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株主通信 NTTis 2014.6

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特集1 NTTグループのグローバルビジネス展開

取締役 グローバルビジネス推進室長 奥野恒久 Tsunehisa Okuno

世界最先端のICTサービスでお客さまのグローバル化に貢献する

NTTグループは中期経営戦略において、グローバル・クラウドサービスを事業の基軸とした成長戦略を打ち出しています。
成長著しい「クラウド」を中心に、いかにグループの連携を強化し、トータルなICTサービスで新たな付加価値を提供するのか?
NTTグループのグローバルビジネスの展開と展望について、奥野恒久グローバルビジネス推進室長が語ります。

なぜ「グローバル」なのか?

―海外優良顧客とグローバルな事業推進体制で成長を加速
香港 ファイナンシャル データセンター

NTTグループがこの先の成長を描くには、二つの理由でグローバル市場への進出が不可欠だと考えています。一つは日本のお客さまの海外進出に伴い、私たちが提供するサービスにもグローバルな対応が求められるようになったこと。もう一つはNTTグループ自身がグローバル化することで、新しいICTサービスを創造し、お客さまに対する付加価値の提供により収益の拡大が見込めることです。
グローバル展開を推進する体制については既に基盤が確立しています。
NTTグループのデータセンターのサーバー総床面積およびインターネットのIPバックボーン(ネットワーク)は、世界トップクラスの規模を誇ります。

NTTグループの海外のお客さまは1万社を超え、「フォーチュン・グローバル100」にランキングされる約8割の企業をカバーしています。
加えてNTTグループの6千人におよぶ研究者は、その革新的な技術とサービスによって世界的に評価されています。

挑戦者として高成長市場に集中投資

―年30%以上の成長が期待できる「クラウド」にフォーカス
グローバルICTサービスの市場規模 クラウドサービスの市場は急成長、かつ大規模に拡大 年平均33%の成長 2016年度には12兆円規模に 2012.3月期 グローバルICTサービス市場が112兆円のうクラウドサービスの市場は4兆円 2016.3月期 グローバルICTサービス市場が130兆円のうクラウドサービスの市場は12兆円 出典:マッキンゼー社資料などをベースにNTTにて作成

私はNTTグループの海外売上高が2,000億円程度だった2007年からグローバルビジネスにかかわってきました。2015年3月期には、海外売上高は1兆5,000億円に達する見込みですが、グローバルビジネスにおいてNTTグループはまだまだアタッカーです。つまり挑戦者として成長市場に集中投資する必要があります。
現在、ICT市場は年に3〜4%程度の成長率ですが、そのうちクラウドサービス市場は年30%以上伸長し、2年後には12兆円規模となる見通しです。急成長かつ規模の拡大が見込めるクラウドサービス市場の拡大はまだ「入口」の段階です。私たちは、ここでいち早く付加価値のある革新的なサービスを創造し、これをトリガーとしてトータルなICTサービスをご提供したいと考えています。

“グローバル市場でNTTグループは挑戦者”

「クラウド」を引き金にビジネスを拡大

―ICTインフラとアプリケーションの両方に精通する強み

お客さまから信頼されるパートナーとなるためには、お客さまの事業戦略に合うように、現在のシステムを、コスト低減を図りながら柔軟に再構築することが必要です。
クラウドとは、ネット経由でコンピュータ資源を利用するサービスのことですが、お客さまが直面する経営課題を、クラウドを中核とするトータルなICTサービスで解決していきたいと考えています。
お客さまがICTパートナーに求めていることは、現状のシステムの「何を、どのように」クラウド化し、それを「いかに安全に運用するか」ということです。規模の大きい企業のお客さまは、サーバーやネットワーク機器を多数所有し、サーバー上には数千のアプリケーションが稼働しています。これをお客さまの事業戦略に合わせて柔軟に構築するにはICTインフラとアプリケーションの両方に精通していなければなりません。
それらを総合的に構築できる事業者は世界でも限られています。NTTグループの強みはまさにその「総合力」にあります。

