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社長記者会見

2020年2月6日(木)

社長記者会見の写真

2019年度 第3四半期決算について
澤田代表取締役社長
(同席)廣井取締役財務部門長
    北村取締役経営企画部門長


 会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(澤田社長)

 2019年度の第3四半期連結決算の概況についてご説明します。

 一言で申しますと、増収減益です。営業利益は減益、当期利益は増益となっています。
 営業収益は、第3四半期として過去最高です。さらに3期連続の増収となっています。
 営業利益は、NTTドコモのモバイル通信サービス収入減に加えて、海外事業の再編に係るコスト増などにより、対前年減益となっています。
 なお、四半期別の利益計画は開示していませんが、計画を上回って推移している状況であり、年間でも利益計画を上回るように対応していきます。
 当期利益の増益理由ですが、エネットの連結子会社化の際の評価益が影響しています。
 海外売上高および海外営業利益率について、海外売上高は増収、つまり国内外ともに営業収益は増収となっています。ただ、海外営業利益率は、再編に係るコスト増、高付加価値サービスへのシフト遅れ、ブランド強化のための費用増などにより、今期は対前年でマイナスになっています。

 次にセグメント別の状況です。
 営業収益は、データ通信事業の増収及びその他事業におけるエネットの連結子会社化などが牽引し、増収となっています。
 営業利益で大きくマイナスとなっているのは、移動通信事業です。値下げ影響で減益となっていますが、計画を上回って推移しており、年間計画を上回るべく取組んでいく考えです。
 地域通信事業については、前年度と比べると前年度に実施したメタルケーブル関連損の計上が今年度はないために対前年増益となっており、年間についても計画を上回るべく進めていきたいと考えています。
 長距離・国際通信事業については、再編の影響により、グローバルにおける計画達成は難しい状況ですが、昨年の後半から構造改革、合理化を前倒しで推進しています。年間計画達成に向けて、引き続き取組んでいきます。
 データ通信事業、その他事業は、ほぼ前年並みとなっています。

 主なトピックスについてご説明します。

 本日発表しましたが、東京センチュリー社とリース事業、および新分野で協業することにしました。その一環として、資産が1.3兆円、負債が1.2兆円あるNTT側のリース事業を切り出してオフバランスし、東京センチュリー社と50:50の合弁会社を設立します。この合弁会社は、持分法適用会社になりますので、営業利益としては減るのですが、負債を1.2兆円減らすことができます。
 先般のNTTドコモの決算発表で、売掛債権の流動化を発表しました。これも拡張していこうと考えています。
 実はこの二つは戦略的に取組んでいまして、アセットを流動化する、またはオフバランスして、より効率的なお金の使い方をし、そこで生み出されたキャッシュを成長投資や株主還元にまわしていきたいと考えています。一般的には内部留保の活用を考えますが、それに限らず、より積極的な事業展開を図るために、内部にある資産を活用していきたいと考えています。さらに東京センチュリー社とは、データセンター、環境・エネルギー、不動産などの資金需要が大きい新分野においても、協業していきたいと考えています。

社長記者会見の様子

 三菱商事との産業デジタルトランスフォーメーションですが、特に食品流通、産業素材流通のDX化を一緒に進めます。さらに位置情報ビジネスのためにHERE社へ共同出資をします。
 同じ12月には、マイクロソフトとの戦略的提携を発表しました。特にグローバル・デジタル・ファブリックと呼んでいる、NTTのインフラとマイクロソフトのクラウドを重ね合わせた基盤を全世界のお客さまに提案していきます。さらにセキュリティやソーシャルロボティクスなどの企業向けデジタルソリューションを開発します。中長期的には、マイクロソフトも消費電力の抑制にかなり注力しており、IOWN、オールフォトニクスネットワークの分野で、一緒に開発をしていきます。

 スマートシティについてです。ラスベガス市との取組みについては何度もお話していますが、パイプラインが70ほどに増えています。そのうちの2つが2月にスタートします。マレーシアのサイバージャヤ地区と田園調布雙葉学園に、コグニティブファウンデーションを用いたデータ活用のための基盤を導入します。

