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社長記者会見

2019年5月10日(金)

社長記者会見の写真

2018年度決算、2019年度業績予想について
澤田代表取締役社長
(同席)廣井取締役財務部門長
    北村取締役経営企画部門長


会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(澤田社長)

 2018年度の連結決算の概況について、ご説明いたします。
 一言で申しますと、営業収益・営業利益は増収・増益です。ともに2期連続で過去最高を記録しています。営業収益は約1,000億円、営業利益は約500億円の増です。2017年度にNTTドコモのタタ仲裁裁定金収入があり、持株には500億円ほどの増影響がありました。その一過性のものを除くと当期利益も67億円の増益です。EPSも15円増、海外売上高も6億ドル増、わずかではありますが海外営業利益率も0.1ポイント改善しています。
 次に、セグメント別の決算状況についてです。
 営業収益は、データ通信事業と移動通信事業が主に収益を押し上げている構造となっています。営業利益は、その他事業のみ減少していますが、それ以外の事業は全て増益となっています。その他事業の特筆すべきものとしては、NTT都市開発において2017年度に一過性の収入計上があり、利益が下がってみえていますが、基本的には問題のない構造になっています。

 次に2019年度業績予想の概要についてご説明します。
 連休前のNTTドコモ決算発表でご案内していますが、営業利益はNTTドコモで1,800億円の減益の発表がありましたが、移動通信事業以外の事業で400億円ほど増益をめざし、トータルで1,400億円ほどの減益計画となります。
 営業収益は、大きくNTTドコモで落ちていますが、後ほどご説明しますが、連結子会社化したエネットの影響もあり、500億円の減収計画となっています。
 ポイントは当期利益ですが、エネット連結子会社化の影響等により、当期利益上は2018年度とほぼ同じ8,550億円で計画をしています。営業収益・営業利益は減収減益計画ですが、株主の皆さまへ影響を与える当期利益は2018年度水準を維持するという計画です。結果、EPSも16円改善する構造になっています。

 NTTドコモの決算発表で、2019年度を底として、早期に利益回復に努めるとNTTドコモの吉澤社長からも発表がありましたが、当然NTTグループとしてもグループ全体で早期の利益回復をめざします。

 次に、セグメント別の業績予想についてご説明します。
 営業収益は、増収しているその他事業の中には、エネットの子会社化により約2,500億円の増収が含まれています。営業利益については、NTTドコモ、移動通信事業の減益をそれ以外のセグメントでカバーしようと努力し、それぞれ増益計画となっていますが、全体でNTTドコモの減益分をカバーするまでには至りません。

 続いて、昨年の11月に発表させて頂きました中期経営戦略の取り組み状況をトピックスとしてご説明させて頂きます。

 中期経営戦略で掲げた10の取り組みについて、既に報道発表などでご案内のものは説明を割愛させて頂きます。

 まず、「1.B2B2Xモデル推進」について、2018年秋の段階では、プロジェクト数は13とお伝えしていましたが、2018年度末で39まで増やしています。2021年度で100という目標を掲げていますので、順調に拡大しています。更に売上目標を2023年度で6,000億円に設定しています。この数字は初めてお示しする数字ですが、この目標については、関係のNTTグループ企業が集まり、私を代表とするB2B2Xモデルの推進会議を開催し、合意形成をはかり、今後ドライブをかけていきます。

 「2.5Gサービスの実現・展開」、「3.パーソナル化推進」については、既にご説明している項目ですので、割愛させて頂きます。

 「4.グローバル事業の競争力強化」については、後ほどご説明いたします。

 「5.国内事業のデジタルトランスフォーメーションを推進」の中で、新たに物流業務について、NTTグループで利用する物品などについて、共同配送や倉庫統廃合を2020年度より順次開始し、新しい施策として進めていきたいと考えています。

 アセットの関連の、「8.人・技術・資産を活用した新事業の取り組み(旧:不動産利活用)」について、私の説明の後に、NTTアーバンソリューションズ準備会社の中川社長から2025年度までに6,000億円の収入規模をめざしている中期ビジョンについてのご説明をさせて頂きます。

 それから、スマートエネルギー事業について、「NTTアノードエナジー」を設立します。アノードは直流の陽極の意味となります。直流を基本とした会社にしたいため、本商号にしています。6月3日に設立し、社長は当社代表取締役副社長の井伊が兼務いたします。

 更に、社会インフラを中心とした空間情報のデジタル化、またそのデータを蓄積する事業を展開するため、現在NTT東日本の子会社であるNTTインフラネットを、7月に持株会社の直接子会社化します。その後、色々と整理をし、スマートインフラ事業を展開していきます。

