1.経営成績
(1)経営成績に関する分析
連結業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)
連結業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)

 当連結会計年度におけるわが国経済は、アジアを中心とする世界経済の改善や大規模な景気対策を背景として、輸出や生産に持ち直しの動きが見られたものの、企業収益の悪化などから設備投資が大幅に減少し、雇用情勢が急速に悪化するなど、厳しい状況が続きました。
 情報通信市場は、ブロードバンド化・ユビキタス化の急速な進展に伴い、固定通信分野では、光アクセスサービスの拡大とそれに伴う既存固定電話から光IP電話への移行が進んでおり、移動通信分野では、サービスや端末が多様化・高度化するとともに、料金の低廉化が相次ぐなど、競争がますます激化しています。また、IP化に伴う固定通信と移動通信、通信と放送などのサービス融合の進展、あるいはネットワークを利活用した様々な新事業の創出など、激しい変化と発展が続いています。

 このような厳しい事業環境のなか、NTTグループでは、平成20年5月に策定した中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」に基づき、ブロードバンド・ユビキタスサービスの拡大に取り組みました。

《固定通信分野》
 次世代ネットワーク(NGN)の商用サービスである「フレッツ 光ネクスト」の提供エリアをさらに拡大し、最大通信速度が下り200Mbpsの高速サービスを、東日本エリアから順次開始するなどサービスの充実を図るとともに、他企業との協業にも取り組み、販売の拡大に努めました。また、お客様サービスの一層の向上に向け、「フレッツ光」のお申し込みから開通までの期間の短縮やサポートサービスの強化に加え、会員制プログラムなどのお客様特典の充実にも取り組みました。これらの結果、「フレッツ光」の契約数は1,325万契約となりました。

《移動通信分野》
 行動支援サービス「iコンシェル」の新機能である位置情報に連動した情報配信や、携帯での新たな決済方法を提供する「ドコモ ケータイ送金」など、携帯電話を通じてお客様の生活を支える新たなサービスの提供に取り組みました。また、更なる成長の取り組みとしてデータ通信の利用拡大を図るため、料金体系の見直しや、動画サービスなどのコンテンツの充実に努めました。これらの結果、携帯電話契約数は5,608万契約となり、そのうち「FOMA」サービスの契約数は95%を占める5,320万契約となりました。

《ソリューション分野》
 お客様システムの構築・提供に加え、アウトソーシングや情報セキュリティなど、サービスラインナップの充実を図り、お客様の業種・業態に対応した付加価値の高いソリューションの提供に努めました。さらに、お客様や社会の要請などに機動的に応えるため、事業運営体制を再編するとともに、他事業者の買収などを通じて営業力の強化を図りました。

《上位レイヤサービス》
 「フレッツ光」上で配信されるIPTVサービス「ひかりTV」についてハイビジョンコンテンツの充実を図るなどサービスの拡充に努める一方、NGNを用いて映画館に映画を配信するデジタルシネマの提供開始など、NGNの特長を活かした映像サービスの充実を図りました。また、ネットワークを介してサービス提供を行うクラウドサービスについては、インフラからアプリケーションまでを網羅したサービスを開始するなど新たな市場開拓に取り組みました。さらに、ベンチャー企業向け投資ファンドであるNTTインベストメント・パートナーズファンド投資事業組合からの出資などを通じ、教育分野をはじめとした様々なビジネスパートナーとの協業を推進しました。

《グローバル事業》
 海外データセンタの拡充、セキュリティ事業者の買収などを進め、ソリューションサービスやサポートサービスの充実に努めました。また、海底ケーブル事業者の買収などを通じたネットワークの拡充や、携帯電話の国際ローミングサービスのエリア拡大を進め、ネットワークの利便性・信頼性の向上を図りました。加えて、コンテンツ配信などのアプリケーションサービスのグローバル展開にも取り組みました。

《研究開発》
 NGNの特長を活かしたサービスを拡充していくため、IPTV、デジタルサイネージ、デジタルシネマなどの映像サービスの高度化やクラウドサービスの研究開発に取り組みました。また、ホームICTの事業化に向けた研究開発を進めるとともに、平成22年12月に開始予定の次世代標準規格LTEを用いた移動体通信の技術開発にも努めました。さらに、将来の事業基盤となる最先端技術については、新たな暗号技術や、大容量光伝送技術、量子情報処理などの研究開発を推進しました。

