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社長記者会見

2018年11月6日(火)

社長記者会見の写真

2018年度第2四半期決算/中期経営戦略公表について
澤田代表取締役社長
(同席)廣井取締役財務部門長
    北村取締役経営企画部門長


 会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(澤田社長)

 2018年度第2四半期の連結決算の概況について、ご説明いたします。
 一言で申し上げると、増収・増益決算です。非常に堅調に推移しており、第2四半期として営業収益で2期連続、営業利益で3期連続、過去最高を更新しています。

 営業収益では対前年1,020億円の増収、営業利益では対前年324億円の増益となっています。当期利益は、対前年44億円減となっていますが、これはNTTドコモが三井住友カードの株式譲渡を決定しまして、その結果、法人税を計上するという会計上の処理の影響が出ています。基本的には前年とほぼ同水準と考えています。

 海外売上高、グローバルについては、93億USドル、対前年4億USドル増となっています。グローバル持株会社ができましたので、その傘下のグローバル事業のみを今回まとめて出しています。つまり、定義について、今回からグローバル持株会社帰属に変更しています。具体的にはNTTドコモ、NTT都市開発、NTTファシリティーズなど、グローバル持株会社の傘下に入らない会社のグローバル事業を除いた形になっています。その結果、営業利益率が3.1%と、前回基準での5.8%と比べて今回少し低くなった基準となっていますが、今後はこの定義で中期事業計画をみていきます。

 続いて、セグメント別の状況です。営業収益は概ね順調に進捗しています。

 営業利益について申し上げると、地域通信事業については、例年通りとなりますが、固定音声関連収入を中心に減収があり、対前年減益となっていますが、想定した通りです。

 長距離・国際通信事業については、NTTコミュニケーションズの音声収入減による減益はあるものの、こちらも想定どおりの進捗であり、下半期には前年度のようなNTTアメリカの減損などがないため、年間では対前年増益を見込んでおり、想定通りの進捗です。

 移動通信事業については、スマートライフ、コスト効率化、端末などの販売が好調な影響もあり、対前年増益となっています。下期には、お客さま還元による減収影響や競争力強化施策、5Gの投資などを織り込んでおり、現時点では年間計画は見直さない考えです。

 データ通信事業については、ビジネス規模拡大などにより対前年増益となっています。

 事業計画は好調ですので、本日の取締役会にて、株主還元の充実を図るために自己株式の取得を決議いたしました。上限を1,500億円または3,600万株とし、市場から調達したいと考えています。今年度、既に1,080億円実施済みであり、年間トータルでは2,580億円取得の予定となっています。
 なお、NTTドコモが本日、自己株式の公開買付を発表しています。当社として、これに応じる旨、本日決議しています。詳細はニュースリリースをご確認願います。

 続いて、通期の業績予想です。NTTドコモの増収に伴いまして、営業収益について700億円の上方修正を盛り込みます。営業利益と当期利益に関しましては、NTTドコモでは当期利益にマイナス見直しがありましたが、NTTドコモ以外の各社の伸びも想定されるため、年間利益計画は見直しません。

 第2四半期の決算については、以上となります。

 続いて、新たな中期経営戦略についてです。タイトルは、『Your Value Partner 2025』とし、就任時点で、なりたい企業像として「Your Value Partner」というものを置いていました。この計画は3年目、5年目、7年目の節目のそれぞれでターゲットをおいており、2020年を超えて最も長い7年後の2025年頃に向けて変革を進めていくという思いを込めています。

 今後、2030年頃までを展望すると、あらゆる社会・経済がより大きな変革を求められる時代に来ています。日本では「Society 5.0」を実現していこうというコンセンサスがあります。社会的課題を解決して「Society 5.0」を実現していくということですが、ICTを活用したデジタルトランスフォーメーションの推進がそれを支え、私どもがその解決のお手伝いしたいと考えています。

 また、今年は災害が多くありました。その災害時、安心安全な通信を実現するという意味で、NTTグループは、その社会的役割から、公共性を求められる企業の一つでもあると考えています。一般的に言われているCSRよりも広い意味で社会的課題を解決する企業、それが事業活動とすれば、NTTグループの事業活動は企業の社会的責任、CSRそのものという考え方をしています。
 そこで、NTTグループのビジョンを、「”Your Value Partner”として、事業活動を通じてパートナーの皆さまとともに社会的課題の解決をめざします。」としたいと思っています。
 公共性と企業性を有するNTTグループが、その持っているさまざまな経営資源や能力をフル活用し、社会的課題の解決をパートナーと協業して行う。そのコアはデジタルトランスフォーメーション、デジタル化の改革・革新とCSR、そういう考え方で臨んでいきたい。その結果がSmart WorldまたはSociety5.0の実現に貢献していき、さらにそれがSDGs、国連の提唱する持続可能な社会への貢献に繋がっていくと考えています。

