(ニュースリリース)
2012年3月7日
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三浦 惺、以下 NTT)は、新たに開発した「光増幅技術※1」により、従来の10倍に当たる10Gbit/sのアクセス速度で、従来の伝送距離10〜20km級を大幅に拡大する100km級のフィールドにおける伝送実験に世界で初めて成功しました。
今回の研究開発は、独立行政法人情報通信研究機構(本部:東京都小金井市、理事長:宮原秀夫、以下 NICT)より受託した委託研究「広域加入者系光ネットワーク技術の研究開発」によるものです。
なお本成果の一部については、米国ロサンゼルスで開催中の国際学会OFC/NFOEC(Optical Fiber Communication Conference and the National Fiber Optic Engineers Conference)で3月8日(木)(米国西海岸時間)発表します。
次世代アクセス系システムの研究開発では、効率的なネットワーク構築及び多様なサービスの安定提供を目指し、通信速度の高速化、伝送距離の長延化、伝送機器の省電力化等の検討が盛んに行われています。特に伝送距離の長延化は、広範囲なユーザを効率よく収容することが可能となり、且つ省電力化を促進させる可能性が高い事から技術革新が求められていました。
NTTのアクセスサービスシステム研究所(以下、NTTの研究所)は、本課題を解決するべく、広いダイナミックレンジ※2の光増幅器を低廉に提供し、イーサネットPONシステム※3で発生するバースト信号※4に対応した光増幅技術の確立を目指し研究に取り組んできました。
今回の実験は、北海道において、札幌・豊平・恵庭・千歳の各NTT東日本ビルを光ファイバで結び、総伝送距離100km以上の広域加入者系光ネットワークを模擬したテストベッド※5を構築して行いました。(図1、2)
今回、NTTの研究所が開発した光増幅技術は、入力したバースト信号の大きさに応じて、高速に光減衰器※6を制御することによって光レベルを一定にする自動レベル制御(Automatic Level Control, ALC)技術です。また、小型経済化とアクセス系で用いられる各種波長に対応するため、利得媒体※7として半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier, SOA)を採用しました。
自動レベル制御機能付き半導体光増幅器とIEEE802.3av※8に準拠した、10Gbit/sの速度を持つイーサネットPONシステムを組み合わせ、総距離100km以上の伝送実験を行い、10Gbit/sの速度で良好な伝送特性が得られることを確認しました。さらに、同様の実験構成で、速度約1.7Gbit/sの非圧縮HD (High definition)映像※9の双方向伝送を行い、良好な伝送特性が得られることを確認しました。
今後は、光増幅器のさらなる性能向上を目指すとともに、装置の小型化にも取り組んでいきます。また、屋外設置も可能となるように耐環境化※10および高信頼化の研究開発を進めていきます。
図1 フィールドトライアルの場所と光半導体増幅器
図2 フィールドトライアルの機器構成
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