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社長記者会見

2019年11月5日(火)

社長記者会見の写真

2019年度 第2四半期決算について
澤田代表取締役社長
(同席)廣井取締役財務部門長
    北村取締役経営企画部門長


 会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(澤田社長)

 はじめに、台風15号・19号をはじめとした、日本全国における大規模な災害により、亡くなられた方々へのお悔やみ、また、被災された方々へのお見舞いを申し上げます。
 NTTグループは、全力で通信確保に向けた復旧や支援活動に取組んでいます。携帯電話についてはほぼ復旧が完了しており、固定電話に関しても全復旧ができる状況となっています。
 このような大きな災害は、情報インフラを預かるNTTとしてもこれまでに経験したことのない規模ですが、後ほど具体的な災害対策についても説明させていただきます。

 2019年度の第2四半期連結決算の概況についてご説明します。

 一言で申しますと、増収減益となっています。
 営業収益は、3期連続で過去最高を更新しています。ただ営業利益は、当初計画に織り込み済みですが、前年度に比べて879億円の減益となっています。なお、上期の計画は開示していませんが、営業収益、営業利益とも計画を順調に上回って推移している状況です。
 営業利益は、ドコモのモバイル通信サービス収入減に加えて、海外事業におけるグループ再編に係るコストがあり、対前年減益となっています。
 海外営業利益率は、0.9%減になっています。デジタルオファリングなどの成長投資に加え、高付加価値サービスへのシフトの遅れ、ブランド強化のための費用増などにより、今年度の一過性のものではありますが、少し営業利益率が下がっている状況です。海外売上高は好調で、再編がありましたが、4.6億ドル、約5%の増加となっています。

 次にセグメント別の状況です。
 営業収益について、長距離・国際通信事業、データ通信事業の増収に加えて、その他事業におけるエネットの連結子会社化による増収影響により、移動通信事業と地域通信事業の減収を補って、上回っている状況です。
 一方、営業利益ですが、移動通信事業についてはドコモの決算発表のとおり減益です。地域通信事業については、第2四半期時点では減益となっていますが、年間トータルでは反転していくことを見込んでいます。長距離・国際通信事業については、海外事業における再編コストなどがあり、対前年減益となっていますが、今後、利益成長に向けて、構造改革を推進していく考えです。データ通信事業、その他事業については、省略します。

 続いて、通期業績予想です。
 営業収益については、ドコモにおいて上期のモバイル純増獲得が想定よりも好調だった影響、および端末機器収入が、昨年度よりは減少しているものの計画より上回っている状況であり、600億円の上方修正をします。
 一方で、営業利益については、端末の粗利があまり大きくなく、収入の増に伴い販売に関連した費用が増加していること、スマートライフ領域の強化策、また楽天の携帯事業参入タイミングへの対処も考慮し、利益計画の見直しは行いません。

 中期経営戦略で掲げた取組みについて、主なトピックスを報告します。

 B2B2Xモデルの推進についてです。プロジェクト数は3年で100をめざす計画ですが、現時点でプロジェクト数は54まで増加しています。昨年度の第2四半期決算で計画を発表してから41増加しています。
 例えば、ドコモにおけるレンディングプラットフォームの提供、NTT西日本にてコンタクトセンター向けにVOC(Voice of Customer)データを分析するソリューションの提供などです。

 5Gサービスについては、9月20日から5Gプレサービスを開始しました。ラグビーワールドカップ2019では、高臨場ライブビューイングなどを提供させていただきましたが、2020年度第1四半期には各47都道府県に最低1基地局、2021年6月には1万局を設置したいということで、前倒しを考慮しています。

 自らのデジタルトランスフォーメーションです。

 今年7月にNTT Ltd.が営業を開始しました。10月1日には、海外子会社の社名を「NTT」を冠する社名に、ロゴをNTTロゴに変更しました。各国にある孫会社についても、「NTT」を冠する社名への変更を12月末完了予定で、全体をNTTブランドに統一する動きを進めています。さらに、現在のプロダクトセールス中心からマネージドサービス中心へ会社の主体をシフトすることをめざし、構造改革を推進していきます。これに伴い合理化や業務改革を進め、改善を図っていきます。また、グループの経営高度化に向けて、クラウド型の統一ERPの導入を2年かけて進めていきます。大きなチャレンジですが、今回計画を立てています。