 後ほども説明いたしますが、「NTTライフサイエンス」という企画会社段階ですが、7月にゲノム情報を利用したメディカルサイエンス、特に生活習慣の改善方法などのレコメンド提供事業を行うために、新会社を設立します。

 「9.地域社会・経済の活性化への貢献」について、NTTアーバンソリューションズ準備会社の中川社長の後に、NTT東西の井上社長、小林社長から地方創生への具体的取り組みについて、ご説明いたします。

 「10.災害対策の取組み」について、特に台風災害時の初動対応強化のため、6月からになりますが、これまでの設備故障状況や今までの台風の進路、被害などの情報を重ね合わせ、AIを用いて初期対応の予測をたて、それにより故障への迅速な対応を実施します。更に災害時には、NTT東西・NTTドコモからの情報流通が必要となりますが、これまでは日本語だけだったのですが、災害時に発信する情報の英語対応化を4月に完了しました。

 後ほど説明するとお伝えしました「4.グローバル事業の競争力強化」について、ポイントは、社名を「NTT Ltd.」とし、NTTのグローバル持株会社「NTT, Inc.」の子会社としてロンドンを本社に設立します。なぜロンドンかというと、複数の都市を比較し、税制的な面やIT人材が集めやすいという環境などを踏まえ、IT関連ビジネスに適しているという判断をしました。Brexitのネガティブな要素もありますが、中期的にみれば、イギリスは世界経済の中に戻ってくると考えており、ロンドンが本社拠点として適切だと考えています。事業内容は、NTTコミュニケーションズの海外部分、ディメンションデータ、NTTセキュリティを統合し、マネージドITサービスを中核とする事業会社となります。この会社とNTTデータのSI事業を連携させてグローバルビジネスに臨んでいきます。社長は、現在のディメンションデータ社長のJason Goodallです。取締役6名中4名を海外の方、日本人は2名とし、グローバルベースで動く会社としていきたいと思っています。

 次はスマートエネルギー事業です。6月3日に会社設立を予定しており、9月に事業開始します。まず免許申請を行います。また、エネット(大阪ガス、東京ガス、NTTファシリティーズの合弁会社、電力の小売を企業向けに事業展開)を連結子会社とし、中期的にはNTTグループにおけるエネルギー関連事業の売上規模を、現在の約3,000億円から、2025年度に6,000億円規模まで倍増させることをめざします。

社長記者会見の様子

 次にメディカルサイエンス事業についてご説明します。NTTグループとして、健康・医療データを解析することにより、健康経営を実現します。その鍵となる会社を新たに設立します。これまでNTTグループが培ってきたICTの技術力の活用やアライアンスパートナーとの連携を通じて、ヘルスケアデータを分析し、レコメンドできるようにソリューション化していきます。当面の対象はNTTグループの社員としますが、色々なパートナーの方の職域、社員の方でパーミッションをいただける方にも提供していきます。現在アライアンスパートナーの方からも複数、一緒に事業をやっていきたいという声を頂いています。今年度はそういうものを仕込んでいき、プラットフォーム化を構想しつつ、拡げていきたいと考えています。

 次に、6月25日の株主総会に付議する予定の新任取締役候補として3名を追加しようと考えています。現在、当社に12名の取締役がいますが、そのうち社外の方を2名足し4名、社内の方を1名足し11名とします。社外の方1名、社内の方1名は女性を予定しています。これにより独立社外取締役が、15名中4名と26.7%の比率に上がります。女性は初めての登用となり、15名中2名の約13%となります。ダイバーシティやコーポレートガバナンスにより配意した経営をいたします。

 最後に、株主還元についてご説明します。2019年度の配当については、対前年10円増の年間1株あたり190円とすることを本日の取締役会で決議しました。これにより、2011年度から9期連続の増配となります。併せて、取得総額2,500億円を上限とした自己株式の取得についても決議しました。取得期間は7月末までを予定しています。政府が財務省保有の株を売却すると予算に計上されていますが、売却時期は未定ですので、これに先行して自己株式の取得を実施いたします。

 私からの説明は以上です。

質疑応答

 収益源の確保として、グローバル事業、電力、ライフサイエンスと出てきている。電力が恐らく一番収益化の見通しが近いのではないかと思うが、それぞれの3つについて収益化の見通しおよび将来的な規模がどれくらいになり得ると見ているのかお聞かせいただきたい。