 今年、「CES2020」に初めて出展しました。1万人を超える方々に来場いただいたほか、NTT関連動画の再生が、2月3日時点で2,680万アクセスありました。3週間で2,500万回を超えるアクセスをいただき、少し驚いています。かなりIOWNへの関心が高いということなのだろうと理解しています。

 今週、京都大学と発表しました医療情報の活用についてです。本当の意味で人々に役に立つような医療のビッグデータを効率的に集積して、解析できる基盤を構築しようということです。投入するソフトウェアが、非常に弾力的で、いろいろな電子カルテとインターコネクションができます。「PRiME-R」という会社を設立し、参画して頂ける医療機関を増やしていきます。
 eスポーツへの取組みですが、新会社を設立しました。さらに来年度は、ローカル5Gに取組んでいきます。

 ESG経営の推進についてです。
 ダイバーシティ&インクルージョンにおいて、昨年のダボス会議で提案されている障がい者の活躍推進の国際イニシアティブ「The Valuable 500」に加盟しました。
 さらに、2月20日から、株式会社オリィ研究所の「OriHime-D」という約120cmのロボットを遠隔操作して、本社ビルの受付にて、お客さまの受付やご案内などを行うトライアルを実施する予定です。動かしているパイロットは、身体が不自由であったり、外出が困難な方々です。パイロットからお客さま側の状況は見えていますが、お客さまからパイロットの側は見えずに、遠隔でお客様を会議室にご案内するというトライアルを開始します。トライアルがうまくいけば、採用し、実際に仕事として、障がい者の方に働いてもらう機会を提供したいと考えています。株式会社オリィ研究所としては、これまで複数回、カフェでの実験をされていますが、オフィスでの勤務を実施されるのは、今回が初めてになるようです。

 私からの説明は以上です。

質疑応答

 海外事業は、事業再編にかかるコスト増が要因で利益率が悪化しているとのことだが、具体的に何にコストがかかっているのか。また、足元の構造改革を踏まえて、海外の利益率についての見通しについて教えて欲しい。

 事業再編については、3ヶ月おきに目標値を決めて、順調に、あるいは前倒して進めています。ITの導入などによる業務の効率化も3ヶ月毎の2年間の計画がすでに出来上がっており、当初は予定していなかったコストが入ってきています。加えて、合理化を進めていますので、そのコストが増えています。そういうものの総体でコストが増えています。
 2023年度に7%の営業利益率にする予定ですが、そのブレイクダウンをすでに終えており、それをオーバーライドする形で計画をセットできています。NTT Ltd.は、今は少し赤字になっていますが、2020年度に向けて早いタイミングで黒字に戻すようなターゲティングが進んでいます。2023年度の利益改善額のうちの半分は合理化、半分は新しい付加価値サービスの拡大です。

 債権の流動化について、足元で積極化しているNTTドコモ以外にも、持株やグループ全体で取組む余地があれば教えて欲しい。

 グループ全体として、アセットを流動化してキャッシュの効率性を上げるという方針にしました。その結果、dカード債権や端末割賦債権など、NTTドコモだけでも債権化できるものは多いです。今回は、持株とNTTファイナンスとが一緒にリースをオフバランス化していますが、既に昨年、データセンターのグループ共通会社を作っていますので、ここに外部資金を入れると、データセンターもオフバランスされます。不動産もリートのような形でオフバランスが可能です。これから6,000億円規模の投資をしていこうと思っているエネルギー関係もファイナンス関係のパートナーと組んでオフバランス化、流動化しながら進めていきたいと考えています。多岐にわたります。

 流動化可能な資産規模はどのくらいか。

 不動産として上がっている資産は1兆円です。NTTドコモのdカード債権と端末割賦債権でも1兆円を超えます。データセンターはこれからどれだけ増やすかにもよりますが、数千億円は超えていきます。エネルギーは6,000億円規模の投資をめざしていて、これが流動化対象にもなります。したがって、トータルでは数兆円規模となります。私どもの22兆円あるバランスシートをどう筋肉質にしながら、生きたお金を作っていくか、ということになります。