 スポーツ関係の世界的なパートナーシップですが、9月にMLBとテクノロジーパートナーシップを締結しました。IndyCarやツール・ド・フランスの支援をしてきましたが、これに加えてMLB、日本ではJリーグと、スポーツの高度化についてもさまざまな支援をしていきます。今後も、NTTの技術力を活かした新たなファン体験を提供していきたいと考えています。

 国内事業のデジタルトランスフォーメーションの推進について、IT化を加速しています。サービスの申込受付から利用開始、料金請求までのオペレーションの自動化を実現するため、クラウド型のITシステムを、2024年度までにNTT東西、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモに共通的に導入していきます。NTTドコモのマス向けについては別システムになりますが、それ以外のシステムについては、4年半をかけて共通システムとして統合していきます。
 さらに統一ERPを、4年をかけて国内の事業会社にも導入していきたいと考えています。
 RPAについては、自らにも導入し、お客さまにも推奨しています。2019年第2四半期の時点で、ロボット数は1.7万ロボット、対前年42%増、業務プロセス活用数は1,500と、3倍に増加しています。既に4,000社を超えるお客さまにRPAを導入いただいており、今後もRPAの導入を進めていきます。

 人・技術・資産を活用した新事業の取組みについてです。

 まず研究開発の強化・グローバル化ですが、10月31日にインテル、ソニーとともにIOWN Global Forumの立ち上げについて発表しました。この3社がIOWN構想のデバイスを中心としたコアメンバーとなり、今後の展開を拡げていきたいと考えています。
 さらにIOWNの「W」はWirelessという意味ですが、その部分で本日、JAXAとの共同研究を発表しました。地上と宇宙をシームレスにつなぐ、光・無線通信インフラ、宇宙光無線通信技術を開発していきます。また、リモートセンシングや人工光合成などの新しい技術開発をJAXAとともに実施していきたいと考えています。
 直流送電の実証実験については、NTTアノードエナジーと共同で2020年3月に千葉市において開始したいと考えています。

 NTT東日本の子会社であるNTTインフラネットを7月に持株会社の直接子会社にしました。スマートインフラプラットフォームを提供したい、つまりインフラデータを一元化して、3D化し、他の事業者にも使ってもらえるようにしたいということです。さらにNTT東西の合弁会社であるNTT空間情報を12月にNTTインフラネット傘下に再編することを予定しています。これにより、実際の土木設備と地図上のデジタル情報を結び付け、AIなどを実装し、ロケーションデータ・ソリューションを提供していきたいと考えています。
 NTTアーバンソリューションズが、「レアル・マドリード・ファンデーション・フットボールスクール・ジャパン」のエグゼクティブスポンサーに就任しました。このスポンサーシップを通じて付加価値をさらに向上させた街づくりに取組んでいきます。

社長記者会見の様子

 地域社会・経済の活性化への貢献についてです。
 NTT東日本が食品を扱う企業様向けの「IoT温度管理サービス」をスタートしました。
 さらにNTT西日本がアプリケーションを共同利用する「地域創生クラウド」を京都エリアから大学向けにスタートしています。
 また、NTT東日本において、地域文化芸術資源の保存、伝承、さらには地域創生のために文化財のデジタルアーカイブの支援をしていこうという取組みをはじめています。NTTコミュニケーションズが野村万作様の3D化、NTTデータがバチカン図書館や高野山大学というようにいろいろと取組んでいますが、総体的にNTTグループとして、文化財のデジタル化を推進していきます。