《CSR》
 社会の持続的発展への貢献を目指し、グループ一体となってCSR(企業の社会的責任)に取り組みました。とりわけ環境活動においては、自然エネルギー利用を促進する施策「グリーンNTT」に基づき、グループ各社の出資による有限責任事業組合「NTT−グリーンLLP」を通じ、日本初の企業グループLLPを用いた環境事業として、グループ保有施設3箇所にソーラーシステムを設置しました。

 以上の結果、当連結会計年度のNTTグループの営業収益は、移動通信事業における新販売モデルの浸透に伴う通信端末機器販売収入および移動音声関連収入の減少や、固定電話契約数の減に伴う固定音声関連収入の減少などにより10兆1,814億円(前期比2.3%減)となりました。また、営業費用は、経費および減価償却費の減少などにより9兆637億円(前期比2.6%減)となりました。この結果、営業利益は1兆1,177億円(前期比0.7%増)、また、税引前当期純利益は1兆1,201億円(前期比1.3%増)、当社に帰属する当期純利益は4,923億円(前期比8.6%減)となりました。

 また、次期の連結業績については、営業収益は10兆1,600億円(前期比0.2%減)、営業利益は1兆1,650億円(前期比4.2%増)、税引前当期純利益は1兆1,550億円(前期比3.1%増)、当社に帰属する当期純利益は5,000億円(前期比1.6%増)を予想しております。

 当連結会計年度における日本電信電話株式会社(持株会社)および各事業の種類別セグメントの経営成績等は次のとおりです。

■日本電信電話株式会社(持株会社)
個別業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)
個別業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)

 当社は、持株会社として、グループ戦略立案や事業環境の変化に即した経営資源の再配分などに引き続き努めました。また、基盤的研究開発を推進し、その成果の普及を図るため、各グループ会社に対し開発成果を提供するとともに、基盤技術の事業化の企画、推進を図りました。さらに、各グループ会社の株主総会における議決権行使など株主としての権利を行使しました。

<1>グループ会社に対する助言、あっせんなどの状況
 当社は、グループとしての方向性に沿った事業活動が行われるように適宜適切に、各グループ会社に対する助言、あっせんなどを行いました。
 具体的には、中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」に基づき、ブロードバンド・ユビキタスサービスの本格展開、グローバル事業の推進に向けた助言、あっせんなどを行いました。また、「次世代サービス共創フォーラム」の運営やNTTインベストメント・パートナーズファンド投資事業組合が出資したベンチャー企業との協業の推進を通じて、NGNなどを活用した上位レイヤサービスの普及拡大に向けた支援を行いました。これらの対価として、グループ経営運営収入183億円(前期比1.3%減)を得ました。

<2>基盤的研究開発の状況
 当社は、中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」を実現しブロードバンド・ユビキタス社会の発展に貢献するための基盤技術の研究開発を推進しました。研究開発成果の事業化にあたっては、総合プロデュース制により重点分野のマーケティング・企画などを実施するとともに、他の企業との連携も積極的に進めました。また、研究成果のグローバル展開、社会的課題の解決に資する研究開発、将来を見据えた最先端研究にも取り組みました。

《サービス創造に貢献する研究開発》
 ブロードバンドサービスやデジタル家電の普及に伴い、今後の需要拡大が期待されるホームICTでは、複数のパートナー企業と共同でテストベッド環境を用いた技術検証やビジネスモデル検討を進めました。また、IPTVやデジタルサイネージの高度化を推進するとともに、新たにサービスを開始したデジタルシネマについては、研究所で培った高セキュリティ・高品質の配信技術を活用するなど商用化を支えました。加えて、安心・安全なクラウドサービスの実現に向けた研究開発などにも努めました。
 サービスを支えるネットワークに関しては、NGNの機能拡充やコスト削減に向けた保守運用性向上に取り組みました。また、集合住宅向け「光配線方式」の適用領域拡大技術や施工簡易化技術などの光アクセス技術についても研究開発を進めました。

《研究成果のグローバル展開》
 「グローバル展開を見据えた研究開発」、「国際標準化」、「仲間作り」を柱とした研究開発に取り組みました。光伝送デバイスや光コネクタなどの当社の技術を用いた光関連部品は、世界的に高いシェアを獲得しました。また、高速光アクセス方式の研究成果は、ベトナムにおける商用サービスに活用されました。加えて、映像符号化技術は、海外の放送事業者にも利用されており、バンクーバーオリンピックでは国際配信用のコーデックとして採用されました。