 今ターゲットにしているトップライン、収益の考え方について、不動産は2025年で6,000億円をターゲットにしており、エネルギー事業も同じく6,000億円をターゲットにしています。ゲノム関係の事業は、まだ数的な目標を立てていないというのが現状です。利益率の方はまだコスト構造が明確に整理できていない部分もありますので現時点では公にさせていただくものはありません。
 海外の方は2023年を目標に250億ドルを目標にしています。今日の発表資料では2018年度が189億ドル。4年後に250億ドル。自然体でも5%位伸ばしてきていますので、十分射程に入る数値だと考えています。利益率が2018年度で3.2%なのですが、これを7%まで上げるというのが中期的な目標になります。

 2019年度の業績予想について、NTTドコモの減益について先程決算上の説明はあったが、もう一度具体的にどのようにグループとしてカバーしていくのかということと、回復の見通し、2019年度を底として2020年度には回復するのかといった数値的な見通しについて伺いたい。

 NTTドコモの減益ですが、1,800億円強の営業利益の減が見込まれています。400億円を他社、NTTデータやNTTコム、NTT東西の増益でカバーして、連結では1,400億円というのが2019年度に減益する幅として捉えています。当期利益としては昨年とほぼ同じ状況を実現します。つまり、営業利益はグループ全体としては下がりますが当期利益としては同程度というのが2019年度の計画です。
 個々のセグメント、例えば1,800億円の中身についてはNTTドコモから発表があったとおりで、地域通信事業が約200億円アップ、長距離・国際通信事業が約100億円アップ、NTTデータは昨日発表のとおりほぼ同じで、都市開発などのその他事業が100億円近くアップということで、それぞれが少しずつ頑張ってアップしているというのが現状です。

 その中でもここが伸びそうだというのがあれば、教えて欲しい。

 (2019年度は個々のセグメントで将来の成長に向けた一過性の費用増を見込んでいます。)例えば地域通信事業は実は建物の有姿除却はしているが、撤去しないといけないという環境条件で撤去したりするもの、あるいは将来に向けて先に費用を使うものが500億円位あります。長距離・国際通信事業についても、グローバルの再編の費用を織り込んでこうなっています。NTTデータはヨーロッパ、南米の再編などを進めるためのコストと新しいソリューションを作るためのコストを一時的に見込んでいます。全部合わせると1,000億円レベルのポテンシャルがプラスアルファとしてありますが、計画としてはこういう構造で現在走らせていきたいと考えています。

 米中の対立について、関税が25%に上がったことについて、御社や業界への影響、日本経済への影響など広く考えを伺いたい。

 Brexitの折にもお話させていただいていますが、NTTグループ全体に対しては直接的な影響よりも間接的な影響が生じるのではないかと思います。言い方を変えると、私どもがサプライチェーンを持っている訳ではありませんので、直接的な関税の影響はありません。ただ、私どものお客さまがその結果、IT投資を抑制されたりするというような間接的な影響が大いに考えられますので、よく注視していくべきだと考えています。日本全体、世界全体に対しては答える立場にありませんが、これはかなりインパクトのある、例えばサプライチェーンの組み換えなど、色々な意味で構造変革が進むトリガーになるのではないかと感じています。

 一連のスマートエネルギー、ライフサイエンス、スマートインフラのところで、新しい戦略なり会社設立なりを発表しているが、改めて2019年度の方向、AI、IoTの普及に対応したどんな風な年にしていくのかというところを教えて欲しい。

 昨年11月に中期経営戦略を発表し、2019年の年が明けた折にも、節目節目で持株会社の社長として日本語バージョンと英語バージョンでの定期的なビデオメッセージを(社内向けに)出していますが、その際にも2019年は改革をスタートさせる、施策を実行させる年と位置付けています。色々な会社や合弁会社を作ったり、事業を立ち上げたりといった施策を発表させていただいていますが、初期の段階、そういう年だと見ています。中期計画は3年、5年、7年のそれぞれの節目で、施策の目標感を整理しており、その中でのスタートの年というのが2019年です。

 スマートワールド構想の実現に向けたスタートの年ということでいいのか。

 そういうことになります。ただスマートシティ構想も非常に幅広い概念になりますので、その中で私どもが全部やれるという構造ではないので、パーツでお手伝いしていくという意味ではありますが。

社長記者会見の様子

 スマートワールド構想が去年の中期経営戦略発表の際にあったが、残るスマートモビリティ、スマートファクトリー、スマートスポーツ、スマートアグリ、その辺の部分での今後の戦略、例えば今回のようにソリューション毎、分野毎に専門的な会社を立ち上げて事業を進めていくのか、それとも現状各グループ会社がやっている事業を発展、継続させていくのか、現時点で答えられる範囲でお聞きしたい。

