Event Reports

「つくばフォーラム2019」開催報告

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野村 智之(のむら ともゆき)†1/ 古敷谷 優介(こしきや ゆうすけ)†1/ 佐々木 元晴(ささき もとはる)†1/ 高木 郁子(たかぎ いくこ)†1/ 猪狩 亜紀子(いがり あきこ)†2/ 安嶋 悟(あじま さとる)†2

NTTアクセスサービスシステム研究所†1/
NTT-ATテクノコミュニケーションズ†2

2019年の「つくばフォーラム」は、10月31日〜11月1日の2日間にわたり、「時代を支え 次代を拓くアクセスネットワーク 〜サービスを創出する世界最先端技術と、業務を変革する現場最先端技術〜」をテーマに開催しました。ここでは、本フォーラムの講演や展示などの開催概要について紹介します。

開催にあたって

1990年に第1回を開催したつくばフォーラムは、今回で30回目という節目を迎えました。これまでの社会を支えてきたアクセスネットワーク技術を振り返るとともに、ここから改めて私たちが将来のアクセスネットワークを切り拓き“Your Value Partner”としてスマートな世界を実現していくという決意を込め、「時代を支え 次代を拓く アクセスネットワーク 〜サービスを創出する世界最先端技術と、業務を変革する現場最先端技術〜」をテーマとして開催しました。NTTアクセスサービスシステム研究所に加え、共催団体、NTTグループなどから105団体()が参加し、最新の研究開発や技術動向の紹介、展示を行いました。

表 つくばフォーラム2019出展社一覧

表 つくばフォーラム2019出展社一覧

講演概要

基調講演1、2は、初日につくば国際会議場において開催されました。国際会議場大ホールをメイン会場とし、さらにNTTアクセスサービスシステム研究所(AS研)会場にも中継され、多数のお客さまに聴講していただきました。

基調講演1

井伊基之NTT 代表取締役副社長が、「社会インフラの共用化に向けて」と題して講演を行いました(写真1)。詳細は本号特集記事をご参照ください。

基調講演2

澁谷直樹NTT東日本 代表取締役副社長が、「地域発イノベーションで豊かな未来を拓く」と題して講演を行いました(写真2)。詳細は本号特集記事をご参照ください。

写真1 基調講演1

写真1 基調講演1

写真2 基調講演2

写真2 基調講演2

ワークショップ

2日目には、AS研会場においてワークショップが開催されました。NTTアドバンステクノロジのビジネスユニット長、およびAS研のプロジェクトマネージャ2名により講演を行いました(写真3)。

写真3 ワークショップ(左から北村氏、田中プロジェクトマネージャ、鬼沢プロジェクトマネージャ)

写真3 ワークショップ(左から北村氏、田中プロジェクトマネージャ、鬼沢プロジェクトマネージャ)

ワークショップ1

NTTアドバンステクノロジ AIロボティクス事業本部 ロボティクスソリューションビジネスユニット 北村和夫ビジネスユニット長が「WinActor®ビジネスの概況」と題して講演しました。
はじめに、WinActor®の概要について説明しました。WinActor®とは2010年にUMSという技術でNTT研究所が開発したクライアントPC型のRPAツールのことで、2014年からNTTアドバンステクノロジによって商用化された商材であると紹介しました。2019年上期での導入実績は4000社を超え、国内シェアNo.1の実績があり、販売パートナーは現在700社を超える状況であると説明しました。
次に、WinActor®の大きな3つの特徴、「簡単」「サポート」「大規模対応」について述べました。「簡単」を支える製品強化の取り組みとしてCast on Callという新たなサービスや輪郭マッチング、仮想化対応強化、さらに2020年提供予定であるv.7でのUI刷新、多言語化対応について具体的な新機能を説明しました。また「サポート」を支える人材育成や「大規模対応」を支える管理機能・製品強化について適用例を挙げて説明しました。これからのWinActor®は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けてさらに業務アプリとの連携を拡充していくために、クラウド型への移行やオンプレ-クラウド連携をどう実現していくか、またRPAツールが不得意とする定型化されていない人の判断を要するところにどうAI(人工知能)を活用していくかが今後のポイントになると説明しました。
最後に、2019年の7月より進めているテクノロジパートナープログラムを通して、パートナーの皆様と一緒にお客さまの利用価値を高める取り組みを行い、さらにDXを推進していくと述べました。

