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NTT持株会社ニュースリリース

2013年7月18日

国立大学法人東京大学大学院情報学環
日本電信電話株式会社
株式会社KDDI研究所
株式会社日立製作所
日本電気株式会社
富士通株式会社

世界初、プログラマブルな高機能仮想網を日米間でのマルチドメイン環境で実現
〜日米双方で新世代ネットワーク技術の実用化に向けた研究開発を加速〜

 国立大学法人東京大学大学院情報学環(情報学環長:須藤 修/以下、東京大学情報学環)、日本電信電話株式会社(代表取締役社長:鵜浦 博夫/以下、NTT)、株式会社KDDI研究所(代表取締役所長:中島 康之/以下、KDDI研)、株式会社日立製作所(代表執行役 執行役社長:中西 宏明/以下、日立)、日本電気株式会社(代表取締役 執行役員社長:遠藤 信博/以下、NEC) 及び富士通株式会社(代表取締役社長:山本 正已/以下、富士通)は、米国ユタ大学(The University of Utah、ソルトレイクシティ市)の協力を得て、独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT)がJGN-X*1上で運用するネットワーク仮想化テストベッド*2と米国科学財団(以下、NSF)が推進するGENI*3テストベッドの一つであるProtoGENI*4を相互接続した広域仮想網「日米ネットワーク仮想化*5テストベッド」を用いて、世界で初めて、日米間にまたがるマルチドメイン環境でプログラマブルに制御できる新たな仮想網の構築に成功しました。
 今回の日米のネットワーク仮想化テストベッドの相互接続の成果により、従来のインターネットでは実現することのできなかった新しいネットワークサービスに関する国際実証実験が可能となることから、今後、世界レベルの新世代ネットワーク技術*6の実用化に向けた研究開発の加速が期待されます。
 なお、本成果は、NICTの委託研究「新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発」の一環によるものです。

1.本研究の背景

 近年、次世代ネットワークとして、ソフトウェアによってプログラマブルに仮想的なネットワークを実現するSDN(Software-Defined Networking)やNFV(Network Functions Virtualization)の早期実現が望まれています。SDNやNFVを実現する技術の一つであるネットワーク仮想化技術では、ひとつの物理的なネットワークを多層的に分割することができ、それぞれの分割されたネットワークで異なる通信制御プロトコルを動作させたり、アプリケーションやサービスごとにネットワークを分けて利用したりするなど、キャリアネットワークにおいて提供するサービスを柔軟かつ迅速に構成することができる大きなメリットがあります。そのためNICTは、JGN-X上でネットワーク仮想化技術を用いたテストベッド(ネットワーク仮想化テストベッド)を運用し、新世代ネットワークの研究で開発された新しいネットワーク技術の実証を進めています。
 一方、グローバルな仮想ネットワークの実現に向けては、JGN-X上のネットワーク仮想化テストベッドと米国NSFが推進するGENIのネットワーク仮想化テストベッドではアーキテクチャや実現方式が異なるため、相互接続が困難であるほか、従来のネットワーク仮想化技術では通信品質(パケット通過量、遅延時間)の保証ができず、高品質なサービス提供が難しいという課題がありました。

2.今回の成果等

 東京大学情報学環、NTT、KDDI研、日立、NEC、富士通は、NICTの委託研究「新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発」を共同で進めています。本研究開発の取り組みの一環で、ネットワーク仮想化テストベッドを構成する装置(仮想化ノード*7)を、NICTが共同研究契約を結ぶ米国ユタ大学のキャンパス内に設置し、ProtoGENIテストベッドと接続しました。今回、この環境下において、3つの実験を通じ、日米間にまたがるマルチドメイン網をプログラマブルに制御することに世界で初めて成功しました。