《社会的課題の解決に資する研究開発》
 環境負荷の低減に向けて、高効率燃料電池や給電時の電力損失を低減する高電圧直流給電などのCO2削減技術の研究開発に取り組むとともに、将来のネットワークにおける電力使用量の大幅な削減を目指す光パケットルータの研究開発を進めました。さらに、医療分野においては、日々の血圧、体重などのバイタルデータをネットワーク経由で収集・共有する仕組みを実現し、遠隔での保健指導に活用しました。

《最先端研究》
 NTTグループの持続的な発展を支えるための最先端研究についても、多くの取り組みを実施しました。具体的には、新たな暗号技術の研究開発を進めるとともに既存暗号の安全性の検証に取り組み、その結果として公開鍵暗号の安全性の根拠の1つである素因数分解問題で世界記録を更新しました。また、光伝送技術では、光ファイバ1本で世界最大容量となる69Tbpsの伝送に成功しました。量子情報処理については、量子コンピュータの実現に必要な多機能基本演算を世界に先駆けて1素子で実現することに成功しました。加えて、より自然なコミュニケーションの実現を目指し、脳内における信号の制御・処理の仕組みを解明する研究に努めました。

 これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当期における研究開発活動に要した費用の総額は1,340億円(前期比1.4%増)となり、これらの研究開発活動の対価として、基盤的研究開発収入1,269億円(前期比0.0%増)を得ました。

<3>株式保有および議決権行使などの状況
 当社は、各グループ会社が自主・自律的な事業展開を行うことを基本としつつ、グループとしての方向性に沿った事業活動を適切に遂行していることを判断基準として株主権を行使しており、平成21年度に開催された各グループ会社の株主総会における議決権行使に際しても、前事業年度(平成20年度)の事業活動、財務状況、内部留保の状況などが適切であると判断したことから、各グループ会社から提案のあった剰余金処分の件、役員選任の件などにつき、賛成の議決権を行使しました。その結果、受取配当金として2,178億円(前期比9.4%増)を得ました。

 以上の取り組みの結果、当期における当社の営業収益は3,790億円(前期比4.2%増)、経常利益は2,155億円(前期比9.7%増)、当期純利益は2,157億円(前期比10.1%増)となりました。

■地域通信事業セグメント
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)

契約数
契約数
(注) 1. 「フレッツ光」は、NTT東日本の「Bフレッツ」および「フレッツ 光ネクスト」(平成20年3月提供開始)、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」および「フレッツ 光ネクスト」(平成20年3月提供開始)を含めて記載しております。
2. ひかり電話は、チャネル数(単位:千)を記載しております。

 地域通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTT東日本およびNTT西日本は、「フレッツ光」を中心としたブロードバンドサービスの充実による収益基盤の確保を図るとともに、事業運営の効率化に努めました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。

<1>光・IP系サービスの推進
《NGNのエリア拡大》
「フレッツ 光ネクスト」のサービス提供エリアを拡大しました。
・NTT東日本 「フレッツ光」の提供エリアのほぼ全域に拡大。
・NTT西日本 「フレッツ光」の提供エリアの約8割に拡大。

《当連結会計年度中に開始した主なサービスなど》
《当連結会計年度中に開始した主なサービスなど》

《当連結会計年度に合意した他事業者との主な協業》
《当連結会計年度に合意した他事業者との主な協業》

<2>お客様サービスの向上
集合住宅向け「光配線方式」の拡充、工事日即決の推進、無派遣工事の実践などにより、光アクセスサービスの開通納期短縮に継続的に取り組みました。(NTT東日本・NTT西日本)
ブロードバンドサービスのご利用時のお困りごとをワンストップでサポートする「リモートサポートサービス」が、210万契約を突破しました。(NTT東日本・ NTT西日本)

《当連結会計年度中に開始した主なサポートサービス》
《当連結会計年度中に開始した主なサポートサービス》

<3>事業運営体制の見直し
113故障受付や、他事業者との相互接続業務を行う拠点などの集約を実施し、業務運営体制の効率化を推進しました。(NTT東日本)
工事会社を含め、業務内容や業務フローの見直しおよびシステム改善に積極的に取り組み、「フレッツ光」受付処理時間の短縮を実現しました。(NTT東日本・NTT西日本)

