補足説明
<開発された技術のポイント>

ユーザが100GbEで仮想光網に効率的にアクセスする技術(λアクセス技術の研究開発)
 将来のTbps級ネットワークインタフェース実現を目指して、複数波長への並列展開数と波長あたりの伝送速度を、それぞれ、従来(1波,10Gbps)の10倍にする技術を開発しました。

1-1  パケット処理頻度を1/100に抑えて、複数波長に振分けてパケット送受信(NTT、NEC、NTT Com)
 NECは、100Gbpsでのネットワークアクセスに際して、ユーザが通信に用いるデータ単位であるフレームのサイズを大幅に大きくすることで、通信の効率を上げることを可能とするパケット送受信技術を開発しました。今回開発した「超ジャンボフレーム処理技術」では、通信効率で課題であったフレームサイズを最大1メガバイトと従来の100倍以上のサイズとし、このフレームの送信、受信処理部に新たな回路を開発することによって、100Gbps動作を実現しました。とくに、1メガバイトという巨大なフレームの誤り検出情報を生成する回路、および誤りを検出する回路を実現することにより、多種多様なデータを多重しても100Gbpsの速度で動作することを実現しました(図5a)。
 NTTは、この「超ジャンボフレーム」を標準イーサネットフレームに小分けにするフラグメント機能を新たに実装し、アプリケーションが必要とする帯域やネットワーク側の事情に応じて、並列数を自在に変更できるパケット送受信技術*9と統合することで、100Gbps NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)機能を実証しました。送信端のNICでパケット毎にタイムスタンプを付与し、受信端のNICではこのタイムスタンプに基づいてパケット順を正しく復元します。パケット網経由での網クロック配信*10によりNICでの時刻精度を常時数µ秒以内に保ち、end to end でのジッタをほぼ完全に抑圧した高品質な大容量転送を実現します(図5b)。
 実験では、NTT Com が開発した送信端と受信端において複数の波長パスを1本に集約することにより弾力的な大容量リンクの生成を実現する波長パスアグリゲーション技術*9を用いて、自動経路制御を行うゲートウェイ(GW)と相互接続することにより、広域ネットワーク越しに、10Gbps〜100Gbps の大容量リンクをユーザがオンデマンドに設定可能で、容量も柔軟に変更できることを実証しました。

図5:パケット処理頻度を1/100に抑えて、複数波長に振り分けてパケット送受信

図5:パケット処理頻度を1/100に抑えて、複数波長に振り分けてパケット送受信

1-2  パケットを公平に束ねて、波長あたり100Gbpsでパケット送受信(三菱電機、日立、KDDI研)
 100GbEへパケットを公平に束ね、1つのレーザにより発生した単一波長信号で光伝送するための符号化技術、光伝送技術を世界に先駆けて開発しました。
 三菱電機は、多数のユーザから受信するパケットを公平に多重化する方式を開発しました。本方式は「DS-SWFQe: Delay Sensitive - Simplified Weighted Fair Queuing enhancement」と呼び、ユーザ単位、アプリケーション単位に遅延時間と帯域の公平性を保証し、多重化するものです。入力側のインタフェース帯域に依存しないため、将来の高速、大規模なアクセスネットワークに対しても適用できます。
 日立は、このフレーム単位に束ねられたデータストリームを、1つの波長で100Gbpsの光伝送を可能とする符号化・復号化技術を開発しました。今回開発した「単一波長対応符号化技術」では、多重/分離処理において生じる信号伝播遅延差を検出して補正し正しい受信データを再生する標準機能*11に加えて、1つの光波長の通信密度を向上する光多値変復調に必要な差動符号化を行う機能を開発し、速度100Gbpsの動作を実現しました。
 KDDI研は、この符号化された信号を単一波長で光伝送する技術を開発しました。現在の100GbE標準は複数(4または10)の光源を用いますが、単一波長方式とすることで、必要な光源数を1つへ削減できます。単一波長光伝送方式としては、差動4値位相変調方式を採用しました。この方式では、1つの光信号により2ビットの情報を伝送することができるため、100GbE信号を伝送するための実効的な速度を50Gbpsに半減できます。そのため、光・電気部品に要求される応答速度や、光ファイバ伝送における各種信号劣化要因の影響を大幅に軽減できます。
 実験では、三菱電機が開発したフレーム多重技術により複数の10Gbpsイーサネット信号を100Gbps信号へと束ねた後、日立が開発した技術により符号化し、KDDI研が開発した光伝送技術により単一波長による100Gbpsでのパケット送受信を実証しました。(図6)

図6:パケットを公平に束ねて、波長あたり100Gbpsでパケット送受信

図6:パケットを公平に束ねて、波長あたり100Gbpsでパケット送受信


戻る

Copyright(c) 2010 日本電信電話株式会社