 次に、NTTグループの社会的課題解決力がどの程度認められているかという現状をまとめています。例えばイノベーション力では7年連続でクラリベイト・アナリティクス(旧トムソン・ロイター)の「Top100グローバル・イノベーター」に選出されています。次にCSDE(Council to Secure the Digital Economy)、これは安心・安全なICT基盤の運用ということで、(通信事業者では)アジアでNTTだけが参画しています。また、環境保全に関しましては、就任の挨拶の頃から申していますが、クライメイトグループが主催するEP100やEV100への加盟を認められ、現在活動をスタートしています。結果、このような解決力が投資インデックスにも採用されており、2018年9月からダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスでワールドインデックスに選定されています。世界の中でも認められつつあります。

 我々のビジョンを実現していく上での、めざすべき企業像としては、「Your Value Partner」であり、私たちの基本的なマインドは、ネットワークをつなぐ、人と人をつなぐ、あるいは企業と企業、未来と現在、色々なものをつないでいきたいと考えています。それを信頼のあるサービスや行動で満たしていき、それを支えていくのが自分自身の誠実さ、企業としての誠実さにあるということを共有価値におき、30万人いる人材を中核に据えて、こうしたビジョンをもとに未来への夢を共有していきたいと考えています。

 次は、既にご紹介している4本の柱を整理し、10件の取り組みをご説明いたします。これらの取り組みにより、スマートな社会、Smart Worldの実現に貢献したいと考えています。

 1点目の施策は、B2B2Xモデルの推進です。簡単にいうと、B2B2Xモデルを進化させたい。価値の創出例として、ひとつはバリューチェーンをコネクテッドなもので進化、2つ目は顧客対応をオムニチャネルを含めて進化、3つ目はサービスの高度化やビジネス創造のお手伝い、4つ目は地域経済の活性化です。これらを出来上がってくるデジタルサービスとデータマネジメントの2つを重ね合わせて提供していきたいと考えています。現在、13のプロジェクトがありますが、これを3年後の2021年度までには100まで増やしたいと考えています。
 主な例として、顧客対応の進化を行う事例を紹介いたします。当社グループ側がAIアシスタントやIoTや決済プラットフォームを使って、センターBの流通企業がさまざまなデジタルサービスを提供していくというモデルです。

 続いて5Gについてです。先日、NTTドコモからも発表させて頂きましたが、2023年度末までに5年間で1兆円のインフラ投資をします。実は既に約1,800の企業・団体が参加するプログラムを実施しており、このような取組みを踏まえ投資対象や設置対象のエリアを選定し、サービス展開を図っていきたいと考えています。

 次にパーソナル化の推進です。先週、NTTドコモが発表しました、おトクでシンプルな料金として、お客さまのご利用状況にもよりますが、2割から4割程度の値下げを行っていきます。これは市場の変化を捉えてマーケットリーダーになっていこうというイニシアティブのひとつです。
 2点目のサービスとして、決済・ポイント利用可能箇所を3年後に200万ヶ所に拡大します。また、会員が現在約6,700万会員ですが、これを3年で7,800万会員と1,000万以上増やしていくことを考えています。

 次に、自らのデジタルトランスフォーメーションですが大きく2点あります。

 1点目はグローバルです。私どもの能力のひとつがお客さまに提案するアドバイザリー。そしてソフトウェア・デファインドなITサービス。それから、それを支えるコスト構造。そうした能力をまとめて統合ソリューションを提供したい。ただ、それだけではなかなか進歩しにくいので、革新的創造への取り組みを進化させたいと思っています。
 具体的には3つありまして、1点目はグローバルイノベーションファンドです。これは11月2日に設立しまして、リーダーはVab Goel。私どもが買収した、現在の名前はNTTグローバルネットワークスですが、買収した当時はVirtelaというネットワーク企業の会長をやっていました。実はファンドマネージャーを18年やっていたのでその経験を買いまして、彼をリーダーとするチームを組成しました。

 2点目は革新的創造推進組織。一例として、スペインにあるeverisという会社を中心としたアドバイザリーチームがありますが、そういうチームの強みと全グループとのシナジーが発揮で活用できるよう組織化を検討していきたいと思っています。それから長期には海外に研究拠点を、ベースはシリコンバレーになりますが、世界各地とネットワークし、特にリサーチ面で世界をリードする革新的技術を作っていきたいと考えています。グローバルビジネスの競争力をOne NTTとして強化をしていくというのが戦略的な要諦になります。