ワークショップ2

NTTアクセスサービスシステム研究所 シビルシステムプロジェクト田中実プロジェクトマネージャが「基盤設備維持管理技術の研究開発の動向」と題して講演を行いました。詳細は本号特集記事をご参照ください。

ワークショップ3

NTTアクセスサービスシステム研究所 無線エントランスプロジェクト 鬼沢武プロジェクトマネージャが「多様なサービスを支えるワイヤレス技術」と題して講演を行いました。詳細は本号特集記事をご参照ください。

両日開催イベント

つくばフォーラム第30回特別展示

アクセスネットワーク技術の変遷と将来のアクセスネットワークについて大型パネルを展示し紹介しました。会場では時代と設備の変遷を懐かしむ姿が見られ、多くの来場者から「分かりやすかった」との意見をいただきました(写真4)。

写真4 つくばフォーラム第30回特別展示

写真4 つくばフォーラム第30回特別展示

技術交流サロン

共催団体、NTTグループ各社、NTT研究所による三位一体の取り組みとして 「次代を拓く光ファイバケーブル技術」「令和における無線の新たな展開」の2テーマで、各社の事例を紹介してパネルディスカッションを行いました。今後の課題についての具体的な内容の議論や、各社の立場でいろいろな意見が聴けたことに対して、多くの聴講者から「参考になった」「興味深かった」との意見をいただきました(写真5)。

写真5 技術交流サロン

写真5 技術交流サロン

地域を支え、災害に備える無線設備紹介

島しょ部や山間地域での安心な暮らしを支え、災害時において被災地域の孤立を防ぐ無線設備について、ビデオ放映にて紹介しました。

スタンプラリー

来場者にAS研の展示会場内をくまなく回っていただくために、今回で3回目のスマートフォンを使ったデジタルスタンプラリーを実施しました。会場内に設置された7個のスタンプを集めた方にはオリジナル電柱番号板をプレゼントしました。その受け渡し時には、毎年楽しみにしている、毎年電柱番号板を集めたいなどのコメントをいただきました。

展示概要

AS研からの出展にとどまらず、共催団体およびNTTグループ各社の最新の技術に関する展示が行われました(写真6、7)。

写真6 メイン会場

写真6 メイン会場

写真7 屋外展示会場

写真7 屋外展示会場

NTTアクセスサービスシステム研究所

技術ごとに展示を3つのコーナーに分け、AS研の研究開発成果を幅広く展示しました()。お薦め展示にはお薦めマークを掲載し、来場者へ分かりやすく展示しました(写真8)。
(1) 将来アクセスネットワーク技術
将来のアクセスネットワークを担う光と無線のキー技術を紹介しました。多様な高周波数帯無線システムを収容するためのアナログRoF技術、将来アクセスネットワーク実現に向けた技術確立の方向性、プロトコルフリーな波長管理制御技術、光ファイバ環境モニタリングについて、お薦め展示として紹介しました。
(2) 拓く技術
スマートな世界の実現に向け将来のアクセスネットワークを開拓する最先端技術を紹介しました。とう道管理システムのICT化について、お薦め展示として紹介しました。
(3) 支える技術
安心・安全な社会と現在のアクセスネットワークを支える最先端技術を紹介しました。外部連携を簡易に実現するユーザインタフェース拡張技術(UI拡張技術)、Wi-Fi規格を拡張したIoT無線通信技術(IEEE802.11ah)、ルール学習型障害箇所推定・対応支援AI、ヒトの意図を反映する最適采配技術、鉄蓋の劣化予測技術、ケーブル輻輳を回避する最適な配線ルート設定技術・需要変動耐力を持ち、稼働のかからない配線技術、自動設定・自動配線による全自動故障回復技術、マルチレイヤネットワーク自律制御技術、ドローンによるマンホール自動点検技術、地下設備の絶対座標取得技術、荷重可視化技術および不平衡荷重と構造劣化の関係性把握技術、鉄筋コンクリートマンホールのメンテナンスフリー化技術について、お薦め展示として紹介しました。
(4) モデルネットワーク
アクセスネットワーク技術の全体像を、NTTビル内からお客さま宅までの実設備を用いたモデルで分かりやすく紹介しました。

