NTT
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3.経営方針

(2)会社の対処すべき課題

世界経済については、欧州経済の停滞はあるものの、新興国経済の成長などにより引き続き緩やかに拡大するものと考えられます。わが国経済は、長期化する円高、資源価格の上昇といったリスクを抱えながらも、東日本大震災からの復興需要の拡大などにより緩やかに持ち直していくものと思われます。

情報通信市場においては、厳しい状況が続いてきた企業のICT支出が徐々に回復に向かうと想定されるものの、ブロードバンド・ユビキタス化と同時にグローバル化が急速に進み、クラウドの拡大や多様な事業者の参入による新たなビジネスモデルの展開などもあり、激しい競争が続くものと考えられます。

 

NTTグループは、平成20年5月に策定した中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」に基づき、IP系やソリューションなどの収益を軸とする事業構造改革を推進してまいりました。次連結会計年度(平成24年度)はこの中期経営戦略の最終年度となります。

事業構造の改革に関しては、次連結会計年度にIP系・ソリューションなどの売上高を全体の75%にするという目標に対して、当連結会計年度は70%にまで高めることができました。また、「フレッツ光」などの光サービスの収支については、先行投資などにより赤字状態が続いておりましたが、毎年着実に収支改善を図り、計画通り当連結会計年度において単年度黒字化を達成する見込みであります。

近年、急速に拡大してきたグローバル事業の売上高は、当連結会計年度において100億USドルを突破し、当初の目標を1年前倒しで達成することができました。

一方で設備投資の対売上高比率は、東日本大震災やスマートフォン拡大によるネットワーク増強などもあり、次連結会計年度15%という目標の達成は大変厳しい状況となっております(当連結会計年度:18.5%)。引き続き設備投資の効率化に取り組むことにより、一層の改善を図ってまいります。営業利益につきましては、次連結会計年度に1兆3,000億円とする目標に対し、当連結会計年度は1兆2,230億円となりました。今後も、一層のコスト削減などへの取り組みを進めるとともに、以下の課題に取り組み、収益の拡大に努めてまいります。

 

《法人・公共向けICTサービスの充実》

  お客様のニーズの多様化に対応するため、アプリケーション・プラットフォーム・ネットワークおよび端末におけるNTTグループ各社の強みを組み合わせた総合的なクラウドサービスの展開を推進してまいります。

  スマートフォン、自動車、家電など様々な機器同士が自律的に通信するM2M技術をクラウド上で提供し、ビッグデータと呼ばれる大量のデータ処理や収集、蓄積されたデータの加工・分析を行うことで新たな付加価値を創出するサービス基盤の提供を進めてまいります。

  クラウドサービスにおいて、あたかも世界中のデータセンタが一つのデータセンタであるかのように機能し、データセンタ内およびデータセンタ間でデータの移動を柔軟に行えるようにするなど、東日本大震災を契機に注目されているBCPなどのニーズに対応してまいります。

  行政、教育、医療の利便性の向上、環境問題、少子高齢化などの社会的課題へ対応するためICT利活用を推進してまいります。例えば、教育分野において一部の自治体と連携して実施している実証実験「教育スクウェア×ICT」では、学校と家庭、学校と世界を教育クラウドでつなぎ、様々な知見を得ているところであり、引き続きICTサービスの利活用機会の拡大に取り組んでまいります。

 

《コンシューマサービスの充実》

  「Xi」対応端末のラインナップの充実や提供エリア拡大による移動ブロードバンドサービスの更なる利用促進や、二段階定額サービス「フレッツ 光ライト」の提供などによる光サービスの活用機会の拡大など、固定・移動ブロードバンドを活用したICTサービスの充実に取り組んでまいります。

  スマートフォン・タブレット端末など、ネットワークに接続できる端末の多様化・拡大に対して、「dメニュー」、「dマーケット」などのプラットフォーム機能の充実、スマートフォンの画面でビデオ作品の視聴が可能な「ひかりTVどこでも」の提供やスマートフォン向け放送局「NOTTV」のサービス開始など、新たなサービスの創出・提供に努めてまいります。

  モバイルデータ通信量の増加に対しては、電波の周波数利用効率が高い「Xi」の普及拡大や、「光ポータブル」などを活用した宅内での「フレッツ光+Wi−Fi」の利用や、公共施設・商業施設などへの公衆無線LANアクセスポイントの設置拡大によるネットワークの負荷分散といった取り組みを展開してまいります。

  新規のお客様を獲得するだけでなく、既存のお客様の長期利用促進の観点から長期利用割引や会員制プログラムなど、お客様に長くご利用いただける仕組みづくりを進めてまいります。

 

《グローバル事業の推進体制の強化とサービスの充実》

  前連結会計年度のDimension Data Holdings plcの買収などにより拡大した約1万社の顧客基盤について、グループ会社間のシナジーを一層発揮し、クロスセルを推進するとともに、新規のお客様の開拓強化を図ってまいります。また、戦略や人事の両面においてグループ会社間の連携をさらに強化し、グローバル事業の成長を加速させてまいります。

  グローバル規模でビジネスを推進する企業には、多様な地域に展開された各拠点の状況を踏まえた柔軟で迅速な経営やリスク分散に対する課題があり、これに対してアプリケーションから端末までを含めた総合的なクラウドサービスの提供を行うべく、とりわけアプリケーション提供力およびマネージドサービス提供力の更なる強化に努めてまいります。

 

《環境問題への対応》

  世界共通の課題である環境問題については、以下の3つのアクションを掲げ、環境負荷の低減に取り組んでまいります。

・「Green of ICT」

 データセンタや通信設備などの省電力化、自然エネルギー発電の推進など、ICT自体における環境負荷の低減に取り組みます。

・「Green by ICT」

 テレワーク、テレビ会議など、ICTの利用促進によって社会全体の環境負荷の低減に取り組みます。

・「Green with Team NTT」

 NTTグループ社員一人ひとりの活動で、職場、家庭および地域における環境負荷の低減に取り組みます。

  ICTの利活用により、オフィスやマンションなどお客様の電力使用量の見える化を推進していくことで、節電・省エネの支援をするとともに、環境に優しいスマートコミュニティの実現に貢献してまいります。

 

《安心・安全なネットワークに向けた取り組み》

  災害対策に向けては、当連結会計年度に開始した設備面・サービス面における取り組みを引き続き進めてまいります。また、首都直下地震を想定し、災害対策本部の代替拠点の整備などにも取り組んでまいります。さらに災害伝言ダイヤルなどの支援サービスに関しては、更なる普及に努めるべく、定期的な体験利用機会の提供や、自治体が主催する帰宅困難者対策訓練への参画などを行ってまいります。

  スマートフォンの利用増加に対するネットワークの高度化については、更なる信頼性・拡張性の向上への対策や障害の再発防止に引き続き取り組んでまいります。

 

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