M&Aで顧客基盤と事業補完を実現

―ディメンションデータ社、キーン社の買収で連携体制を構築

2010年に買収したディメンションデータ社は、グローバルに活躍する「非日系の法人顧客」を持ち、ICTシステムの構築と運用で高い収益を上げています。海外に顧客基盤を持ちたかったNTTグループにとって大変意義のある企業買収になりました。同年、キーン社(現NTTデータ・インク社)を買収し、ICTインフラからアプリケーションまで、一貫したICTサービスを提供できる体制を強化しました。NTTコミュニケーションズを含めたグループの連携により、既に1,000億円におよぶビジネスを創出。北米におけるクラウドサービスの構築だけでも年間500億円もの新たなビジネスを生み出しました。大型案件の例では、傘下にケンタッキーフライドチキンやPizza Hutなどを擁する「Yum! Brands, Inc.」という世界最大級のレストラン運営チェーン会社の情報システムを、クラウドをベースにした提案で受注しています。また、テキサス州交通局より、基幹システムの最適化ソリューションおよび運用業務を受注しています。

“企業の事業変革が激しい北米でクラウドサービスを開発。”

最先端の北米発クラウドサービス

―クラウドを中心にNTTグループのサービス体制を確立

北米では企業のビジネスモデルの変革スピードが速く、それに伴う新たなサービスの導入も速いことから、ICTシステムの提供側にもそれに対応する知恵や技術力が要求されます。米国のシリコンバレーにはそれに対応できる知恵と、その事業化をファイナンス面などから支援する「エコシステム」が存在します。NTTグループが「北米発」のクラウドサービスの開発にこだわる理由はここにあります。私たちも2008年からこの地に拠点を設置し、連携できる企業を模索していました。2011年にはクラウドの基盤技術を持つオプソース社をディメンションデータ社を通して買収・子会社化。さらに2012年にはクラウドへの移行支援に専門性を持つセンタースタンス社を買収。2013年には企業向けセキュリティー・サービスを提供するソリューショナリー社を買収。これらによって「クラウド」を中心としたNTTグループのサービス体制が整いました。
NTTグループではこれからも、グループ連携によってクラウド先進国である北米で実績をつくり、さらに新興国を含むグローバルのクラウドへのニーズに対応していきます。

目標200億米ドルの達成へ

―クラウドの拡大と人材の力を推進力に目標達成をめざす

今後のグローバルビジネスの展開について取り組むべき課題は大きく二つあります。
一つ目はクラウドサービスの世界的な需要の高まりに応じて、NTTグループとして「より強力に、より効率的に、より安全なクラウドサービス」を提供していくこと。既に100億円を超える大型案件を何件か獲得しており、これをさらに広めたいと思います。
二つ目は革新的なサービスを生み出すこと。NTTグループは米国のシリコンバレーにNTT I3 (アイキューブ)という研究開発拠点を設けて、クラウドとセキュリティー分野に関するサービス開発を行っています。ここを拠点に、NTTグループの高度なサービス品質と研究開発力をうまく組み合わせながら、パートナーの方々とさまざまなビジネスを創出するNTTグループのエコシステムを創り上げ、海外1万社を超えるお客さまのニーズに応えたいと考えています。
また、人材についてですが、NTTグループでは海外7万人の社員がグループ各社の企業文化のなかで働いています。この7万人がグループの打ち出す方向・ビジョンのもとに一枚岩になれるかどうかも大きな課題です。そのため、主要各社の経営幹部が定期的に集まり、意見交換を通じて互いの考えやビジョンを共有しています。
今後もNTTグループでは、市場の動向を踏まえたビジネスモデルを創り、グローバルビジネスの持続的な発展をめざします。そして2017年3月期における海外売上高200億米ドルの達成と、その後のさらなる成長に向け、ビジネスの舞台を大きく捉えながら、革新的なサービスを次々と生み出していきたいと思います。

ディメンションデータ社のM&Aを通じて得たこと

“M&Aはあくまで方法論。
ビジョンを共有し、ともに事業推進にチャレンジできるかが重要です”