 今後、協業していく分野という話が出たが、具体的な取組みを紹介して欲しい。

 東京センチュリー社は、もともとは第一勧業銀行系、みずほ銀行系のリース会社ですが、普通のファイナンスだけでなく、オペレーション込みのリースを非常に拡張されています。航空機リースのような大きなリースを含めてです。私たちがデータセンターや不動産などの事業を行うのに有用なノウハウを持っておられ、一緒に引っ張ってもらえるのではないかと思います。実績的にも、東京センチュリー社との間には日本カーソリューションズという合弁会社を持っています。これは私たちの自動車リースを切り出した合弁会社ですが、数年間でかなり業績を上げていただいています。どの分野が次に該当するかは、これから勉強しなければならないのですが、多岐にわたるのではないかと思っています。

 中国発の新型肺炎(COVID―19)が経済活動にも影響を与え始めており、NTTにおいても端末や基地局の調達に影響が出るのではないかと考えている。この影響や見通しを教えて欲しい。

 非常に憂慮しています。経済活動にも実際に影響が出始めていますので、私たちのビジネスに直接的、間接的にどういう影響を与えるかという懸念があります。在宅勤務により、通信を使っていただくという部分も同時に出ていますが、全体的にはビジネスが縮小する方向なのではないかと思います。
 サプライチェーンについては、各段階でベンダーがシフトを図るだろうと思っています。そういう意味では、最終製品としての端末にどの程度の影響があるかと言いますと、影響が出ないようにベンダーが動くのではないかとは思いますが、今日時点で27,000人の感染が確認されたと聞いていますので、終息はまだ見えず、まだわからないというのが実態のところです。

 これから携帯端末は春商戦、基地局は5Gの商用化という時期を迎えるが、(中国の)工場停止により影響が出るのではないか。

 NTTが直接契約をしている基地局メーカーの中に中国メーカーはいません。最終的なアセンブラーとして、中国で部品を作ったり、契約したりしている場合にどういう影響になるかということだと認識しています。利用者であるオペレーター側としては、支障の無いように対応してもらいたいというのが本音です。現時点での状況はわかりかねますが、サプライチェーンのバックアップの検討を始めていると認識しています。

社長記者会見の様子

 新型肺炎の関連だが、テレワークなど、NTTとしての現状の取組みを教えて欲しい。

 5,000人近い社員が香港を含めて、中国にいます。NTTデータのオフショア開発の方が多く、大半は現地の方ですが、基本、在宅勤務にしています。武漢にも6名の社員がいて、小さなオフィスがありますが、在宅勤務です。香港も特定のオペレーションの人を除いてすでに在宅勤務です。つまり今、ほぼリモートで事業を行っており、活発な営業活動などはできていません。さらに、全世界から中国への出張は基本的に禁止し、かつ中国から各国への出張もしないということを先週の段階で全世界に通達しています。

 3月に5Gが商用化するが、ドコモの吉澤社長はアンリミテッド的なもので、4Gの価格よりも若干高めと言っており、アメリカは10ドルをプラスするような価格体系になっている。5Gの料金体系についての澤田社長の考え方を聞きたい。

 吉澤社長からは、いつスタートするか、内容がどうかなどは教えてもらっていないので、まだわかりません。ドコモは、おそらく日本の中では一番、5Gのスタートダッシュができると思いますし、既に3,000以上の企業の方と連携しています。料金サービスについては、ビジネス向けとコンシューマ向けとを分けて、どちらについても、お客さまが使いやすい、抵抗感のない料金プランを作って欲しいというのが一つ目です。
 二つ目は、ビジネス向けであれ、コンシューマ向けであれ、どういう端末を用意できるのかです。特に5Gの場合は、当初はビジネス向けが多くなると思いますが、そのエンドポイントでどういう端末を出していくのかです。私が非常に関心を高く持っているのは、ドコモのマイネットワークという構想で、いろいろな端末をどうドコモがソリューションとして、提案できるのかという端末の議論です。これが二つ目で、セットの議論になると思います。
 三つ目は、料金水準の問題ですが、確かに5Gの良さを活かした少し高めというのはあり得ると思いますが、お客さまのセグメント別にどういう料金体系を作るのかということに期待しています。若い方、お年寄りの方、あるいはよく使われる方、使われない方、いろいろな分け方があると思いますが、期待しています。

