ページの先頭です。

NTTのロゴ トップページにリンクします

文字表示

コンテンツエリアはここからです。

東レ×NTT「hitoe®」−異業種ならではの協業が成功に導いた生体情報測定機能素材。浅井英氏、久野誠史氏の写真。

着るだけで、心拍など人が発しているさまざまな情報を測定できる機能素材「hitoe®※1」。畑違いのNTT、東レ株式会社の協業という“奇跡の出会い”から生まれました。

“奇跡”を現実にするベターハーフはタイミングさえ合えばどこでも出会えるものなのかもしれません。

しかし、最初の一歩がなければ何も始まりません。ぜひ知的財産センタへご相談ください。

東レ×NTT お互いの強みが弱みを補完したマッチング!

―― hitoe®の開発についてお聞かせください。

浅井

hitoe®はNTTと東レが共同開発した機能素材※2です。スポーツ、安全管理、医療など広い分野での利用が期待されています。

図2:hitoe®を活用したリアルタイム計測画面

図1:広がる機能素材hitoe®の各分野への展開

拡大画像はこちら当該ページを別ウィンドウで開きます

久野

NTTの研究段階では表面にコーティングするという手法をとっていたんですが、東レは繊維加工のノウハウを生かし特殊な前処理コーティング方法を組み合わせることで、生体情報の取得精度が格段に上がったんです。

浅井

特殊な前処理コーティングを行うと電気を伝える導電性高分子が落ちにくくなり、汗にも強く、耐久性が向上し、肌触りも良くなりました。

久野

そうして得た情報が小型装置(トランスミッタ)によってスマートフォンやタブレットへ伝送され、アプリで手軽に確認できるというものです。健康増進や睡眠管理、安心・安全、エンタテインメントなどの分野でも新しいサービスが期待できます。

―― 今回の協業のきっかけはどういうものだったのですか。

日本電信電話株式会社久野誠史氏写真

久野

2013年ごろのNTT研究所の開発段階はまだ「人体のデータが測定できる衣服」の形態ではありましたが、洗濯はできずコスト的にもまだまだでした。

浅井

東レにはhitoe®完成以前から繊維としての形はあったのですが、それをどのように商品にするか悩んでいました。ちょうどそのころ、NTTが事業パートナーを公募されていて、それに応募してからのお付き合いになります。NTTは繊維に電気を通す「繊維導電化技術※3」をお持ちで、東レは極細の繊維を使った「ナノファイバ技術※4」や「生体信号計測縫製技術※5」を提供する形で協業が始まりました。

東レ株式会社浅井英氏写真

久野

NTTの繊維導電化技術は実用性を模索中で、一方の東レもナノファイバ技術の展開を考えていたところだったんです。タイミングですね。

浅井

タイミングだけでなく、一段一段堅実に開発の階段を上がっていくという両者の社風もマッチしたのではないでしょうか。

スマートウエアの先駆けに!
柔軟な対応でスピーディーなリリースを実現

―― 2014年1月にhitoe®が記者発表されてから現在までの進展状況をお聞かせください。

久野

1月の時点ではhitoe®の素材が開発されただけでしたが、早期のサービス開始を目指して、まずスポーツ分野に参入しました。12月にトレーニング支援アプリ「Runtastic for docomo※6」をNTTドコモが提供し、着用するだけで心拍の計測ができる全く新しいトレーニングウエア「C3fit IN-pulse」が株式会社ゴールドウインから発売されました。

浅井

昨今よくいわれるようになった「スマートウエア」の先駆けになりましたね。

久野

そうですね。そして次にターゲットにしたのが、過酷な環境で働く人たちの安全管理のサービスで、2016年にスタートしました。

図2:hitoe®を活用したリアルタイム計測画面

図2:hitoe®を活用したリアルタイム計測画面

浅井

体の状態が危険と推定されれば、本人や管理者にアラートメッセージが送られるというものです。東レは元々生地を売る事業展開ですので、こうしたサービスをとっかかりにしてエンドユーザーとのつながりをさらに築き、強化していきたいですね。クラウド関連の部分ではNTTコミュニケーションズ、トランスミッタはNTTドコモと、NTTグループ各社の強みを発揮して協業いただいているのでこれまでと全然違った視界が開けています。

久野

hitoe®のサービスは特に分野がかけ離れた技術を融合させる必要がある。

浅井

東レ側も社内のいくつかの部門が関わっていて、各課題の解決に最適な部門間でパイプをつないで問題を解決してきました。

―― ウエアの開発を進める中で特にどういう点で苦労されましたか?

久野

ウエアを着用するシーンがさまざまで、かつ一人ひとりの体格が異なり、その中でどのように正確な生体情報を取得できるかのウエア設計が難しいですね。

浅井

実はウエア設計に対しても、東レが主として実施していますが、NTTも関わっていますよね。

久野

例えばhitoe®電極をウエアのどこへ付けるかをNTTが設計し、ウエア全体の設計を東レが実施するということで、その都度強みを持っている方が問題を解決しながら進めていきました。

浅井

東レ社内でも部門横断的に技術者同士が直接やり取りして協力しながら進めましたね。

久野

とにかく広範な技術的要素が多数あるので、技術的垣根を取り払って両社が同じベクトルで推し進めたのが成功の要因ではないでしょうか。

―― hitoe®の開発を進める中、こういう分野にも展開していけるのでは、という今後の展望はお持ちですか?