 災害対策の今後の取組みについてです。ポイントは、設備の強靭化と復旧対応の迅速化の2点です。
 設備の強靭化については、停電対策として今年度中に中ゾーン基地局を1,700局から2,000局に増やします。EVについては、2030年までに社用車を100%EVにする計画ですが、これを前倒しして、基地局の停電対策などに利用していきたいと考えています。また、NTTグループが保有する約400台の移動電源車の一元管理をしていきます。さらにケーブルの地中化やワイヤレス固定電話などの新しい方式の検討に取組んでいきます。
 復旧対応の迅速化については、既に活用を始めていますが、事前に台風などの災害予測から故障予測を行い、対処する故障修理班を事前に配備します。例えば宮古島に台風が接近したケースでは、海が荒れる前に故障修理班を送り込みました。今後は各地において、復旧班の交流も必要になってきますし、事前対処を実施していきます。OB社員の活用や公衆電話BOXへのWi-Fiと蓄電池の設置、出張113の開設などの対策も講じていきます。

 最後に、株主還元についてです。
 一つは、政府からの取得などにより、第2四半期に2,511億円の取得をし、今年度トータルで5,011億円の自己株式取得をしています。
 今後も機動的に自己株買いは実施していきますが、特に個人株主様向けの新たな取組みを二つ実施したいと考えています。
 当社の個人株主様は、約15%の株主比率になります。ピークが2001年度の24%でしたので、かなり少なくなっています。これまでも個人株主様向けの会社説明会や夜間のWeb説明会などを実施してきましたが、減少傾向に歯止めが掛かっていないため、まずは投資しやすい環境をつくるということで、1株を2株に株式分割します。効力の発行は、2020年1月1日を予定しています。本日の株価は5,500円まで上がっていますが、2,750円になります。単元株で買えますので、現在55万円で買えるところ、半額の27万5千円で購入できることになります。東証のガイドラインでは望ましい購入単位は50万円未満となっていますので、その半額程度で購入できるようになります。
 もう一点は、dポイントの進呈です。大体2年目くらいまでにNTT株を売却される個人株主様が多いことから、2年目に1,500ポイント、5年目に3,000ポイントを付与します。ただし初年度の今回については、2年以上5年未満の方は1,500ポイント、5年以上の方には4,500ポイントを進呈します。基準日は来年の3月31日です。

 私からの説明は以上です。

質疑応答

 災害対策に関して伺いたい。EVを活用した基地局の停電対策のところで前倒ししたいと言っていたが、具体的にどの程度前倒ししたいのか。

 前倒しの量は、まだ全部整理できておらず、これから積み上げる状況ですが、総数は8,000台規模を見込んでいます。今はまだ100台くらいしか入っていません。極力前倒ししていきます。

 JAXAとの共同研究の件だが、BtoBというよりはBtoC、例えば、個人で携帯を利用している人がどういう便益を受けられるのか、メリットを教えて欲しい。

 まだユースケースまで議論ができているわけではなく、これから研究するものですが、例えば、報道発表資料に書いてあるMIMO、マルチインプット・マルチアウトプット方式で宇宙間通信を実現し、これによりいろいろな周波数を合同させて、通信のブロードバンド化ができます。今、宇宙通信自体は非常に細い線で飛ばしているような状態ですが、もしブロードバンド化ができると非常に高精細な画像そのものを送れますし、衛星間通信にもそういう状況データを送り合えるようになります。それにより、例えばリモートセンシングとか、あるいは気象の正確性とかそういうものがB向けには出てきます。その効用をCとして受けられる部分が一つあります。さらにどこまでできるかわかりませんが、災害時に個人の方に対して、宇宙と地球の間で補完通信を提供するようなことを考えていきたいです。この通信方式ができると、例えばHAPS(高高度擬似衛星)にしろ、静止衛星にしろ、いろいろなものにも適用できると考えられますので、適用範囲をどんどん広げていくことができると考えています。

 災害の関係だが、今期上期までに災害対策費用として業績に与えたインパクトはどれくらいか。また、災害対策のところで設備の強靭化と対応の迅速化を実施した場合に、NTTグループとしてどのくらいの投資、費用がかかるのか。

