Event Reports

ニコニコ超会議2019「日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6」出展報告

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望月 崇由(もちづき たかよし)†1/ 加藤 英男(かとう ひでお)†1/ 瀬川 徹(せがわ とおる)†1/ 村元 厚之(むらもと あつゆき)†1/ 山 陽(たかやま あきら)†2/ 玉置 真大(たまおき まさひろ)†2


NTT研究企画部門†1
NTTドコモ†2

NTTは、2019年4月27〜28日に幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議2019」に6回目の出展となるNTTブース「日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6」を出展しました。ここでは、本ブースの展示について紹介します。

日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6のコンセプト

「ニコニコ超会議」とは登録会員数6000万人を超える「ニコニコ動画(通称:ニコ動)」のすべて(だいたい)を地上に再現するニコニコ最大の参加型催事イベントです。日本のサブカルチャーを代表するコンテンツをはじめ、さまざまなエンタテインメントが一堂に会し、素人から著名人まで垣根なく出演者が集まります。NTTでは2013年7月より株式会社ドワンゴが提供するniconico(ニコニコ動画・ニコニコ生放送)等とNTTの研究所が持つ技術の高度化や適用領域の拡大によるサービスの進化、より効率的なサービス提供を図ることを目的に業務提携しており2014年4月に初めて「NTT超未来研究所」を出展しました。
6回目の出展となる今年は、NTTの最新技術から、AI(人工知能)「corevo®」、VR(Virtual Reality)、視覚や触覚といった人間の五感、光ファイバに関連した出展、現実とバーチャルの織りなすステージを通じて、「もし今の最先端技術をテクノロジ黎明期の80年代に使ったら」というコンセプトでブースを構築しました。
今年も、コラボレーションパートナーとの共同展示に加え、NTTドコモからも5Gを利用して、より魅力的な世界を創り上げる最新技術やコンテンツなどを出展しました。最先端の技術とそれにつながる昭和から平成の展示を通じて、今年も規模を拡大し、過去最大のスケールでNTTの技術を分かりやすく紹介しました。
なお、NTTでは本ブースに加え、2016年から引き続き、ICTを用いた新たな歌舞伎「超歌舞伎 Supported by NTT 今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」に超特別協賛しました。超歌舞伎は今年で4回目となり、超高臨場感通信技術「Kirari!」の技術進化を取り入れ、超歌舞伎ではおなじみとなった“分身の術”をさらにパワーアップさせるほか、現場を超える再現をめざした新たな演出として“変身の術”の実現にチャレンジしました。また、2018年の「積思花顔競 ―祝春超歌舞伎賑―」にて、初音ミクが舞台上を練り歩き大きな反響をいただいた「両面透過型多層空中像表示装置」が、今年は国際展示場ホール内に登場し、初音ミクがホール内を練り歩き、超歌舞伎公演に花を添えました。

展示内容紹介

超水分補給:AIロボオアシスでミカカ水、ゲットだぜ!

ロボットそれぞれに得意不得意はありますが、NTTのAI「corevo®」により、それらをつなげて協力し合えるようにすると、もっとロボットが身近な世の中になります。今回はNTTの音声認識・合成技術を搭載した、おしゃべり好きなロボット「SotaTM」と、モノを取ってくることが得意なトヨタの生活支援ロボット「HSR(Human Support Robot)」を、NTTのクラウド対応型インタラクション制御技術「R-env:連舞®」でつなげることで、ここでしか手に入らない「ミカカ水」をロボットたちがお客さまに手渡ししました(写真1)。

写真1 超水分補給:AIロボオアシスでミカカ水、ゲットだぜ!

写真1 超水分補給:AIロボオアシスでミカカ水、ゲットだぜ!

NTT研究所×ヒメヒナ電子分体研究所:VTuberなりきりAI計画

参加者の皆様がヒメヒナになりきって入力した会話データを使って、人気VTuberヒメヒナのAIを作成しました。来場したお客さまにはヒメヒナAIとの会話をお楽しみいただきました。今回NTTブースとVTuber Fes Japan 2019 が開催されたホールの両方で体験できることで、相互の来場者の行き来を増やす新しい試みとなりました。

超錯覚:超歌舞伎がリアルに見える件

鮮明な2D映像がメガネをかけると3D映像になる新たなステレオ映像生成技術「Hidden Stereo」と、光の投影と視覚メカニズムの科学的知見を応用して、印刷物などの止まった対象にさまざまな動きの印象を与えることのできる技術「変幻灯®」を活用して、超歌舞伎のポスターに彩りを与えました。不思議な視覚体験にじっとポスターを見入るお客さまが多く、好評を得た展示となりました。

超高臨場:16K超ワイドで君こそラガーマン!