社長記者会見の様子

 グローバル競争力の強化に向けて、既に発表した組織の変革に関して、現在の状況です。11月2日でグローバル持株会社の下にNTT持株から各社の株式を移管しました。グローバルイノベーションファンドは先程申しましたように設立しました。グローバル調達会社も11月1日から活動を開始しました。さらに来年の7月に向けてNTTコミュニケーションズ、ディメンションデータ、NTTセキュリティをグローバルの事業会社と日本国内の事業会社に再編します。50人ほどの検討プロジェクト、ワーキングチームを作り、当該プロジェクトのリーダーには、現在のディメンションデータのCEOであるJason Goodallを将来のグローバル事業会社のCEO候補として挙げたいと考えています。更に、先程申しました革新的創造推進組織及び海外研究拠点を設立し、本日NTTコミュニケーションズが発表していますが、データセンターの投資がこれからも非常に大きくなりますので、それをグループの力でサポートするようデータセンターの投資を行う会社を作ってまいります。次のステップは外部の資金を入れる事で、リート化を図り、資産の効率を上げていきたいと考えています。

 国内は、CDOを設置し、デジタル化を推進しています。確認したところ、既に500業務に1.2万ロボットがグループの中で既に動いています。おそらく日本最大級のRPAを導入している企業かと思います。RPA自身はお客さまにも提供しており、現在約2,000の企業に導入して頂いています。これ以外に、7年くらいかかりますが、法人のお客さまのプロセスの生産性を2倍にしていきます。また、工事保守プロセスの生産性を1.5倍にしていきます。NTTドコモが発表しましたが、来年度にドコモショップの待ち時間と応対時間を半減したいと考えています。

 PSTNマイグレーションについては、2024年1月に一斉に契約を引き継がせていただき、切り替えは1年後の2025年に完了するように準備を進めています。

 人・技術・資産の活用ですが、研究開発のグローバル化を推進したいと思っています。グローバルでの世界一・世界初、驚きの創出を狙いまして、成果をグローバル展開します。また、ターゲットをグローバル化していきます。最後に研究拠点を設立していきます。そういうイニシアティブを行っていきます。
 それと並行して、共同研究を強化し、かつ、社外技術を積極的に活用します。NTTベンチャーキャピタルも作りますので、そこで投資をしていくベンチャー企業の技術をこちらに導入していくことを含み、新たな成長領域の研究投資を拡大し、競争力を強化していきます。詳細については、今月末のR&Dフォーラムで発表いたします。

 次に資金面についてですが、成長投資を加速します。サービス開発を含め、今後5年間で2兆円を投入したいと思います。これは現在の10%増しの数字になります。研究開発自体は、年間2,000億円くらいですが、サービス開発や新たなファンド、あるいは革新的組織やさまざまなところに成長投資を入れていこうと考えていますので、合計2兆円になります。また、5Gインフラが1兆円ですので、3兆円を5年間でつぎ込むという形を考えています。

 不動産については、先般10月に発表した街づくり、街のデジタル化を推進したいということがポイントです。さらに地域社会経済の活性化ということで、保有している設備や技術の経営資源を活かして貢献していきたいと思っています。

 10個目の取り組みは災害です。ご案内のように、非常に日本の災害はきつく、また規模も大きくなってきています。従前の信頼性向上や重要通信の確保、早期復旧をやってきましたが、さらに通信インフラを強くしたい。それからプロアクティブにAIを使って災害予測、被害予測などを組み合わせていく。最後に、適切な情報発信、これは訪日されるあるいは日本在住の外国人の方の対応を含めて強化をしていきたいと思っています。

 次にESGです。持続的な企業価値の向上を、環境、社会、ガバナンスの面から図っていきます。

 株主還元については、継続的な増配、それから自己株式の取得の機動的な実施、この2つを実施していきたいと思っています。

 最後に、数字の重要なポイントになりますが、中期目標についてです。EPSの成長については、利益を成長させることを基本として、2017年度の確定値を起点に、2019年度から2023年度までの5年間で、現在のタタの仲裁裁定金を除いた425円という実績に対して50%増の約640円まで上げていきたい。利益を増益させますが、併せて自己株式取得も実施していくというモデルです。
 海外については、一般的にはITは3%の成長というところ、5%超の成長をめざします。海外売上高については、新しい基準では2017年度は売上高180億USドルでしたが、これを250億USドルまで上げていく。先ほど申しました海外営業利益率は3%ほどでしたが、これを2倍以上の7%に上げていく。
 以上のことを支えるためにも、成長投資もしながらコスト削減も8,000億円実施します。さらにROIC、私たちの投下資本がきちんとリターンを生んでいるかというポイントも押さえていきたいので、BSサイドの色々な施策にもこれから取り組みます。2017年度の7%を、8%に上げます。Capex to Salesは現在14%超なのですが、NTTドコモの料金値下げの関係もありますので、それを3年間で、国内ネットワーク事業について13.5%まで投資抑制を図るよう考えています。

