接続に用いるMU形光コネクタを開発し導入してきましたが、これからのネットワークを経済的にかつ柔軟に構成するためには、小形で低コストな光コネクタが重要となります。そこで、小形で高密度接続に適するMU形光コネクタについて一層の低コスト化技術の開発を進めてきました。


【MU形光コネクタ】

 MU形光コネクタ(図1)は、世界で最も多く使われているSC形光コネクタを基礎として1993年にNTTが開発した世界最小の単心系の高性能光コネクタであり、既にJIS(Japanese Industrial Standard:日本工業規格)やIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)等の世界の標準化機関により規格化されております。SC形光コネクタの2倍以上の高密度実装を可能にするとともに、SC形光コネクタと同様なケーブル同士の接続から、DS形光コネクタと同様な装置内部でのプラグイン接続までの幅広い適用範囲での光接続を可能にします。NTTグループの光ネットワークへは、特に高密度配線実装が要求される装置等にすでに100万端子以上導入されています。今後の光システムの高度化に伴い、このMU形光コネクタは急速に適用範囲が拡大すると考えられています。


【MU形光コネクタの経済化技術と将来ビジョン】

 このMU形光コネクタについて、<1>部品費の低減と、<2>組立コスト低減のための技術を開発しました。この技術によって製造コストを大幅に低減でき、SC形光コネクタ以下のコストでMU形光コネクタを製造できるようになりました。これは現用のSC形コネクタから移行する環境が整ったことを意味します。NTTグループでは、爆発的に増大する光ネットワーク需要に対応するため、単心系光コネクタを最も小形・高密度・高性能でかつ低コストなMU形光コネクタに全面的に移行促進し、合わせてグローバルデファクト化を推進します。

 具体的には、以下を進めて参ります。

 ●

各種通信システムへのMU形光コネクタ適用拡大
 NTTグループの各種通信システムにおける単心系光コネクタインタフェースのMU化を推進します。MU化に当たっては、経済性を考慮しつつ、新規装置はもとより、既導入の各種装置、システムについてMU化の適用拡大を図ります。

 ●

単心系光コネクタ仕様のオープン化
 単心系光コネクタの仕様をオープン化します。また、光コネクタの互換性を確認するための認証体制を早期に確立する予定です。

 ●

新開発の低コストMU形光コネクタ技術の普及促進
 今回開発した低コストMU形光コネクタ技術を含めて、MU形光コネクタ技術を技術移転などによって普及促進するとともに、世界の光ネットワーク構築へも寄与するためにデファクトスタンダード化を図り全世界への普及促進を積極的に推進します。



【今後の展開】

 今後は、次世代光ネットワークの経済的かつ効率的な構築を加速するために、SC形光コネクタからMU形光コネクタに移行促進しながら全面的に導入していく予定です。

 なお、多心系光コネクタについては、テープ心線の一括接続に用いられるMT(Mechanically Transferable)形光コネクタが開発導入されており、主として多心光ファイバケーブルの接続に広く用いられております。また、FTTHをメタル並のコストで実現するという目的で低コスト化技術を積極的に開発するとともにより簡便な操作性を実現する技術開発を進めてきました。多心一括接続には今後ともMT形光コネクタを使用していく予定です。



MUコネクタ

図1 MUコネクタ



【参考】


【MU形光コネクタの主な低コスト化技術】

経済化プラグおよびアダプタ

 コネクタ構造の見直しを行い、部品コストおよび組立コストの低減を図りました(図参照)。まず、部品点数を削減する方法として金属部品のプラスチック一体化を積極的に進めました。また、アダプタのプラスチック化を進め低コスト化を推進しました。さらに、自動組み立てや現場組み立てを考慮したプレアセンブル方式を開発し組立コストを削減することに成功しました。

MU形簡易レセプタクル

 接続コストの大幅な低減を目指して接続構造を大幅に簡易化したMU形簡易レセプタクルを開発しました。従来のプラグ−アダプタ−プラグによる接続形態に代わって、プラグ−簡易レセプタクルによる接続形態とすることにより、構成部品の簡素化、組み立てコストの低減が図れました。

低コスト研磨技術

 光コネクタの製作において、コストがかかっていたフェルールの研磨コストを従来の3分の1以下に低減する研磨機を開発しました。MU形光コネクタでは、従来の光コネクタに比べてフェルールの研磨面の面積が1桁小さくなっていますが、この特長を利用し最適研磨条件を確立することによって従来の3工程研磨から2工程で研磨でき、かつダイヤモンド等の高価な研磨剤を不要とする専用研磨機を開発しました。この結果、従来の方法に比べ研磨コストが3分の1以下になることが確認されました。


【光コネクタと研磨技術】

 フェルールとはコネクタ同士を結合させるときに双方の光ファイバの直径10ミクロンのコア部分同士を正確に位置合わせし、一定の圧力で接触させておくための保持部品であり光コネクタのキーパーツです。MU光コネクタには1.25mm径、SCコネクタには2.5mm径のフェルールが使用されますが、いずれも光コネクタ組み立てには、フェルールの端面を高精度に研磨することが重要です。この研磨工程は、コネクタ製造コストの大きな部分を占め、低コスト化が望まれていました。


参考図




<本件に関するお問い合わせ先>

NTT先端技術総合研究所
企画部 真鍋、活田、佐々木
Tel: (046) 240 5152, Fax (046) 270 2365
E-mail:st-josen@tamail.rdc.ntt.co.jp



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