2010年にNTTグループの一員となったディメンションデータ社の買収交渉は、開始から成立まで2年以上の歳月がかかりました。買収交渉はグローバル市場で認知度を高めたい私たちNTTグループ側の要望からスタート。グローバル展開のコアとなる大型の買収案件ということから寝食を忘れて取り組みましたが、1年経った頃に交渉は頓挫。一度途切れた交渉の再開は困難を極めましたが、思い直して今度は徹底して相手の土俵に乗ってみようと、彼らの考えやビジョンに耳を傾けました。こうしてタフな交渉を何とか成立させたのですが、買収後の初の電話でディメンションデータ社のCEOに「ハロー マイ フレンド!」と呼びかけられたときには、やや戸惑いつつも、同じグループの仲間になったのだと実感しました。ディメンションデータ社のCEOの提案で、現在でも毎週案件の有無にかかわらず、テレビ会議でコミュニケーションを図っています。買収において重要なのはお互いのビジョンの共有と信頼感の醸成です。買収後、4年近く経ちますが、ディメンションデータ社の中核人材はほとんど辞めていません。振り返れば、この2年という時間があったからこそ、深い信頼関係を築けたのだと思います。

1年間におけるNTTグループのグローバル展開

米国

  • 2013年4月 NTT I3:北米研究開発拠点「NTT Innovation Institute, Inc.」[NTT I3(アイキューブ)]の設立
  • 2013年5月 NTTデータ、NTT I3、NTTコミュニケーションズ:テキサス州交通局の基幹システムをクラウド上で利用するソリューションを提供(受注案件)
  • 2013年6月 NTT:企業向けにセキュリティー・サービスを提供するSolutionaryの買収(買収案件)
  • 2013年8月 NTTデータ、ディメンションデータ:ケンタッキー州ルイビルに新BPO・ITOセンターを開設
    Yum!Brands, Inc.より業務を受注(受注案件)
  • 2013年10月 NTTコミュニケーションズ:データセンター事業者であるRagingWire社の買収(買収案件)
  • 2013年10月 NTTコミュニケーションズ:大手ネットワーク事業者であるVirtela Technology Servicesの買収(買収案件)
  • 2013年11月 NTTデータ:ICTサービス企業であるOptimal Solutions Integration, Inc.の買収(買収案件)
  • 2013年11月 NTTデータ:SAPに関するコンサルティング事業などを行うAster Group社の買収(買収案件)
  • 2014年3月 NTTコミュニケーションズ:「BizホスティングCloudn」の米国データセンターでの提供開始(データセンター)

英国

  • 2013年9月 NTTコミュニケーションズ:英国3番目となる「ヘメル・ヘムステッド 3 データセンター」の建設開始(データセンター)

フランス

  • 2013年8月 NTTコミュニケーションズ:フランスの会議系サービス事業者Arkadin International SASの買収(買収案件)
  • 2014年2月 ディメンションデータ:欧州でICTソリューション・サービスを提供するNextiraOneの買収(買収案件)

スペイン

  • 2013年10月 NTTデータ:スペイン・中南米6カ国でICTサービスを提供するeveris Groupの買収(買収案件)

ドイツ

  • 2013年6月 NTTデータ:子会社であるドイツitelligence社の100%子会社化完了(買収案件)

デンマーク

  • 2014年1月 NTTデータ:ドイツ子会社itelligenceによる4C Management Consulting社の買収(買収案件)

ルーマニア

  • 2013年11月 NTTデータ:ソフトウェア開発を中心とした事業を行うEBS Romania社の買収(買収案件)

オーストリア

  • 2013年8月 NTTドコモ:オンライン物販向け決済サービス事業者であるfine trade社の買収(買収案件)

インド

  • 2014年3月 NTTコミュニケーションズ:インド最大級の「バンガロール 2 データセンター」の提供開始(データセンター)

マレーシア

  • 2013年4月 NTTコミュニケーションズ:「サイバージャヤ4 データセンター」建設開始(データセンター)

フィリピン

  • 2013年8月 NTTデータ:ICT市場や事業機会の発掘を目的とした事務所の設置

タイ

  • 2013年6月NTTコミュニケーションズ:データセンター事業者であるDigital Port Asia Limitedの買収(買収案件)

グアム

  • 2013年5月 NTTドコモ:ケーブルテレビおよびインターネット事業者であるMCV社の買収(買収案件)

その他

ディメンションデータ社は、欧州15カ国中13カ国で事業を提供するNextira Oneを買収

everis Groupの買収により、中南米にも総合ICTサービスを拡大展開

  • サンチアゴ
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  • リマ
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