 総じて言いますと、Your Value Partner 2025というまとまりで、中期経営戦略、EPS成長50%アップをめざしていくというのが要旨です。長くなりましたが、私からの説明は以上です。

質疑応答

 本日、中期経営戦略について広範に話されたが、澤田社長が特に力を入れている分野を改めて教えて欲しい。

 EPSの50%増がメインの目標となります。それを支える上で、コストダウンも重要ですが、研究開発を強化し、成長投資をしていくことが個人的には重要なポイントだと考えています。

 NTTドコモが値下げを発表し、それによりNTTグループ全体でも減収減益になると思うが、それをどのようにカバーしていくのか。また、NTTドコモの値下げに対して、コスト削減など、NTTグループとして取り組むことがあれば教えて欲しい。

 値下げについては、中期経営戦略を策定するタイミングで将来的な値下げの影響をどう織り込むかが大きな議論でした。結果的には急に2〜4割の値下げをして、4,000億円の還元額あるいは影響があるように見えたかもしれませんが、そういう数字を反映しない中期経営戦略を策定するのは不誠実ではないかと考えました。
 反映すると5年後のEPS50%増の目標は一旦、厳しくなり、それを盛り返していくことになりますが、減収減益をカバーする方法として、まずはNTTドコモに頑張ってもらわないといけません。値下げにより、競争力が強化され、お客さまにとって良いサービスを提供することになるので、当然、競合他社のお客さまにNTTドコモに移ってもらうような作戦を練っていくことになろうかと思います。現実的に競合他社は、セカンドブランドがあるので思い切った値下げは難しいと思いますので、踏み込んでマーケットリーダーになるチャンスだと考えています。それによる減収分については、コストダウンや新しいスマートライフのデジタルマーケティング領域の売上増により利益の前倒しを図ってもらいたい。
 持株会社としては、NTTドコモの影響はありますが、グローバルやNTTデータなど、他のNTTグループ会社の頑張りを期待していますし、お願いしていかないといけない。
 更にNTTドコモ自身への支援を検討していかないといけません。
 その3つを重ね合わせて減収減益に対応していきたいと考えています。具体的な支援方法はこれから検討していかないといけませんが、中期経営戦略の中で、増益を図り、EPS50%増を必ず達成するというモデルを考えています。

 EPS50%増に注力されるということだが、利益の部分と自社株式の取得の部分とを分けて、それぞれどのように考えているのか。

 基本的には利益をベースとした成長を考えていきたい。自社株式取得については、これまでに約2兆円実施していますので、そのベースは視野に入れてやっていくとご理解ください。

 2019年にグローバル事業会社と国内事業会社とに再編するとのことだが、再編が売上高、コスト、利益、それぞれ業績にどのように影響するのかをもう少し具体的に教えて欲しい。

 再編は2019年7月となりますので、実際の貢献はそれ以降となります。年度ごとの貢献は算出していませんが、ターゲットとして設定した2023年度までに、70億ドルの収益増と利益率倍増をこの組織とNTTデータが生み出していくと想定しています。基本的には、非常に筋肉質でコスト効率の高いバックヤードを築いていくことと、非常に生産性の高い営業方法でお客さまに提案していくという、両輪を改善していきます。この組織のみではないですが、この組織をトリガーとして、海外の利益率を倍増するように変えていくというのが狙いです。

 成長投資2兆円の投資分野の具体的な内容を教えて欲しい。また今回、海外研究所を新設することについて、国内研究所との関係や再編など考えを教えて欲しい。

 2兆円の投資分野についてですが、現在、NTTドコモでは5G分野の研究開発、持株研究所では新しいネットワーク基盤、AI・IoT基盤の研究開発に既に取り組んでいるところです。2兆円の半分以上はこれらが含まれており、基本的にこの傾向は変わりません。かつ、SDN(Software Defined Network)など、各社がサービス開発に投資している分も含まれており、この額もあまり変わりません。変わるのは10%増額する部分で、革新的創造推進組織や海外研究拠点、グローバルイノベーションファンドの部分です。マクロで言うと、デジタルワールドを創っていくための要素技術になります。もう一つは、研究所のほうは将来を見据えた量子やAIなど、かなり先の技術開発に投資をしていくという構造になります。
 二つ目のご質問の国内研究所の再編はあるかという点ですが、現状は考えていません。むしろ上手く連携をし、相乗効果を出したいと考えています。日本側の研究所も開かれたグローバルな研究に変えていくトリガーにもなると考えていますので、再編は考えていません。

