株主通信 NTTis 2018.12

特集2

NTTグループのスマート化に向けた取り組み〜NTTグループならではの街づくり〜

NTTグループは、保有する人・技術・資産を活用し、多様なサービス提供者との協業やサービス提供者のデジタルトランスフォーメーションを支援するB2B2Xモデルを推進していきます。
それにより、スマートシティ、スマートモビリティ、スマートエネルギーといったスマート化の実現をめざします。
本特集では「スマート化―NTTグループならではの街づくり」と題し、NTTグループの取り組みをご紹介します。

NTTグループがめざすスマート化

都市が抱える課題と将来像

日本の都市は現在、環境問題やエネルギー問題に加え、社会インフラの老朽化、少子高齢化など、様々な課題を抱えています。昨今の異常気象により全国各地で自然災害が甚大化、多発化する中で、人々の「安心・安全」をどのように都市の中に構築していくのか、少子高齢化の中で、今ある都市を将来に向けてどのように作り直していくのかという課題に対して、通信や電力といったインフラの概念を変えていく必要があります。
都市にはそれぞれの歴史や文化、産業があり、課題解決の優先度や掲げている将来ビジョンも様々です。NTTグループがめざすスマート化を通じた街づくりは、画一的に同じような街をつくることではなく、それぞれの都市が現状を踏まえて描く将来像をもとに、そこに住まう・集う人々や企業に寄り添った、個性あふれる街づくりです。

NTTグループならではの街づくりの推進

NTTグループならではの街づくりの推進 グループで持つ不動産やICT・エネルギー・環境技術等を最大限活用 不動産 × ICT(AI・ロボット・IoT)等を活用した設計・建設・保守 / 従来の不動産開発にとどまらない新しい街づくり/スマート化

NTTグループは、保有する不動産を軸として、ICTを活用した設計・建設・保守による「不動産×ICT」を通じて、従来の不動産開発にとどまらない新しい街づくり(街のデジタル化)を推進していきます。
NTTグループが保有する電話局等の不動産を利活用していくとともに、不動産やエネルギーに関する人材や技術をグループ横断的に活用していきます。このようにNTTグループの持つアセットを最大限活用し、グループ一体となって企業や自治体等と協業した街づくりを推進することで、個性豊かな地域社会が主役となるSociety5.0の実現に貢献します。

街づくり推進体制

NTTグループには、不動産デベロッパーとしての機能・ノウハウを有するNTT都市開発と、それを支えるエネルギー、建築、不動産のエンジニアリングから維持・管理機能を有するNTTファシリティーズがあります。NTTファシリティーズはまた、再生可能エネルギーの開発やデータセンター、スマートビルディングの構築におけるノウハウも有しています。
2018年10月に株式公開買い付け(TOB)を通じてNTT都市開発の完全子会社化を図る旨を発表しました。そして、NTT都市開発とNTTファシリティーズの2社の株式を保有する「街づくり事業推進会社」を、NTT持株会社の傘下に設立する予定です。
街づくり事業推進会社とNTT都市開発、NTTファシリティーズの3社が一体となることで、IoTやロボットの導入、さらには導入後の遠隔運営・維持管理等に至るまでのICTソリューションの提案がこれまで以上にできるようになります。

街づくり推進体制 街づくりのオーナー(地域の皆さま) 自治体・企業・交通機関・商店街・店舗・教育機関・医療機関・文化施設 等 [街づくり事業推進会社] NTTグループの総合力を活用したNTTグループならではの新たな「街づくり」を推進 / 街づくり事業に関するNTTグループの「窓口」 | 街づくり関連情報の一元管理 | NTTグループ商材・パートナー 企業商材のコーディネート 連携 [NTT都市開発] 不動産開発・マネジメント (完全子会社化予定) [NTTファシリティーズ] ICT基盤を支える建築・エネルギー事業の運営 [NTTグループ] アセット保有・ICTサービス等 ※今後の検討により、変更となる可能性があります