 以上の取り組みの結果、地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、「フレッツ光」契約数の拡大によりIP系収入が増加したものの、固定電話契約数の減に伴う固定音声関連収入の減少などにより3兆9,643億円(前期比2.5%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、経費の減少などにより3兆 8,822億円(前期比2.8%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は821億円(前期比16.5%増)となりました。

総務大臣からの業務改善命令について
 NTT西日本グループ会社の社員が、一部の販売代理店に対して、他事業者のご利用者に関する情報を不適切に提供したことが判明し、NTT西日本は、平成22年2月4日に総務大臣から電気通信事業法第29条に基づく業務改善命令を受け、同26日に総務大臣に業務改善計画を提出いたしました。お客様や関係各位にご心配、ご迷惑をおかけしましたことについて、深くお詫び申し上げます。
 今回の業務改善命令を厳粛に受け止め、NTT西日本において業務改善計画を着実に実施することはもとより、同じく他事業者のご利用者に関する情報を扱う立場にあるNTT東日本においても、情報管理の強化・徹底に努めてまいります。この取り組みを強化するため、両社において、平成22年4月に「情報セキュリティ推進部」を新たに設置し、情報セキュリティに関する全社的方針の策定、規程・制度の制改定、セキュリティ対策の企画・実施、監査・点検など、両社および両社の傘下グループ会社における情報セキュリティの横断的かつ統一的な取り組みを実施していくこととしました。今後とも、グループ一丸となって信頼回復に努めてまいります。

■長距離・国際通信事業セグメント
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)

 長距離・国際通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTコミュニケーションズは、法人のお客様には、お客様の経営課題を解決する「ICTソリューションパートナー」として、コンサルティング営業の推進、お客様のご要望に合った付加価値の高いソリューションの提供に努めました。また、個人のお客様には、「“CreativE-Life” for Everyone」のブランドのもと、多様化するライフスタイルやお客様のご要望に対応した魅力あるサービスの提供に努めました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。

<1>法人のお客様向けサービスの展開
 企業をとりまく環境が激変し、競争力強化に向けたコア業務への集中や事業環境の変化への柔軟な対応が一層進むなかで、アウトソーシング、情報セキュリティなどのお客様のご要望の高い分野に対し、グローバルで競争力のあるオペレーションの確立や、お客様の業種・業態に合った付加価値の高いソリューションを一元的に提供し、お客様の経営課題の解決に貢献しました。

《当連結会計年度中に開始した主なサービス》
《当連結会計年度中に開始した主なサービス》

《新たなクラウドを実現するサービス基盤構想の実証実験》
 いつでもどこでも、接続環境に関係なく必要な機能を利用でき、ネットワークからアプリケーションまで高品質・高信頼・高付加価値なサービスを提供できる従来にない仕組みを搭載した新たなクラウドを実現するサービス構想「Setten」について実証実験に取り組みました。

<2>グローバル事業の展開
 国内外シームレスかつ高品質なサービス提供という日系企業や多国籍企業のお客様のご要望に応え、ネットワークインテグレーションにデータセンタ、セキュリティ、サーバ・マネジメントなどを組み合わせた付加価値の高いトータルなICTソリューションの提供に努めました。

《当連結会計年度の主な取り組み》
○ネットワークの拡充
日米間海底ケーブルPC-1を保有するPacific Crossing Limitedを買収し、日米間のインフラの更なる信頼性向上を図りました。
インターネット上のデータを世界中に高速かつ安定的に配信するためのネットワーク(IPバックボーン)の容量拡大に努めてきましたが、なかでも最大の通信量が配信される日米間において、ISP業界最大級である300Gbpsの回線容量を実現しました。
○事業拠点の展開
お客様の事業展開をサポートするため、ロシアにおいて現地法人NTT Communications Russia LLCのサンクトペテルブルグ支店を開設しました。
インドにおいて現地法人NTT Communications India Private Ltd.のニムラナ支店を開設しました。
フィリピンにおいて現地法人NTT Communications Philippines Corporationを設立しました。
ベルギーにおいてヨーロッパ現地法人のNTT EUROPE LTD.のブリュッセル支店を開設しました。
中国において現地法人NTT Communications China Co., Ltd.(恩梯梯通信設備(上海)有限公司)の武漢事務所を開設しました。
○データセンタの拡充
ベトナムにおいてNTTコミュニケーションズとVietnam Posts and Telecommunications Groupとの合弁会社がハノイにデータセンタを開設し、サービスの提供を開始しました。
米国において現地法人NTT America, Inc.が米国カリフォルニア州サンタクララにデータセンタを開設し、サービスの拡充を図りました。
○セキュリティサービス体制の強化
グローバルに展開するお客様からの幅広いセキュリティサービスのご要望に対して、セキュリティ事業においてグローバル規模でのリーディングカンパニーであるドイツのIntegralis AGを買収し、サービス提供体制の強化を図りました。