 NTTドコモから値下げにより減益が続くというアナウンスがあり、一時NTT本体の株価も下落するなど株価が暴落したことについて、どう受け止めているか。また、現在のNTTグループにおける利益面のセグメント配分は、NTTドコモが6割を担っているが、NTTドコモの減益影響を踏まえ、3年後・5年後にセグメント配分をどのように変化させたいと考えているか。

 株価下落については、混乱を与えてしまい、ご迷惑をお掛けしたと認識しています。NTTだけでなく、通信業界全体の株価が下落しましたが、まだNTTドコモは中期事業計画を設定しておらず、値下げのお客さま還元額をご説明したという段階ですので、減益額がどの程度か、どのような施策で対応していくのかはこれからの議論です。驚くような株価下落になってしまいましたが、増益を果たすように、色々な施策に取り組んでいきます。
 中長期的なセグメント配分についてのご質問ですが、基本的にNTTドコモは、2023年までに現状の利益ベースに戻すとしています。持株会社としてはこれを支援して、前倒しを図るようにしたいと考えています。色々な施策を講じるので、上限の4,000億円にいくことはなく、その減益分も他のグループで埋めるよう努めていきますが、中長期的にもまだNTTドコモの割合は多いと考えています。ただし、ポートフォリオでみると、不動産や海外領域の利益が高くなっていくので、長期的には分散化していくと思います。

 財務目標の海外売上高250億ドルについて、現状180億ドルと認識しているが、この増加分はどのように生み出していくのか。

 実績として、売上高は年間5%程度伸びています。現在の営業活動を継続してもそのくらいは伸びると見込んでいますが、新しい体制に再編をし、より効率的な営業活動を行うことで5%以上をめざす目標にしています。日本円にすると2.7兆円程度になりますが、場合によってはM&Aも含まれてきます。現時点でM&Aの具体的な数字はセットしていませんが、M&Aも絡ませながら、この目標を超えていこうと考えています。

 海外事業を伸ばしていくために、新しいグローバル事業会社が主力を担うと思うが、一方でNTTデータとの連携も非常に重要ではないか。NTTデータとグローバル会社の連携について、また将来的にNTTデータをグローバル事業会社に取り込んでいく考えがあるのかを教えて欲しい。

 (NTTデータの統合は)基本的には考えていません。NTTデータとそれ以外の会社ではマーケティングのモデルが異なっています。NTTデータは数少ない大きなお客さまに深く入っていくモデルです。そういうビジネスドライブをやる会社と、あとの2社はどちらかというと浅く広くお客さまに対応する会社なので、統合しても良いが、統合しても社内では別々の部門になると思います。(NTTデータは)上場したままで、グローバル持株会社の下にいれば連携はとりやすいし、それぞれの特長は活かせると考えています。あえて言いますと、再編会社が開拓したお客さまの中でも非常に親和性があるお客さまをNTTデータが更に深掘りしていくという成長モデルが連携により作れそうなので、ハイブリッドなマーケティングを進めていきたいと思っています。

 海外研究拠点の設立と、研究開発2兆円ということを打ち出した想いについて伺いたい。海外の大企業が非常に多額の研究開発費を出しているとか、あるいは日本の科学技術力が落ちているという指摘があるという背景の中で、NTTグループが基礎研究を強化する狙いについて伺いたい。

 近場の技術開発では海外の大企業の動きに勝てないという認識を持っています。現実、ソリューションという形で世界中のお客さまに提供することは可能ですが、やはりIP(Intellectual Property)、いわゆる知的財産を自分で持つことが利益を伸ばしたり、次の事業を広げたりするポイントになるので、視点を少し先に置いて、現在まだ開発が十分進んでいない分野の基礎的な研究に、世界の研究者と一緒に取り組んでいきたいと思っています。これは日本人だけではありません。先取りという形で、結果的には日本の技術開発力の強化の一助になれば良いという想いでもあります。

 海外のリサーチ拠点の作り方については、人材をどうするかというのがポイントかと思う。日本の研究所からの転勤ではなさそうだが、どういう人材を集めるのか。

 今月末のR&Dフォーラムで全容を発表したいと思いますが、基本的には研究といえども人と人とのつながりでもあるので、世界各地に日本から送るというよりも、そこにいらっしゃる研究者と連携しながら進めるという要素が強くなるのではと思っています。中には日本から行く研究者もいるとは思いますが、今、その設計をやっているところです。
 NTTの研究所には世界的な最先端の研究者やそれぞれの分野で世界的に認められている研究者がいます。そういう研究者は知己が多いわけですが、そのような研究者に参画してもらい、テーマを決めて基礎的な研究を行っていくモデルになります。ヒューマンコミュニティネットワークを使っていくということかと思います。