 費用は今もまだ出ており、各社の集計ができていませんが、50億円は超えて、今のところで約80億円です。100億円まではいかないと思いますが、そのくらいの規模感にはなると思います。
 施策の投資額、費用については、非常に幅があります。例えばケーブル地中化については、どの範囲で、どういう方式でという議論になります。簡易な地中化ということも考えたいのですが、これはまだセットアップできていません。普通に掘ると1キロを地中化するのに1億円ほどかかってしまいます。例えば、数千キロメートルを地中化しようとすれば、数千億円かかってしまいますので、現実的ではありません。バッテリーを置くとして、バッテリーは1局あたり数百万円かかりますが、22万局で数千億円かかってしまいます。これから計画的に織り込んでいくということになるかと思います。

 統一 ERPについて、グローバルと国内を合わせてどのくらいの投資になるのか。導入するとしたらどのシステムになるのか。

 実例として、海外ですが、NTTセキュリティの社長を兼務していた時に、S/4HANAを導入しました。社員1,500人くらいで30億円から40億円くらいかかりました。これの10倍から20倍くらいになるでしょうか。グローバル全体で500億円前後かかるものと思います。国内については、年間で3,000億円くらいをIT全体に使っています。大胆に推計して、ERPがITシステムのコスト全体の1/3だとすれば年間1,000億円になります。これをリプレースしていくとすれば、上限がそういう数値になろうかと思います。精緻に積み上げていないので何とも全体感は言えませんが、海外で数百億円、国内ですと1,000億円を上限とするようなレベルかと考えています。システムそのものは今、海外はSAPを利用していますので、これのクラウド化を図るということになります。国内もそれに準じて考慮したいと考えています。

 災害の話だが、今回の台風15号、19号は何が想定を超えていたのか。また、ワイヤレス固定電話はNTTドコモの回線を利用して0ABJ電話をするという理解で良いか。

 今回の台風15号、19号のどちらも非常に広域化して、分散化している状態であったことです。特に、台風15号の千葉県の場合は、風による倒木により非常にアクセスしにくい状態でした。ケーブル故障だけで1,400か所くらい出ました。引き込み線など個人の家の故障については、現時点の推計で3.5万契約ほどのお客さまが切れました。離散型で故障が発生したために、故障修理班もかなり多く投入する必要が生じたというのが想定以上でした。また、台風19号で言うとあれだけ河川が決壊しましたので、想定している水位よりも高い浸水が発生し、電話局が1局、基地局が7局水没しました。復旧にはそう時間はかかりませんでしたが、想定以上だったと受け止めています。
 ワイヤレス固定電話ですが、現在、ユニバーサルサービスの対応で検討しているMVNO型のワイヤレス固定電話を災害時にも適用できないかということです。これは制度ができて、開発をしてということで2年近くかかってしまうのですが、でき上がると非常に有効なものになります。携帯電話の方が固定電話より早く直るケースが多いので、その電波をNTTドコモとは限りませんが、どなたかの電波を借りて提供するというように考えています。

 今回の減益の要因の一つとして、海外事業の構造改革費用が積みあがったという説明があったが、この構造改革がいつ頃を目途に減益インパクトが無くなり、利益につながるのか、その目安を教えて欲しい。

 NTT Ltd.の話になりますが、マイグレーション期間をトータル2年、あと1年9か月で実現していこうと考えています。

 国内事業のデジタルトランスフォーメーションについて、申し込みから利用料金請求を含めて自動化するICTの導入という話があったが、システムの導入にはどれくらいの投資が必要なのか、また効果についても教えて欲しい。

 積み上げているわけではないので正確な数字はないのですが、IT全体のコスト3,000億円のうち、ERPが1,000億円、データベース関係が1,000億円で、残りのプロセス関係が1,000億円だと大胆に推計すると、やはり1,000億円が上限というイメージになるのではないかと考えます。それをどこまで落とせるかというのが、入り口での効率化になるのですが、そこはシステムをどれくらいの規模でどう組むかになるのでわかりにくいです。運用の方は1万人分の稼動がいらなくなるということになりますので、年間で数百億円規模のコスト効果が出てくると想定しています。