 スマートワールドそのもの、例えばファクトリーの議論ですと既にファナックさまと一緒に販売を実際に市場でやっており、次のモデルも検討、研究に入っています。農業に関しましてもドローンを使った福島での例や、今日、NTT東日本が発表しますが、農業に関するソリューションの例を含めて、色々ございます。スポーツについても元々Jリーグと組ませていただいたり、あるいはツールドフランスなどのテクノロジー支援もやっていたりしている部分もありますので、そういったものを拡張していく時期になります。モビリティとおっしゃった部分はなかなか難しいエリアでもありまして、NTTドコモが既に商用バスをスタートしていますが、持株全体としてはより中期的な目で物事を見ており、トヨタ自動車さまとも基盤の研究を継続している状況です。会社を作るのか各社がやるのかというのは両方で、パートナーの方が自分でやるのを手伝ってと言われればそういう位置になりますし、一緒に合弁をとなるとそういう位置にもなります。地方創生といったものにも配意していきたいので、会社を作る例も多くなると思います。

 NTTドコモに今期逆風が吹く中で新会社の設立など矢継ぎ早にあったが、新しい収益源の開拓が喫緊の課題となっているという認識なのか。また、今後も新しい領域で新会社を続々と立ち上げるといった計画をあたためているのか。今後の方向感を含めてお聞きしたい。

 新しい収益源を立ち上げる、というのはそのとおりですが、それ以前に特に旧来からのNTTドコモ、NTT東西を含むネットワーク事業、あるいは既存事業のデジタルトランスフォーメーションをきっちりやらなければなりません。人が少なくなる中でプロセスを変えて生産性をあげていくというのがベースになります。あわせて新規事業をどんどん開拓していく。種としてはあります。しかし、これも全て収入が上がっていくわけではないでしょうから、両方走らせる必要があります。生産性向上、コスト削減をやりながら新しい事業を立ち上げてハイブリッドで進める必要があります。

 新規事業については、例えば医療やエネルギーなど、通信と非通信の分野の融合というような形になるのか。

 世の中一般的に言われるデジタル化やデジタルトランスフォーメーションというのが、ICTの技術やデータの技術を既存のビジネスやバリューチェーンに入れることで新たな付加価値を生む、という定義だとすれば、そういうほとんどのエリアでお手伝いができるという視点で見ています。必ずそれはICTが咬むという前提です。

 B2B2Xについて今回6,000億円の売上高の目標を出したということだが、具体的にB2B2Xにおいて何が収益に貢献する期待が高いのか、教えて欲しい。

 これはそれぞれになってしまうのですが、大きく分けるとすごく平板な話ですが、システムやアプリケーションを作ること、ネットワークやデバイスを組み合わせること、それからこの2つをメンテナンスするということです。中身は色々なものがあります。弊社グループに特化したものと、パートナーの方と一緒にやるものの両方があります。

 今日国会で、改正電気通信事業法が成立したが、それに対する所感をひとつお願いしたい。また、完全分離によってますます土管化が進むのではないかという指摘があるが、そのあたりの考えも聞かせて欲しい。

 まず、事業法についてです。前の発表の時、あるいは節目節目でお話をしていると思いますが、私自身は分離方式が必要だと思っていたので、今回は喜ばしく思っています。それはなぜかというと、市場が歪な構造になってしまっていたと思うからです。端末とネットワークを括り付けることで、非常に人気のある端末をお客さまが選ぶこととなり、それを3社ともやってしまうことで、他のモデルがなかなか成り立たない。そうすると自社へのロックイン、要するに囲い込みの競争だけになります。電力でも、私どもの電話でもありましたが、A社のお客さまをB社が取る、B社のお客さまをA社がとるという競争でしかなくなってしまいました。本質的な意味で世の中やお客さまに付加価値を与えられる構造にしていくべきだと思っています。分離をすることで端末は端末で広がるべきで、キャリアはキャリアでもっと良いサービスを広げていくべきだと思っています。2つ目の質問でおっしゃった「土管化」ということにはならないと考えています。たしかに携帯電話を「つなぐ」という機能だけでは土管化ということになるのかもしれませんが、実はつなぎ方にも色々とあるわけです。さらにそこに5Gが出てきて、遅延なくつなげられるとか、多くつなげられるといった途端に次の付加価値が分かれるはずです。そこまでのサービスの知恵と市場開拓というのがこれからの構造で、その前提として分離型の法律が必要だろうと思っています。