社長記者会見の様子

 NTTドコモの値下げの話について、先ほどマーケットリーダーになるチャンスという話があったが、そういう「攻めの値下げ」と捉えたらよいのか、あるいは政府からの要望を受けてということなのか。

 政府のあのようなご意見があるのも、市場あるいはお客さまの声の一つだという捉え方をしています。今回は、政府から言われたからやるという意味ではなく、自分たちが前向きに、ポジティブに、戦略的に取り組んでいこうという構造です。5Gの開始も1年半後に迫っており、市場が大きく変化しようとしています。また、安倍総理が「携帯電話代が高い」とおっしゃった2015年の秋から3年間で25回の値下げを行っています。トータルでは5,000億円以上の還元を既に実施していますが、なかなか理解いただけません。わかりにくいというのもあります。端末分離についての議論がありますが、2年や4年縛りをやっている以上、それはまだ端末分離ではありません。本質的な意味での端末分離が行われるときに、市場が大きく変わると思います。その時点に向けて前向きに取り組み、今までたくさんやってもなかなか認められなかった値下げ、還元をきちんと認めていただこうと、ポジティブな意味で捉えて取り組んでいます。その分、減収などへの対応も必要になってきます。

 他の2社は減収してまで値下げというのはなかなかやらないと言っているが、NTTは「攻めている」ということなのか、あるいは先ほど「公共性」という話があったが、そういった意味でNTTは違う立ち位置であるということなのか。

 そういうことではありません。NTTドコモがどう考えるか、持株がどう考えるかというのはあると思いますが、NTTドコモがどう考えるかというと、やはりそれは利益を担保し、増益構造を生みながら、値下げを推進していくということだと思います。ただし、タイミング的には5Gの投資など色々なものが集まって、時期的に減益になることも当然視野に入れながら進めるということです。減益せずに値下げをするという話は、あまり値下げをしないということとほぼ同じ議論かと思います。持株の立場からすると、値下げを判断したNTTドコモをどう支援するか、またNTTグループ連結決算も影響を受けるので、他の事業体からどう利益をあげていく努力をするかということになります。

 グローバル持株会社は11月のいつ設立されたのか。既に資料に記載されている体制に整理されているのか、まだ整理されていないのであれば、いつ整理するのかを教えて欲しい

 まず、グローバル持株会社は、ビークルをその名前に変えて体裁を直したのが8月7日です。NTTコミュニケーションズ、ディメンションデータ、NTTセキュリティ、NTTデータを配下にするために、株式を譲渡するというオペレーションが先週末に完了し、この形になったのが11月2日です。また、持株にいるグローバルビジネス担当のメンバーをこのグローバル持株会社に動かしました。幹部もみな兼務という薄皮の持株会社であり、グローバルを再編したり、連携を図ったりするためのビークルという位置づけです。

 グローバル持株会社の役員数や社外取締役の数など、ガバナンスの体制は今後どのような形を考えているのか。

 いま持株から私を入れて3名が兼任しています。また、グローバル持株会社の配下になるNTTコミュニケーションズ、ディメンションデータ、NTTデータの3社長には入ってもらい、それ以外に外国の幹部を数名と、場合によっては社外の方も入っていただこうと考えています。

 ガバナンスの点でいうと、NTT持株の方は外国の方が取締役になれないという規制がある。その解決策として、グローバルガバナンスとして、グローバル持株会社に機能を寄せたと思うが、外国人のトップを登用して役員にしていくということか。

 ポイントは2つあります。外国人の参画をしてもらうということと、実際再編される側の彼らがグローバル持株会社の幹部としても意思決定をしてもらうということ。そうした当事者参画を招いている組織です。

 NTTドコモの値下げに伴って、中期経営戦略における2023年度時点での営業利益や純利益について、どの程度の影響が出るのか、見通しを教えてほしい。また、持株のNTTドコモへの支援策をもう少し具体的に教えて欲しい。

