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「つなぐコラム」“地球にちょうどいい暮らし方”

第10回 アースアワー 〜みんなで「地球にちょうどいい暮らし」を始める日小田 倫子

つなぐコラム「地球にちょうどいい暮らし方」も最終回となりました。
連載を通じて、気候変動をくい止め、生物多様性をまもり、豊かな地球を将来の世代に引き継いでいけるかどうかは、結局のところ、これからの一人ひとりの選択と行動にゆだねられていることをお伝えしてきました。たとえば、仕事で関わる製品やサービスがサステナブルなものになるように、家庭で消費する電気や食品・物品が環境に配慮されたものになるように、今日できることから行動に移してみることが、「地球にちょうどいい暮らし方」を実現するスタートです。

地球環境をまもろうという思いや行動を世界中で「つなぐ」キャンペーンとして、WWFは毎年アースアワーを開催しています。アースアワーは、2007年に、WWFオーストラリアが「一人ひとりの力を合わせ、みんなの気持ちがつながれば、必ず温暖化を防げる」という強い思いのもと、気候変動のキャンペーンとして始めました。参加の輪は世界中に広がり、毎年アースアワーの1時間、世界各地の消灯リレーが地球を一周し、多くの人々がさまざまな環境のアクションに参加します。2018年3月のアースアワーには、188の国と地域が参加しました。イギリスのビッグベン、フランスのエッフェル塔、ギリシャのアクロポリス、イタリアのトレビの泉、エジプトのピラミッド、ロシアのクレムリン、スペインのサグラダファミリア、米国のエンパイアステートビル、日本のスカイツリー、東京タワー、通天閣、原爆ドームなど、約17,900のモニュメントが消灯しました。日本からは、8つの自治体、1,004の企業・団体・施設、そして多くの個人が参加し、SNSなどを通じて数多くのアースアワーのメッセージが発信されました※1

WWF主催アースアワーのロゴ

WWF主催アースアワーのロゴ

世界各地のアースアワー消灯施設

世界各地のアースアワー消灯施設

日本各地のアースアワー消灯施設

日本各地のアースアワー消灯施設

コラム連載中の2018年10月、WWFの新しい「生きている地球レポート(2018)」が発表され、地球環境の厳しい状況が改めて確認されました※2。人の活動による地球への負荷を表す「エコロジカル・フットプリント」(コラム第1回『人の暮らしと地球の「収支」〜エコロジカル・フットプリント』参照)は2年前の「地球1.6個分」から「1.7個分」へと悪化、世界全体の生物多様性の豊かさを示す「生きている地球指数」は過去40数年間で60%も減少したことが報告されています。このまま何もしなければ、森や海の恵み、健全な生態系によってもたらされる豊かさ、そして安定的な気候によって支えられている私たちの安全な暮らしが、近い将来、大きく脅かされることは間違いありません。

このような危機を脱するための行動の指針は、既に示されています。気候変動枠組条約のパリ協定で合意された「脱炭素」社会の実現とそのための再生可能エネルギーへの転換、生物多様性条約の2050年目標である「生物多様性の価値が評価され、保全され、復元され、賢く利用され、生態系サービスが維持され、健全な地球の環境が維持」されるためのサステナブルな消費への変革は、破滅的な未来を避けるための不可欠の行動として、私たち一人ひとりに求められています。

もしも「自分が何かしたところで、地球規模の問題に貢献できるとは思えない」という非力感から、また「自分の職務や担当ではない」という他人事と認識して、まだ行動を起こしていない人がいるならば、一緒に取り組みを始めるきかっけとして、アースアワーに参加してみませんか。また、「何から始めればよいか分からない」という人は、ぜひ本コラム“地球にちょうどいい暮らし方”の記事をお読みいただいて、今日から始められるサステナブルな取り組みを知って、日々の生活に取り入れていただければと願っています。

アースアワーには、どなたでも、どこからでも、参加できます。世界共通のアースアワー時刻の60分間、家族や友人と、職場の仲間と、または一人静かに、地球環境のために何ができるか考えてみませんか。それによって、人と自然が調和する、「地球にちょうどいい暮らし方」が実現される未来への道が開けると信じます。

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2019年のアースアワーは、3月30日(土)午後8時半からの1時間です。各国で催しも企画され、日本国内では、この日、東京(スカイツリー)、横浜(みなとみらい)、広島(平和記念公園)の3カ所でイベントが開催されます(詳しくは下記のアースアワー特設サイトをご覧ください)。

小田 倫子(おだ ともこ)

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)職員(法人パートナーシップ担当)。
企業法務の弁護士として10年間稼働後、家族の転勤に伴い沖縄に居住したことなどを契機に、自然保護の仕事を志して保全生態学を専攻、2013年から現職。生物多様性保全や気候変動への取り組みに関する企業との協働プロジェクトの提案、実施業務を担当。趣味は里山散策と水生生物の観察。東京大学法学部卒、同大農学部(保全生態学専攻)卒、カリフォルニア大学バークレー校法学修士(環境法等専攻)。

写真:小田 倫子(おだ ともこ)
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