 今期の見通しに関して、NTTドコモが新料金プランで1,800億円減益するということで、それをカバーするために努力されるという説明があったが、設備投資や研究開発にいくらか圧縮するような影響が出るのかどうか教えて欲しい。また、設備投資額について、ここまでの数字については資料に記載があるが、もし今期の見通しがあれば教えて欲しい

 2018年度の設備投資実績は1兆7,200億円の計画より230億円ほど落ちて、1兆7,000億円ほどでした。2019年度は1兆7,500億円で設定しています。ただこの増える500億円の中には5Gが入っています。ドコモは他を落として5Gを入れて、トータル的には2019年度は少し落とす形になっていますが、データセンターや建物、そういうものもありますので、トータルで1兆7,500億円というのが今の計画になっています。落としていくのか、落とさないのかというと、CAPEX to Salesを2018年度と2019年度を比べると0.1ポイント悪くなりますが、2021年に13.5%以下という目標を立てていますので、基本的には設備投資は抑えます。

 新規事業のエネルギーについてです。2025年度に6,000億円ということだが、現在どのくらいの数字で、どのくらいのアップになるのかを教えて欲しい。また、NTTグループ全体だと利益の6割をNTTドコモに頼っているという構造かと思うが、こうした新規事業を拡充することによって、2025年度にはNTTグループの中でどのような利益配分割合にしたいかというイメージもあれば教えて欲しい。

 不動産で言いますと4,000億円が6,000億円、電力で言いますと3,000億円が6,000億円です。今日は書いていませんが、コンテンツだと1,000億円が3,000億円です。これが2025年の目標値です。おっしゃるとおり、収益もかなり新規事業側にシフトしたようになります。NTTドコモの営業収益が落ちて、エネットが連結に入りました。利益はNTTドコモが6割というのはおっしゃるとおりですが、これもシフトしていきます。但し、先ほども申しましたとおり、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモの生産性向上やデジタル化も合わせて行いますので、新規事業にかなりシフトしてバランスが変わるというのは言い切れません。また、2025年の時点での比率はオープンにしていません。色々な考え方がありますので、両睨みでやりたいと考えています。

 澤田社長が就任してもうすぐ1年、その間にグローバル再編や不動産再編、自らのDX化などかなり改革に手を打ってきたかと思うが、この1年のご自身の評価を教えて欲しい。

 グローバル再編など色々とやらせていただきましたが、まだまだ。スタートしたところ、という感想です。

 100点満点でいうとどのくらいか。

 低いです。60〜70点くらいでしょうか、努力してまいりたいと思います。

 新規事業回りのことについて伺いたい。NTTは事業を一から地道に作り上げていくようなイメージがあるが、世界的にはネットワーク効果が効きやすいプラットフォーマー的なビジネスモデルが増えていく中で、一気に資金を集めてスケールしていくような時代になっていると思うが、いわゆる投資、M&Aやコーポレートベンチャーキャピタルなどを活用してもっとスピード感を上げるとか、予算を増やすという考えはないのか。

 答えから申し上げると、スケールを追及する施策を採る考え方はありません。それは我々の性格では難しいと思います。11月にお伝えしたビジョンでも、“TRUST”とか“INTEGRITY”をベースに置いており、やはり誠実に積み上げていきたい、きちっとした質の良いサービスを出したいというのが前提にあります。その結果スケールを避けることになるので、全世界的なプラットフォーマーとは同じ土俵では戦えないということになります。ただ、経済というのは循環しますし、現在は世界でお金が余っている構造だと思います。また、先ほどの関税の議論に見られるように、ゲームチェンジが始まっているようにも思います。そういう意味では、きちっとした自己を固めていく戦略もひとつ意味があるかなと。さらにもうひとつ言わせていただくと、そういうプラットフォーマーの方のパーツを私どもが提供しているケースも全世界であるということをお伝えしておきたいと思います。したがって、パートナーでもあるということです。

 個人情報の提供に対価を支払う情報銀行について聞かせて欲しい。企業に対して、政府のお墨付きを得られる認定が近く出て、この仕組みを使ったサービスが登場する見通しだが、NTTグループとして新規事業化などは検討しているか。もし検討しているとしたら、どのようなサービスを想定しているか、ロードマップなども含めて教えて欲しい。

 基本はB2B2Xモデルでお手伝いをする側だと思っています。現在は、NTTデータがそういう事業体の方をサポートさせていただいています。これが基本です。自身が情報を囲い込んで、それを加工してソリューションを出すということはあまり強く考えていません。特にスマートシティ関係ですと、札幌市やラスベガス市の例にあるように、自治体が情報を持つべきだと考えて対応しているので、情報銀行の概念とは少し違う風景を見ているのかもしれません。

以上

関連情報
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