 支援策の方はこれから検討していきますので、具体的に今日の時点でこれをやるというのは申し伝えにくいのですが、例えばグローバル調達会社が事業を開始しましたので、ここにNTTドコモが前倒しで参画してもらうように、また参画しやすいようにこちらから促していきます。また、NTTドコモと他社との間でコストがかかっているプロセスを、どちらかでまとめることで効率化をするといった、色々なものをこれから検討していきます。
 今回NTTドコモの中期経営戦略について議論はしましたが、基本的な事業計画は持株で推定しています。2023年においては、NTTドコモは現状レベルの業績に戻ると想定していますので、どれ位の利益レベルで、どうなっているかというのは、現時点ですと、色々なものが乗っていると見ていただくしかありません。2023年の利益レベルを今開示する考えはありませんので、ご理解いただきたいと思います。

 海外投資事業において、Vab Goel氏が率いるグローバルイノベーションファンド、およびデータセンター投資会社について、投資規模やターゲット層、案件数、パイプラインについて教えて欲しい。

 Vab Goelが運用責任者を務めるNTT Global Venture Capital, L.P.は、550億円ほどのファンドです。状況を見ながら資金を拠出していきたいと思っていますが、既に資金を入れていく相手がかなりいる状況です。どれ程のペースでどれ程の企業に資金を入れていくかというのは現時点で定かではありませんが、年間100億円以上は色々な所に入れていくと思います。Vab GoelはGoogleなどGAFAと言われる会社を辞めた方をネットワークしていまして、単に資金を使って入れていくというよりも、彼が持っている人脈を使って、そうした辞められた方がスタートアップする際に、私どもが対応していくような流れを作ろうと思っています。それから、データセンター投資会社については、これから作っていく世界各地のデータセンターの状況によりますので、投資規模をまだ明らかにしておりませんが、ひとつデータセンターを作るとすると100億円から200億円はかかります。現在、数箇所は必ず各地で作っていますので、大きい規模になると年間1,000億円レベルの資金を必要とするような母体になろうかと思います。

 外部から資金を募るということだが、声かけはしているのか。

 まだです。当初は、NTTグループの中でファイナンス系の事業をやっているところ、例えばNTT都市開発やNTTファイナンス、持株会社から協力して資金を準備し、次のステップでグループ外の方を招聘していきたいと思っています。対象となるのは新しいデータセンターの構築と考えていますので、そのデータセンターにお客さまが埋まってキャッシュを生む段階で、リート(のような財務的な手法)を活用するといったことも検討すると思います。

 グローバル持株会社の配下の「国内事業会社」というのは違和感があるが、例えば会社名はどうなるのか。

 国内事業会社は基本的にNTTコミュニケーションズと考えています。名前はまだ決まっていませんが、日系企業で日本発のグローバル事業を展開するお客さまには、国内事業会社が対応するという考え方です。日本発以外はグローバル事業会社が対応しますが、日本だけはユニークな部分もありまして、日本のお客さまが各地に色々事業展開される時のお手伝いを日本側からするという構造です。

 NTTドコモの4,000億円のお客さま還元について、単純計算として(契約者数)約7,000万人で割ると、1ユーザあたり500円位となり、そう大きくもないのではという気もしてくる。マーケットリーダーになるということ、またはセカンドブランドがないからという発言を聞くと、他の2社のセカンドブランドに匹敵するくらいの値下げをするべきではないかという考えか。値下げの水準について、考えを聞かせて欲しい。

 NTTドコモがこれから詳細を設計していくという段階ですが、考え方を議論したところでは、パッケージのような分かりやすいものにしようということと、これは政策動向にもよりますが、基本的に端末分離がきちんと入るならば、端末分離モデルを実現したいと考えています。2割から4割とNTTドコモが想定しているのは、セグメント別です。どういう使い方をされるお客さまから幾ら引くかという点をどう設計するかということかと認識しています。全部のセグメントに4,000億円を平たく平均にする訳ではなく、競争や不満の多いセグメントに入れていくということになろうかと思います。
 一例では、フィーチャーフォンから、スマホに乗り換えない層が1,700万加入程度いらっしゃいます。スマホ端末は中古で買えますが、回線がスマホになって料金が跳ね上がるのをどう下げるか。ひとつのセグメントですが、そこは大きく下げるといった設計を、NTTドコモがやっていきます。かつNTTドコモは競争会社ですから、他事業者の動きを見ながらどのような整理にするかというのは、これから始まると思っています。

 分離プランをやるためには、キャリア側が端末を販売している段階では難しいのではないか。

 まさにそれが、私どもが捉える次のマーケットの変化で、端末分離が来るうえには、SIMフリーも進めよということで、既に国から方針も出されています。今、本質的な意味では、端末分離プランを各社が入れているとはいえない状況です。各社とも端末と一緒に売っており、2年縛りや4年縛りがある訳ですから、それをなくすという議論になる時に大きなインパクトが来ると考えています。それに対して、NTTドコモが先に料金を下げることで顧客を獲得し、かつ次のモデルとしてのスマートライフを広げたい、こういう戦略を先週お伝えしたということです。額の多少よりも市場の変化が来つつある、それも今までやっていることとは違う構造です。

