補足説明
<開発された技術のポイント>

仮想光網内の波長利用効率を向上する技術(λユーティリティ技術の研究開発)

2-1  1,000ノード規模の波長資源をオンデマンドに計算して経路割当(NEC)
 NECは、複数ドメインからなるネットワークにおいて、異なるドメインにまたがる最適経路を複数のサーバが連携して計算するマルチドメイン自動経路制御技術*12を開発し、従来の10倍以上の大規模光ネットワークにおける最適経路制御およびオンデマンドな波長パス設定の自動化を実現しました。さらに、偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion:PMD*13)による光信号の劣化を監視する光品質モニタを新たに開発しました。この光品質モニタを使って光信号の劣化を初期段階で検出し、品質のよい他の波長パスに切り替えることで、ユーザの通信品質の劣化を未然に防ぐことに成功しました。これらの技術により、大規模光ネットワークにおいて、大容量ユーザ通信の体感品質を維持しながらオンデマンドに波長資源を効率よく利用できるようになります(図7)。

図7:1,000ノード規模の波長資源をオンデマンドに計算して経路割当

図7:1,000ノード規模の波長資源をオンデマンドに計算して経路割当

2-2  多値変調と誤り訂正で波長利用効率を10倍に高め100Gbpsで広域光リンク(富士通、三菱電機)
 富士通は、波長利用効率を従来の10倍に高めるための変調方式として、偏波多重4値位相変調方式に着目し、それを実現するための光送受信機構成技術の開発を行いました。長期間安定な動作を実現するために、<1>集積型光変調器、<2>光変調器の制御回路、<3>光復調器制御回路を開発し、試作機に実装しました。開発した光送受信機を500kmを超える実フィールドファイバ伝送に適用して誤り率特性を評価した結果、安定な特性が得られることを確認しました。
 三菱電機は、低密度パリティ検査(LDPC)符号*14と軟判定復号による高利得・低消費電力FEC技術の開発を行いました。軟判定とは、デジタル化した受信シンボルに、そのシンボルの確からしさを示す信頼度を付与することです。今回、開発した2bit 32G samples/sの高速処理可能な軟判定LSI*15を用いて、2bitという限られた軟判定情報でも高い誤り訂正性能を発揮するLDPC符号をField Programmable Gate Array(FPGA)エミュレータに実装しました。FPGAエミュレータによる10Gbpsスループットでの性能検証の結果、従来よりも3倍高速の受信デジタル信号であっても確からしさを識別できることを確認しました(図8)。

図8:多値変調と誤り訂正で波長利用効率を10倍に高め100Gbpsで広域光リンク

図8:多値変調と誤り訂正で波長利用効率を10倍に高め100Gbpsで広域光リンク

2-3  100Gbpsを超える速度の光信号をそのままデジタル再生して光中継伝送(OKI)
 OKIが開発した光3R再生中継装置*16は、従来の光増幅中継機能(Re-amplification)に、光信号の波形歪を除去する波形整形機能(Re-shaping)と時間揺らぎを抑圧するタイミング再生機能(Re-timing)を加えた新しい光中継器です。100Gbpsを超える伝送速度では、波形の劣化や時間ゆらぎが顕著になり、その伝送距離は短くなります。開発した光中継器により、160Gbpsの光信号を光/電気変換することなく、そのまま効率良く再生することが可能になります。今回、あらたに開発した光中継器は、今後の信号フォーマットの多様化を鑑み、複数の信号フォーマットに対応できる方式を採用しています(図9)。

図9:100Gbpsを超える速度の光信号をそのままデジタル再生して光中継伝送

図9:100Gbpsを超える速度の光信号をそのままデジタル再生して光中継伝送


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