街づくりに向けた取り組み

これからの都市に求められる役割と、NTTグループが考える街づくりの価値

それぞれの都市には、それぞれの個性を活かした形で将来ビジョンが掲げられています。その中で、共通して今後も都市に求められる役割は、人が「集う」・「暮らす」・「働く」・「支え合う」ことだと考え、NTTグループが考える街づくりの価値を4つに設定しました。@コミュニティ(個性と魅力にあふれ人が集まる街)、Aダイバーシティ(誰もがいきいきと過ごせる街)、Bイノベーション(新たな産業創出による活力ある街)、Cレジリエンス(災害に強く地球環境にやさしい街)の4つです。これらの価値を提供する視点で、それぞれの都市がめざす街づくりを支援します。

街づくりを支えるNTTグループのノウハウと技術

「コミュニティ」の視点では、地域の魅力を高める取り組みによる賑わいの創出や、生活を豊かにする商業施設、来街者に街の思い出を刻むホテル、地域の歴史と文化を継承するリノベーション、多世代共生を可能にする住宅など、NTTグループの保有する資産を利活用しながら、個性と活気ある街づくりのための魅力ある空間とサービスを提供しています。
「ダイバーシティ」の視点では、テレワーク等を実現するICTインフラや、託児所等の子育て支援施設など、NTTグループの持つ施設運営や管理技術を活用し、街に集い、働き、住まう人たちの多様なライフスタイルに寄り添う都市環境を整備しています。例えば、シェアオフィス事業「LIFORK」は、それぞれの街の個性・特性に応じた多様なスペースとサービスを提供しています。
「イノベーション」の視点では、従業員の創造性を引き出すオフィスや次世代型の高度情報化ビルなど、先端技術を活用して、都市の課題解決や新たな産業創出、企業の生産性向上等に貢献しています。例えば、地域社会・企業・学生とのつながりを持つイノベーションを創出する空間として手掛けた近畿大学のアカデミックシアターは、社会問題を解決しうる学術拠点としてニューオフィス賞を受賞するなど、実績をあげています。
「レジリエンス」の視点では、オフィスビルや一般住宅・集合住宅でのゼロエネルギー化の技術や、人流情報等の活用を通じた省エネや脱炭素化、効率の良いエネルギーの提供、非常時における発電設備や蓄電池等の最適制御などを通じて、環境負荷低減を実現し、災害対応力を備えた安心して暮らせる街を創造しています。例えば岩手県北上市とNTTファシリティーズで共同設立した北上新電力では、再生可能エネルギーを利用しIoTを駆使したエネルギーマネジメントを実施しています。また、24時間365日、常時リモート監視ができる態勢で、サイバー攻撃からビルシステムを守るセキュリティ体制も実現しています。

国内における取り組み事例

東京・品川エリア

東京・品川エリアは交通の利便性が非常に高く、また製造業を中心とした大手企業の本社機能が集積しています。
その品川エリアにおいて、NTTグループは、品川シーズンテラスの開発を行うと同時に、周辺施設との連携を通じた賑わいの創出を図っています。また、産官学連携・交流の促進や、下水熱利用の導入などにより、品川エリアの発展を支えていきます。

福岡・天神エリア

NTTグループは、福岡市と包括連携協定を締結し、ICTによる社会的課題解決を促進しています。エリアに賑わいを創出する魅力的な商業施設の開発を手掛けるほか、アジアをはじめとする観光客向けに個々人の要望に合った観光情報を提供しています。また、人的商流分析を通じて街の最適化を図っているほか、地域防災拠点機能を構築するなど、広域的な集客と都市機能の集積を通じてさらなる成長をめざす天神エリアの発展に寄与していきます。

京都・烏丸エリア

京都の烏丸エリアにおいて、NTTグループが保有する歴史的建築物である旧京都中央電話局を京都のランドマークとなる文化発信型施設として再生させ、ビジネス街に賑わい拠点を創出するとともに、地元の商店街と連携し、街の活性化につなげる取り組みを行っていきます。