 2019年7月のグループ企業のあり方について、成長の軸はグローバルにあるとすると、グローバル事業会社と国内事業会社の成長度合いに濃淡が出てくるのではないかと想定しているが、どう考えているか。

 営業側と卸側を分けて考えています。NTTデータもディメンションデータも強い営業を持っています。グローバルのお客さまがかなりデジタル化に進んでいますので、それに対応していくことについて、能力は非常に高いです。国内が広がりにくいことについて、これからの話にはなりますが、サービス卸部分を分けて持ったり、寄せて持ったりすることになります。例えば、グローバル事業会社にサービス卸部分を寄せた場合、最新のサービスを日本で使えるようになりますし、国内事業会社の営業は日本で強いですから、それをうまく活用できます。逆に国内事業会社に寄せた場合、グローバル事業会社にスケールメリットのあるサービスを出すということになりますので、商品によって持ち方は違いますが、そういう整理をしています。営業は、各地各地でということになります。単に地理的に分けて、国内が厳しくなるといったことにはなりません。

 5Gインフラの構築について、5年間で1兆円では、需要に応じてという戦略ではないかと思う。今後のネットワークについて、固定を含めたネットワークの変化、研究開発含め、どのように進んでいくのか。

 5Gは、ソフトウェアで動く部分がかなりありますので、4Gの基盤の上に乗せるものと、一から作るものと二つ用意していくことになります。NTTドコモの場合、4Gは全国的に整備されていますので、そこに乗せていく分においては、5Gの投資はかなり小さいです。一方、5Gはアンテナ距離が小さいので、都市部などは多数アンテナを設置しないといけないことから、その分設備投資が出てきます。投資額自体が小さくなっているので、5年1兆円は、決して小さい額ではなく、かなりの整備が進むと感じています。全体のネッワークですが、5Gが進むということと、爆発的にトラフィックが増えていくことから、5Gの場合にキーとなるのは、固定の光ファイバー網をどう整備するかということです。日本の場合は、光ファイバーをかなり設置していますが、4社がうまく光ファイバーを使っていただけるような、アンダーレイと呼ぶトランスポートの伝送サービスを出していく必要があります。かつ、私たちが議論しているのは公衆網ですので、工場内あるいは船の上など色々な意味で広がった部分を考えると、エンドエンドはプライベートネットワークを含めた構造が必要になると考えており、それをオーバーレイと称しています。ネットワーク自身が3層構造であるトランスポートとネットワークサービスとオーバーレイに、必然として機能的にはなるのではないかと考えております。大事なのは、それを連携させるオーケストレーション力やAPI、ソフトウェア・デファインド技術です。研究所はそこにシフトをはじめており、ネトロスフィア構想を包含して新しいモデルの開発に入っています。

 KDDIと楽天が提携するということで、どのように受け止めているか。

 楽天は各社と色々と打合せしたと思いますし、NTTドコモの場合は、楽天にMVNOとしてネットワークを提供しており、ローミングとMVNOの両方をすることは複雑な部分がありますので、今回KDDIが楽天のローミングを実施することは業界構造的には合理的ではないかと見ています。

 台風といった災害が多くて、モバイルや固定は結構影響受けたかと思うが、金額としてどれくらい業績に影響があったのか。

 今年はたくさんの災害がありまして、交換機の水没、北海道の停電に伴う、釧路での初めて大ゾーン基地局提供、ケーブル敷設船の利用がありました。固定系について、長い間故障が継続したため、現時点ではグループ全体で120億円プラスアルファの故障修理費用がかかると見ていますが、グループ各社が事業計画を調整し、故障修理費用をふまえても増収増益です。さらに、強靭化をどう高めるかについて、新たに考えていかないといけません。

 革新的創造推進組織について、他組織とどう連携し、どのような取組みを進めていくのか。

 通常の営業というよりも提案型で、デジタル化されていく世界について、色々なお客さまの方のデジタル化をコンサルしていくように、取組みを進めていきます。

 B2B2Xモデルを進めるイメージか。革新的創造推進組織は会社となるのか。

 B2B2Xモデルのより大きなものと捉えていただいてかまいません。グローバル持株会社の組織としていれたいですが、会社組織にした方が各社が連携しやすいかもしれません。これから検討します。いずれにしましても、来年の夏までに整理します。

以上

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2018年度 第2四半期決算について 
NTTグループ中期経営戦略『Your Value Partner 2025』