<3>個人のお客様向けサービスの展開
 電話サービスについては、引き続き「プラチナ・ライン」などにより、お客様の多様なご要望に対応するとともに、OCNなど上位レイヤサービスについては、様々なライフスタイルに合わせた新たなサービスを提供しました。

《当連結会計年度の主な取り組み》
○OCNサービスの拡充
NTTドコモの定額データプランに対応した「OCNモバイルアクセスFOMA」などを追加し、モバイルユーザニーズへの対応を図りました。
お子様のパソコン利用に際し、有害サイトをブロックするだけではなく、保護者が携帯電話などで利用状況を確認できるなど、親子で安心してインターネットを利用できる環境をサポートする「OCNキッズケア」の提供を開始しました。
OCNのメールやブログなどの各種サービスを一度のログインでシームレスに利用できるようにするとともに、メールサービスの大容量化、地図やスケジューラとの連動機能追加など、利便性の向上を図りました。
○その他の上位レイヤサービスの充実
「050あんしんナンバー」の新たな利用方法として、愛犬、愛猫などのペットタグ(迷子札)に「050番号」を記入し、迷子になった場合の連絡手段とする「ワンにゃんバー」を提案し、更なる利用拡大に努めました。
「ひかりTV」の地上デジタル放送IP再送信の提供エリア拡大やハイビジョンコンテンツの拡充などに取り組み、100万契約を突破しました。

 以上の取り組みの結果、長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、固定音声関連収入の減少、法人のお客様向けソリューション収入の減少などにより1兆 2,596億円(前期比4.2%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、固定音声関連収入の減少に伴う通信設備使用料の減少などにより1兆 1,614億円(前期比4.7%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は982億円(前期比1.4%増)となりました。

■移動通信事業セグメント
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)

契約数
契約数
(注) 1. 携帯電話サービス契約数、「FOMA」サービス契約数および「mova」サービス契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて記載しております。
2. 平成20年3月3日より、「2in1」を利用する際にはその前提として原則「FOMA」契約を締結することが条件となっており、携帯電話サービス契約数および「FOMA」サービス契約数には、その場合の当該「FOMA」契約を含んでおります。
3. 「iモード」サービス契約数は、「FOMA」サービス分、「mova」サービス分の合計を記載しております。

 移動通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTドコモは、「変革とチャレンジ」を基本方針に、お客様視点での業務改革を進めました。データ通信利用の拡大を実現することで、更なる収益拡大を目指すとともに、お客様の多様なニーズに応える様々なサービスを提供しました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。

<1>サービスの充実
《当連結会計年度中に開始または取り組みを強化した主なサービス》
《当連結会計年度中に開始または取り組みを強化した主なサービス》

《当連結会計年度中に開始または取り組みを強化した主なアフターサービス》
《当連結会計年度中に開始または取り組みを強化した主なアフターサービス》

<2>データ通信利用の拡大
パケット定額サービス「パケ・ホーダイ ダブル」の定額料を月額390円(税込)から利用できるように見直しました。
スマートフォン向けパケット定額サービス「Biz・ホーダイダブル」についても、定額料を月額390円(税込)から利用できるように見直しました。また、iモード対応FOMA携帯電話とスマートフォンを併用されるお客様向けに、平成22年4月1日より「Biz・ホーダイ ダブル」を「パケ・ホーダイ ダブル」に統合することを決定しました。
コンテンツプロバイダとの連携を通じて、「BeeTV(R)」をはじめとする「ドコモ動画」のコンテンツを充実させました。
PCデータ通信において、利用しやすい料金体系の導入や商品ラインナップの充実を図り、戦略的に販売を強化しました。