NTTが研究開発を進める超高臨場感通信技術「Kirari!」の中の「サラウンド映像合成・伝送技術」による14 mの超ワイド映像を使って、ジャパンラグビートップリーグに所属するNTTコミュニケーションズシャイニングアークスとNTTドコモレッドハリケーンズの選手たちと一緒に、超高臨場バーチャルラグビー体験を可能としました。お客さまの横を走り一緒にトライを決めるバーチャルラグビーに大人も子どもも夢中になっていました(写真2、3)。

写真2 超高臨場バーチャルラグビー体験

写真2 超高臨場バーチャルラグビー体験

写真3 シャイニングアークスとレッドハリケーンズの選手たち

写真3 シャイニングアークスとレッドハリケーンズの選手たち

当時は超速報:モールス!特訓教室2 〜魂のテレグラム編〜

今回はテレグラム、英文モールスを体験していただきました。150年の歴史を持つモールス符号。トンとツーによる通信は、現代のデジタル通信にも通じるものです。打腱器で実際にモールス信号を打ってもらう体験を通じて、電気通信の歴史に触れていただきました。

超大移動:昔の交換機と海底ケーブル中継機、幕張に来た結果…

平成のはじめまで実際に使われていた最後のアナログ機械式交換機であるクロスバ交換機と、果てしなく続く海底で弱くなった信号をパワーアップさせる海底ケーブル信号中継機の2つの巨大展示を行い、圧倒的なスケールでお客さまの目を引いていました。

超復活:彼方からのケータイたち

1985年にはバブル時代の象徴ともいわれるショルダーホンから、現在に至るまでに発売された携帯電話を一堂に集めました。ショーケースの前で「これこれ、私使ってた」と会話する姿が見受けられ、お客さまにノスタルジーを感じさせる展示となりました。

超触感ラボ!

普段、意識することなく行っている「触る」という触覚をテーマに、公衆電話、スマホ、食やスポーツに分けて展示しました。
(1) 公衆電話編
人気につき、今年も引き続き振動でコミュニケーションをする公衆電話の展示をしました。本展示は第20回文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品にもなりました。電話器の番号ボタンを押すことで、相手に「ズキューン」「パーン」などのオノマトペ(擬音語・擬態語の総称)で表されたさまざまな触感スタンプを送ることができ、送られたスタンプはお腹と背中に装着された振動スピーカーを介して相手に伝えることができます。さまざまな振動の組合せでメッセージを伝える、身体で感じる新しい伝え方を体験してもらいました(写真4)。
(2) スマホ編
未来のスマートフォンをイメージして、表現豊かな振動を、同時にたくさん感じさせることができる触覚のあるスマホを展示しました。映像、音声だけではなく、振動まで合わせたコンテンツをモバイルで楽しむ、スポーツの映像を振動付きで鑑賞したり、没入感のあるエンタテインメントを楽しんだり、実感あるコミュニケーションをしたり、新しいモバイル体験をしてもらいました。
(3) グルメ編
コンテンツ配信に触覚情報を含めることで、映像や音声にとどまらない近未来の鑑賞体験をつくり出すことができます。そして実は、食べる感覚(=食感)にも触覚情報がたくさんあり、パリッとせんべいを食べる振動、するっと蕎麦をすする振動、それらも触覚情報として送り、美味しそうに食べている人の食感を、映像と振動するクッションを抱きかかえてもらうことで、お客さまに感じてもらいました。
(4) スポーツ編
スポーツのエッセンスを、触覚を通して体験してもらう展示をしました。選手の感覚や動きのリズム、会場の盛り上がりを、身体的な体験に置き換え、机を叩くことで、テニス観戦を一緒にしたときの振動を共有する体験をしてもらいました(写真5)。

写真4 超触感ラボ!(公衆電話編)

写真4 超触感ラボ!(公衆電話編)

写真5 超触感ラボ!(スポーツ編)

写真5 超触感ラボ!(スポーツ編)

超ゾクゾク!:Comptics×VRで グッ!ときてハッ!としろ!

