ページの先頭です。
コンテンツエリアはここからです。

子どもの成長に合わせた
最適な絵本選びを支援するAI

vol01
3つの専門がコラボレーションし、「子どもの育ち」を一緒に考え始めた
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 小林哲生
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 藤田早苗
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 服部正嗣

子どもの成長に合わせた最適な絵本選びを支援するAI01:3つの専門がコラボレーションし、「子どもの育ち」を一緒に考え始めた

絵本選びの「困りごと」から
スタートした技術開発

――まずはお三方それぞれの研究領域について教えてください。

藤田 私の研究のバックグラウンドは自然言語処理です。コンピュータに言葉をうまく処理させる方法を研究しており、特に書き言葉を対象としています。

小林 私は発達心理学を専門としています。子どもがいつどんな言葉を習得するのか、そのメカニズムを研究する「幼児言語発達」の研究をしています。

服部 私は「検索」を専門にしています。中でも、「類似探索」といって、対象物の特徴を捉え、「似たもの」を検索結果として抽出するためのアルゴリズムを中心に研究しています。

――異なるバックグラウンドをお持ちのお三方が、どういったきっかけで、「ぴたりえ」を開発することになったのでしょうか?

藤田 小林と私が、同じ研究グループに所属していた時に「なにか一緒にできたらいいね」という話をしていたんです。ちょうどそのころ、二人とも2〜3歳の子どもがいたことが、「ぴたりえ」開発のヒントになりました。

小林 絵本選びには、私も藤田も大変苦労していました。子どもと一緒に、毎週図書館に通っていたのですが、絵本を探そうとしても、棚に並んでいて背表紙しか見えない。「こんな本、読めるの?」というような難しい絵本を持ってきたり、あるいは「平積みされているから」という理由で絵本を持ってきたり、「読めるの?」、「本当にこれが読みたいの?」というような絵本を持ってくる。子どもの年齢にあった絵本の提案をしたいと思うようになったのです。

藤田 私の子どもは恐竜の図鑑が好きで(笑)。書かれていることは理解できていないだろうけれど、恐竜の絵に惹かれて、そればかり見ていました。それはそれでいいのですが、じゃあ「読める絵本」をいつどのように子どもに与えればいいのか、わからない。

小林 発達心理学の研究を通じて、いろんな子どもたちを見てきた経験から言うと、子どもはある時期夢中になっても、必ず飽きる時がくる。その時に、次の興味・関心にぴったり合った本を与えることが重要なのだと考えています。

藤田 小林とそんな話をする中で、お互いの専門を活かして、子どもがどのように言葉を覚えていくのか、データや絵本に書かれた言葉を解析して、実際にどれくらいの難しさなのか、そういったことを判定することで、絵本選びの参考になるような研究結果を出すことができるのではないかと考えたのです。

小林 そこでまずは、絵本のデータベース作りから始めることにしました

身近な領域で、
自分の研究を試したい

――どのようにデータベースを構築したのでしょうか?

藤田 数百冊の絵本の、本文全文を手入力していきました。

――全文ですか! それは大変だったのではないですか?

内容を把握するだけであれば、あらすじやキーワードだけでもよいかもしれませんし、従来の図書館の検索システムなどでもそうした情報で検索できるシステムもあります。でも、全文のデータを持つことによって、詳細な解析ができるようになり、検索の可能性が広がります。また、絵本の「難しさ」を判定するためには、使われている語彙はもちろん、文がどれくらい長くて、どれくらい複雑なのか、という観点も必要になります。そこで元の文をまったく落とすことなく、全てをデータベース化するという判断をしました。スキャンニングしてOCRなどで読み込めないかとも検討したのですが、絵本の場合、絵に文字が重なっていたり、描かれた文字だったりして読み込めないケースが多かったんですね。絵本は文字も少ないので、それなら手で打った方が速い、と。

小林 そうして数百冊分のデータベースが出来上がったころ、社内で自分たちの研究を紹介しあう集まりがあって、そこで服部の研究と出会うことになりました。

服部 私が「いろんなものを検索できますよ」と、自分の研究の紹介をしたら、お二人から「絵本でやってみないか」、というお話をいただいて。私としては、検索は様々な領域で活用できる仕組みなので、ぜひその可能性を紹介したいと思っていました。それまでも、一緒に検索の研究を行っている同僚が「特許」や「新聞記事」といった、様々な領域で検索の可能性を試していましたが、なかなか一般に理解・浸透するところまで行かなかった。もっと身近な対象があるといいな、と思っていたところでした。絵本はわかりやすいですし、メディアにも取り上げていただきやすいのかな、という思いもあって「ぜひやらせてください」と、一緒に研究を進めることになりました。

次の記事へ
小林哲生
小林哲生

プロフィール
日本電信電話株式会社コミュニケーション科学基礎研究所協創情報研究部上席特別研究員。2005年NTTに入社。以来、幼児言語発達の研究に従事。

藤田早苗
藤田早苗

プロフィール
日本電信電話株式会社コミュニケーション科学基礎研究所協創情報研究部主任研究員。1999年NTTに入社。以来、自然言語処理の研究に従事。

服部正嗣
服部正嗣

プロフィール
日本電信電話株式会社コミュニケーション科学基礎研究所協創情報研究部研究主任。2004年NTTに入社。以来、ユビキタス環境、データ分析、類似探索の研究に従事。

  • corevo’s challenge
  • corevo’s challenge
  • corevo’s challenge
  • corevo’s view
  • corevo’s engineer
  • corevo’s engineer
  • corevo’s challenge
  • corevo’s view

ローカルナビはここからです。