<3>料金サービスの充実
《当連結会計年度中に開始した主な料金サービス》
《当連結会計年度中に開始した主な料金サービス》

<4>端末ラインナップの強化
《当連結会計年度中に発売した主な商品》
《当連結会計年度中に発売した主な商品》

<5>国際サービスの展開
《国際ローミングサービスの充実》
国際ローミングサービスが利用可能な国・地域の数は次のとおりとなりました。
音声・ショートメッセージサービス 207
パケット通信サービス 156
テレビ電話 50
国際ローミングサービスを利用するお客様の利便性向上のため、海外でも地図上での現在位置の確認、目的地までのナビゲーション、周辺情報検索などができる「海外GPS」機能の提供を開始しました。
海外におけるお客様サポート拠点を13都市に拡大し、携帯電話の無料充電サービスや海外での携帯電話の利用方法や操作方法についてのお問い合わせに対応するなどサポートの充実を図りました。

《海外事業基盤の確立》
ソフトウェアにおける開発の効率化や製品の供給安定化および機能向上を図るため、携帯端末向けマルチメディアプレーヤーを中心としたソフトウェア開発およびライセンス事業を展開する米国のPacket Video Corporationに出資しました。
海外におけるプラットフォーム事業基盤の確立に向けた体制強化を図るため、ドイツのモバイルコンテンツ配信プラットフォーム事業者であるnet mobile AGを買収しました。
コンテンツ配信サービスとして、海外子会社などを通じてインド、グアム、サイパンおよび英国にてプッシュ型情報配信サービス「iチャネル」、インドおよびフランスにてマンガ配信サービスの提供を開始しました。

<6>クレジットビジネスの普及促進
《クレジットサービス「DCMX」の普及促進》
 「ドコモポイント」がお得に貯まる特約店の拡大、インターネットサイト「DCMXドコモポイントモール」の取り扱い店舗の拡大などにより、利用促進を図りました。

《クレジットブランド「iD」の普及促進》
 引き続きお客様の日常生活に深くかかわる店舗で「iD」をご利用いただけるよう加盟店の開拓に努め、平成21年8月には、全国のマクドナルド店舗(一部店舗を除く)への「iD」導入が完了し、同時に「かざすクーポン」の導入によりお客様の利便性向上を図りました。

 以上の取り組みの結果、移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、パケット定額制契約数の増加によりパケット通信収入が増加したものの、新割引サービス・新販売モデルの浸透などによる移動音声関連収入の減少および端末機器販売収入の減少により4兆2,844億円(前期比3.7%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、携帯電話販売数の減少に伴う端末機器原価の減少や前連結会計年度に実施した「mova」関連資産の繰上償却の影響が無くなったことによる減価償却費の減少などにより3兆4,560億円(前期比4.6%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は8,284億円(前期比 0.4%増)となりました。

■データ通信事業セグメント
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)

 データ通信事業セグメントにおける主な子会社であるNTTデータは、「質を伴う量の拡大」を図り、持続的な事業の発展および企業価値の拡大を実現すべく、中期経営の主な取り組みとして「サービス提供能力の強化」、「グループ事業の拡大・強化」、「環境志向経営の推進」に取り組み、「変革の先進企業」として「お客様満足度No.1」を追求いたしました。主な取り組みの状況は以下のとおりです。

<1>経営施策の取り組み状況
《サービス提供能力の強化》
安全保障にかかわるシステム構築・サービス提供を担当する組織が、システム開発を行う組織のプロセス改善を行うためのガイドラインである「CMMI」の最新バージョンにおいて、最高水準となるレベル5を達成しました。
海外拠点との時差を有効に活用し、ソフトウェアなどの開発を24時間止めることなく実施することで工期短縮を目指す「24時間開発」のトライアルを日本・ドイツ体制および日本・インド体制で実施しました。

《グループ事業の拡大・強化》
海外におけるSAPコンサルティング・サポートなどの拡充
ドイツ子会社itelligence AGを通じてオランダの2B Interactive B.V.、フランスのADELANTE S.A.S.(現itelligence France S.A.S.)を買収しました。
シンガポール子会社NTT DATA Asia Pacific Pte. Ltd.を通じてオーストラリアのExtend Technologies Group Holdings Ltdを買収し、また、マレーシアのBusiness Formula (M) Sdn Bhdについては買収することで合意しました。
中国国内の金融機関向けクラウド型ビジネスを展開するため、中国におけるインターネットバンキングでトップシェアをもつ北京宇信易誠科技有限公司と合弁で宇信数据科技有限公司を設立し、中国金融市場における拠点を設立しました。
ソフトウェア開発事業における基盤強化を図るため、株式会社エヌジェーケーを買収しました。
サービス提供能力の拡大、グループ事業の規模拡大、更なるシナジー創出を目的として、グループ企業17社を対象に再編を行い、6社に統廃合しました。