図 NTT展示概要

図 NTT展示概要

写真8 NTT展示コーナー

写真8 NTT展示コーナー

一般社団法人 情報通信エンジニアリング協会(ITEA)

これまで培った技術・ノウハウの継承、光アクセス設備の構築・維持・開通工事を主体に、品質の向上や効率化および大規模災害時の迅速な設備復旧などと安心・安全・信頼される情報通信インフラ設備の実現に向けた取り組みを紹介しました。

通信電線線材協会

光、メタル、接続機器、関連部材を含む所外系設備全体をはじめとし、局内、データセンタなどにかかわる最新の技術、製品を紹介しました。安全性、ダイバーシティを考慮し、作業性を重視した、興味を引く会員各社の最新の取り組み状況を紹介しました。

全国通信用機器材工業協同組合(全通協)

「確かな技術とモノ創りでIoT社会の発展に貢献する全通協」をキャッチフレーズに、今後のICT市場の発展や環境変化をとらえ、お客さまの要望に対してスピード感を持って組合一丸となった取り組みを紹介しました。

NTTグループ

出展したNTTグループ各社は、“Your Value Partner”として、事業活動を通じてパートナーの皆様とコラボレーションしながら、研究開発やICT基盤を活用したスマートな社会の実現をめざし、社会的課題の解決に貢献するための最新技術を紹介しました。

展示イベント

AS研メイン会場と屋外会場にて出展社によるデモンストレーションを実施し、多くの方にご覧いただきました(写真9)。

写真9 展示イベント

写真9 展示イベント

開催結果の総括

両日とも晴天に恵まれ、約9400名の方にご参加いただき、また海外からも多くのお客さまをお迎えして無事にフォーラムを開催することができました。AS研の最新の研究開発および今後の動向をはじめ、出展各社のさまざまな展示に高い関心が寄せられました。開催後の来場者アンケートからは、97%のお客さまが来場目的を達成したという結果が得られました。今のアクセスネットワークを支えていく短期的取り組み、将来のアクセスネットワークを切り拓く中長期的取り組みについての展示を通じ、アクセスネットワークの変革を共有できる場として充実したイベントとなりました。


謝 辞

本フォーラムの開催にあたり、共催としてご協力いただきました一般社団法人情報通信エンジニアリング協会、通信電線線材協会、全国通信用機器材工業協同組合の皆様に厚くお礼申し上げます。

古敷谷 優介/佐々木 元晴/高木 郁子/猪狩 亜紀子/安嶋 悟/野村 智之
(左から)古敷谷 優介/佐々木 元晴/高木 郁子/猪狩 亜紀子/安嶋 悟/野村 智之

ネットワーク機能の高度化、リソース配置の柔軟化、新たな付加価値の開拓、スマートな運用を志向し、DXの促進と将来のアクセスネットワークの具現化によってスマートな世界の実現に貢献するためには、社会および関連する産業界の方々との連携が欠かせません。今後も本フォーラムが良き交流の場となり、アクセスネットワークの発展に貢献できるよう、事務局一同、努力していきます。

◆問い合わせ先
 NTTアクセスサービスシステム研究所
  企画担当
  TEL 029-868-6040
  FAX 029-868-6037
  E-mail tforum2019-info-p-mlhco.ntt.co.jp

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