SXSW(South by Southwest)2019 にて好評を博したComptics×VRの展示をしました。体感型コンテンツのデザイン・シェアを可能にするCompticsシステムを活用し映像体験の拡張や、今まで体験したことのない世界を切り取り体験に落とし込んだブースとなりました。バーチャル空間における音楽ライブや、さまざまなシーンをお客さまに視覚と触覚の体感コンテンツとしてお楽しみいただきました。

超視覚測定:シカクノモリ シーズン2

「シカクノモリ」を訪れる旅人となって「光の強弱を見るチカラ」「複数の動く物を目で追いかけるチカラ」を使いながらゲームを進めることで「見るチカラ」の測定結果を確認できる展示をしました。また、誰でも気軽にプレイできる「イージーモード」とゲーム性が高くチャレンジングな「ハードモード」の2つを用意しました。ゲームを使って日常生活の中で気軽に「見るチカラ」を測定可能な「シカクノモリ」により、将来の皆様の視覚を守るものになるかもしれません(写真6)。

写真6 超視覚測定:シカクノモリ シーズン2

写真6 超視覚測定:シカクノモリ シーズン2

ぼこぼこ不思議:磁性触覚ってなんだ!?ワークショップ

一見何もない壁を特殊なシートでなぞると凸凹を感じます。その原理は2枚の薄い磁性ゴムシートどうしをこすり合わせることで、シート表面は平らであるのに、まるでボコボコとした凹凸がシート間にあるかのように感じられるというものです。磁石という身近な素材を使い、不思議なボコボコを自分でデザイン・体験できるワークショップを開催しました。多くのお客さまに楽しみながら磁石の不思議を体験してもらいました(写真7)。

写真7 ぼこぼこ不思議:磁性触覚ってなんだ!?ワークショップ

写真7 ぼこぼこ不思議:磁性触覚ってなんだ!?ワークショップ

ゆらゆら不思議:挑戦!錯視セカイ★ビルダーズ!

模様の組み合わせ方で多様な目の錯覚「錯視」を創り出すことができる「錯視ブロック」を組み立てる展示で、見る角度によって、目に映る模様の組み合わせとともに錯視の強さが変わる不思議な立体をつくることができるワークショップを体感してもらいました。出来上がった作品を写真撮影することによって、さらに見え方が変化することも楽しんで もらいました。

プロペラなし!超安全!:羽根のないドローン

羽根のないドローンは、ヘリウムガスを充填された風船によって浮遊し、さらに「空気ポンプ」として動作可能な超音波振動モジュールによって推進力を生み出し飛行します。従来のドローンは、空中を移動する際に必要となるプロペラや羽ばたく翼などが人や物に衝突すると、大きな怪我や破損につながる可能性があるという課題がありました。羽根のないドローンでは、それらのパーツの代わりに、人が触っても安全な微小な振動により風を起こす超音波振動モジュールを活用することにより、飛行時の音が静かで、安全なドローンを実現しました。羽根のないドローンの技術解説とともに、操縦するデモを体験してもらいました(写真8)。

写真8 プロペラなし!超安全!:羽根のないドローン

写真8 プロペラなし!超安全!:羽根のないドローン

超没入!超絶叫!:超広視野角VRゴーグル

人間の視覚の特性に合わせた特殊なレンズを搭載した超広視野角VRゴーグルを体験してもらいました。スマートフォンを取り付けて利用する一般的なVRゴーグルは、視野角が狭く、穴から映像を覗いているように感じられます。本VRゴーグルは、視野の中心領域ではくっきりと、周辺部分はぼんやりと映像を見るという人間の視野特性を活用し、凸レンズに加えその周りに高倍率の特殊な構造のレンズを配置することで、あたかもその場にいるかのような没入感の高いリアルなVR映像を体験することを可能としました。

超ふれあいVR:セバスちゃん握手会で萌えろ!

「ドコモAIエージェントAPI」非公式キャラクター、バーチャルメイドAI - セバスちゃんとの握手会を開催しました。バーチャル空間に入ってセバスちゃんとの握手会に参加してもらい、握手だけでなく、なでなでやお話しもしてもらうことが可能な展示となりました。本展示は「ドコモAIエージェントAPI」の音声認識技術、自然言語処理、音声合成技術を活用してAIキャラクターとの未来の握手会体験を提供し、「音声対話技術」と「VR」を融合した世界をお客さまに楽しんでもらいました。

夢の5G:超実況ジオラマスタジアム!

TVやネットで放送されているスポーツ中継が、将来は自宅や外出先等ユーザが今いる場所にリアルタイムAR(Augmented Reality)として目の前に出現し、競技の映像や選手の動き等のさまざまな情報を観たい角度から自由な視点で楽しむことができるようになります。選手情報などをスマートフォンやタブレットにARで表示させる「情報の見える化」や、等身大の選手のプレイを立体的に目の前に出現させて観戦するなど、リアルタイムARによる情報の取得、および自宅のリビングやスポーツBAR、スタジアム等のさまざまな場所での自由視点によるスポーツ観戦を高速・大容量、低遅延の5Gが可能にする展示を体験してもらいました(写真9)。

写真9 夢の5G:超実況ジオラマスタジアム!