《環境志向経営の推進》
環境経営推進室を中心に、NTTデータグループ内の環境負荷低減、ならびに、同グループが提供する事業を通じた社会全体の環境負荷低減に向けて、「お客様・社会のグリーン化」、「自社グループのグリーン化」、「地球に優しい企業へ」の3テーマで中長期目標を設定しました。
経済産業省資源エネルギー庁が推進する「平成21年度電気自動車普及環境整備実証事業」の一環である電気自動車の充電インフラサービスの実証事業を25の企業・自治体の連携のもとに実施しました。
環境負荷低減や省電力化を実現する「グリーンデータセンタ(R)」サービスが、「グリーンITアワード2009」(グリーンIT推進協議会主催)で「経済産業大臣賞」を株式会社NTTファシリティーズと共同で受賞しました。

 以上に加え、NTTデータグループのトータルパワーを効率的に高め、お客様や社会の要請に機動的に応えていくことを目的に、複数の事業組織を3つのカンパニーに統合する事業運営体制の再編を行いました。
パブリック&フィナンシャルカンパニー
行政、医療、金融、決済などの社会的基盤を担うITサービスを提供する事業グループ
グローバルITサービスカンパニー
製造、流通、サービス、メディア、通信などの事業活動を支えるITサービスをグローバルに提供する事業グループ
ソリューション&テクノロジーカンパニー
先進的なITサービスを支える基盤・ソリューションを提供する事業グループ

<2>事業活動の取り組み状況
《公共分野》
輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社における「次期航空貨物通関情報処理システム(Air-NACCS)」のサービスを開始しました。
国土交通省における「次期自動車登録検査業務電子情報処理システムの設計・開発業務一式」を受注しました。

《金融分野》
株式会社ゆうちょ銀行より「次期業務システムの調達」などを受注しました。
地方銀行3行による「3行共同利用システム」について、株式会社横浜銀行が第1号ユーザとして利用を開始しました。
信用金庫の「しんきん共同システムセンター」のハード集約、JAバンクの信用オンラインシステム「JASTEM」の更改など、大型プロジェクトによるシステム更改を実施しました。

《法人分野》
次世代型ソリューション「Biz∫(ビズインテグラル)」を推進する事業会社として、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・システムズ、アイテックス株式会社、ウイングアーク テクノロジーズ株式会社、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社と共同で、株式会社NTTデータ・ビズインテグラルを設立しました。
スウェーデンのNASDAQ OMX社製パッケージソフトを採用した次期デリバティブ売買システムの開発・運用を株式会社大阪証券取引所より受注しました。
欧州などにおける国際会計基準(IFRS)対応プロジェクト実績で培ったノウハウを活用し、日本企業に対して、IFRS対応における、構想策定から制度、業務改革、システム構築、教育までを支援する統合サービスの提供を開始しました。

《分野横断的な取り組み》
 インフラからアプリケーションまで、総合的なクラウドソリューションの提供を開始し、「最適化コンサルサービス」と「マイグレーションサービス(お客様の現行システム資産の移行サービスなど)」を展開しました。

 以上の取り組みの結果、データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、連結子会社の拡大による収益の増加などにより1兆1,325億円(前期比0.5%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、連結子会社の拡大による販管費の増加などにより1兆676億円(前期比2.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は649億円(前期比25.2%減)となりました。

■その他の事業セグメント
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)
セグメント業績の概要(平成21年4月1日〜平成22年3月31日)

 その他の事業においては不動産事業における収益が増加したものの、建築・電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業の各分野における減収などにより、当連結会計年度の営業収益は1兆1,326億円(前年同期比2.8%減)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は、不動産事業において、たな卸資産の評価損を計上したものの、金融事業における貸倒費用が減少したことなどにより、1兆1,193億円(前年同期比2.7%減)となりました。この結果、営業利益は133億円(前年同期比12.2%減)となりました。


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