浅井

すでに東レでは、暑い環境などで作業者の安全管理サービスを展開できるようになりました。さらに、電極部分となるhitoe®は医療用機器として登録も完了し、今後は医療現場で臨床研究を実施していく予定です。

久野

今後はまず、「着るだけ」で負担の大きい検査の軽減や、体調不良になる一歩手前の状態を指摘できるようになると嬉しいですね。在宅医療が進んでいる中、用途が広がると思いますね。

浅井

ICT、IoTの技術が日常の暮らしを変えつつありますが、hitoe®がさらに進歩して普段着感覚で着てもらえるようになると、日々の暮らしに貢献できる時代が近い将来くるのではないかと思います。

久野

「毎日違和感なく着用できる下着のようなウエア」は開発のハードルが高いかもしれませんがやりがいもあり、日々の暮らしに寄り添ったサービスが提供できるという夢を感じますね。

面白い技術が多いNTT!ふとした時に思い出す技術
 一度NTT知財センタにご相談を!

―― 今後NTTとの協業を考えてみたいという企業に対してアドバイスいただけますか。

日本電信電話株式会社久野誠史氏、東レ株式会社浅井英氏、両氏写真

浅井

経験したものとして、「気軽に話をしてみたらいいんじゃないですか」と申し上げたいですね。NTTという企業に対する一般的なイメージより、ずっと“面白いこと”をされていると感じましたから。

久野

“面白いこと”ですか。実は言語や感覚、情動などの、人と人とのコミュニケーションに関する研究をする言語学や心理学のような、一般的なNTTイメージとはかけ離れた分野の研究者もいるんですよ。

浅井

自社内の、あるいは社会の風向きや波が来た時に、その“面白いこと”の話が思い出されるんじゃないかと思います。「こんなことがやりたい」「こんなことはできないか」と浮かんだら、本当に多彩な人材・英知の集合体・NTTとの協業をお勧めしたいですね。

久野

今回の協業は異業種間のもので、双方の技術・強み、マーケットがかぶらないので組みやすかったですね。自分たちが持っていないもの、遠いと思われている分野のものでも、NTTの技術と組み合わせれば全く新しい何かが生まれるかもしれません。

浅井

今回の東レはメーカーでNTTはサービス業と、業態が全く異なるからこそ協力の線引きがしやすかったのが大きかったですね。東レという企業だけではまず切り開けなかったhitoe®のようなスマートウエアのジャンルを今回開拓できたように、とにかく相談してみたら予想もしなかったフロンティアが開けてくる可能性も感じますね。

久野

もっとオープンイノベーションに積極的になれば想定外のサービスが実現できるかもしれませんね。

―― NTTの今後の協業に向けた姿勢をお聞かせください。

久野

NTTが持っている技術に何かを融合させれば、世の中の役に立つ分野でわれわれがまだ気付いていない新しい技術が生まれる可能性があると思います。東レとの協業があったからこそhitoe®というサービスが実現できたように、自社の技術力だけでは開発の道筋がハッキリ描けないものでも、異業種の会社が連携することで、これまで輪郭さえハッキリしていなかった道筋が明確になるかもしれません。

ウチのビジネスはNTTとはまったく関係ないと思われている企業の方も、とにかく一度NTTの知的財産センタのドアをノックしていただきたいですね。オープンな姿勢でお待ちしています。

―― では最後に知的財産センタからも一言お願いします。

知的財産センタは、NTT技術のライセンス窓口です。このライセンスサイトに掲載している技術以外にも、ご要望に応じてご期待に沿う技術を探してご紹介いたします。NTT技術を、NTTでは想像できない使い方・組み合わせによって皆さまにご活用いただき、新しい製品やサービスづくりに役立てていただきたいと考えております。技術ご利用の際は個々の事情にあわせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

※1.hitoe®:東レ株式会社と日本電信電話株式会社の両社の登録商標です。

※2.機能素材:通常の素材に特定の機能を持つ素材を指す。

※3.繊維導電化技術:本来絶縁体である繊維素材に導電性を持たせた技術。NTTが開発した手法は、導電性高分子(PEDOT-PSS)をコーティングし電気信号を流す。

※4.ナノファイバー:毛髪の1/7500程度の細さ。

※5.生体信号計測縫製技術:人体が発するさまざまな情報を計測できる素材を縫製する技術。

※6.Runtastic for docomo:NTTドコモが14年12月から開始したサービスで、計測した運動時間や距離、ペース、消費カロリー、移動経路などのトレーニングデータをクラウド上に蓄積。ネットで確認できるほか、詳しい分析やコーチングを受けたり、友人と活動記録を共有することもできる。

東レ株式会社機能製品事業部東京ユニフォーム課浅井英氏

東レ株式会社
機能製品事業部
東京ユニフォーム課
主任部員
浅井 英氏

1999年東レ株式会社に入社。ポリエステル系長繊維と導電性繊維を使用したポリエステル高密度織物などの開発に携わり、NTTとの協業では、2016年からウェアラブルデバイス“hitoe®”の開発を主導する。

日本電信電話株式会社研究企画部門プロデュース担当 担当部長久野誠史氏

日本電信電話株式会社
研究企画部門 
プロデュース担当
担当部長
久野 誠史氏

1995年日本電信電話株式会社に入社。インターネットプロバイダサービス、サーバ&デスクトップマネジメントサービス、仮想デスクトップサービスの企画&サービス立上げに従事。2013年からウェラブル型センサを用いた新たなマーケット、サービスの創出に関連した企画業務を担当。

ご興味のある技術分野や用途に関するお問い合わせはこちらから

フッタエリアはここからです。