写真9 夢の5G:超実況ジオラマスタジアム!

超高出力?!:レーザ光で君も金属加工職人!

これまでは短い距離しか伝送できなかった高出力のシングルモードレーザ光を、通信用光ファイバで数十〜数百メートル先まで届けられるようになりました。この技術のおかげで、離れた場所の金属加工を可能としました。今回は実物ではなく、精密加工に適した高出力レーザ光を模擬したレーザ照明を使って、車のドアをいかに素早く正確に切断できるかという体験ゲームを展示しました。

スタジオミカカ

ステージ・スタジオブースでは「スタジオミカカ」と題して、さまざまな催しを実施しました。ブース内ステージではバーチャルと現実を織り交ぜながら、NTTの技術を分かりやすく紹介し、また、バーチャルの世界をつくり出す様子をスタジオ形式で公開しました。イベントの内容や、つくり上げられたバーチャル世界はニコニコ動画の「公式チャンネル」と「R&Dチャンネル」の2つの放送で生配信し、イベントの裏も表も見えるかたちでお客さまを楽しませることができました。番組コンテンツとして「開発リサーチ!ミカカTV!」ではバラエティ形式のライトなトークをバーチャル双子YouTuberおめがシスターズと一緒にゼミナール形式でNTTの技術を解説し、「NTT大辞典」では研究員の赤裸々な姿に迫るトークショーをお送りしました。「マー素晴らしい!」では芸人の井上マーさんと声優の杉山理穂さんのコンビでブースの様子を楽しくお伝えしました。各日の最後には「ミカカスペシャルライブ!ミュージックタッチダウン」と題して、NTTの無線触覚通信技術と電鍵を使って、新しいライブ体験を展開していきました(写真10)。

写真10 スタジオミカカ

写真10 スタジオミカカ

ノベルティ

今年はノベルティを6点準備しました。毎月届いていた日本電信電話からのラブレターを可能な範囲で再現したオリジナル手ぬぐい「みかかからのラブレターてぬぐい」を作成しました。また、平成の時代を懐かしく感じていただくために、技術史料館オリジナルペーパークラフトとして、「日本電信電話ミカカランド」オリジナルのショルダーホンとカード式公衆電話の2つをご用意しました。NTT東日本提供の公衆電話の使い方を分かりやすく伝える「公衆電話使い方チラシ&シール」を配布しました。「VTuberなりきりAI計画」のブースでは、超会議限定の「ヒメヒナオリジナルステッカー」をNTTブースとVTuber Fes Japan 2019でそれぞれ異なるバージョンを配布し、「16K超ワイドで君こそラガーマン!」のブースでは、体験いただいたお客さまにNTTコミュニケーションズシャイニングアークスとNTTドコモレッドハリケーンズのマフラータオルセットを、「AIロボオアシスでミカカ水、ゲットだぜ!」のブースでは、「ミカカ水」をロボットが手渡しで配布しました。

出展を終えて

「日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6」は、多くのスタッフの協力のもと、ブースを体験いただいた方が過去最高の約5万人弱となりました。今年は、NTTドコモを含む最新の展示やNTTコミュニケーションズシャイニングアークス、NTTドコモレッドハリケーンズの両ラグビーチームの応援もあり、全体として一体感ある展示を実現することができました。最新の技術に加え、公衆電話や交換機、海底ケーブルといった「NTT(電話屋)らしさ」のある展示も、お客さまを惹きつけることができました。今回得られた反響やアドバイスを今後の研究開発にフィードバックし、来場いただいた皆様の大きな期待にこたえられるよう一層努力していきます(写真11)。

写真11 日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6スタッフ

写真11 日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6スタッフ

村元 厚之/瀬川 徹/加藤 英男/望月 崇由/山 陽/玉置 真大
(左から)村元 厚之/瀬川 徹/加藤 英男/望月 崇由/山 陽/玉置 真大

ニコニコ超会議は、NTT R&Dの日頃の研究成果をかたちにして紹介し、普段あまりリーチする機会の少ない若年層やネットユーザを中心としたお客さまにNTTの最新研究成果を体験いただくことで、貴重なフィードバックを得ることができる数少ない機会となっています。文章だけでは伝えきれない最先端の技術を体験することができるNTT R&Dのイベントにぜひお越しください。

◆問い合わせ先
 NTT研究企画部門
  R&D推進担当
  E-mail rdplan-prml.hco.ntt.co.jp

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