Event Reports

「ISNTT2019」開催報告

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熊田 倫雄(くまだ のりお)

NTT物性科学基礎研究所

ナノ構造における電子・光物性に関する国際スクール&シンポジウム「International School and Symposium on Nanoscale Transport and phoTonics(ISNTT)」はNTT物性科学基礎研究所が隔年で主催しているイベントであり、今回は2019年11月18〜22日にNTT厚木研究開発センタにおいて行われました。ここでは、その概要を紹介します。

ISNTTの概要・目的

NTT物性科学基礎研究所では、ネットワーク技術の壁を越える新原理・新コンセプトの創出と、未来のイノベーションにつながる基礎技術の開拓をミッションとして、日々、研究活動を進めています。特に研究を進めるうえで、NTT内での研究協力はもちろんのこと、世界各国の大学や研究機関とも幅広く共同研究を行い、「世界に開かれた研究所」としての役割を果たしています。1998年からは、研究成果を世界の著名な研究者や学生に向けて発信するとともに、他研究機関での最新の成果を発表してもらうことで議論を深めることを目的に、主に半導体量子物性、超伝導に関する国際シンポジウムを開催してきました。2009年からはシンポジウムの名称を「ISNTT(International School and Symposium on Nanoscale Transport and phoTonics)」として隔年で開催しており、ISNTT2017からは光物性分野もスコープに含まれるようになりました。また、ISNTTの一環とし「BRL(物性科学基礎研究所:Basic Research Laboratories)スクール」を開催しています。BRLスクールでは、博士課程の学生を対象に講義・ラボツアーを行い、NTT物性科学基礎研究所を広く知ってもらうとともに、若手研究者が大きく育つ機会を提供しています。

ISNTT2019実施内容

BRLスクール

BRLスクールは2019年11月18日から19日午前までの1日半にわたって行われ、博士課程学生を中心に約80人が講義、ラボツアーに参加しました(図1)。「Hybrid Quantum Systems」をテーマに、Göran Johansson教授(Chalmers University of Technology)、Per Delsing教授(Chalmers University of Technology)、仙場浩一先生(情報通信研究機構)に各2時間の講義を行っていただきました。学生からは活発な質問があり、講師の先生からも「エキサイティングだった」とのコメントがありました。また、ラボツアーでは、NTT物性科学基礎研究所の研究設備を案内しました。スクール参加者は19日午後からのシンポジウムにも引き続き参加しました。

国際シンポジウム

11月19日午後から22日までの3日半にわたって、ナノ構造における電子・光物性に関する国際シンポジウムを開催し、世界15カ国から231人が参加しました(図2)。ノーベル物理学賞受賞者であるKlaus von Klitzing教授(Max Planck Institute)による基調講演「Nanoscale Transport and our New International System of Units」から始まり、著名研究者による19件の招待講演を含め48件の口頭発表、87件のポスター発表が行われ、中村泰信教授(東京大学/理化学研究所)による基調講演「Superconducting Circuits for Quantum Technologies」で閉幕となりました。講演のトピックは、超伝導、半導体ナノ構造における量子現象、ナノメカニクス、量子光学およびそれらのハイブリッド系など、NTT物性科学基礎研究所で行われている研究分野と関連しており、最新の研究成果について活発な議論が交わされました。また、21日の夕方に開催した懇親会では、親交を深めるとともに研究内容についての議論も引き続き行われました。懇親会では学生を対象としたベストポスターアワードの発表が行われ、5人の学生に賞状と記念品が贈られました。

図1 BRLスクール集合写真

図1 BRLスクール集合写真

図2 ISNTT集合写真

図2 ISNTT集合写真

ISNTT2019を終えて

ISNTT期間中は天候にも恵まれ、NTT厚木研究開発センタの紅葉も美しく、リラックスした雰囲気で議論を楽しむことができました。また個人的には、最新の研究成果に関する発表とともに、活発に質問をする学生の姿勢に大いに刺激を受けました。今回のスクール&シンポジウムが、NTT物性科学基礎研究所の研究者だけでなく、すべての参加者にとって、新たな研究テーマの気付きや共同研究のきっかけになればと思います。

熊田倫雄
熊田 倫雄

ISNTT2019では実行委員長としてイベントの実施に携わりました。2019年度はじめより準備を開始し、まずは無事にイベントを終えられたことでほっとしています。スクール&シンポジウムで受けた刺激を忘れずに、研究を行っていきたいと思います。

◆問い合わせ先
 NTT物性科学基礎研究所
  企画部
  TEL 046-240-3312
  E-mail brl-kensui-pbhco.ntt.co.jp

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