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パラレル光モジュール用SFコネクタ光インタフェース

−光コネクタを容易に接続する技術−

1.はじめに

ネットワークの大容量化を支える光通信装置や従来の電気配線に代わる高速データ光伝送を利用した情報処理装置(ハイエンドルータ等)においては、それら装置の小型化、低コスト化を実現するために、装置内の大規模かつ複雑な光ファイバ配線の高密度化や配線作業の低コスト化が求められています。そのための重要な光配線部品として、高密度な光ファイバ接続を実現する小型多心光コネクタのニーズが高まっています。そこでNTTでは、このようなニーズを満たし、PC接続の利用により信頼性にも優れたSFコネクタを開発してきました。

今回紹介するのは、高速データ光伝送で用いられるパラレル光モジュールに適用され、SFコネクタのフェルールレスおよび小型・薄型・着脱性の特徴を活かして、同モジュールと光ファイバとの着脱を可能にし、同モジュールの小型化、低消費電力化に貢献するSFコネクタ光インタフェース技術です。

SFコネクタ光インタフェースの構成:接続前(a)接続前

SFコネクタ光インタフェースの構成:接続時(b)接続時

図1 SFコネクタ光インタフェースの構成

プラグ挿入前プラグ挿入前

プラグ挿入プラグ挿入

プラグ固定(接続完了)プラグ固定(接続完了)

図2 SFコネクタ光インタフェース適用例(パラレル光モジュール)

2. パラレル光モジュール用SFコネクタ光インタフェースの特徴

NTT研究所が開発したSFコネクタ光インタフェースは、光ファイバ(マルチモード)を有するSFコネクタのプラグと、モジュール側に構成されたレセプタクルから構成されます。レセプタクルは、光素子に対する光ファイバ先端の位置決めを行うマイクロホールを有しています。

本光インタフェースは、光ファイバ先端を光素子に近接させることにより、マイクロレンズ無しで光素子と光ファイバとの良好な光結合を実現します。また、SFコネクタのプラグは薄型であり、レセプタクルも薄型にすることができるため、それをモジュール本体の上部に配置することにより、該光モジュールの占有面積は、既存のモジュールの約半分に縮小することができます。

  【特徴】  
光インタフェース

SFコネクタ
ファイバ近接配置
フェルールを用いないSFコネクタをパラレル(多チャンネル)光モジュールに適用することで、各光ファイバの先端を面型光半導体素子(面発光レーザ{VCSEL}あるいはフォトダイオード{PD})に対して近接配置することを可能としています。
高精度調心
SFコネクタ・プラグをレセプタクルに挿入すると、各光ファイバの先端は、マイクロホールに挿入、ガイドされ、面型光半導体素子に対して高精度に位置決めされます。
マイクロホール
レセプタクルにおいて、マイクロホールの中心軸は、光半導体素子の光軸と一致するように位置決めされ、固定されています。
チルト機構
LCP基板の可撓性を利用し、レセプタクルが傾けるられるようにすることで、光ファイバ(SFコネクタ・プラグ)の接続操作を容易にしています。
薄型レセプタクル
SFコネクタ・プラグが薄型であるため、レセプタクルも薄型にすることができます。レセプタクルを光モジュール本体の上部に設けることにより(上部に設けても、光モジュール全体の高さは実用上、十分低くなります)、光モジュールの占有面積を低減しています。
小型・薄型
SF光コネクタ(16心形)は、幅9mm、厚さ4mm、長さ26mm(接続時)と小型、薄型です(体積は、既存のPC接続型多心光コネクタの約1/4)。
フェルールレス
光ファイバ自体の弾性力によってPC接続を実現するため、バネやフェルールが不要で、小型、低コストに寄与しています。
その他の特徴
  • フェルールレスでPC接続を実現するため、多心接続(単心〜数10心)を実現することができます。
  • PC接続を用いるため、低損失、低反射を安定的に維持することができます。

3. 具体的な技術説明

3.1 NTT技術概要

ハイエンド・ルータやサーバ等の大規模情報処理装置において、装置内(ボード間)や装置間の高速データ伝送を実現するために、電気配線に代わって高速並列光伝送が普及しています。この光伝送において光信号の送受信を行うパラレル(多チャンネル)光モジュールについては、ボードに実装する際の作業性向上に向けた光ファイバの着脱可能化、実装密度向上に向けた小型化、モジュール自体や冷却のための消費電力抑制に向けた低消費電力化が求められています。