国内における取り組み [街づくりノウハウ] 品川シーズンテラス: 「環境都市づくり」の核となる公有地利活用、エリアマネジメントによる賑わい創出 秋葉原UDX:産官学連携、情報ネットワークの拠点 京都 新風館再開発:歴史的建築物を活かした街づくり [街づくり関連技術] 近畿大学 ACADEMIC THEATER:学生・企業・地域が交わる学術拠点 建物安全度判定サポートシステム:被災時の建物安全性の見える化 北上新電力:CEMSによるエネルギー地産地消モデル メガソーラー / 電力会社 買電→北上新電力→売電 エネルギーマネジメント 本庁舎 / 支庁舎 / 防災拠点など Internet CEMS [ICT技術] 札幌市:札幌市ICT活用プラットフォーム検討会 福岡市:地域共働事業に関する包括連携協定 福岡市 / フィールドの提供 NTT / ICTサービス・技術の提供 観光 安全安心 防災 教育 健康福祉 など 横浜市:官民データ活用による超スマート社会の実現に関する包括連携協定 横浜市 ・データを重視した政策形成 ・データを活用した事業の有用性検証 横浜市立大学 ・データ分析・専門的知見の提供 ・データサイエンティストの育成 NTT ・デジタル改革の推進をサポート ・社会課題の解決

海外における取り組み事例

米国・ラスベガス市との取り組み

米国・ラスベガス市において、公共安全ソリューションの実証実験をデルテクノロジーズと共同で開始しており、2018年度内の商用化をめざしています。
近年、都市部での犯罪や災害などが増加する中、自治体や警察・消防などの関係当局にとって、多くの人が集まる市街地やイベント会場などにおいて、群衆の動き、交通状況、緊急事態の発生などを把握し、市民の安全を守ることがますます重要になっています。
NTTグループは、最先端のAI、IoT、ICTリソースの総合マネジメント技術を活用し、事件・事故の迅速な検知と分析、事件・事故の高度な予測、自治体等の既存のICTリソースも活用した一元的な構築及び運用による迅速で効率的なICTリソースの配備を実現します。
NTTグループがラスベガス市のパートナーとして選ばれた理由は、NTTグループの持つ最先端技術やノウハウ、サービスを全て取り揃えている総合力、既存のICTリソースを活用できる汎用性の高いシステムであることに加え、リアルタイムに収集された各種データを、NTTグループではなく、ラスベガス市が所有することを前提としている点です。市民に対する透明性を担保し、データを様々な形で利活用する必要のあるラスベガス市にとっては、市によるデータ所有は譲れないポイントでした。
NTTグループは、本実証実験をもとに、米国を含む世界の都市向けに本ソリューションを商用展開する予定です。

こうしたNTTグループならではの街づくりに取り組むことにより、都市が抱える社会的課題の解決をめざします。

海外における取り組み 1 King William Street ロンドン 歴史的建築物の活用・再生 / スマートコミュニティ実証実験 シュパイヤー エネルギーの地産地消 / 公共安全ソリューション実証実験 ラスベガス 事件・事故の予測分析と迅速な検知対応 / Annadaleプロジェクト メルボルン 大規模な街づくり / 1015 18th Street ワシントンD.C 先進的なワークプレイスの創造 / HVDC※実証実験 テキサス 高効率・高信頼の直流給電技術の確立 展開できるノウハウ ・街づくりでのデータ活用 ・公共安全ソリューション ・エネルギーマネジメント ・環境配慮型設計 ・モビリティサービス ・歴史建築物活用 等 ※ High Voltage Direct Current:高電圧直流給電

NTTグループのスマート化に向けた取り組みに関してはこちらのウェブサイトもご参照ください。
https://www.ntt.co.jp/ir/library/presentation/institutional.html