(1)各組織における実験内容

実施組織 実験名称 実施内容
KDDI研
日立
東京大学
スライス*8相互接続
(スライスフェデレーション)
スライス・エクスチェンジ・ポイント(SEP*9)を介して異なるアーキテクチャの仮想化基盤間で資源情報および制御情報を交換し、スライス接続するスライスフェデレーション技術の検証
東京大学 パケットキャッシュ ノード間でハッシュ情報を交換することでスライス内のトラフィックを低減するキャッシュ技術の検証(一部成果は総務省SCOPE委託研究による)
NTT
東京大学
日立
NEC
富士通
リソースアイソレーション*10
+高精度スライス測定技術*11
仮想化ノードシステムによるリソースアイソレーション技術の検証およびネットワーク測定システムPRESTA 10G*12によるスライスごとの高精度測定検証

(2)実験結果

<1> スライス相互接続
 今回、相互接続された日米のテストベッド上にはスライスと呼ばれる仮想ネットワークを国境を越えて複数形成し、その上でそれぞれ異なるネットワークサービス実証実験を、同時に干渉することなく独立して動作させることができるようになっています。日立、KDDI研が中心となって開発した、スライス・エクスチェンジ・ポイント(Slice Exchange Point:SEP)と呼ぶ機能をゲートウェイにあたる仮想化ノードに実装し、SEPを介してNICTのネットワーク仮想化テストベッドとProtoGENIテストベッドの互いのスライスのネットワーク情報を交換してスライス同士を相互接続し、一つのスライスとすることに成功しました。
<2> パケットキャッシュ
 相互接続された一つのスライスにて、東京大学が中心となり日米間を流れる同一の冗長トラフィックを削減するパケットキャッシュの技術の実証実験を行いました。これは検出した冗長なトラフィックデータをハッシュ値に符号化、復号化することでノード間の通信量を低減する技術であり、今回は日本(東京都千代田区)にある仮想化ノードとユタ大学にあるProtoGENIテストベッド内のノードに、それぞれパケットキャッシュ機能を実装し、キャッシュ機能のON/OFFにより、日米間トラフィック削減の効果を確認しています。
<3> リソースアイソレーション+高精度スライス測定技術
 NTTが中心となり、日本のネットワーク仮想化テストベッド内に生成されたスライスにおいて、リソースアイソレーションの実証実験およびプログラマブルな仮想ネットワーク環境下に適した高精度スライス測定技術の実証実験を行い、実際に品質保証されたスライスが他のスライスの影響を受けることなく、設定した品質どおりに動作していることを確認しました。

 なお、これらの成果は、2013年7月21日17:30(米国現地時間)にGENI主催のネットワーク仮想化テストベッドに関する研究者向けカンファレンスGEC17(The 17th GENI Engineering Conference)[会場:米国ウィスコンシン州立大学(マディソン市)]において、デモンストレーションにて紹介します。

3.今後の取り組み

 2015年3月までの委託研究期間において、先進的ネットワーク仮想化基盤技術の確立の目標に向け、日本側のテストベットの更なる高機能化、高性能化について、関係組織の連携のもと研究開発に取り組んでいきます。