NTTがこれまでに開発したSF(Sagged Fiber)コネクタは、多数本の光ファイバの接続に適した多心形光コネクタで、高性能(低損失、低反射)、小型、低コストといった特徴を持っています(図3に(a)基本構造と(b)概観を示します)。このSFコネクタを利用することにより、光モジュールと複数本の光ファイバとの着脱可能な接続を実現する小型の新タイプの光インタフェースを開発しました。図1に本インタフェースの基本構造を示します。本インタフェースを採用することにより、光モジュールでは、小型化、低消費電力化といった効果を期待することができます。

3.2 NTT技術のアドバンテージ

  • 多チャンネル(例 4ch、12ch、24ch)の光モジュールに適用が可能
  • 高密度(例 0.127mm、0.25mmピッチ)の光素子、光ファイバ配置が可能で、チャネル数が多くても小型
  • 光モジュールのボード実装後の光ファイバ接続が可能であり、光モジュールおよび光ファイバ配線の実装作業が簡単
  • 同様の理由により、余長の無いコンパクトな光ファイバ配線が実現可能
  • 光ファイバと光素子(VCSEL、PD)との光結合効率が高いため、光モジュールの低消費電力化に貢献

3.3 NTT技術解説

本光インタフェースは、大まかには、光モジュールに設けられたレセプタクル、および光ファイバ(マルチモード)を装着したSFコネクタ・プラグから構成されます。SFコネクタ・プラグをレセプタクルに挿入(手操作)することにより、光モジュールと光ファイバとの接続が成立します。光モジュールと光ファイバとの接続と解除は、繰り返し行うことができます。本インタフェースの構成と仕組みのポイントは以下の通りです。

レセプタクルには、光ファイバを位置決めするためのマイクロホールを有しています。ここで、各マイクロホールの中心軸は、各光素子(VCSELまたはPD)の光軸と一致するように設計されています。SFコネクタ・プラグは、一般の光コネクタが有しているようなフェルールが無く、シンプルかつ小型の構造を持っています。同プラグをレセプタクルに挿入すると、各光ファイバの先端は、対応するマイクロホールに挿入され、光素子に対して正確に位置決めされます。さらに、光ファイバ先端は、光素子に近接して配置されます。これらのことにより、マイクロレンズを用いなくても、光ファイバと光素子との良好な光接続が実現されます。

SFコネクタ・プラグは薄型であるため、レセプタクルも薄く構成することができます。レセプタクルを光モジュール本体の上部に設けることが可能になり(光モジュール全体の高さが実用の範囲)、レセプタクルおよび光モジュール本体の専有面積を共有させることにより、光モジュール全体(光コネクタ部分を含む)の占有面積を低減しています。レセプタクル部分は、傾けることが可能であり、プラグの接続/取り外し操作を容易にしています(図4)。

NTTでは、本光インタフェースを有するパラレル(12チャンネル)光モジュールを試作し、性能および機能の確認を行い、本光インタフェースが有効であることを確認しました。試作した光モジュールは、光ファイバ接続時の(光コネクタを含む)専有面積が既存製品の約1/2まで小型化することに成功しました(図5参照)[参考文献(1)(2)] 。

3.4 解説図表

SFコネクタの基本構造

マイクロホール内の状態マイクロホール内の状態
図3(a) SFコネクタの基本構造

SFコネクタ(16心形)の外観図3(b) SFコネクタ(16心形)の外観

光インタフェース適用例

光インタフェース適用例 2プラグ挿抜時

図4 光インタフェース適用例
(12チャンネル光モジュールの外観)

SFコネクタ光インタフェースの適用例図5 SFコネクタ光インタフェースの適用例
(12チャンネル光モジュール)

3.5 参考文献

  • (1)
    著者・編者 :小林勝、浅川修一郎、長瀬亮
    書籍名/論文誌名: 信学総合大会
    出版社: 電子情報通信学会
    記事/論文タイトル:短尺マイクロホールを用いたSF光コネクタ
    ボリュームNo./号数 : C-5-9, p.7, Nagoya, Japan, Mar.
    出版年: 2007
  • (2)
    著者・編者 :長瀬亮、浅川修一郎、小林勝、阿部宜輝
    書籍名/論文誌名: 信学技報
    出版社: 電子情報通信学会
    記事/論文タイトル:ボード実装用16心SF光コネクタ
    ボリュームNo./号数 : EMD2008-115, vol. 108, no. 404, pp. 11-14, Yokohama, Japan, Jan.
    出版年: 2009
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