 5Gの設備導入に関するヨーロッパの動きだが、イギリスでは、ファーウェイ製品を完全には排除せず、部分的には利用可能とするなど、いろいろ方針が決まってきている。以前よりNTTはファーウェイ製品を導入しないと明言しているが、日本での方針のあり方、およびヨーロッパの動向の受け止めを伺いたい。

 ヨーロッパの動向の受け止めですが、イギリス自身が苦しかったのだろうと捉えています。ボーダフォンでも、ファーウェイ製品を取り換えるのに300ミリオンポンドくらいの投資がかかるという報道が出ています。イギリス政府は、ファーウェイ製品を使わないようにとアメリカから言われている一方で、事業者サイドがこれまでファーウェイ製品を導入しているので、基盤そのものを取り換えるにはあまりにも多くの時間とお金が必要だということで、クリティカルなところは禁止し、それ以外は利用しようという、中間策を出されたと理解しています。
 NTTなど、ファーウェイ製品を使っていない会社においては、ファーウェイ製品をメイン機器として導入すると、逆にお金がかかるということになります。日本のオペレーターはファーウェイ製品を導入しにくい環境になっているというのが一つ目の受け止めです。実際そういう経済的な状況に配慮しながらイギリス政府は苦渋の選択をされたのかなと理解しています。
 一方で日本ということですが、トラステッドという言葉が政府でも使われるようになっていますので、そうした方針も踏まえ、信頼のおけるベンダーを利用して信頼できるサービスを出していくというのが我々の務めでもあると思います。基本的には日本では、そうではないベンダーは使わない方向に行くのだろうと受け止めています。
 三つ目ですが、NTTとしては一つ目でも言いましたようにコスト上も不利だということと、何度か申し上げていますが、ビジネスとしてアメリカ連邦政府もお客さまでありますし、アメリカ政府機関と取引のある会社は今年の8月13日以降、指定されている五つのベンダーの製品は使えないというのが国防権限法2019で定義されていますので、私どもはそれをフォローしていきます。
 いろいろなエコノミクスと法律上の問題を踏まえて、各会社は判断していくのだろうと理解しています。

 リプレイスのコストの面とか、アメリカの政策をフォローする面などは理解できるが、信頼性という面でファーウェイ製品に懸念が残っている部分があるということか。

 先程の質問では、「日本での方針のあり方」というご質問だったので、今、日本国としてはトラステッドデータとか、トラステッドパートナーといった言葉がよく出ており、実際5Gの税制優遇にあたっても、信頼性や供給安定性といった基準を満たすベンダーを使って欲しいという方向にあるという意味で申し上げました。事業者というよりも、まず日本国の政策当局としてどういう考え方かということになります。私が全部申し上げる立場にはないので、そういう方向にあるということだけをお話したつもりです。

 IOWNについて、今後のスケジュール感、あるいは規模感など、期待感を含めて、改めて伺いたい。

 期待感は大きいです。まだオープンではないですが、コアメンバーのインテルとソニーとNTTの間では大体のフォーメーションなり、議論が固まっていまして、近々グローバルフォーラムの構成についてお話ができると思います。既に130以上の会社に興味を持っていただいています。私どもとしては、4月頃には一回目の全体会合を行いたいと思っており、そこでロードマップを示し、議論することになります。
 IOWNというのは非常に大きな全体像になります。チップサイド、システムサイド、情報通信のプラットフォームサイド、アプリケーション。かなり大きなゲームチェンジを意識している基礎技術ですので、影響範囲が非常に大きくなります。ステップを区切りながら、特に基礎的な技術で実現できるもの、例えば来年できるもの、再来年できるものみたいなものも提示しながら10年に至るようなロードマップを1回目の会合で議論できるようにしたいと考えています。規模の議論はそれが出た上で、さらに実施主体を議論した上での議論になると思いますので、まだ規模まではリーチできないという状況です。

以上

関連情報
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