(報道発表資料)
2011年11月24日
日本電信電話株式会社
NTTコミュニケーションズ株式会社
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三浦 惺、以下 NTT)とNTTコミュニケーションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:有馬 彰、以下 NTT Com)は既存の光ファイバを用いた実運用環境下で、NTTが開発した100Gbps及び40Gbps(1Gbpsは毎秒10億ビット容量)の超高速信号の自動設定を50ミリ秒(1ミリ秒は1秒の1000分の1)以下に短縮できるプラグアンドプレイ機能を世界で初めて実証しました。
従来、設定が難しく時間を要していた100Gbps及び40Gbpsの超高速信号を、家庭のFTTH(Fiber to the Home)で用いられている1Gbpsクラスの信号と同じように容易に自動設定することができ、今後平常時のネットワークの運用の簡素化及び災害時のネットワークの迅速な復旧を飛躍的に改善することが期待されます。
なお、本研究開発の一部は、総務省委託研究「超高速光伝送システム技術の研究開発(デジタルコヒーレント光送受信技術)」、および独立行政法人情報通信研究機構委託研究「ユニバーサルリンク技術の研究開発」の成果を用いています。
近年のFTTHやスマートフォンの普及に伴うブロードバンドアクセスの急速な普及とともに、通信トラヒックは年率約1.2倍で増え続けています。このような増大する通信トラヒックに対応するため、これまでNTTでは、次世代の光ネットワーク大容量化の先端技術として、伝送路容量を飛躍的に拡大させるデジタルコヒーレント技術*1及び超高速デジタル信号処理*2の研究開発を推進してきました。一方NTT Comでは、常に最先端の光通信技術を世界に先駆けて導入することにより、先進的な基幹光ネットワーク*3を実現し、お客様に高信頼で経済的なブロードバンドサービスを提供することに努めてまいりました。
今回開発した新技術は、光の波の性質(位相*4・偏波*5)にデジタル信号の1と0を対応させて光信号を伝送するデジタルコヒーレント技術を利用します。従来の技術では、光信号のON/OFFをデジタル信号の1と0に対応させて光信号を伝送しますが、毎秒100Gbps及び40Gbpsの超高速信号を伝送させる場合(100Gbpsは2時間のハイビジョン映像を2秒で伝送できる容量)、光信号に加わった波形ひずみを測定し取り除く必要がありました。また、そのためには、通常波形ひずみの測定には数日間を要するとともに、波形ひずみを解消する機器設定にも時間を要していました。
新技術ではデジタルコヒーレント技術に新しいDSP機能を適用することで超高速信号の高速設定機能を実現しました。新しいDSP機能では、光送信器内で光信号にあらかじめ波形ひずみを測定するデジタル既知信号を挿入し光信号を送信します。次に、光受信器にて光信号からデジタル既知信号を取り出し、デジタル既知信号から波形ひずみの量を高精度で測定し、波形ひずみを取り除きます。新技術により、従来の光信号のON/OFFを用いた光通信では実現が困難であった波形ひずみ量の高速測定ならびに波形ひずみの高速除去が可能となり設定時間の短縮が可能となりました。
DSPを実用の光ネットワークに適用するには、運用環境下で起こりうると想定される波形ひずみに対応できること、及び光信号に加わった波形ひずみの変化速度に対応出来ることが求められます。今回、NTT ComはNTTと協力してこのようなDSPの処理性能をあらゆる伝送環境下で試験し、その応答特性を検証する手法を考案し、580kmにわたるフィールド試験環境(伝送路の平均偏波モード分散*7 35.5ps: 1ps(ピコ秒)は1兆分の1秒)を同社の商用敷設ファイバを用いて構築しました。
実験では、1波長あたり100Gbps及び40Gbps容量の信号を11波長伝送し、580kmにわたるフィールド試験環境において1,000種類以上の伝送状態を人工的に作り出し、光信号の疎通状態を試験した結果、全ての状態に対して安定して自動設定できることを確認しました。また、DSPの設定時間を詳細に測定した結果、50ミリ秒以下で自動設定状態が実現できていることが確認でき、DSP性能を実運用環境下で実証しました。
将来の大容量基幹光ネットワークでは、さまざまな経路において瞬時に超高速な光信号を設定することで、ネットワークの運用性を向上できます。また、大規模な災害等による故障・復旧に対しては、迂回ルート等を瞬時に設定することにより信頼性の高いネットワークの構築が可能です。DSPを用いた光通信技術を用いることで、柔軟な運用と高い信頼性を両立できる経済的なネットワークの実現に取り組みます。
NTT先端技術総合研究所 広報担当
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