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音声品質評価法

3.音声品質の主観評価法

3.3.CMOS (Comparison Mean Opinion Score)

本評価法は、ITU-T勧告P.800 Annex Eに規定される方法であり、主に受聴品質の測定に用いられます。CMOS評価も、DMOS評価と同様に、レファレンス音声と評価対象音声を受聴し、2つの音声を比較して評価します。DMOS評価と異なる点は、2つの音声の順番がランダムに変化し、どちらが評価対象音声であるかは評価者に知らせないことです。評価者は最初の音声に比べ後の音声をどのように感じたかを、比較範疇尺度法(CCR: Comparison Category Rating)を用いて評価されます。

(図3.3.1)CMOS評価の流れ

(図3.3.1)CMOS評価の流れ

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このときの評価カテゴリは下図に示す通り7つに分類され、それぞれには−3〜3までの評点が与えられています。ITU-T勧告内における英語表記を()内に示します。つまりCMOS評価では、2つの音声について「どちらの品質が良いか」、「どの程度良いのか」の2点ついて評価することになります。充分な数の評価者による評点の平均値をCMOS値と呼びます。

注:CMOS値を算出するにあたり、評価対象音声を先に受聴したパタンについては、得られた評点の符号を入れ替える必要があります。(例:評価対象音声を先に受聴し「良い(2)」という評点を得た場合、レファレンス音声が評価対象音声に比べ「良い(2)」と評価されたことになります。この場合には、評価者は評価対象音声がレファレンス音声に比べ「悪い(−2)」と評価したと判断します。)

(図3.3.2)CCRの評価カテゴリ

(図3.3.2)CCRの評価カテゴリ

CMOS評価では、評価対象音声がレファレンス音声よりも良いという評価結果を得ることが可能なため、音声品質の改善を目的とした処理の評価に適しています。CMOS評価でも、DMOS評価と同様に1つの評価対象音声の品質を評価するのに2つの音声の受聴が必要なため、同じ条件数の評価値を得るためにはMOS評価の約2倍の時間を要します。