用語 解説

*1JGN-X
NICTの整備する新世代ネットワークのためのテストベッド。NICTでは前身の通信・放送機構の頃(1999年度)から研究開発テストベッドネットワーク『Japan Gigabit Network』(JGN)の運用を開始し、一貫してネットワーク技術の実証を志向したネットワークテストベッドを整備してきており、2011年4月、NICTのネットワーク研究の柱となる新世代ネットワーク技術の実現とその展開のための新たなテストベッド環境として、新世代通信網テストベッド『JGN-X』(JGN eXtreme)を構築、運用を開始している。
 参考URL:「JGN-Xとは?(NICT)」  http://www.jgn.nict.go.jp/ja/info/what-is-jgn-x.html 
*2ネットワーク仮想化テストベッド
ネットワーク仮想化技術の技術開発・実証実験のためのテストベッド。JGN-X上のネットワーク仮想化テストベッドは、ネットワークを構成するルータやスイッチ等のハードウェアの計算機資源(通信帯域、メモリ、CPU等)を論理的に分割して仮想的に複数のネットワークを生成する機能を有する。このテストベッドを用いて広域ネットワーク実験や既存のネットワークでは実現できない環境(非インターネットプロトコル環境等)でのネットワーク技術の検証が可能である。
*3GENI (Global Environment for Network Innovations)
2005年に基本設計の検討を開始したNSFが支援する長期的ネットワークテストベッドプロジェクト。新しいインターネット構成やネットワークサービスの研究開発を促進するため、複数のネットワーク実証実験が同時かつ独立に遂行できるネットワーク共通基盤テストベッドの開発を目指している。
*4ProtoGENI
GENIの主要なプロジェクトの一つであり、ユタ大学を中心に研究開発された全米に広がるInternet2にバックボーンを持つテストベッドプロジェクト。仮想ネットワーク(スライス)を動的に構築し、プログラムを自由に導入することで、新世代ネットワークの実証実験が可能。日本の仮想化ノードとは、構成技術は異なる。
*5ネットワーク仮想化(技術)
仮想化技術等を用いてネットワークを構成するルータやサーバ等のハードウェアのCPU処理能力や記憶容量等の物理資源を論理的に分割し、これらの資源を任意に組み合わせることで、独立で自由に通信プロトコルを書き換え可能な論理ネットワークを複数共存させる技術。この発表資料においては生成された論理ネットワークをスライスと呼ぶ。
*6新世代ネットワーク (技術)
今後新たに出現するであろう、技術的更には社会的要求にこたえられる、現在のインターネット技術にかかわらない、新しい概念に基づくネットワーク。顕在化する社会問題を解決し、人や社会の潜在能力を開花させ生活の質や生産性を向上させる新しい価値観を創造することを目指した、未来社会を支えるネットワークで、現在のインターネット技術にとらわれず、白紙から解法を検討するアプローチで研究開発が行われている。
 参考URL:「新世代ネットワークプロジェクト(NICT)」  http://www.nict.go.jp/nrh/index.html 
*7仮想化ノード
仮想ネットワークを複数独立に構築するためのシステム。具体的にはルータ、スイッチ、サーバやネットワークプロセッサ等から構成される。2008年度から2010年度に、NICT、東京大学、NTT、NEC、日立及び富士通研究所の共同研究により研究開発が行われ、2011年度からは、NICTの委託研究としてKDDI研究所が加わって、次世代の仮想化ノードの研究開発を行っている。
 参考URL:新たなネットワークの実現を支えるネットワーク仮想化ノードの実証実験を産学官で開始(2010年3月30日)http://www.nict.go.jp/press/2010/03/30-1.html 
*8スライス
ネットワーク仮想化技術を用いて生成される論理的なネットワーク。
*9SEP (Slice Exchange Point)
異なる基盤間において、スライスの相互接続を行うためのスライス接続機構。今回のアーキテクチャでは、ゲートウェイ機能とインタフェース変換機能を有し、スライスの資源情報や制御情報、ネットワーク構成情報を交換してスライス同士の相互接続を実現する。
*10リソースアイソレーション
仮想化ノードの資源(リソース)をスライス単位で管理することで通信品質(パケット通過量、遅延時間)の保証をスライス単位で実現する技術。
*11高精度スライス測定技術
仮想ネットワーク毎に物理トポロジーと種別が動的に変化するような環境下において高精度なネットワーク測定システム(PRESTA 10G)による測定点を、仮想ネットワークの物理トポロジーと種別に追随して動的に変化させることが可能となる技術。
*12ネットワーク測定システムPRESTA 10G
PRESTA 10Gは、10Gbpsのキャプチャ・ジェネレータ機能を有する10ナノ秒粒度で測定可能なネットワーク測定システム。NTT未来ねっと研究所とエヌ・ティ・ティ アイティ株式会社が開発した。今回はスライスごとに測定が可能な機能拡張を行っている。
別紙・参考資料
補足資料 日米ネットワーク仮想化テストベッドの相互接続

本件に関するお問い合わせ先

日本電信電話株式会社

先端技術総合研究所 広報担当
E-mail: a-info@lab.ntt.co.jp

ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。

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