 総務省から情報通信の包括的検証の最終報告書案が出ているが、NTTグループから見ると、NTT東西や持株会社も含めた共同調達の解禁であるとか、ユニバーサルサービスにおけるワイヤレス固定電話の件であるとか、規制緩和もある一方で、NTT東西の光サービス卸については規制強化の方針が出ていると思うが、これらをどのように評価するか。

 共同調達やユニバーサルサービスについては、こちらからもいろいろと要望をしてきたところでもあり、非常にポジティブに捉えています。ローカル5GへのNTT東西の参入についても、非常に前向きに捉えています。卸については、規制の中には接続と卸がありますが、光のアクセスラインについては、接続ではなく、商売としての卸サービスとして提供しています。ここに規制を入れるというのは、全世界的に見てもあまりない状態ですので、総務省と良く話をさせてもらい、我々が政策意図に応じた活動ができるのであれば、卸規制も変化するのではないかと考えています。議論をしていきたいと思います。

社長記者会見の様子

 JAXAとの共同研究についてだが、研究費の規模、関わる人員規模など、決まっていることがあれば教えて欲しい。また、宇宙ビジネスは衛星の小型化などにより大きなビジネスになると言われており、衛星通信は非常に課題になってくると思うが、いつ頃までにビジネスに参入したいという意欲はあるか。

 まだ決まっていません。まずはお金というよりは頭脳が必要です。実験段階になれば、何億円という規模のお金が必要になってくると思いますし、実証実験になればさらに必要になると思いますが、現時点で決まっていることはないです。
 ビジネス参入については、まだ市場ができていないので、市場ができてくるのに合わせて出していけるものは出していきたいと考えています。単に衛星を打ち上げて地球に帰ってくるだけでなく、商業衛星や国の衛星が衛星間で情報交換、エクスチェンジをする時代が来ると思いますので、その時に研究している通信方式が採用されるように働きかけていきたいです。今はまだ市場自体を同定できないので、答えにくいです。

 グループの共同調達が容認されることになったが、これから共同調達をどのように進めていく方針か。スキームや対象、想定されるコスト削減効果の見通しがあれば教えて欲しい。

 昨年の秋に、グローバルで調達をする会社、NTT Global Sourcingをアメリカのダラスに設立しました。既に60億円ほどの効果を上げていますが、持株会社とNTT東西は対象に入れていません。これが現在の状況です。持株会社とNTT東西は、他の国内競争相手に影響を与えるということでかつては共同調達をしないようにと指導されてきました。今回、その指導が解除になり、共同調達はしても良いが公正競争条件は守るようにという整理です。排他的なというか、公正競争条件を歪めるようなクローズドな調達を我々だけでやることはありません。調達ボリュームをグローバルで増やすことにより、例えばルータやサーバ、ソフトウェアの調達価格を落とすのが第一義の目的です。
 ハード、ソフト両方のITの汎用品というのが対象の一つになります。さらに役務があります。出張で利用するホテルであったり、航空券であったりといった共通費用をグローバルベースで落とす取組みになります。三つ目は、仕様変更が要るので時間はかかりますが、特別仕様で作っているものを汎用化してまとめて購入するというものがあります。対象としてはそのようなセグメントがありますが、最終的にはあらゆるものを共同調達できればと考えています。
 どこまでの範囲でやるかというのがありませんので、コスト効果の想定は難しいです。現在の効果が60億円ほどと言いましたが、NTT東西が加わることなどで、倍近くになるのは間違いないです。

 IOWN Global Forumについて、澤田社長の意気込みを聞かせてもらいたい。今後、どのくらいの企業、どのような企業に参加してもらいたいというものがあれば教えて欲しい。

 NTT、インテル、ソニーの3社がやはりこれからもコアになります。インテルの社長のボブ・スワン氏ともいろいろと話をしましたが、彼らもやはりフォトニクスを目標化しているので、我々のフォトニクスの技術と合わせて、チップ間やチップ内のフォトニクス化を進めていくことを前向きに意識しています。ソニーの吉田社長とも当然話をしており、デバイスをどうフォトニクス化して、そこにアプリケーションを載せ、お客さまにとって使いやすい、かつクールなデバイスをどれだけ広めていけるかということになります。いろいろな知識とアイディアを一緒に議論していきたいというのがコアメンバーの想いです。
 IOWN構想は、10年後くらいに実現する構想ですが、広義の意味での情報通信ネットワーク、あるいは基盤の構想ですので、コアのプロダクトだけでなく、そこでサービスを支える、例えば通信キャリアであったり、プロバイダであったり、ソフトウェアを作る方であったりが、次の我々のコア、仲間、パートナーだろうと思っています。それをハード側で作る方は、むしろマルチベンダーで入っていただくような意識を持っています。数はあまり意識していませんが、やはり貢献をしていただけるような企業の方と一緒にやりたい、さらに社会科学的な部分での議論もIOWNの上位レイヤにおいては必要になりますので、そういう連携ができる方に参加してもらいたいと思っています。

 アップルがiPhoneをサブスクリプションで提供する可能性について言及したとの報道があるが、iPhoneがサブスクリプションで提供した場合の携帯電話事業に与える影響、あるいは携帯電話のサブスクリプション提供についての考えを聞かせて欲しい。

 携帯電話会社にとって大変な脅威だと思いますが、元々、eSIMの議論の中で出ていた話ですし、いずれは端末事業者、特にアップルはいわゆるサブスクリプションモデルと言いますか、顧客を直接持って、そこにキャリアがサービスを提供するという構造があり得るわけです。それに対して、我々も新しく付加価値の高いサブスクリプションモデルを提供していく、その場合、5Gはスマートフォンで提供されるのではなく、もっと機能が分化したもの、例えばNTTドコモの「マイネットワーク構想」がそれに対する答えになってくると考えています。競争もするし、協業もするというようなことを考慮していきたいです。

 ワイヤレス固定電話だが、海外のように高速のワイヤレスアクセスで市内網を作るということも考えられるが、そこに踏み込む考えはないのか。

 コストの問題もありますし、そういうところにまだ踏み込んでいるわけではありません。
 ユニバーサルサービス用に開発をしていくワイヤレス固定電話を、災害時にも適用していきたいという考えです。

 東芝がIoTのオープンコミュニティをつくり、来年の春にスタートする発表があったが、NTTグループとしてここに入る予定はあるのか。

 既にNTTドコモが「Project Linking」というプロジェクトで東芝と連携しており、今回のコンソーシアムに入らなくても連携はできているので、基本的には入らないという方向になろうかと思います。

 個人株主に魅力的な施策として株式分割以外に考えていることがあれば教えて欲しい。また、現状の配当性向40%超については継続を考えているのか。

 私たちの基本的な株主還元は継続な増配です。常に増配していきたいので、配当性向を目標にしているわけではありません。配当性向を目標にすると、利益が減ると配当額も減ることになるので、そういうことのないようにしたいと思っています。
 併せて自己株買いを実施し、買い増した自己株を消却しています。それにより1株あたりの価値が上がります。NTT側から言うと配当する株数が減るので、一株あたりに配当できる資金が潤沢になり、配当額を増やせる、そういうマッチングをしています。
 このやり方は、機関投資家、個人投資家の両方に効果があり、株主平等原則に沿っているのですが、今回は個人投資家に着目しています。株式分割は全体に効果がありますが、ポイントは個人に出すということなので、機関投資家も一つの個人だとすれば、1,500ポイントしかもらえません。そういう意味で言うと個人投資家にシフトした政策です。ただ、規模感は大きくなく、NTTドコモの自社商品です。個人でdポイントに入っていない方に入っていただくことで営業的に広がることになりますので、結果、機関投資家にとっても良いことですし、個人株主が手放しにくくなるので、株価も荒れない、落ち着くと捉えています。

以上

関連情報
2019年度 第2四半期決算について